皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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ミステリ初心者さん |
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| 平均点: 6.16点 | 書評数: 439件 |
| No.439 | 7点 | ボーンヤードは語らない- 市川憂人 | 2026/06/28 17:07 |
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| ネタバレをしております。
マリア&漣シリーズで短編集です。 短編集ですがシリーズの雰囲気を損なっておらず、またシリーズ登場人物の過去などのバックボーンを知れるファン垂涎の作品となっております。 このシリーズは舞台がアメリカ(多分)で、海外翻訳もののように読めますが、非常に読みやすいです。この短編集もまた読みやすく、読了まで時間がかかりませんでした。 以下、なるべく短く各編の感想を書いていきます。 〇ボーンヤードは語らない アメリカ空軍の、しかもボーンヤードという世界は初めて目にしました。独特で新鮮でした。 シリーズ恒例登場人物のジョンが出てきますが、過去回想は最小限でした。 遺体発見現場の図を見たときは違和感がありましたがスルーしてしまいましたw 最初のテリーの主観文章を頭の中で思い描いた光景と違っていたんです。もっとよく考えるべきでしたね。 表題作ではありますが、本作中もっとも小粒感がありました。 〇赤鉛筆は要らない 漣の過去に経験した事件です。日本が舞台となるため、このシリーズにしてはむしろ一風変わっております。 主観文章の人物が共犯をしたような感じのオチで、そのことが意図的に隠されているアンフェアさはあるものの、様々な伏線から十分にそれが察せられるため本格としてレベルが高いと思います。 足跡のトリックも単純ながら私にはわからず、面白く感じました。 〇レッドデビルは知らない 本作中もっとも複雑で入り組んだ話でした。またトリックも複雑で、犯人と真犯人がいるような構成でした。 ハズナの人種を錯覚させるような、シリーズ恒例の叙述トリック的なものがありましたが、いまいち作品にうまく絡んでいない気がします。ハズナが日本人でもアフリカ人でも、べつにひっくり返ったり世界が一変しない気がします。日本人でも話は通りますし。 〇スケープシープは笑わない レッドデビルは知らないと一部重複した要素があります。人種差別問題や、電話のコードを抜くことなど。 しかし、本作の中で最も論理的に犯人の矛盾をつける良い作品であり、またマリアと漣がタッグを組んで初めての事件です。こちらを表題作にするべきだったのではw 総じて、長編のような特大のドンデン返しはなかったものの、赤鉛筆とスケープシープは本格推理小説としてレベルが高かった気がします。短編~中編として大変満足しております。 |
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| No.438 | 5点 | 公爵さま、前代未聞です- リン・メッシーナ | 2026/06/11 02:48 |
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| ネタバレをしております。また、前作シリーズのネタバレもしております。
海外作品にもかかわらず神のごとく読みやすいシリーズです! 前回、とうとうベアトリスと公爵が結ばれ、二人に注目の本作です。ただ、後半まで公爵がでてこず、ベアトリス単独で捜査をするシーンが続きます。いつも二人で捜査してきただけに、やや寂しい感じもあります。 故人なので直接登場はしませんが、ベアトリスの両親が出ます。特にベアトリスの母クララは魅力的であり、もっと知りたくなりますね。 ベアトリスの両親の死についての事件になります。過去の事件のため、死体は出てきません。アリバイ検証なども難しく、論理的な犯人当ては期待できません…とはいえ、このシリーズはミステリ要素がおまけのような感じですがw 推理小説的要素について。 上記に書いた通り、アリバイ検証が難しく、犯人断定シーンはかなり一点に絞られますw 論理的な推理は難しいと書きましたが、犯人候補の登場人物は極めて限られ、またそのヒントは露骨であるためバレバレです; このシリーズではたびたびありますが、犯人が勝手に自爆あるいは自白しだしますw 総じて、推理小説としてはどんどん薄味になってきましたが、今作で公爵との絆は深まった感があり、次作ではがっつり協力して捜査にあたるのではいかと期待してしまいます。 |
