皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1624件 |
No.1624 | 9点 | 黒革の手帖- 松本清張 | 2024/03/14 11:27 |
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主人公の元子(元銀行員)、波子(ホステス)、市子(看護婦長)、すみ江(料亭の仲居)の女性陣がしたたかですね。何回もTVドラマ化されていますが、結末はそれぞれ違うようです。記憶にある女優さんは、米倉涼子さん、武井咲さん。かすかに大谷直子さん。長編(上・下)なので、中々手が出なかったのですが、読んで正解。○○○はサイコ系かも?! |
No.1623 | 6点 | 羅針盤の殺意 天久鷹央の推理カルテ- 知念実希人 | 2024/03/06 20:17 |
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①禁断の果実 6点 イケメン高校生の翔馬。特定の時期だけ肝炎を引き起こし入院を繰り返していた。ベッドで様子見であったが、病状が急変。病室から見舞いの男子高校生が出てきた。しかし翔馬はそんなことはないと否定・・・意外な原因
②七色の猫 5点 いろいろな色に染められた大量の猫が発見された。NPO法人が洗浄してくれていた。法人の職員には猫のひっかき傷があり、みみずばれとなっていた。滅多にない病気かも・・・NPOのお仕事 ③潰された挑戦状 7点 女性医院長が書庫室で脳梗塞で死亡した。彼女は余命1年であったが、その前に死んだら殺されたということと言っていた。準密室であり、殺された様子はなかった・・・謎を解けるかどうかの師弟の勝負 |
No.1622 | 6点 | 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件- 白井智之 | 2024/02/29 17:58 |
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多重解決にそもそも興味がないというより、つまらない仮説ばかりというイメージを持っています。過去、多重解決で面白かった作品は2、3冊しかありません。本作は、あまりにも高評価なので、手に取った次第ですが・・・。成程というような仮説は、やはりありませんでしたし、また犯人は分りやすい?(苦笑)。題名に関する点が良かったので、この点数で。 |
No.1621 | 5点 | 夏への扉- ロバート・A・ハインライン | 2024/02/23 14:09 |
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SFの名作(1957年)とありますが、SFと捉えるとタイムパラドックスはどうなのよ?と突っ込みどころあり(笑)。よって、ファンタジーとして読むべきでしょう。でも主人公は、どうもロリコンぽくって・・・(苦笑)。 |
No.1620 | 7点 | かがみの孤城- 辻村深月 | 2024/02/17 19:49 |
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先日、TV放映されました。映画、小説、それぞれ利点はあるけれど、どうしても小説に軍配を上げざるを得ないかな・・・と思う次第。素直に感動。 |
No.1619 | 6点 | 死者の入江- カトリーヌ・アルレー | 2024/02/17 19:48 |
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夫が出張の間、精神に問題のある人妻に起こる怪奇現象。幻想なのか、現実なのか?。精神を病んだ理由と、夫が帰宅後の会話が読みどころ。 |
No.1618 | 5点 | 大いなる幻影- カトリーヌ・アルレー | 2024/02/17 19:46 |
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遺産相続にかかるドタバタ劇。ラストの展開は、登場人物にとっては腑に落ちないはず。当然、読者も・・・(苦笑) |
No.1617 | 7点 | 伝染る恐怖 感染ミステリー傑作選- アンソロジー(国内編集者) | 2024/02/05 16:42 |
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①赤死病の仮面(エドガー・アラン・ポー) 7点 ポオ小説全集3にて書評済
