皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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ミステリ初心者さん |
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| 平均点: 6.16点 | 書評数: 446件 |
| No.446 | 5点 | 公爵さま、これは罠です- リン・メッシーナ | 2026/09/21 03:31 |
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| ネタバレをしております。また、シリーズなため、前作までの展開のネタバレもしております。
前作で結ばれ公爵との結婚を控えるベアトリスに、くすみちゃんなるあだ名をつけベアトリスの社交界デビューを台無しにした女性が登場します。伝説のダイアモンド探しを依頼されます。 これまでとはちょっと違ったスタートですし、久々に社交界弱者時代のベアトリスを想起させて新鮮ですw また、このいじめっ子みたいな女性がどんでもないやつで、どんでもない罠を仕掛ける性悪でしたw 持ち前の頭脳で危機を回避したベアトリスは、またもや死体と出会って事件を調査することになります…。ここまでですでに中盤なページ数で、本格的な推理小説パートに入ります。が、しかし、あまり前半と関わりが薄く、かつ登場人物が一気にでるため推理小説っぽくなった途端に読みづらくなってしまいましたw ただ、今までは有能だと言われつつもあまり活躍してこなかった公爵ですが、今回は最後に活躍を見せますw また、やたらいちゃつきますねw 推理小説部分については、やっぱり本格推理小説と比べるとかなり薄味です…。物語中盤の、死体を調査したさいに出てきた鈴が犯人を示唆するのはよかったです。しかし犯人断定のヒントが一点すぎて、あまり楽しめませんでした; しかも、私の知識不足なせいか、真相を聞いてもピンとこなかったです;; 総じて、これまでの行き遅れ令嬢シリーズが好きなら問題なく読める本です。非常に読みやすいです。ただ、どちらかというと後半の推理小説パートよりも、性悪ノートン夫人とタヴィストック卿の仕掛けた罠のパートの方が面白かったですw 推理小説としてどうなのかw |
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| No.445 | 7点 | 地雷グリコ- 青崎有吾 | 2026/09/10 02:06 |
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| ネタバレをしております。
本格推理小説ではなく、ライアーゲームや嘘喰いや賭ケグルイのような作風です。よって殺人事件は起こりません。 ただ、殺人だけが推理というわけでもなく、決められたルールの範囲内でどう相手を出し抜くか?という問題は、推理小説に通ずるところがあります。 私はそもそも上記の漫画が好きだったため、この地雷グリコも大変楽しめました。 また、文体はすこしライトよりで非常に読みやすく、読後感もよいものでした。アニメ的な設定が苦手な方はだめかもしれませんが、そこまで過剰な非現実的キャラクターがいるわけでもなく、大抵の人が大丈夫なんじゃないかと思います。 以下、短編一つずつに短い感想を書きます。 〇地雷グリコ だれもが知っている小学生がやる遊びに特殊ルールを加えた頭脳戦…というこの連作短編の特徴を理解できるオープニングとしてふさわしい短編です。ルールも極めて単純であり考えやすいです。 ただ、地雷に被弾させた後に連鎖的に被弾させるのは私も思いつき、椚先輩がちょっと馬鹿に見えてしまいましたw 〇坊主衰弱 ヒントがちりばめられており、フェアな短編です。 すり替えまでは当然私もわかりましたが、残っている札をどう判別するのかがわかりませんでした。が、真相はかなり力技で、誰でもできるわけではなかったですね。 〇自由律ジャンケン Youtuberのクイズノックの動画を見て興味がわきましたw ルールの外側から相手を刺すような、ライアーゲームや嘘喰いのような一話でしたね。 とはいえ、より自由律ジャンケンを行っている生徒会がこのあいまいさを認知していなかったのが疑問なのと、やっぱりクイズノックの動画のようなより強い手を考えて勝つような展開を期待してしまいました; 〇だるまさんがかぞえた 私はこの本でもっとも好きな短編でした。非常に推理小説的だと思います。 あらかじめルールの厳密な確認と、相手の手をすべてつぶしてから、ギリギリルール内の搦め手でハメる見事な手でした。また、よーく考えれば読者にも正解がわかったのではないか?と思わせるぐらいの絶妙さも推理小説さとして大切だと思います。 〇フォールーム・ポーカー これまでは格下との戦いが続いた真兎ですが、ここにきて同格のような天才との決戦です。また、これまで短編で書かれてきた絵空との確執も明らかになります。 非常に手の込んだルールでの一戦で、真兎の仕掛け、それを看破して対策を打つ絵空、看破されることを考慮してなおハメる真兎と、熾烈な頭脳戦が書かれます。 私が気づいたのは、床に足がつかなければ入室扱いではない→なにか床を踏まない移動法がある?ポイントと、本当にわずかながらもう一組のトランプカードを使う?ポイントのみうっすら頭に浮かびました。しかしそれから先は何も浮かばず;; 総じて、読みやすいうえに頭脳戦が楽しめる非常に良い作品でした。ハメる側が主人公となると、ある種の完全犯罪を行う倒叙もののノリがあるかも?違うかな? |
