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松本清張編 黒い殺人者 海外推理傑作選3 |
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| アンソロジー(国内編集者) | 出版月: 不明 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
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| No.1 | 6点 | 人並由真 | 2026/01/13 18:42 |
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| (ネタバレなし)
松本清張編(名義貸し?)の、翻訳短編ミステリアンソロジー「海外推理傑作選」(全6巻)の第3集目。収録作は以下の通り。 けちんぼハリー / リチャード・ハードウィック 血なまぐさい家系 / リチャード・デミング サマー・キャンプ / ドナルド・ホニッグ 相続人の死 / エド・レイシー 黒い殺人者 / ロバート・C・アクワース うそつき / ウィリアム・ブリテン 静かなる逆流 / スタンレー・アボット テーブルの男 / C・B・ギルフォード 観察 / アーサー・ポージス 七番目の男 / ヘレン・ニールセン 久々にこのアンソロジーを読んで、収録作品のほぼ全部がごっつう面白かった第4集「密輸品」に比べると、さすがに全巻あのボルテージは維持できない、という感じで、こっちはトータルではやや弱く感じた。 それでも巻頭の3本(ハードウィックやデミング、ホニッグ)など、往年の日本語版「ヒッチコック・マガジン」の掲載作みたいな歯応えで、小粋な短編ミステリを読む愉しさが満喫できる。表題作は、ああ、そういう意味(趣旨)のタイトルの作品ね、という思い。 レイシーがなあ、作者の狙いはわかるし、よく出来ているのかもしれんが、ちょっとこの路線アンソロジーで読むのは違うだろ、という感じ。 いや、もっと破格なのは最後のニールセンで、1960~70年代の日本語EQMMかHMMの巻末に載ったボーナス中編みたいな感じで、その意味では懐かしく良かった(&まあ、読み応えもあった)が、いかんせん、レイシー以上にほかの作品と共存する空気を読まない(?)場違いな作品が来てしまった、という印象(笑)。 だがその前のギルフォードとポージスはなかなか良かった。ギルフォードはどっかでこの2020年代に、日本のミステリ研究家による個人作家短編集出してくれんかな、という感じ。ジャック・リッチーみたいな感じで需要があると思うんだけど。ポージスは死体処理テーマの作品だが、トリックの創意もさながら全体の奇妙に静謐な雰囲気がとても良い。終わりの方に当たりが出た! という手応えであった。 なんだかんだ言っても、残りの巻も一冊ずつ消化するのが、とても楽しみではある。 |
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