②瀕死の探偵(アーサー・コナン・ドイル) 7点 伝染病のクーリー病にかかったホームズ。医者ではなく、その病気に詳しいスミスという人物を連れて来てくれという・・・既に同病で若者が亡くなっている ③悪疫の伝播者(オースティン・フリーマン) 4点 老猫院の寄付箱に入っていたのはガラス管。その中身は蚤とシラミ・・・名探偵ゾーンダイクが科学捜査で推理 ④空室(マーキー) 8点 パリ博覧会を見学に来た母娘。ホテルは別室となった。娘が母の部屋を尋ねるともぬけの殻。タクシー運転手、赤帽、支配人、ベルボーイ、給仕係の誰もが母など見ていないという・・・娘は療養で入院 ⑤南神威島(西村京太郎) 7点 マイ・ベスト・ミステリーⅣ 日本推理作家協会編にて書評済 ⑥疫病船(皆川博子) 8点 母親を殺そうとした娘は理由も言わずに自殺・・・理由は父の復員にあったようだ ⑦叫び(梓崎 優) 7点 アマゾンの奥地の部落でエボラが発生。生き残りは10名に満たない。そんな中、住民4人が殺された・・・いったい何故? ⑧二週間後の未来(水生大海) 5点 自分を弄んだ上司を殺害しようと毒薬を手に入れた。コロナ禍、リモート会議でのアリバイを考えるが・・・SNSストーカー登場 |
No.1616 | 7点 | 死の匂い- カトリーヌ・アルレー | 2024/02/01 07:13 |
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ウィキによれば、アルレー氏は1922年生まれと判明したとあります。よって31才でのデビュー作となりますね。登場人物の3人は、皆、一途な人間で善人なはずなのですが、環境によって悪人になってしまうということなんでしょう。夫婦の心理的葛藤が中心に描かれていますが、私的には看護婦が一番怖かった。その行為の一文が非常に印象に残っています。 |
No.1615 | 4点 | アポロの彼方- バリー・N・マルツバーグ | 2024/01/28 20:03 |
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~西暦1981年、第一次金星探検隊が帰還した。二人乗りのカプセルから現れたのはエヴァンズ一人。船長の姿は影も形もない。船長の身に何が起きたのか?事故死、自殺、他殺?宇宙局上層部は事情聴取のため、エヴァンズを施設に監禁。過去に火星探検計画が失敗しており、宇宙計画の生存を賭けて執拗なまでの尋問をエヴァンズに行うことになった。~
第一回ジョン・W・キャンベル記念賞(SF)に輝いた傑作とのことですが、本邦では文庫化もされず、あまり読まれていないようです。SFというより文学寄りで、人間の狂気を描いた作品ですね。エヴァンズの独白が中心ですが、内容が転々として、金星人まで登場します(笑)。太陽系小史が挿入されていますが、「星を継ぐもの」はこれをヒントにしたのかも? |
No.1614 | 7点 | 白夜行- 東野圭吾 | 2024/01/18 15:54 |
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全体の流れが悪いと感じました。その原因は連作短編を長篇に書き直したことにあるようです。事前の寄せ集めの情報から、二人の逃避行の物語と勝手にイメージしていましたが全然違いましたね(笑)。余計なエピソードが多く全体がぼやけてしまった印象です。もっと短ければ9点献上できたと思います。二人の心理描写を描かないことが特徴なのかな?。刑事がいい味を出していました。 |
No.1613 | 6点 | オセロー- ウィリアム・シェイクスピア | 2023/12/31 15:42 |
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クリスティ氏の「カーテン」でポアロがヘイスティングに残したヒントはシェイクスピアの「オセロ」でした。そこで「新訳オセロー」(角川文庫)を拝読。本書もそうですが他書も動機から結末まで裏表紙に書いてある。ミステリー読みから見ると信じられない!!!。一般書を読む人はこれでも平気なんだろうか?変なところが気になった(笑)。オセローはデズデモーナに魔法をかけて結婚したが、オセローはイアーゴ―に魔法をかけられてしまったということでしょうか。イアーゴ―は性悪でエロ話を平気でする男です。当時(400年前)の貞操観念はどうだったんだろう?。オセローはムーア人(黒人)で特別だったのだろうか?。結構、この点がポイントになっているように思いました。解説によれば「寝取られ幻想」という一種の病のようです。当時は男性性が求められており、妻を完全に従属させなければならない。しかし、果たしてどうなのか?という不安感を男は持っていたようです。貞操観念より男の立場、面子ということになるのでしょうか。あと、驚いたのは、本作には種本(ジラルディ・チンティオ「百話集」(1565年))があるということでした。 |
No.1612 | 6点 | 交換殺人- フレドリック・ブラウン | 2023/12/28 21:12 |
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主人公は金欠だった。だが仕事が入り出し、殺人まで行わなくてもいいかな?と思うようになる・・・。結末の予想は相棒の裏切りであるが、さて・・・。この作品はやはり結末で評価が分かれてしまう。私は肯定派ですね。その先が気になります(笑)。 |
No.1611 | 8点 | ダイヤルMを廻せ!- フレデリック・ノット | 2023/12/24 13:55 |