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| No.444 | 6点 | 出版禁止- 長江俊和 | 2026/09/07 01:14 |
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| ネタバレをしております。
フェイクドキュメンタリーの放送禁止をちょくちょく見たことがあり、そのドラマを手掛けた長江さんが作者のミステリと聞いて購入しました。 出版が禁止されたルボルタージュという設定で物語が始まります。過去の心中事件をメインに追っていき、登場人物も少なめなため要点がわかりやすく、非常に読みやすいです。あまり時間をかけずに読了できました。 推理小説的要素について。 帯の煽り文から、どんでん返しが持ち味のサスペンスに近い作品だということは予想がついておりましたw 本格推理小説として評価はしないほうがいいかもしれません。 ドラマの放送禁止と同じく、ルポルタージュを最後まで見ても訳が分からず、作者による解説があって初めて真の意味がわかる構成です。2度読むのが楽しくなるでしょう。また、考察サイトによると、私が気づかなかった 面白い伏線が多々あり、小説家としての実力に驚かされます。 以下、難癖ポイント。 普段、滅多に真相を当てることがない私ですが、この本の真相に半分程度は気づきました。それは推理小説によく見るアイディアが使われていたためです。そのため、以下のものはアイデンティティを感じませんでした。 ・若橋呉成の名前からしてアナグラム臭いw ・急に骨からだしをとったスープのを飲みだすと、ウミガメのスープを思い出す…→と、いうことは…。 総じて、読みやすくどんでん返しがあり、細かな伏線があり、最後にはぞっとさせるよい本でした。このクオリティなら次作も買いたいと思えます。 |
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| No.443 | 6点 | ヴァンプドッグは叫ばない- 市川憂人 | 2026/08/26 23:34 |
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| ネタバレをしております。また若干の過去作のネタバレもしてしまっているかもしれません。
アメリカの映画やドラマの雰囲気と、すこしSFの要素が入ったシリーズです。特に今作は事件の規模が大きく、スピード感があり、より映画のような趣があるような気がします。とても読みやすく、あまり時間がかからずに読了できました。 20年前の連続殺人鬼で狂犬病の変異種の感染者・ヴァンプドッグが施設から脱走し、ヴァンプドッグの犯行と思われる遺体が多数見つかります。また、時を同じくして現金輸送車が襲撃される事件も起こります。2つの事件は一見すると全く関係がないように見えますが、徐々に関係性が明らかになっていき、最後には犯人が仕掛けた壮大なトリックが判明します。 推理小説的要素について。 ミステリとしてはかなりの変種です。物語終盤までDウイルスの特徴がつかめません。また、死後に甦る?ゾンビ映画のような要素もあり、本の前半で捜査や推理に使われた死亡推定時刻などの情報がひっくり返りますw 私は何をもとにして考えたらよいのかわからず、パニックになってしまいましたw 部分部分は論理的なところもありましたが、果たして読者に解かせる気があるのかわからないぐらい細かく、大部分でDウイルスによる特殊設定が絡まってきます。私は解ける気がしませんでした…。 また、今回の叙述トリックはやや小粒であり、プロットで魅せるタイプのミステリでした。大きな叙述トリックを期待していると肩透かしを食らうかもしれません。 総じて、非常に読みやすく、読んでいる間は楽しめました! ただ、本格推理小説か?というわれると少し自信をもってそうといいえるかわかりません; 読み物として好きだが、推理小説としては微妙…というのが感想ですw |
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| No.442 | 6点 | アリアドネの弾丸- 海堂尊 | 2026/08/17 18:30 |
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| ネタバレをしております。
チーム・バチスタの栄光が話題になっていた時、バチスタを読み、相性の悪さを感じてこのシリーズを読んでこなかった私ですw 書評点の高さから期待を込めて久しぶりにこのシリーズを読んでみました。 医療ミステリだけあり、専門用語が多く登場します。また、警察vs医療の社会派ミステリっぽいノリもあり(?)、会議でのバトルはリーガルミステリのような趣もあると思います。本格推理小説党の私は社会派は苦手なのですが、作者の筆力もあってかそれほど時間がかからずに読了できました。 推理小説部分について。 メイントリックは、やはり医療現場で活躍する機器をふんだんに活かした独創的なものでした。ただし、私は好みではありません。白鳥の論理は、もし銃を使ったとしたらMRIの磁場によってもっと死体が損傷しているはず…というものが出発点となっておりますが、読者にとっては銃の威力と損傷度とMRIによって上がる威力など想像できません。また、MRIによって弾が加速されるためパチンコでも殺害が可能…これもMRIによる影響が詳しくわからないので想像できませんw とはいえ、文句を言ってきた私ですが、上記の銃ではなくなにか火薬を使わないものでも殺せるのでは?と思ってしまいましたw それは、前半に書かれたMRI内での事故が細かく解説されたからです。人によってはフェアと思えるでしょうね。 余談ですが、漫画的な属性をもったキャラクターである西園寺さやかは下巻からほぼ出てきませんが、このキャラは必要あったのでしょうか? 次回作から本格的に出てくるのでしょうかw あと、私の記憶に残っている白鳥のイメージと、アリアドネでの白鳥のイメージが違って見えました。バチスタではたしかもっと嫌な奴だった気がしますが、アリアドネでは大分まろやかになっている印象で、不快さがなくなっていてよかったです。 総じて、読み物として面白く人気になるのがわかるのですが、本格推理小説としてはいまいち…な感じでした。他にも読んでもいいかも…と思うようになりました。 |
