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蟷螂の斧さん
平均点: 6.10点 書評数: 1718件

プロフィール高評価と近い人 | 書評 | おすすめ

No.1718 7点 あんたを殺したかった- ペトロニーユ・ロスタニャ 2026/02/22 18:10
謎の設定や小出しにする方法は上手く、また章立ても短く、リーダビリティはあります。「死体なき殺人事件~ラスト10頁であなたも驚愕する」と帯にありますが、煽り過ぎ(笑)。フランス風なエスプリなのかな?。二人で○○でフェードアウトの方が余韻が残ったような…

No.1717 10点 方舟- 夕木春央 2026/02/21 07:25
ペッパー警部さんへ
一人称小説(僕が語り部)は、本人が死亡しても成立します。死亡するまでの心情を「作家」が「小説として記載」しただけです。

本人(僕)が記録する必要性はありません。もし詳しく知りたいならAIで調べることをお勧めします。

一人称の小説で、本人が死亡してしまう小説はかなり存在します。もし、ペッパー警部さんの言うとおりになると、すべて1点となり、平均点を下げる結果となり、当サイトの主旨に合致しません。

質問等は、本来「掲示板」で記載されるべきものなので、「掲示板」での意見交換をお勧めします。

この文章は採点ではないので1ヶ月くらいで削除します。

No.1716 6点 鑑定士と顔のない依頼人- ジュゼッペ・トルナトーレ 2026/02/19 13:09
~天才的鑑定眼をもつ初老の美術鑑定士の元へ、若い女性から屋敷に遺された絵画や家具の査定をしてほしいとの依頼があった。しかし、依頼人はその姿を決して見せることはなかった。深まる謎…~
「どんでん返しのある映画」で検索したらヒットしたので拝読。2013年に映画化(イタリアで最優秀賞を受賞~未観)。原作というよりノベライズ未満の中編小説(90P)と言えるでしょう。若い女性が何故そんなとっぴな行動をとるのかな?と思うようなところがありました。まあ、それがラストに結びつくんですがね(笑)。登場人物の特殊な性格(潔癖症と対人恐怖症)と、ゴシック風味な屋敷の様子がうまくマッチしていたと思います。

No.1715 8点 ゴールデン・フリース- ロバート・J・ソウヤー 2026/02/15 20:02
「2001年宇宙の旅」(1968年)と比較しないわけにはいかない(笑)。本作は1990年の発表なので、コンピュータの性能(意志・感情)は、前者より格段上ですね。倒叙式なので、最初から犯人がコンピュータと分かっています。殺害された女性物理学者の元夫が探偵役となります。AMなどの感想では「動機」の謎が良いという意見が多いですね。私的には、後半の探偵役とコンピュータの駆け引きが楽しめました。壮大な宇宙の話と、ミステリー的な解決が骨董品の小道具という対比が上手いと思いました。

No.1714 5点 狼の一族 アンソロジー/アメリカ篇 - アンソロジー(国内編集者) 2026/02/09 20:34
(異色作家短篇集20)
①ジェフを探して(フリッツ・ライバー) 6点 バーに立ち寄る若い娘。年老いたバーテンには彼女が見えるが、若いバーテンには見えない…彼女の依頼事(SFではなくホラー)
②貯金箱の殺人(ジャック・リッチー) 7点 少年が小遣いを貯めた27ドルで殺人を依頼。実際に殺人事件に…少年の目的(二転三転)
③鶏占い師(チャールズ・ウィルフォード) 7点 鶏占いで2回も同じ「死」が出た。信じるしかない?…その対策(結末は皮肉)
④どんぞこ列車(ハーラン・エリスン) 7点 貨物列車で生活する男。そこに若い男女が乗り込んできた。「こいつはいけるぞ」…危険な臭い(男気)
⑤ベビーシッター(ロバート・クーヴァー) 2点 パーティに出かけた夫婦。留守を預かるベビーシッター。そのボーイフレンドたち。その他TV番組などが断片的(非常に短く)、かつ時間軸も前後して語られる…現実?幻想?(実験小説らしいが面白くもなんともない)
⑥象が列車に体当たり(ウィリアム・コツウィンクル) 5点 列車に立ち向かう、お馬鹿な象さん…ナンセンス(牝牛の行動が笑える)
⑦スカット・ファーカスと魔性のマライア(ジーン・シェパード) 6点 少年時代の喧嘩ゴマ。強いコマを捜し勝負する…勝負の行方(たかが玩具のコマだけど迫力があった)
⑧浜辺にて(R・A・ラファティ) 6点 頭でっかちの4歳児。浜辺で彼の頭より大きい貝を見つけた…利発な貝(父親ほか登場人物がとぼけているW)
⑨他の惑星にも死は存在するのか?(ジョン・スラデック) 2点 ある惑星での地球人スパイの逃亡劇…手提げ鞄が重要(SFなんだけど、理解できませんW)
⑩狼の一族(トーマス・M・ディッシュ) 6点 幼い少年は、ある日突然狼に変身。その後、人間に戻ったり…その運命は?(人間に戻った時、狼狩りに参加しなければならない)
⑪眠れる美女ポリー・チャームズ(アヴラム・デイヴィッドスン) 5点 展示場には三十年間眠り続けている金髪の美女がいた。話しかけると…インチキ?(事故で助けたのはどちらの人物?)