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| No.437 | 6点 | 断片のアリス- 伽古屋圭市 | 2026/06/06 23:37 |
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| ネタバレをしております。
終末世界のVR空間内で事件が起こるミステリです。非常に特殊な設定にひかれて購入。 VRというと、岡島二人のクラインの壺や、映画マトリックスなんかが思い浮かびます。また、アリス殺しなんかの雰囲気も感じますね。本作はさらに一人に一つのAIがサポートについている感じです。 SFや、現実離れした設定のミステリは多くあります。ミステリは設定の説明が重要になることが多いですが、変に説明に傾きすぎず、物語の進行に合わせて自然に説明がなされるとよいです。その点本作はとてもよかったです。赤エビ亭に入ってからがミステリとしては本番なのですが、その道中のファンタジー冒険パートでも少しずつVR内でできること・できないことの説明がなされます。 中盤からは一気にサスペンス的な要素も入ってきて、殺し合いが発生します。非常にテンポがよく、緊張感もありました。変にグロ過ぎないですし、読みやすかったです。 ラストには隠された要素が明かされ、ドンデン返しがあります。読後感も悪くなかったです。 推理小説的要素について。 残念ながら、本格度は低かったです; なにを本格と呼ぶのかは人それぞれですが…。 好みの話かもしれませんが、このVR空間とAIの仕様を殺人トリックか推理のロジックに組み込んでもらいたかったです。ハルがそれらを利用してLKを騙し討ちにするシーンがあり、その点は良かったのですが、他はそれほどうまく活用されているように見えませんでした;; 総じて、読みやすく、ファンタジーともSFともとれる作風が面白くよかったです。本格推理小説として読まなければいい本に違いないです。が、ミステリ党の私はやはり少し残念に思ったりもしますw |
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| No.436 | 5点 | 心ひき裂かれて- リチャード・ニーリィ | 2026/06/01 02:28 |
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| ネタバレをしております。
一度に5~6冊をネットで買っている私ですが、大抵海外作品を1冊は買います。海外作品アレルギーがありますので、あまり長い期間海外作品に触れないとひどくなる気がしてw やはりというか、非常に読みづらさを感じてしまいました; 横文字の名前の覚えづらさや、古い海外作品特有の文字の小ささ、中古特有の臭さ(笑)などもあいまり、ページが進まないw また、連続強姦事件についての本なので仕方ないですが、ちょっときつめの強姦描写がありました。それに、ハリーとグロリアの情事のシーンもしつこく、もっとページを削ってもいい場面はあると思います。 推理小説的要素について。 海外作品によくある2時間ドラマ調のサスペンスものなので、本格推理小説のものさしでははかれない作品だと思いますが…。 この本のドンデン返し要素は大きく2つありました。主観人物であるハリーがケイトを襲い、かつ2件の事件の犯人であったこと。また、妻であるケイトはハリーの母親であったことの2つです。 主観人物が真犯人のような作品はたくさんありますが、この作品はややアンフェアであり、納得感がありません。酔っていて覚えてなかったとか、都合よく事件の部分が読者に示されてないとか…。ミステリとしては魅力ゼロでした。 ケイトの年齢が思ったよりも高く、また母親であったことはこの本最大のドンデン返しであり魅力です。伏線もいくつか張られていたように思えます。しかし、それ自体は強姦事件とはあまりかかわってこず、ハリー真犯人とはうまくつながりきってない印象です。ケイトが母親だったけどだからどうしたの…という感想になってしまいました。 日本のミステリに似た構成のものがあり、それもやはりある人物の年齢を大きく錯覚させるものでした。そちらのほうはその叙述トリックをふんだんに生かしたものであり、そちらもまたエログロがあったにせよwレベルが段違いで面白かったです。 総じて、非常に読みづらく、相性の悪い本でした; ミステリに当てはめて評価してはいけないかもしれませんが、読了後の私の第一印象はいまいちだった…でした; |
