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横丁の名探偵 犯人当て小説傑作選 犯人当て小説傑作選 福井健太編 |
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| アンソロジー(国内編集者) | 出版月: 2025年11月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 東京創元社 2025年11月 |
| No.1 | 6点 | kanamori | 2026/02/24 09:11 |
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| 創元推理文庫版「犯人当て小説傑作選」の2巻目。今巻は昭和後期から平成初頭あたりに発表された作品から精選されたもので、前巻と比べて分量がある作品が多いので、読み応えがあります。特徴としては、消去法推理や、秘密の暴露などのオーソドックスなものは少なく、いわゆる仕掛けものが多い印象があります。
他のアンソロジーや個人短編集で読んだ覚えがある作品が少なからずありますが、内容を憶えていないので全く問題はありませんw 収録7編のうち、気に入った5編を下記に書いておきます。 表題作の仁木悦子「横丁の名探偵」は、長屋のご隠居が、八っつぁんや熊さんを前にして、掛軸の盗難事件を、安楽椅子探偵で謎解きする愉しい作品です。 泡坂妻夫「ダイヤル7」は、元刑事が講演で話す昔の事件が問題編になる構成で、平凡なアリバイ崩しものが、ラストで大仕掛けが炸裂する作品です。蛇足として明かされる小ネタは、鮎哲の某犯人当て短編のオマージュでしょうか。 今邑彩「時鐘館の殺人」は、作中作である下宿屋仕様の舘で起きた殺人事件の謎解きが終わったあとに、読者への挑戦ではなく、読者から作者に対する挑戦状があるのが面白い。 中西智明「ひとりじゃ死ねない」は、あの長編「消失!」の作者と言うことから方向性は推察出来るが、あざといばかりの騙りが賛否が分かれそうです。 巽昌章「埋もれた悪意」は、読者の先入観や思い込みを利用したミスディレクションが冴えた傑作と言えよう。とてもアマチュア時代に書いたものとは思えない。 最後の二人は、犯人当てパズラー創作の「虎の穴」こと、京都大学ミス研出身で、収録作品は在学時に書いたもののようです。 |
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