No.1713 4点 エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇- アンソロジー(国内編集者) 2026/01/25 09:33
(異色作家短篇集18)いわゆる短篇の「切れ」や「オチ」がない作品が多いような。
①容疑者不明(ナギーブ・マフフーズ~エジプト・ノーベル賞作家) 4点 同じ手口の連続殺人。物証、関連性もなし…警察の動き(文学的と言えばそうなのかも、でもミステリーとしては?)
②奇妙な考古学(ヨゼフ・シュクヴォレツキー~チェコ) 5点 娘が国外へ違法脱出か?。11年後、白骨体が発見され…無くなったペンダント(共産主義下の重苦しい雰囲気の小説)
③トリニティ・カレッジに逃げた猫(ロバートソン・デイヴィス~カナダ) 6点 カレッジに猫が住みつかない。青年科学者はフランケンシュタインを見習い、巨大猫を造るが…猫の嫉妬(青年の創造物への愛情は)
④オレンジ・ブランデーをつくる男たち(オラシオ・キローガ~ウルグアイ) 4点 片腕の男は、飲んだくれの博士に蒸留酒の製造アドバイスを求めるが…博士の娘の運命(ホラ噺からシリアスな展開)
⑤トロイの馬(レイモン・クノー~フランス) 3点 バーで水だけ飲んでいる男女。そこへ一頭の馬が声をかける…トロイ出身(最初、擬人法と思って読んでいたら、シュールだったんだW)
⑥死んだバイオリン弾き(アイザック・バシェヴィス・シンガー~ポーランド・ノーベル賞作家) 7点 恋人を失った娘に、男と女の死霊が憑りついた。お互い悪態をつくが、二人は結婚すると言い出し…男の死霊はバイオリンが上手い(死霊同士がののしり合いがいいね。何故、娘に憑りついたのか?)
⑦ジョヴァンニとその妻(トンマーゾ・ランドルフィ~イタリア) 4点 その男はオペラに精通し美声とのこと。ある日、その美声を聞くと…妻とのデュエット(音程は?)
⑧セクシードール(リー・アン~台湾) 4点 妻はいつか夫の胸におっぱいが
出来たらと思うようになり…幼少時の布人形(サイコかユーモアかどっちつかず)
⑨金歯(ジャン・レイ~ベルギー) 6点 私は墓から金歯を盗むを生業にしている。ある日、姉妹に出会い、金歯の妹に惚れる…姉の正体(軽快な乗り)
⑩誕生祝い(エリック・マコーマック~スコットランド) 5点 男の誕生日。モーテルには女がいた…SF的エログロ(読み飛ばしてもいいとのことW)
⑪エソルド座の怪人(G・カブレラ=インファンテ~キューバ) 4点 映画鑑賞をする男女。映画や小説の話があちこちに飛ぶ…映画館内での盗難(脱線話?のオンパレード)

No.1712 3点 我輩はカモである- ドナルド・E・ウェストレイク 2026/01/17 11:04
アメリカ探偵クラブ受賞のユーモアミステリーとのことで拝読。ユーモアとあるが、全く理解できなかった。笑えるツボが違うので致し方ないか?。展開も余計な部分(詐欺に引っかかる)が多く退屈。本命の犯人探しの結末もショボイ。これがMWA賞?というのが印象でした。

