皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
贈る物語 Mystery 綾辻行人編 |
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アンソロジー(国内編集者) | 出版月: 2002年11月 | 平均: 7.25点 | 書評数: 4件 |
光文社 2002年11月 |
No.4 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2019/12/09 10:33 |
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①「暗黒の館の冒険」エラリー・クイーン 5点 古典的トリック、初出であれば高評価としたいが・・・
②「黄色い下宿人」山田風太郎 5点 ホームズのパスティーシュ、彼の鼻を明かすのは?・・・ ③「密室の行者」ロナルド・A・ノックス 8点 密室での餓死の理由は・・・ ④「妖魔の森の家」ジョン・ディクスン・カー 9点 密室状況のバンガローから消えてしまった娘、今回で2度目だ・・・ ⑤「長方形の部屋」エドワード・D・ホック 7点 犯人が丸一日死体といっよに部屋にいたわけは?・・・ ⑥「カニバリズム小論」法月綸太郎 8点 同棲の女性を食する男・・・ ⑦「病人に刃物」泡坂妻夫 7点 元患者が腹を刺されて死亡。誰も刺していないのだが・・・ ⑧「過去からの声」連城三紀彦 8点 誘拐ものの秀作・・・ ⑨「達也が笑う」鮎川哲也 10点 高木彬光氏の「妖婦の宿」と同様に「日本探偵作家クラブ」例会での犯人当てクイズのテキストとのこと。四重五重に張り巡らされた網(ミスリード)に引っかかり完敗です。正解に近い人が1人いたそうですね。しかし、著者がこの手のトリックを使用していたことにはビックリです。長編では1960年の作品が先駆的という定説になっていますが、もしかして本作(1956)が初出?。但し、メイントリックについて、当時の鑑識はどの程度だったのか気になるところです。現在では一発でバレてしまうので・・・。まあ、参加者から、その疑問は出なかったようですので良しとしましょう(笑)。密室ものでは「妖魔の森の家」を抜きNO.1となりました。 |
No.3 | 7点 | ミステリ初心者 | 2018/08/13 01:29 |
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ネタバレをしています。面白かったり、気になった作品の感想を書きます。
○暗黒の館の冒険 面白かったのですが、犯人本人が自分の色覚異常に気づかないということはありえるのでしょうか? ○密室の行者 まったくわかりませんでした。今読んでも新しさを感じます。アニメ日本昔話の吉作落としを思い出しました。 ○長方形の部屋 ちょっと私のおつむが追いついていません。ラルフは、トムに何と言って刺すことを指示したのでしょうかね? トムはラルフを神格化?してたのはわかりましたが、自分自身も神だと思っていて、復活する気だったのでしょうか? 部屋を墓と見立てていたのは? LSDの影響は? ちょっとよくわかりませんでしたw ○カニバリズムの小論 食人に関する話も面白く、だれなかったです。排泄物が必要でなにかしたのかと思ってましたが、排泄自体が目的だったんですね。 238ページの主人公が秋山駿だ!と反応するシーンが好きです。あそこで、"あれ?秋山駿ばかり読んでいるのはだれだっけ?"とページをめくって読み直すと、大久保信で、あっ…みたいなw こういう叙述ものは割とよく見ますが、それでも短編にかかわらず2度おいしい作品でした。 ○達也が笑う こんな面白い催し物があったとはw 内容も、短編であるにもかかわらず長編本格並みの面白さでした! 自分は、芳江と部屋で会話したにもかかわらず嫉妬しない兵太郎の様子から、浦和が女性と予想して、"性別を隠すように書いているのならどうせ犯人だろう"と論理もへったくれもないことを考えていましたw 浦和の義兄の事件は、密室状況が完璧すぎたため、おそらく自殺を他殺にしているのだろうとは予想しましたが、細かい点はわかりませんでした。女性は3人→ミミは男性も予想外でした。 ちなみに、犯人が主観もので、犯人の不利な情報を書かないのは、犯人自体が文を書いたから…という解釈でいいのでしょうか? だとすると、これ系がもう4作目であり(それぞれオリジナリティーはありますが)ちょっと食傷気味ですw |
No.2 | 8点 | ねここねこ男爵 | 2018/05/15 17:17 |
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名作揃いの短編集。ハズレなし。
「密室の行者」「妖魔の森の家」「長方形の部屋」が一冊に収録されているというだけでも価値あり。「長方形の部屋」は一時期なかなか読めなかったので… もちろん日本人作家の作品も必読もの。 |
No.1 | 7点 | 測量ボ-イ | 2011/01/04 12:56 |
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新年おめでとうございます、本年もどうぞ宜しくお願い
致します。早速ながら、今年最初の書評です。 綾辻氏が国内外の短編をアンソロジ-した一編。氏自身 が一読者として読んで面白かったものを選りすぐってい るだけに、どれも水準以上の作品です。 僕自身、9編中6編が未読でしたが、その中では「過去 からの声(連城三紀彦)」が良かったです。ありきたり の誘拐ものに非ず、新味のあるトリックです。 以下の3編は既読です。 「密室の行者」(ノックス) 「妖魔の棲む森」(カ-) 「達也が嗤う」(鮎川) これはどれも名作揃いで、再読でも楽しめます。 |