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映画の原作を読むマイシリーズ。1954年ヒッチコック監督により映画化、1998年、マイケル・ダグラス氏主演でリメイクされています。「暗くなるまで待って」(1967年)オードリー・ヘップバーンさん主演も著者の作品(戯曲)ですが翻訳はされていません。残念。さて、本作は・・・著者によれば「計画を練るときには完璧であっても、実際に行ってみると、思わぬトラブルがあり、・・・」の如く、犯人側にとって大トラブル発生。凶器に係る伏線が気に入っています。倒叙形式の傑作。 |
No.1610 | 9点 | カーテン- アガサ・クリスティー | 2023/12/17 11:37 |
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著者の作品で最後に読もうと思っていた作品。その間に何回もネタバレされてしまった(笑)。著者の最盛期(1943年)の作品(発表は1975年)で傑作であると思う。副題で「ポアロ最後の事件」を入れた方が、もっと読まれ評判が上がったような気がしますね。スタイルズ荘で始まり、スタイルズ荘で終わる。なんともお洒落で粋な配慮。ワトスン役のヘイスティングが主役とも思えるような展開。それがなんとも大伏線になっている○・・・・・・の犯罪。老いて死を迎えるポアロの決断は・・・等々読みどころ満載 |
No.1609 | 6点 | ひらいたトランプ- アガサ・クリスティー | 2023/12/02 08:15 |
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ブリッジのルールを知っていれば、もっと楽しめたかな。なにしろ、ブリッジの点数表から心理を読み取るんだから。もう一つの要素は、容疑者の過去の犯罪と、今回の殺人の共通点を探すというもの。物語の構成は面白かった。ただ、ラストの寸劇はいただけない。発見された証拠を突きつけてからの告白の方がスマートであったと思う。 |
No.1608 | 6点 | ヘラクレスの冒険- アガサ・クリスティー | 2023/11/22 18:01 |
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①ネメアのライオン 6点 犬の誘拐事件を引き受けたポアロ。ただそれだけで終わるポアロではない・・・毒殺計画
②レルネーのヒドラ 5点 愛人と結婚するために妻を毒殺したという噂が流れ・・・犯人は夫?愛人? ③アルカディアの鹿 5点 行方が知れなくたった女性を探して欲しいとの依頼・・・残念な結果となったが ④エルマントスのイノシシ 4点 閉ざされた山奥のホテルに殺人犯がいるという・・・警部が潜入しているが ⑤アウゲイアス王の大牛舎 6点 元首相が詐欺や横領を働いていたというスキャンダル。いかにもみ消すか?…セックススキャンダル ⑥スチュムパロスの鳥 7点 前途ある青年は母娘と懇意となる。娘には夫がおり嫉妬深い男という。娘は夫を殺してしまい、青年に相談するが・・・賄賂の通用する国 ⑦クレタ島の雄牛 7点 青年は自分は狂っていると婚約を破棄、自害しようとしていた・・・精神病の血筋 ⑧ディオメーデスの馬 4点 将軍の娘が麻薬を飲んで、医者に相談・・・密売人の正体 ⑨ヒッポリュテの帯 6点 盗まれたルーベンスの絵画と女子学生の汽車からの消失事件の関係は?・・・美人登場 ⑩ゲリュオンの牛たち 5点 不審死が続く、怪しい新興宗教に潜り込んだ夫人は・・・狂人の信者 ⑪ヘルぺリスたちのリンゴ 8点 盗まれた宝飾酒杯の行方・・・修道院(短編としての纏まりはNO.1) ⑫ケルベロスの捕獲 6点 クラブ「地獄」で麻薬取引が行われているが、証拠が見つからない・・・かつてポアロが惚れた伯爵夫人(ユーモア系で締めくくり) |
No.1607 | 7点 | アルジャーノンに花束を- ダニエル・キイス | 2023/11/05 21:43 |
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(再読)書庫整理していたら出てきました。SFとして登録されていたのですね。アリス、フェイの登場で、結構、男と女の物語だったりして・・・ラスト、及び題名の意味が不朽の名作と言われる所以か。 |
No.1606 | 7点 | 天使の傷痕- 西村京太郎 | 2023/11/01 12:34 |
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本格+社会派の位置づけでいいと思います。1965年の作品で58年も前の話なのですが、人間の気持ちは当時とそれほど変わっていないのではないか?とやるせない気持ちになってしまいました。 |
No.1605 | 8点 | あやかしの裏通り- ポール・アルテ | 2023/10/27 17:36 |
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「路地の消失」と「過去と未来の幻影」という謎で引っ張って行きます。それが5人も体験しているとなると結構難題となりますなあ。犯人が誰?なんかは頭の中からすぽっと抜けてしまったため、ラストの真相はインパクトがありましたよ。 |