No.1711 6点 エドガー賞全集 1990~2007- アンソロジー(出版社編) 2026/01/09 10:14
①悪党どもが多すぎる(ドナルド・E.・ウェストレイク) 7点 二人組の銀行強盗は地下水道から銀行の地金庫室に侵入…そこには銀行員全員がいた(プロット良し)
②エルヴィスは生きている(リン・バレット) 5点 エルヴィスの物まね芸人の日々(心情を描いた作品)
③九人の息子たち(ウェンディ・ホーンズビー) 8点 貧しい農家には9人の息子、女の子が生まれ…最後の一行(わかっているけど、その言葉は聞きたくない)
④メアリー、メアリー、ドアを閉めて(ベンジャミン・M・シュッツ) 5点 資産家から姪の婚約者の素性調査を依頼された私立探偵…恋は盲目(ハードボイルドタッチ)
⑤ケラーの治療法(ローレンス・ブロック) 6点 鼠を殺す夢を見る男は精神科医を訪ねる…医者のたくらみ(結末は少し外れW)
⑥ダンシング・ベア(ダグ・アリン) 7点 戦場から戻った兵士。恋敵だった友に会いに来たが…恋人は死んだと言われた(領主の妻の存在)
⑦判事の相続人(ジーン・B・クーパー) 5点 横領犯の女は幼馴染…女の兄との確執(3人の小指の切断の意味がわからん)
⑧赤粘土の町(マイケル・マローン) 5点 元恋人が女優となった。その彼女が夫殺しの被告となり…唯一無実を信じる元彼(元彼の子供の視点で)
⑨ケラーの責任(ローレンス・ブロック) 7点 殺し屋は標的の孫を助けてしまい…依頼主は誰?(プロット良し)
⑩密猟者たち(トム・フランクリン) 6点 密猟の3兄弟は新任狩猟監視官を殺害してしまった…伝説の狩猟監視官の登場?(姿が見えない)
⑪英雄たち(アン・ペリー) 5点 前線で戦う兵士。相手の仕掛けた鉄線につまづき…精神の不安定(英雄になりたい?)
⑫ミッシング・イン・アクション(ピーター・ロビンスン) 8点 父親が戦死。その息子が行方不明に。最後に少年に声をかけた男…町の悪意、母親の言語障害(やるせなさと怒り)
⑬ペテン師ディランシー(S・J・ローザン) 5点 探偵の知り合いがペテン師に引っかかり…輸入禁止(騙し合い)
⑭メキシカン・ギャツビー(レイモンド・ステイバー) 7点 ギャング映画にギャング自身が主演すると言い出し…二通りのシナリオ(現実のラストが良し)
⑮メイドたち(G・ミキ・ヘイデン) 5点 奴隷社会。牛と白人に流行り病が…キリスト教の黒人メイドの悩み(白人支配の終焉)
⑯隠れた条件(ジェイムズ・W・.ホール) 5点 殺し屋は200ドルという安さで仕事を請け負う。殺し屋は依頼人に質問を…納得の動機(息子殺しだが、そのわけは)
⑰銃後の守り(チャールズ・アルダイ) 8点 戦時中、物価管理官はスタンドでガソリンを適正に販売しているかチェック。不正従業員の青年をを逮捕、連行中に事故に遭遇…青年の母親とのめぐり逢い(ハッピーエンド?バッドエンド?)

No.1710 5点 棄ててきた女 アンソロジー/イギリス篇- アンソロジー(国内編集者) 2025/12/29 15:13
(異色作家短篇集19)
①時間の縫い目(ジョン・ウインダム) 7点 車椅子の夫人は窓辺で50年前のあの日を想った。恋人を待っていたが現れなかった日だ。まどろむと、恋人が昔の姿のまま現れた…夢?(SFファンタジー)
②水よりも濃し(ジェラルド・カーシュ) 7点 愛する女のため、偶然にも裕福な叔父を殺害する機会を得る…意気地なしと言われ(奇妙な味というより奇妙な展開の物語)
③煙をあげる脚(ジョン・メトカーフ) 5点 インチキ医者が水夫の脚を手術…埋めこめられた宝石(魔術による復讐)
④ペトロネラ・パン~幻想物語(ジョン・キア・クロス) 5点 30年間、赤ちゃんコンクールを開催する男。これほどの美しい赤ちゃんに見向きもしない…ある秘密(SFチック)
⑤白猫(ヒュー・ウォルポール) 4点 男は富豪の未亡人に求婚する…でも飼い猫が(まあ、予想通り)
⑥顔(L・P・ハートリー) 6点 理想の女の顔を描き続ける男。似た女と結婚するも死に別れ。また似た女が現れたと聞き…女性側の悲劇(普通の小説?)
⑦何と冷たい小さな君の手よ(ロバート・エイクマン) 5点 見知らぬ女性と電話で話すようになり…女性は男をじらす(電話中毒)
⑧虎(A・E・コッパード) 4点 見世物動物園に虎がやって来た。うまく調教できるか…横恋慕の結果(口のきけない黒人がアクセント)
⑨壁(ウィリアム・サン ソム) 7点 消防士らは5階建てのビルの消火に。すると壁一面が…4人の運命(オチは感心)
⑩棄ててきた女(ミュリエル・スパーク) 5点 仕事帰りのOL。何かやり残したことがあるような…最後の一行(伏線はあるが、驚けない)
⑪テーブル(ウィリアム・トレヴァー) 4点 売りに出たテーブルにまつわる話…家具商の想像力(売却先は愛人?)
⑫詩神(アントニイ・バージェス) 5点 宇宙にもう一つの地球がある。シェークスピアが本当に戯曲を書いたのか調べるため時空を越え…何人かが同じ調査をしていたようだ(宇宙人は宇宙人だね)
⑬パラダイス・ビーチ(リチャード・カウパー) 9点 美しい浜辺のホログラフィ。現実に存在する?…浜辺に入った夫人は(SFと思いきや探偵小説)

