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[ 本格/新本格 ] その殺人、本格ミステリにさせません。 音更風゛(おとふけぶう)シリーズ |
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片岡翔 | 出版月: 2024年10月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
![]() 光文社 2024年10月 |
No.2 | 8点 | 人並由真 | 2024/12/13 05:57 |
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(ネタバレなし)
「鬼人館事件」で大きな役割を果たした20歳の探偵女子・音更風゛(おとふけぶう)。彼女はその年の春、愛読するミステリ小説の名探偵の名にあやかり、タピオカ販売車を改造した住居兼移動式の事務所で「奥入瀬探偵社」を開設した。だが依頼人もなく暇を持て余す彼女に、異才の女流映画監督・鳳灾子(おおとり さいこ)から、新作ミステリ映画を製作するので、探偵の立場で監修してほしいとの依頼がある。かくしてスタッフや出演者とともに瀬戸内海の枯島(かれじま)にある奇妙な構造の館「百々目館」を訪れる彼女だが、そこで風゛を待っていたのは、不可能犯罪要素が満載の現実の殺人事件だった。 前作よりずっと直球の剛球で来たな、という感じのコテコテ新本格で、個人的にはかなり面白かった。舞台となる、どっかで見たような館のメカニック設定も、ちゃんと十二分にストーリー的にもミステリ的にも活用されている。 全編を読み終えると、ああ、これは<国産ミステリのあの某・大名作>がベースだなとも思ったりもしたが、原典からここまで発展させてひねって、そして今風にアレンジしてあれば、文句などはない。 (ただもしかしたら、大ネタのひとつには、真相の開示前に気づく人もいるかもしれず、その場合は相応に評価が下がるかもしれん。とはいえ手数の多い作者の仕込みをすべて見破るのは、たぶんなかなか困難であろう。) 2024年の国産新作のなかでは『密室偏愛時代の殺人 閉ざされた村と八つのトリック』と並んで、名探偵シリーズものの新本格パズラーの愉しさを十全に味合わせてくれた一冊。 次作にも期待したいが、今回で結構ハードルが上がってしまったので、作者は大変だろうなあ、とも思う。 |
No.1 | 4点 | 文生 | 2024/11/30 21:44 |
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シリーズ第2弾。
孤島にある奇妙な館で惨劇が起きるという十角館以来お約束の新本格ですが、映画クリエーターでもある著者らしく、映画ネタがふんだんに盛り込まれているのがオリジナル要素です。 また、トリックも盛りだくさんではあるものの、あれとかあれとかちょっと無理があるように感じました。 なにより、探偵の音更風が惨劇を食い止める決意を表明するのにいちいち「本格ミステリにさせません」というまわりくどくて不自然な言い回しをするのにイラっとしたのが一番大きな減点要因。 |