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| No.441 | 6点 | 魔女の館の殺人- 三日市零 | 2026/07/08 17:34 |
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| ネタバレをしております。
読みやすそうなクローズドサークルを求めて購入しました。思った通り、非常に非常に読みやすく、さほど時間が掛からずに読了できました! 文体はややライト寄りで、主人公と探偵の仲のよい大学生ペアは女性人気が出そうな感じです。 本作は合間合間に脱出ゲームの出題がされ、読者もそれを楽しめます。なんとなく、暗号解読系の推理小説のような楽しみ方ができますね。また、一部それを利用したトリックもあり、推理小説的に無駄にはなっていないのも良かったです。 クローズドサークルで連続殺人事件が起こりますが、クローズドサークル特有の凄惨さやお互いを疑うギスりなどはなく、登場人物同士が終始仲良く謎解きに興じている様にみえます。サスペンス性は薄いですが、そういうのが苦手な人にもおすすめです。推理小説を読みたいけど、そういうのが苦手って人には最適な本なんじゃないでしょうか? 推理小説敵要素について。 あまり大きなトリックは無いものの、特に第二の事件での詩文の推理は納得がいきました。あまり深く検証していなかった自分は後悔をしましたねw 犯人の犯行はやや綱渡りな感じもありますが、全ての推理は難しくとも犯人とを特定できるヒントは十分にあり、フェアさを感じました。 ラストには犯人が最初に入れ替わっているという、ドンデン返しもありました。 難癖ポイント。 脱出ゲームを推理小説に取り入れたのはオリジナリティを感じますが、その他の要素はややどこかで見たような既視感がありました。クローズドサークルは使い古されているので当然アリだとしても、ワトスン役の瞬間記憶の特殊能力、見立て殺人、変人で超人的な探偵への苛立ちや恐れなどのワトスン役の葛藤や喧嘩などの青春小説要素、犯人の入れ替わりなどなど…。 総じて、古くからのクローズドサークルの良いところと、昨今の推理小説のトレンドを取り入れたような、バランスの良い佳作でした。ただ、最近の推理小説には個性的な名作も多く、そういう作品と比べると一歩劣る感じはします。雰囲気がよく読みやすいので、もしシリーズ化し第二弾がでたら買うでしょうね! |
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| No.440 | 6点 | 極限推理コロシアム- 矢野龍王 | 2026/07/03 23:08 |
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| ネタバレをしております。
外連味たっぷりなタイトルにひかれて買いましたw 看板の通り、デスゲーム調のクローズドサークルものです。 主人公が目を覚ますところから始まりますが、すでに何者かに施設に運び出された後であり、テンポが非常に良いです。主人公を含め登場人物たちのバックボーンもあまり深堀りされず、必要なもの以外をそぎ落とされております。 2つの館で同時進行で殺人が起こってゆき、その犯人を当てるという趣向です。自分の館だけでなく、他の館の犯人まで当てなければいけないところがミソです。 非常に読みやすい作品ではありますが、一方でデスゲームであるにもかかわらずあまりサスペンス性やホラー感はないです。これは一概に悪いとも言えませんが。 また、主催者が用意したゲームに欠陥が多い気がします。夏の館にいる主人公は、裏技のような方法で冬の館の情報を入手しますが、あまりにも偶然で、それが見つからなかったら非常につまらない展開になったろうと思います。ヒントもなぞなぞのような感じでそれほど魅力も感じませんでした;; 推理小説的にもそれほど魅力を感じませんでした。読者が推理できることはあまりなく、本格を求めると肩透かしを食らうと思います。エンターテイメント性に特化した作品です。 以下、疑問点。読み飛ばしていたらすいません。 篠原は真っ暗な部屋の中で、さらにベッドの下に入った状態で、どうやって天井から出入りする犯人を見たのでしょうか? 直前は真っ暗で何も見えないとか言っていたような。このことから、篠原が犯人だと思ってしまいましたw 冬の館の住人は、どうやって夏の館のブラフを看破したのでしょうか? 冬側になにか夏の情報が流れているのを疑いましたが、冬側からそんな説明はなかった…はず。犯人だけは館を行き来し夏の情報を得られますが、それを冬の住人にばらすはずないですしね。 総じて、非常に読みやすいデスゲーム調ミステリとして楽しめました。ただし、サスペンスによる緊迫感や本格推理小説の論理的解決を期待してはいけないですね。 作者はデスゲーム系の作品をいつくは執筆されているので、これから買っていこうと思います。 |