No.1709 7点 深夜勤務- スティーヴン・キング 2025/12/22 09:57
①地下室の悪夢 5点 古い工場の地下室の掃除。巨大な鼠が出没…アルバイトと上司(B級パニック映画)
②波が砕ける夜の海辺で 6点 パンデミックで生き残った若者数人。仲間が…(夜の波の音が聞こえるようだ) 
③やつらの出入口 8点 金星探査から帰還した宇宙飛行士。手の指先に痒みと痛みが…少年と友人の死(分かっていても不気味)
④人間圧搾機 6点 クリーニングの圧搾機での事故…機械が自我を持っているのか?(クリーニング屋でのバイト時の発想)
⑤子取り鬼 7点 診察室で医師に語る男。子供3人がロッカーから出てくる鬼に殺されたと…精神病?(というオチと思ったが)
⑥灰色のかたまり 4点 ビールばかり飲んでいる父親の様子がおかしいと、息子が…異臭、ネバネバ(気色悪いだけ)
⑦戦場 7点 ある殺し屋の元へ玩具店から小箱が届いた…中身は小人の軍隊(SFチック。殺傷能力は?)
⑧トラック 7点 ハイウェイの駐車場でトラックが暴走…給油(この点は笑える。著者は無機物の暴走が好き?)
⑨やつらはときどき帰ってくる 7点 新任教師は幼い頃、チンピラに兄を殺されていた。そのチンピラそっくりの生徒が教室にいた…夢にうなされる(対策はそっちへ行くか)
⑩呪われた村<ジェルサレムズ・ロット> 7点 呪われた村の過去を探る…邪教、近親相姦、不具者(ある人物の死は幻想、殺人?)

No.1708 7点 最後の一壜- スタンリイ・エリン 2025/12/16 18:29
①エゼキエレ・コーエンの犯罪 7点 娘の父親はナチスに同胞を売ったとされリンチにあって死亡…この汚名を晴らせるのか?
②拳銃よりも強い武器 6点 広大な屋敷に住む夫人。今では家具まで売り払う貧しい生活。そこへ10万ドルで屋敷を買う男が現れ…カード好きな夫人
③127番地の雪どけ 6点 アパートの暖房も入れぬ家主。その息子と住人の娘が恋に落ち…メルヘンチックで残酷
④古風な女の死 6点 画家の妻の座を奪い取った女の死…容疑者は5人(ダ・ヴィンチやダリもそうだったのかな?)
⑤12番目の彫像 5点 映画関係者が行方不明に…判りやすいが一捻り
⑥最後の一壜 9点 幻のワインを手に入れた大富豪。ついにコルク栓をぬく時がやって来た…十万フランの価値(代表作「特別料理」より、こちらの方が断然好み)
⑦贋金づくり 6点 パリへ旅行中の中年夫婦。妻は蚤の市で買い物。夫は…合言葉(飄々として)
⑧画商の女 6点 老獪な女画商に翻弄される画家。その若妻の策略(頓智っぽく分り易いが笑える)
⑨清算 6点 海辺からホテルに侵入しての殺人…計画的?(ギャップが激しい) 
⑩壁のむこう側 7点 精神科医と患者の会話…夢と現実(阿刀田高氏の「冷蔵庫より愛をこめて」は本作がヒント?)
⑪警官アヴァカディアンの不正 4点 誘拐事件発生?。被害者の医師は否定…ある老女の企み
⑫天国の片隅で 5点 アパートの住人は早朝の騒音に悩まされ…観葉植物にとっても?
⑬世代の断絶 7点 ヒッチハイカーのティーンエイジャー娘を乗せた男は…困ったもんです
⑭内輪 6点 父親がなくなり、母親がすべて遺産相続。娘、息子は気に入らないが…数十年経過、事故?
⑮不可解な理由 7点 肩たたきにあった元同僚に偶然出会った。いつか自分も?…上司からの呼び出しの朝(ワンパターン化しているかも)

