皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
世界推理短編傑作集3【新版】 江戸川乱歩編 |
|||
---|---|---|---|
アンソロジー(国内編集者) | 出版月: 2018年12月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2018年12月 |
No.2 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2021/04/28 17:29 |
---|---|---|---|
新版(世界推理短篇傑作集)と旧版(世界短編傑作集)とでは、3編が入れ替わっています。④~⑩は旧版で評価済み。
①「三死人」イーデン・フィルポッツ 9点 三人が殺されたが動機が見当たらない。証拠を積み上げて謎を解くものではなく、状況証拠から心理を読み解くもので感心感心(笑) ②「殺人者」アーネスト・ヘミングウェイ 3点 題名は「殺し屋」が妥当でしょうね。二人の殺し屋が町の食堂にやって来て、ある人物を殺そうとする。絶品であるらしいが、短編としてのオチもなくよくわかりません ③「窓のふくろう」G・D・H&M・コール 7点 ラッパ銃(散弾)で撃たれた死体。犯人はどこから撃ったのか?部屋にはそれらしい場所がない。血痕から思わぬ展開 ④「キプロスの蜂」アントニー・ウイン 7点 ⑤「堕天使の冒険」パーシヴァル・ワイルド 6点 ⑥「茶の葉」エドガー・ジェプスン& ロバート・ユーステス 7点 ⑦「偶然の審判」アントニイ・バークリー 9点 ⑧「イギリス製濾過器」C・E・ベチョファー・ロバーツ 4点 ⑨「夜鶯荘」アガサ・クリスティー 6点 ⑩「完全犯罪」ベン・レイ・レドマン 6点 |
No.1 | 7点 | ことは | 2020/05/04 23:28 |
---|---|---|---|
1920年代に入った3巻は、ヴァラエティにとんでいるといえます。
「茶の葉」のようなトリック1本勝負の作から、ヘミングウェイまで。これがミステリの幅の広さだというセレクションがよいです。 1作選ぶとすれば「偶然の審判」です。「偶然の審判」とくれば「毒入りチョコレート事件」との関係ですが、解説で触られているのは、「The Avenging Chance の謎」として真田啓介さんがネットに公開している説の結論を、引き写したものと思えます。「The Avenging Chance の謎」では、1990年代に見つかった中篇版 The Avenging Chance の存在を軸とした、作品毎の差異を手がかりに、実にミステリ的に創作の裏側を推理していきます。「偶然の審判」と「毒入りチョコレート事件」の両作を読んだ謎解きミステリファンには、ぜひ読んでもらいたい傑作です。すごい説得力あり! |