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| No.439 | 7点 | ボーンヤードは語らない- 市川憂人 | 2026/06/28 17:07 |
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| ネタバレをしております。
マリア&漣シリーズで短編集です。 短編集ですがシリーズの雰囲気を損なっておらず、またシリーズ登場人物の過去などのバックボーンを知れるファン垂涎の作品となっております。 このシリーズは舞台がアメリカ(多分)で、海外翻訳もののように読めますが、非常に読みやすいです。この短編集もまた読みやすく、読了まで時間がかかりませんでした。 以下、なるべく短く各編の感想を書いていきます。 〇ボーンヤードは語らない アメリカ空軍の、しかもボーンヤードという世界は初めて目にしました。独特で新鮮でした。 シリーズ恒例登場人物のジョンが出てきますが、過去回想は最小限でした。 遺体発見現場の図を見たときは違和感がありましたがスルーしてしまいましたw 最初のテリーの主観文章を頭の中で思い描いた光景と違っていたんです。もっとよく考えるべきでしたね。 表題作ではありますが、本作中もっとも小粒感がありました。 〇赤鉛筆は要らない 漣の過去に経験した事件です。日本が舞台となるため、このシリーズにしてはむしろ一風変わっております。 主観文章の人物が共犯をしたような感じのオチで、そのことが意図的に隠されているアンフェアさはあるものの、様々な伏線から十分にそれが察せられるため本格としてレベルが高いと思います。 足跡のトリックも単純ながら私にはわからず、面白く感じました。 〇レッドデビルは知らない 本作中もっとも複雑で入り組んだ話でした。またトリックも複雑で、犯人と真犯人がいるような構成でした。 ハズナの人種を錯覚させるような、シリーズ恒例の叙述トリック的なものがありましたが、いまいち作品にうまく絡んでいない気がします。ハズナが日本人でもアフリカ人でも、べつにひっくり返ったり世界が一変しない気がします。日本人でも話は通りますし。 〇スケープシープは笑わない レッドデビルは知らないと一部重複した要素があります。人種差別問題や、電話のコードを抜くことなど。 しかし、本作の中で最も論理的に犯人の矛盾をつける良い作品であり、またマリアと漣がタッグを組んで初めての事件です。こちらを表題作にするべきだったのではw 総じて、長編のような特大のドンデン返しはなかったものの、赤鉛筆とスケープシープは本格推理小説としてレベルが高かった気がします。短編~中編として大変満足しております。 |
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| No.438 | 5点 | 公爵さま、前代未聞です- リン・メッシーナ | 2026/06/11 02:48 |
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| ネタバレをしております。また、前作シリーズのネタバレもしております。
海外作品にもかかわらず神のごとく読みやすいシリーズです! 前回、とうとうベアトリスと公爵が結ばれ、二人に注目の本作です。ただ、後半まで公爵がでてこず、ベアトリス単独で捜査をするシーンが続きます。いつも二人で捜査してきただけに、やや寂しい感じもあります。 故人なので直接登場はしませんが、ベアトリスの両親が出ます。特にベアトリスの母クララは魅力的であり、もっと知りたくなりますね。 ベアトリスの両親の死についての事件になります。過去の事件のため、死体は出てきません。アリバイ検証なども難しく、論理的な犯人当ては期待できません…とはいえ、このシリーズはミステリ要素がおまけのような感じですがw 推理小説的要素について。 上記に書いた通り、アリバイ検証が難しく、犯人断定シーンはかなり一点に絞られますw 論理的な推理は難しいと書きましたが、犯人候補の登場人物は極めて限られ、またそのヒントは露骨であるためバレバレです; このシリーズではたびたびありますが、犯人が勝手に自爆あるいは自白しだしますw 総じて、推理小説としてはどんどん薄味になってきましたが、今作で公爵との絆は深まった感があり、次作ではがっつり協力して捜査にあたるのではいかと期待してしまいます。 |
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| No.437 | 6点 | 断片のアリス- 伽古屋圭市 | 2026/06/06 23:37 |
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| ネタバレをしております。