No.1707 6点 ママは何でも知っている- ジェームズ・ヤッフェ 2025/12/03 19:16
①ママは何でも知っている 5点 ホテルでの娼婦殺人事件。容疑者は3人。果たして誰が?…メイドとフロントの証言
②ママは賭ける 6点 レストランでの毒殺事件。スープに毒を入れるチャンスがあったのは一人だけだが…小さな復讐心
③ママの春 7点 老女の殺害事件。謎より、夫と死別したママに、やもめの警部を引き合わせること、および老女の悲哀がメイン?
④ママが泣いた 6点 父親のいないケニイ。好きになれない伯父が同居。伯父が屋上から墜落死。DMは「どうして、ケニイ、どうしてだ?」…無邪気な子供心
⑤ママは祈る 5点 大学教授の殺害事件。容疑者は被害者に職を奪われた元教授。それぞれの息子と娘が婚約…アリバイと動機
⑥ママ、アリアを唱う 4点 オペラマニアの毒殺。コーヒーを渡した人物が犯人?…職業がヒント
⑦ママと呪いのミンクコート 7点 呪いのコートを手にした夫人が亡くなった…夫への気持ち
⑧ママは憶えている 6点 死に別れたママの夫(パパ)の事件。結婚の前日に、パパに言い寄った女性が殺害され、パパが逮捕された…ママのママが解決

No.1706 7点 オズワルド叔父さん- ロアルド・ダール 2025/11/24 12:46
大人向けの童話(艶笑譚)。「ぼく」がオズワルド叔父さんの日記を公開すると形で物語が進みます。オズワルドは十七歳の時、甲虫から強精剤を作り、パリの金持ちに売りさばき、一財産築く。その後、大学で教授が精子を凍結し、長期保存する方法を発明したことを知る。それに目をつけたオズワルドは、天才たち(ルノアール、、ピカソなどの画家、アインシュタインほか科学者、音楽家、作家等)や各国の国王の精子を入手し、裕福な婦人たちに売ることを考え出す…。バカバカしいのですが、結構笑えます。食事の場面も多く、特に生牡蠣の食し方には感心しました。

No.1705 6点 マーニイ- ウインストン・グレアム 2025/11/13 16:12
主人公マーニイは会社を転々とし、盗みを働く女性。美貌の持ち主であるが、わざとダサい恰好をしたりして男を寄せ付けない。過去のトラウマが原因?で物語を引っ張って行く。マーニイの心理描写が主体で、相手役・マーク(ヒッチコック監督で映画化、ショーン・コネリー主演)の存在感は薄いような。トラウマに関連する出来事は、映画とは全く違っている。ラストは主にハッピーエンド、バッドエンド、リドルストーリーに別れるが、本編はさて?といったところ。

