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エラリー・クイーンの災難 飯城勇三編 |
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アンソロジー(国内編集者) | 出版月: 2012年05月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
論創社 2012年05月 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2012/12/17 12:10 |
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エラリー・クイーンの贋作&パロディを集めたアンソロジー。ホームズに関しては掃いて捨てるほど出ているのに、クイーンのものは”世界初”というのがちょっと意外でした。
贋作編のなかでは、エドワード・D・ホックが「インクの輪」と「ライツヴィルのカーニバル」の2編収録されていて、前者がミッシング・リンク(パターン探し)テーマの傑作。単なるパスティーシュにとどまらず、犯人特定のロジック展開など本家と比べても遜色ない出来です。クイーン名義の代作もしているホックですからパステーシュはいわばお手の物でしょうけど。 他の作家のものでは、”ダイイング・メッセージ探し”というような「本の事件」もマニアックでよく考えられた内容の作品です。クイーンが老齢なのにニッキィがなぜ若いのか?と思っていたら・・・オチも面白い。 パロディ&オマージュ編では、探偵クイーンだけでなく、ミステリ作家や編集者としてのクイーンもネタにされている。 ネタ的にはピンとこない微妙なものもありますが、面白かったのは、スティーブン・クイーン作の「ドルリー」で、『レーン最後の事件』の結末が許せない熱狂的ファンが、作者のバーナビー・ロスを監禁し復活譚を書かせようとする話。この作者名とタイトルといい、どっちかというとクイーンじゃなくてキングのパロディだろ(笑)。 |