終末世界のVR空間内で事件が起こるミステリです。非常に特殊な設定にひかれて購入。 VRというと、岡島二人のクラインの壺や、映画マトリックスなんかが思い浮かびます。また、アリス殺しなんかの雰囲気も感じますね。本作はさらに一人に一つのAIがサポートについている感じです。 SFや、現実離れした設定のミステリは多くあります。ミステリは設定の説明が重要になることが多いですが、変に説明に傾きすぎず、物語の進行に合わせて自然に説明がなされるとよいです。その点本作はとてもよかったです。赤エビ亭に入ってからがミステリとしては本番なのですが、その道中のファンタジー冒険パートでも少しずつVR内でできること・できないことの説明がなされます。 中盤からは一気にサスペンス的な要素も入ってきて、殺し合いが発生します。非常にテンポがよく、緊張感もありました。変にグロ過ぎないですし、読みやすかったです。 ラストには隠された要素が明かされ、ドンデン返しがあります。読後感も悪くなかったです。 推理小説的要素について。 残念ながら、本格度は低かったです; なにを本格と呼ぶのかは人それぞれですが…。 好みの話かもしれませんが、このVR空間とAIの仕様を殺人トリックか推理のロジックに組み込んでもらいたかったです。ハルがそれらを利用してLKを騙し討ちにするシーンがあり、その点は良かったのですが、他はそれほどうまく活用されているように見えませんでした;; 総じて、読みやすく、ファンタジーともSFともとれる作風が面白くよかったです。本格推理小説として読まなければいい本に違いないです。が、ミステリ党の私はやはり少し残念に思ったりもしますw |
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| No.436 | 5点 | 心ひき裂かれて- リチャード・ニーリィ | 2026/06/01 02:28 |
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| ネタバレをしております。
一度に5~6冊をネットで買っている私ですが、大抵海外作品を1冊は買います。海外作品アレルギーがありますので、あまり長い期間海外作品に触れないとひどくなる気がしてw やはりというか、非常に読みづらさを感じてしまいました; 横文字の名前の覚えづらさや、古い海外作品特有の文字の小ささ、中古特有の臭さ(笑)などもあいまり、ページが進まないw また、連続強姦事件についての本なので仕方ないですが、ちょっときつめの強姦描写がありました。それに、ハリーとグロリアの情事のシーンもしつこく、もっとページを削ってもいい場面はあると思います。 推理小説的要素について。 海外作品によくある2時間ドラマ調のサスペンスものなので、本格推理小説のものさしでははかれない作品だと思いますが…。 この本のドンデン返し要素は大きく2つありました。主観人物であるハリーがケイトを襲い、かつ2件の事件の犯人であったこと。また、妻であるケイトはハリーの母親であったことの2つです。 主観人物が真犯人のような作品はたくさんありますが、この作品はややアンフェアであり、納得感がありません。酔っていて覚えてなかったとか、都合よく事件の部分が読者に示されてないとか…。ミステリとしては魅力ゼロでした。 ケイトの年齢が思ったよりも高く、また母親であったことはこの本最大のドンデン返しであり魅力です。伏線もいくつか張られていたように思えます。しかし、それ自体は強姦事件とはあまりかかわってこず、ハリー真犯人とはうまくつながりきってない印象です。ケイトが母親だったけどだからどうしたの…という感想になってしまいました。 日本のミステリに似た構成のものがあり、それもやはりある人物の年齢を大きく錯覚させるものでした。そちらのほうはその叙述トリックをふんだんに生かしたものであり、そちらもまたエログロがあったにせよwレベルが段違いで面白かったです。 総じて、非常に読みづらく、相性の悪い本でした; ミステリに当てはめて評価してはいけないかもしれませんが、読了後の私の第一印象はいまいちだった…でした; |
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| No.435 | 5点 | 演じられた白い夜- 近藤史恵 | 2026/05/02 00:35 |
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| ネタバレをしております
役者たちが集まるクローズドサークル…しかも、その演目どおりに殺されていく…とても惹きつけられる設定で購入しましたw 非常に読みやすく、すぐに読了できました。役者たちもそれほど人数がいるわけではなく、作中作の劇のストーリーもシンプルです。あまり覚える必要はありません。 ややテンポやサスペンス性には欠けるものの、割と早い段階で雪密室事件が起こります。 主観の人物は女性であり、匠や水上との微妙な感情や関係が描かれます。それがラストシーンや真相にも活きている気がします。 以下、難癖ポイント。 役者が集まるクローズドサークルという魅力的な設定をみせられると、そこになにか特別なトリックやドンデン返しを期待してしまうのですが、特にそういうこともなく、普通のクローズドサークルのようでした。 推理小説的要素は第一事件である自殺に見せかけた雪密室が最も大きな部分です。しかし、そのトリックはヒント不足な感じがあり、また成功するのかどうか疑問に思ってしまいました。カメラを使って被害者をコントロールした点には感心しました。 総じて、読みやすさはあったものの本格度が低い作品でした。また、この本ならではの個性も薄かったように思えます。 |
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| No.434 | 7点 | 僕を殺した女- 北川歩実 | 2026/04/27 19:11 |
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| ネタバレをしております。