No.1704 8点 幸福な生活- 百田尚樹 2025/11/04 11:52
「最期の一行」に特化した短篇集。その試みが素晴らしいし、バラエティに富んでいる。
①母の記憶 7点 老人ホームにいる認知症の母を訪ねた息子。息子は子供の頃、大切なオモチャがなくなったことを思い出した…母はその理由を(ブラック)
②夜の訪問者 8点 帰宅すると、浮気相手が妻とおしゃべりしている。妻が席を外すと彼女がキスをしてくる…彼女曰く、妻は私たちのことを知っていると(爆笑もの)
③そっくりさん 10点 妻の悩みは、夫の同性愛疑惑。寝言で「ひろし」とつぶやく…世の中には、そっくりさんが3人はいるらしい(これぞ、最後の一行)
④おとなしい妻 6点 人見知りで内気な妻が、パチンコ店で暴れたという…妻は泣くばかり(まあ、ありがち)
⑤残りもの 6点 30代最後の年にハンサムな美容師と知りあい、即結婚。残りものに福は?(そうなるわな)
⑥豹変 5点 夫はあることで憂鬱になっていた。妻は今日いい事があったという…これしかないオチ
⑦生命保険 8点 友人にさえない夫と結婚した理由を話す。夫は生命保険のようなもの…チンピラから助けてもらった(爆笑もの)
⑧痴漢 8点 満員電車で痴漢扱いされ、その場しのぎで金を支払ってしまった。その後も慰謝料を請求され…警察にいけない理由(ギャップがいい)
⑨ブス談義 5点 結婚式のあと、ロビーで新郎の友人3人が花嫁の容姿の悪口を言い合う。そこへその友人の一人の美人妻が現れ…美男美女の娘の容姿(分かりやすいオチ)
⑩再会 7点 酒、暴力、賭博が原因で別れた元夫が10年ぶりにやって来た。病で瘦せて昔の面影もない…彼女に言い寄る上司(そっち系かW)
⑪賭けられた女 7点 パーティで、しがない編集者は好色な作家と賭け事を。編集者は自分の美人妻を作家はポルシェを賭けることになった…ポケットのコイン(「南から来た男」のオマージュ)
⑫雪女 9点 16年前の事故のことは記憶がない。だが最近記憶が蘇ってきた。事故現場には宇宙人がいた…幸せな家庭(SFチック)
⑬ビデオレター 8点 妻の49日の法要が終わると、生前に撮影した妻のビデオレターが届いた。感謝の言葉が続く…ホトトギスの托卵(伏線がいい)
⑭ママの魅力 6点 体重100kg身長170cmのママをパパは大好きだ。僕はママに痩せて欲しい。ある日、公園で猛犬が暴れ出して…(ほほえましい)
⑮淑女協定 6点 社内パーティに出席の夫に同伴した3人の妻。彼女らは同期で社内結婚。結婚前の男関係はお互い知っている。夫には自分以外の男遍歴を喋っている…俺は社内結婚でなくてよかった(まあ、世の中そんなもんですな)
⑯深夜の乗客 6点 タクシー運転手は、真夜中、雨に濡れた若い女性を乗せた。バックミラーから姿が消えた?…自宅で老婆出現(怪談風だが?)
⑰隠れた殺人 8点 父が自宅で亡くなった。殺人の可能性もと冗談。遺品に箱根細工があった。開けてみると…父と母は18歳の年齢差(かなりブラック)
⑱催眠術 8点 妻に催眠術をかけたら、なんと!かかってしまう。夫は禁断の質問(男関係)を聞き出す…悲劇、喜劇?
⑲幸福な生活 9点 娘が恋人を家に連れてくる日。父母は自分たちの過去を振り返る…部下との浮氣(場面は一転、放送作家らしい作品)

No.1703 9点 禁じられた館- ミシェル・エルベ―ル&ウジェーヌ・ヴィル 2025/10/25 18:24
序盤は多重解決や消去法で、あまり興味のある分野ではなかった。中盤から素人探偵が登場し、面白味が増してきた。当初から、容疑から外れた〇〇が犯人と決めつけての読書(笑)。しかし、真相は考えもつかなかった!。完全にうちゃられましたね。どんでん返し大好き。1932年の作品ということで、9点献上します。

No.1702 6点 日本怪奇小説傑作集〈1〉- アンソロジー(国内編集者) 2025/10/18 16:24
①茶碗の中(小泉八雲) 5点 茶碗の中に顔が映る。その人物が出現、斬りつけるが…話は途中で(読者にお任せ)
②海異記(泉鏡花) 6点 漁師の妻は、少年から海で亡霊に襲われたという話を聞く。夕方、異形の僧が現れ…施しを与えるも(結構残酷)
③蛇(夏目漱石) 6点 大雨で水かさの増した川でウナギを捕らえようとするが…蛇がひっかかり(独自な空気感)
④蛇(森鴎外) 5点 姑が亡くなった後、仏壇に蛇が住みついて…妻への怨念?(確執があったとは思えないが)
⑤悪魔の舌(村山槐多) 8点 自殺した友人は、「自分は悪魔だった」と手紙を残し…壁を食べ始める(10代での作品で、オチまでよく考えられている)
⑥人面疽(谷崎潤一郎) 6点 女優は撮影した覚えのない「人面相」がらみの主演映画があることを知る…相手の男優は誰?(内容は面白いがオチが?)
⑦黄夫人の手(大泉黒石) 6点 盗み癖のある夫人の手が切り落とされた。その手が出現する…その理由は(信じるか否かは読者)
⑧妙な話(芥川龍之介) 6点 海外出張の夫から手紙が届かなくなった。見知らぬ赤帽が、夫の様子を見てくるという…貞操感?(落ちは素直に)
⑨盡頭子(内田百閒) 4点 妾を紹介され、その気になるが、旦那が帰宅…馬の鍼灸師(ユーモア系)
⑩蟇の血(田中貢太郎) 5点 謎の女に出会い、彼女の家に強引に連れてゆかれ…姉の登場(エロっぽいが、まどろっこしい展開)
⑪後の日の童子(室生犀星) 6点 幼くして亡くなった息子が、少し成長した姿で現れる…その息子の姿が(物悲しい)
⑫木曾の旅人(岡本綺堂) 5点 山小屋へ旅人が訪ねてきた。子供は怖がり、犬は吠える…えてもの?(現実の事件)
⑬鏡地獄(江戸川乱歩) 4点 江戸川乱歩傑作選で採点
⑭銀簪(大佛次郎) 8点 無一文になった色男は江戸へ向かう。邪魔な女がついてきたので殺害。女のカンザシが草むらに落ちた。捜すと女の白い手がつかんだように見えた…カンザシの行方(ラストの戦慄)
⑮慰霊歌(川端康成) 6点 付き合いのある霊媒師・鈴子の家を訪ねると、鈴子似の花子という幽霊が現われ…花子の裸体(鈴子の気持ち?)
⑯難船小僧(夢野久作) 6点 その少年が乗った船は、必ず沈むという。船長は気にしないらしいが…濃い霧の中(船長の風貌と性格が面白い)
⑰化物屋敷(佐藤春夫) 3点 陰気な下宿で、精神を病むようになる…昔の事件(ありふれた話)

