皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
|
名探偵登場 5 早川書房編集部 ノーブル、聖者、トラント警部、マローン、マーリニ、謎の旅行者、アーチャー、スミス、マリナー |
|||
|---|---|---|---|
| アンソロジー(国内編集者) | 出版月: 1975年10月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
![]() 早川書房 1975年10月 |
| No.2 | 6点 | kanamori | 2026/01/11 18:21 |
|---|---|---|---|
| 前巻からなんと5年ぶりの初期ポケミス名物シリーズの5巻目
聖者サイモン・テンプラー、トラント警部、マローン弁護士、奇術師グレート・マーリニ、リュウ・アーチャーなどの有名探偵の登場作よりも、名探偵が登場しない、ロバート・アーサーのオー・ヘンリー風の「大金」(別題「マニング氏の金の木」)や、バカミス・トリックが炸裂するフレドリック・ブラウン「スミス氏、顧客を守る」が面白い、そのシーンを想像すると笑える 次の最終第6巻はハードボイルド系の名探偵らしい リチャード・デミングが「このミス」の1位を取るご時世でもあるし埋もれた佳作があるかも アンソロジー「名探偵登場」は1956年初めから半年間で1巻から4巻までほぼ続けて刊行されました。この年の夏には日本版EQMMの創刊も予定されていて、この二つに関わったのがマニアックな若い編集者・田中潤司です、 田中は名探偵登場の作品選定・編集をしながら、EQMMの掲載作品の選定や発刊準備をしていたが、創刊の直前に退職したのです。(理由は諸説あり) この「名探偵登場」の5巻の刊行が大きく遅れたのはおそらくそのためです。 急遽EQMMの編集長として都筑道夫が招聘されましたが、その時点で創刊号から3号までの作品選定は終わっており、都筑が担当したのはフレドリック・ダネイのコメントの翻訳だけだったようです。(都筑のエッセイ風半自叙伝「推理作家の出来るまで」を参照) |
|||
| No.1 | 6点 | クリスティ再読 | 2025/10/31 15:07 |
|---|---|---|---|
| さて早川版の「世界短編傑作集」である「名探偵登場」。第5巻は「すこし毛色の変わった人物を中心にえらんでみた」と解説にある。まあ第4巻で評者でも「カブリの多い巻」と言っちゃったくらいにオーソドックの度が過ぎた巻でもあったからね。今回の既読作はアーチャー登場の「女を探せ」だけ。秀作だからいいよ。
・A.バウチャー「パルミエリ伯のように」 SPレコードコレクターの妄執による犯罪。探偵役はアル中で退職した元刑事のニック・ノーブルで、なかなかキャラ良し。 ・チャータリス「神の矢」 ご存知「聖者」。砂浜で寝ていた男の上にビーチパラソルが刺さって死んだ!という一件。トリックは想定内だが、まあよくできている。 ・Q.パトリック「さよなら公演」 ギリシャ悲劇「メディア」をさよなら公演に選んだ女優の部屋に転がった死体。トラント警部は容疑者筆頭の女優にさよなら公演に出演するのを許す... ・C.ライス「うぶな心が張り裂ける」 ご存知マローンの初登場作だそうだ。マローンが弁護して審理のやり直しを勝ち取った青年が獄中で自殺。マローンは刑務所ソングが耳について離れない...「網走番外地」とか「練鑑ブルース」みたいなのがアチラにもあるんだね。これは雰囲気があって小説としての出来がいい。 ・C.ロースン「入れ墨の男と折れた脚」 グレート・マーリニ登場の推理パズル二編。 ・ロバート・アーサー「大金」 「謎の旅行者」というわけのわからないキャラが話し手みたいに振る舞う犯罪物語。ちょっと異色、というか「幽霊紳士」の元ネタなのかな? ・R.マクドナルド「女を探せ」 いわずとしれた秀作。中田耕治氏の訳が凝り過ぎかな。 ・F.ブラウン「スミス氏、顧客を守る」 甘目だけど監視型密室。「最後の一行もの」で全面解決だけど、これがバカミスの味わい。保険勧誘員スミス氏が探偵役(保険調査員ではない!)。 ・P.G.ウッドハウス「名探偵マリナー」 ウッドハウスらしいユーモアと皮肉の話。今回マリナーは別に名探偵じゃない(苦笑) とバラエティがある。やはり6巻では「ハードボイルド派」の「名探偵登場」を予告しているから、そっちもやりたいな。 |
|||