ある日目覚めた”僕”こと篠井有一は5年後にタイムスリップし、かつ女性の体になっていた…という、SFチックな特殊な設定でのミステリです。設定に惹かれて買いました。 ドラマ調のミステリでありドンデン返しが持ち味なタイプです。中盤までは話が進むスピードが遅いと思うことがありましたが、ヒロヤマトモコ・智明・有一のパーソナルデータが明らかになるにつれて加速度的に物語が進行し、そこからは一気に読むことが出来ました。 物語が綺麗にまとまっているのも良かったです。非常に特殊な設定で、偶然に偶然が絡みはしますが、真相には説得力があり納得感があります。また、読後感が良いのもいいですね。 本格推理小説ではいので、推理小説的な評価は決められません。読みやすさとドンデン返しと読後感の良さを評価したいと思います。 ただ、名作になるにはもっととびきり驚かせてほしかったところで、佳作というイメージです。自身の記憶がが信用できなくなったり、誰が嘘をついているのかわからない状態というようなミステリは結構あり、また名作も多いです。それらの作品よりかはやや淡泊な感じがします。 |
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| No.433 | 6点 | 奇岩館の殺人- 高野結史 | 2026/04/16 00:04 |
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| ネタバレをしております。
クローズドサークルが大好きな私は、クローズドサークルものと聞いただけで買いです! 本作もクローズドサークルだったため買ってしまいましたw しかし、やや思っていたのとは違いましたけどw 非常に特殊な状況でのミステリです。 本作は登場人物のほとんどが作られたミステリの中にいて役を演じているのに、実際に人が死ぬという体験型マーダーミステリのような作品です。殺人劇がテーマな作品はわりと読んできました。殺人が実際に起こらない小説内の人物たちが役者だったりカメラが回っていたりするもの。実際に殺人が起こっていて登場人物の限られた人しか劇と認知していないもの。様々なものを読みました。しかし、本作のようなものは初めてですw そのため、クローズドサークル特有の緊張感みたいなものはありませんでした。主人公格の一人の"佐藤"に関してだけ、自分が殺されるかもしれないという緊張感は存在しましたがw そのかわり、倒叙ミステリのような趣と、アクシデントによる運営側のどたばた苦労が書かれており、やっていることはえげつないのに喜劇のような楽しみ方ができましたw 特に小園間と香坂については、やっていることは大悪党にもかかわらず、どこか応援してしまっている自分がいましたw 推理小説的部分に関して。 楽しく読めた一方、本格度は低かったと思います。クローズドサークルをテーマにした2時間ドラマに近いような気がしました。ドンデン返しと予想がつかないラストがあるのは良いものの、読者が推理をして真相を解くといったものではなかった気がします。 総じて、本格推理小説としてではなく、広義のミステリーとして読めば大変楽しく読める一冊でした! 格キャラクターのキャラもかき分けができており、かつ本筋以外の無駄な文があまりなかったです。ただ、小園間には死んでほしくないのですが…どうなっちゃったんでしょうかね。最後少しだけ女上司がデレ(?)、スタッフからの信望が厚く、優秀な脚本担当を入手した小園間は出世する香りがするのですが…。 |
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| No.432 | 6点 | 太鼓叩きはなぜ笑う- 鮎川哲也 | 2026/04/07 19:00 |
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| ネタバレをしております。
シリーズ短編集とは知らずに購入w 私立探偵の”わたし”が弁護士から依頼されて、被疑者の無罪を立証するために捜査を行うも行き詰まる。しかしバー『三番館』のマスターのバーテンダーさんがたちどころに謎を解いてしまう…という安楽椅子探偵もののシリーズです。そういえば主人公のわたし、弁護士、バーテンダーさんは名前が表記されておりませんね(多分)。 基本的には鮎川さんの他の警察小説と同じ流れを踏襲しております。ただ、白い手黒い手など、警察では出来ないような犯人へのハメ手を取っており楽しめます。また、"わたし"のパーソナルデータが出るたびに少しずつ人となりが明らかになっていき、他の作品よりもキャラクター味が出ている気がします。 以下、ひとこと感想を書いていきます。 ・春の驟雨 この本では最も気に入りました。タイトル通り驟雨でアリバイが崩れるのもいいし、最後に犯人を追い詰める”わたし”の論理はバーテンダーさんに頼りっきりではない感じなのも良かったですw ・新ファントム・レディ タイトル通り幻の女を意識した作品ですが、知らなくても楽しめると思います。犯人はかなり大胆な行動をとっており、蓋然性に疑問がありますが面白かったです。ただ、犯人の行動が事実だとすると、守るべき被疑者の時間的なアリバイもなくなってしまうような? ・竜王氏の不吉な旅 これのみ、序盤から仕掛けがわかりましたw まあ、電車周りのトラベルミステリっぽい仕掛けはわかりませんでしたがw ラストの切れ味も良かったですね。 ・白い手黒い手 言われてみればなるほどなと思いますが、本全体では謎が小粒であり、個人的には微妙でした…。 ・太鼓叩きはなぜ笑う 犯人のトリックを立証するために"わたし"を利用するバーテンダーさんは面白かったですが、やはりこれも蓋然性の問題が気になっちゃいました; そんなに上手くいくかな…? 犯人はそうとう危険な橋をわたっているきがしますが。しかし、短編なのであまり口うるさくは言いませんw 総じて、稀代のアリバイトリックメーカーによる短編集はやっぱり楽しかったです。個人的には鮎川さんは短編に向いている作家さんだと思います。 ピンタンフールーとバイオレットフィズが気になります。ピンタン~はともかく、バイオレットフィズはスーパーに売ってないかなぁ? |