No.1701 5点 怪奇礼讃- アンソロジー(海外編集者) 2025/09/22 19:58
①塔(マーガニタ・ラスキ) 7点 廃墟の塔。頂上までの螺旋階段は470段あった。下りる時には足元は暗く、手すりも途中ないところがある…下る恐怖(単純な話だが不気味)
②失われた子供たちの谷(ウィリアム・ホープ・ホジスン) 6点 子供を亡くした中年夫婦。牧師から幼くして亡くなった子供の集まる谷がある話を聞いた。老年となり、谷を捜す…妻が見つけた(それは最後の)
③よそ者(ヒュー・マクダーミッド) 6点 ベン爺は「あの男は普通の人間と違う生きもの」といい、男が奢ってくれるビールも飲まない…爺の妻の予言は当たる(ラストの一行)
④跫音(E.F.ベンスン)  4点 夜道を歩くと、背後に足音がする…幻覚?呪い?(素人っぽいオチ)
⑤ばあやの話(H.R.ウェイクフィールド) 5点 ばあやの体験談を子供に話す。それは呪われた子供のお話…死んだ子供が(ばあやの幻想?)
⑥祖父さんの家で(ダイラン・トマス) 1点 祖父がベッドの上で大声を…不思議な雰囲気?(本作の掲載理由がわからない)
⑦メアリー・アンセル(マーティン・アームストロング) 5点 パブの手伝いをする中年の妻。誰も行かないような場所へ散歩に出かける…秘密の世界(夫の立場を考えるとなあ)
⑧「悪魔の館」奇譚(ローザ・マルホランド) 7点 仇の娘に一目惚れ。まじないで自分を好きにさせようとするが…娘の反応(まじないの道具を作る老婆がいい味)
⑨谷間の幽霊(ロード・ダンセイニ) 6点 夕暮れ時、霧の柱に話しかけてみると…生まれは?(ファンタジー)
⑩囁く者(アルジャナン・ブラックウッド) 6点 想像力が多すぎる作家は、余計なことを考えないように屋根裏部屋を借りた…何か囁き声が(哲学的な雰囲気)
⑪地獄への旅(ジェイムズ・ホッグ)  6点 馬車の乗客は御者の知らない場所へ行ってくれと…夢か現実か(1820代の作品でこの手の嚆矢?)
⑫二時半ちょうどに(マージョリー・ボウエン)  5点 夜中に部屋に戻ると、上階に住む男が暖炉の前に座っていた…訪ね人があるという(サスペンス風味)
⑬今日と明日のはざまで(A.M.バレイジ) 6点 もの乞い老婆を無下にすると…家の外の様子(SF風味)
⑭髪(A.J.アラン) 7点 缶の中に髪の毛。不思議な力がある…殺傷能力も(使い道が面白い)
⑮溺れた婦人(エイドリアン・アリントン) 7点 購入した別荘の井戸に幽霊が出た。売りに出すと…新規購入者(逆転の発想がいい)
⑯「ジョン・グラドウィンが言うには」(オリヴァー・オニオンズ) 4点 運転中に光を見て事故。教会にたどり着くと…夢?(定番)
⑰死は素敵な別れ(S.ベアリング=グールド) 7点 妻の喪が明け、再婚を決意すると…結婚相手も(結末は、すぐわかるけど面白い。ユーモア系)
⑱昔馴染みの島(メアリ・エリザベス・ブラッドン) 4点 精神を病み無人島で過ごす。思わぬ人物に出会う…昔の友人(ありふれた物語)
⑲オリヴァー・カーマイクル氏(エイミアス・ノースコート) 4点 女性店員が氏に邪悪な目を向けた。気になって仕方ない…魂の勝負(肉体とは別の世界)
⑳死は共に在り(メアリ・コルモンダリー) 8点 男は夏でも幅広の襟をつけている。その理由は…教会の開かずの地下室(短篇らしいオーソドックスなオチ)
㉑ある幽霊の回顧録(G.W.ストーニア) 3点 死後の世界。現世と同じような恐怖もある…生きた人間の中にも?(まあ、ありきたり)
㉒のど斬り農場(J.D.ベリスフォード) 7点 ひと夏を過ごすことになった農場では、主人が毎日ナイフを研いでいる…鶏、豚(結局、そうなるわな)