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| No.431 | 7点 | 変な地図- 雨穴 | 2026/03/24 21:46 |
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| ネタバレをしております。また、一部過去の変なシリーズのネタバレもしております。
おそらく世界一読みやすいホラーミステリのシリーズ、変なシリーズの最新作です! 丁寧に挿入される絵や図や説明、伏線回収のさいの元となる文章の挿入など、もう作者の特徴のひとつとなりましたね。流石にこれは必要ないだろう…と思われるものもありますがその効果は絶大で、頭の中で人・場所・時間を整理する必要がなく、読書の難易度が圧倒的に簡単になります。内容はホラーミステリなため万人に勧めづらいのですが、活字離れしている人にこそ読んでほしい作品です。もうベストセラーになっているということは、きっと読書が習慣化されてない人にまで売れていることでしょうw 本作はこれまでとは違い、探偵役だった栗原の事件簿となります。これまで謎だった栗原のパーソナルデータが大量に手に入りますw 栗原の過去が明らかになることにより、探偵役としての魅力も増すでしょうね。とはいえ、私が思っていたよりも冷笑眼鏡クイッ系(なにそれ?)だったのは衝撃でした! 変な地図だけあり、全編を通して地図がテーマになります。一つの不気味な地図が謎の発端であり、ミステリで言うところのトリック部分にも測量の要素が使われております。また、すべてを読み終えたときには、実はその地図が描かれる理由には人の温かみがあり、読者は初見とはまるで180度違う絵に見えるところも素晴らしい構成だと思います。 推理小説部分について。 ホラーミステリ(個人的にはサスペンスミステリだと思うが)のジャンルであるため、あまり本格推理小説の尺度で評価するのは無粋ではありますがw 私が最も感心したのは、やはりキミコら意図的に起こした事故でした。三角点という測量に関するものが関わっておりテーマに沿っておりますし、ミステリ的にも面白かったです。難癖をつけるとすれば、やはり実際に三角点を動かせば気づかれてしまうだろうことですねw 過去作はホラー小説によくある小説内の謎をすべては提示しなかったり、最後にはカオスに終わる展開もありました。しかし、今作はすべての謎に合理的な答えが提示され、それが過去作よりもミステリ的だと感じました。また、大団円で終わるのも読後感がよくていいです。 総じて、ホラーやサスペンス的要素は過去作よりも薄めであり、恐怖という意味ではシリーズ一番軽いかもしれません。ただ、ミステリとして見た場合、最も綺麗にまとまった作品だと思いました。私はミステリ党なため、変な地図が一番面白かったです。 |
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| No.430 | 7点 | ママは何でも知っている- ジェームズ・ヤッフェ | 2026/03/12 02:40 |
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| ネタバレをしております。
表紙とタイトルから、ユーモアミステリかコージーを予想しましたが、論理的かつ驚きがある極めて端正な本格推理小説でびっくりしました! しかも警官のボク・ときに皮肉屋、ときに心優しい安楽椅子探偵ママ・ママの鼻を明かそうとして失敗しづつけるシャーリィ・ママと同年代の心優しいミルナー警部らの掛け合いが面白く、ユーモアミステリ並の読みやすさを誇ります。 論理的に楽しめる短編が多かったですが、後半に行くほど徐々にドンデン返しの趣向が強くなり、最終話の中編はすこし日本人の私には難しい内容となってしまいました; 前半の感じが全て続いていたら8点でも良かったと思いますが、7点としておきます! |
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| No.429 | 6点 | そして誰かがいなくなる- 下村敦史 | 2026/02/21 02:32 |
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| ネタバレをしております。
クローズドサークルに目がない私は、それだけで買ってしまいますw 買ってから帯の文を読んで初めて気づきましたが、作者の実際の自宅がモデルになっているのですね(というか写真まで出てきて、そのままそっくり登場)。とんでもなく高額になったようで、かなり多額のローンを組まれているんだそうです。作者の本格推理小説愛には脱帽ですね。 この作品も典型的なクローズドサークルの流れを踏襲しております。ただ、冒頭で御津島?が建築会社の人と館の建設について打ち合わせをしているシーンが書かれており、それが今までにない雰囲気です。また、フェアさにも寄与しております。 一般的なクローズドサークルと同じく、非常に読みやすかったです。登場人物も適度で覚えやすく、また本筋とは関係ない文章も最低限になっています。しかし、起こった殺人は結局一件であり、事件に思えたものが犯人以外の行動だったので、それほど緊迫感には欠けたかもしれません; 推理小説的要素について。 多くのクローズドサークル作品と同じく、緻密なロジックで犯人を一人に断定するとう趣向ではありませんでした。人物の入れ替わりなどによるプロットで驚かせるドンデン返しタイプでした。ただ、そのドンデン返しも既視感があり、どこか他の名作と似ているようにも思えてしまいます。私は推理できませんでしたがw また、上にも書きましたが、登場人物の多くが何らかの思惑で犯人っぽいことをしてしまっております。なので、推理は非常に難しく紛らわしいですw まあ、ロジックが魅力の作品ではないと思いますが。 総じて、作者の本格愛の感じる作品でした。また、読書する際のストレスがなく、作者の文の上手さも感じました。一方で、近年では名作が多く世に出る推理小説界ですので、24年出版の本にしてはオリジナリティに乏しいと感じました! |