No.1700 6点 11の物語- パトリシア・ハイスミス 2025/09/12 15:09
①かたつむり観察者 7点 食用かたつむりの艶めかしい姿に魅せられた男。書斎で、かたつむりを飼育するようになった…妻は書斎に入らない(著者がこのような作品を書ていたとは!)
②恋盗人 5点 恋人からの返信を待つ青年。隣人のポストを開けてしまう…隣人の恋人の手紙(変に納得してしまう)
③すっぽん 6点 「厭な物語」(アンソロジー)で書評済(食用のすっぽんが茹でられて)
④モビールに艦隊が入港したとき 8点 夫にクロロフォルムを大量に嗅がせた。夫はもう呼吸をしていない。妻はバスに乗って…過去を回想しながら(こんな結末が待っているとは!)
⑤クレイヴァリング教授の新発見 5点 教授は新種の巨大カタツムリを捜しに島に向かった…原住民の神話(B級パニック映画のよう)
⑥愛の叫び 4点 アパートの同室に住む老女二人。お互いに意地悪を…次は?(題名がよくわからん)
⑦アフトン夫人の優雅な生活 7点 精神科医のもとへ夫のことで相談したいという夫人が現れ…夫は医者嫌い(そっち系かいW)
⑧ヒロイン 8点 保母になったルシール21歳。独白「今までのことは何もかも忘れてしまうのよ」「精神科のお医者さんも、わたしは他の人と別に変わりはないと言ってた」…ルシール、ヤバくない?(著者24歳のデビュー作)
⑨もうひとつの橋 6点 妻子を亡くした男は旅に出た。そこで自殺する男や、貧しい子どもに出会い、善行を施すが…絶望からの(これはもう文学か?)
⑩野蛮人たち 5点 アパートの階下の公園で騒ぐ若者たち。上から石を落とした。怪我、死亡?…嫌がらせが始まった(オチは今一つ)
⑪からっぽの巣箱 7点 巣箱に見知らぬ動物がいた。部屋の中に入ってきたが捕まらない。猫を借りて来て…リス、鼠?(不安感を描くのが上手いね)

No.1699 4点 首のない女- クレイトン・ロースン 2025/09/04 12:07
サーカスの団長が交通事故死?。その娘が、何故か口を開かない。そこが謎なんですが、そのうち、そんなことはどこかへ吹き飛んでしまった(苦笑)。途中、横道にそれてしまったり、余計なマジックネタが挿入されたり、非常に読みにくかった。警察は、主人公が犯人と確信していた。よって、真犯人は事故に見せかけ主人公を殺害しようとする…。そんな物語の方が面白かったのでは?なんて思ったりして。

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蟷螂の斧さん
ひとこと
ミステリーは、作家中心では読んでおらず、話題作や、ネットでのお勧め作品を読んでいます。(2013.6追加~本サイトを非常に参考とさせてもらっています。現在は、読後、類似なトリック・モチーフの作品を探した...
好きな作家
ミステリー以外で「石川達三」、短編で「阿刀田高」、思想家で「荘子」
採点傾向
平均点: 6.10点   採点数: 1718件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(53)
折原一(48)
中山七里(34)
アンソロジー(国内編集者)(30)
松本清張(28)
阿刀田高(22)
歌野晶午(21)
西村京太郎(20)
島田荘司(20)
東野圭吾(20)