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| No.428 | 6点 | 公爵さま、それは誤解です- リン・メッシーナ | 2026/02/16 18:25 |
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| ネタバレをしております。
非常に読みやすいミステリとして重宝しているシリーズですw 3作目にもなると重要登場人物と役割が固まってきた感じがあり、その読みやすさはもはや漫画の域です。 今作は、タイトルや帯のアオリ文がやや不穏。ふたりの気持ちはすれ違いーーとあり、表紙の絵もお互いに違う人とダンスしております。なので、内容を見るまではベアトリスと公爵が仲違いをする展開が書かれると思いました。しかし、公爵との恋を諦めて公爵を避けるベアトリスという感じで、それほど気持ちのすれ違いって感じでもなかったです。ベアトリスが公爵との恋を諦めるきっかけになった公爵の婚約候補って、一体何者でどこへ行ったのでしょうかw そのへんは4作目で書かれるのでしょうか? 3作目にしてベアトリスの恋が成就したのですが、もう少しシリーズ数を重ねてからそうなっても良かったかもしれませんね。アマゾンレビューで言及していた方もいましたが、恋になりそうでならない関係がもう2~3作品あっても良さそうですね。このへんは意見が分かれるところでしょうねw 推理小説的要素について。 2作目よりも本格色はあると思います。解決編を聞いたときはなるほどと思いました。少しヒントもありますしね。 とはいえ、最後の展開は犯人がちょっとアホでしたねw 犯人は”ベアトリスがみんなに真相を話しても信じる人などいない”というスタンスでべらべら自白したというのに、なぜか焦ってベアトリスを襲って自滅しますw まあ、このあたりはラストの大団円での引き立て役になったのでしょうねw 総じて、一瞬で読み終えられるほどの読みやすさと、薄味とはいえ推理小説要素もあってバランスが良い作品でした。今作で公爵とベアトリスの関係性が激変するので、次回作はどういった感じになるのかが気になるところです。 |
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| No.427 | 6点 | アルファベット荘事件- 北山猛邦 | 2026/02/14 19:57 |
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| ネタバレをしております。また、若干の同作者の城シリーズのネタバレにもなってしまっているかもしれません。
北山猛邦のクローズドサークルと聞いて、それだけで買ってしまいましたw クローズドサークル特有の緊張感やサスペンス感やスピード感はあまりなく、そこを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。ただ、キャラクターと雰囲気に北山猛邦の城シリーズっぽさを感じました。物理トリック、ちょっと幻想的な雰囲気、ほのかな恋愛要素などです。終盤になるとどこか本が終わってほしくない不思議な感覚になります。登場人物も最低限であり、美久月やディなど魅力的な人物もあってか、すぐに読了できました。 また、複数探偵?による多重解決シーンも書かれておりました。ただ、その反証がすぐに行われ、バチバチの推理合戦とまではいかなかったです。 推理小説部分について。 この作者といえば大掛かりな物理トリックが魅力です。今回もらしさがありました。とはいえ、ちょっと難点もおおいですw まず、西ドイツでの呪いの箱に死体が出現する話ですが、残念ながら私にはピンときませんでしたw たしかに文中にヒントがあったのかもしれませんが、種明かしを聞いたときには「箱ってそんなにでかいんだ?」としか感じず、いまいちトリックを明かされたときの快感を感じませんでした; メインの”どうやって箱を本館へ運んだか?”という問題も、そこまで心に響かなかったです。これは私が悪いのかもしれませんが、種明かしを聞いた第一の感想が「アルファベットオブジェってそんなにでかいんだ?」でしたw ”A”に関してはとてもでかいことは分かっておりましたが、その他もそれほどデカかったのですねw とはいえ、ある程度推理小説を読んでいる読者ならば、見取り図をみた段階で”アルファベットをつかってなんやかんやしたんだな”というのは想像できるし、真相がわからなかったとしても大きな驚きにはならないと思います。 総じて、個人的にはそれほど悪くないと思いましたw ちょっとバカミスとも思えるほどの大掛かりな物理トリックはあまり見られない昨今の推理小説界ですので希少価値を感じます。また、始まりと終わりが割ときれいに決まっているのも良かったです。甘めかもしれませんが6としておきました。 |
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