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| No.435 | 5点 | 演じられた白い夜- 近藤史恵 | 2026/05/02 00:35 |
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| ネタバレをしております
役者たちが集まるクローズドサークル…しかも、その演目どおりに殺されていく…とても惹きつけられる設定で購入しましたw 非常に読みやすく、すぐに読了できました。役者たちもそれほど人数がいるわけではなく、作中作の劇のストーリーもシンプルです。あまり覚える必要はありません。 ややテンポやサスペンス性には欠けるものの、割と早い段階で雪密室事件が起こります。 主観の人物は女性であり、匠や水上との微妙な感情や関係が描かれます。それがラストシーンや真相にも活きている気がします。 以下、難癖ポイント。 役者が集まるクローズドサークルという魅力的な設定をみせられると、そこになにか特別なトリックやドンデン返しを期待してしまうのですが、特にそういうこともなく、普通のクローズドサークルのようでした。 推理小説的要素は第一事件である自殺に見せかけた雪密室が最も大きな部分です。しかし、そのトリックはヒント不足な感じがあり、また成功するのかどうか疑問に思ってしまいました。カメラを使って被害者をコントロールした点には感心しました。 総じて、読みやすさはあったものの本格度が低い作品でした。また、この本ならではの個性も薄かったように思えます。 |
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| No.434 | 7点 | 僕を殺した女- 北川歩実 | 2026/04/27 19:11 |
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| ネタバレをしております。
ある日目覚めた”僕”こと篠井有一は5年後にタイムスリップし、かつ女性の体になっていた…という、SFチックな特殊な設定でのミステリです。設定に惹かれて買いました。 ドラマ調のミステリでありドンデン返しが持ち味なタイプです。中盤までは話が進むスピードが遅いと思うことがありましたが、ヒロヤマトモコ・智明・有一のパーソナルデータが明らかになるにつれて加速度的に物語が進行し、そこからは一気に読むことが出来ました。 物語が綺麗にまとまっているのも良かったです。非常に特殊な設定で、偶然に偶然が絡みはしますが、真相には説得力があり納得感があります。また、読後感が良いのもいいですね。 本格推理小説ではいので、推理小説的な評価は決められません。読みやすさとドンデン返しと読後感の良さを評価したいと思います。 ただ、名作になるにはもっととびきり驚かせてほしかったところで、佳作というイメージです。自身の記憶がが信用できなくなったり、誰が嘘をついているのかわからない状態というようなミステリは結構あり、また名作も多いです。それらの作品よりかはやや淡泊な感じがします。 |
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| No.433 | 6点 | 奇岩館の殺人- 高野結史 | 2026/04/16 00:04 |
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| ネタバレをしております。
クローズドサークルが大好きな私は、クローズドサークルものと聞いただけで買いです! 本作もクローズドサークルだったため買ってしまいましたw しかし、やや思っていたのとは違いましたけどw 非常に特殊な状況でのミステリです。 本作は登場人物のほとんどが作られたミステリの中にいて役を演じているのに、実際に人が死ぬという体験型マーダーミステリのような作品です。殺人劇がテーマな作品はわりと読んできました。殺人が実際に起こらない小説内の人物たちが役者だったりカメラが回っていたりするもの。実際に殺人が起こっていて登場人物の限られた人しか劇と認知していないもの。様々なものを読みました。しかし、本作のようなものは初めてですw そのため、クローズドサークル特有の緊張感みたいなものはありませんでした。主人公格の一人の"佐藤"に関してだけ、自分が殺されるかもしれないという緊張感は存在しましたがw そのかわり、倒叙ミステリのような趣と、アクシデントによる運営側のどたばた苦労が書かれており、やっていることはえげつないのに喜劇のような楽しみ方ができましたw 特に小園間と香坂については、やっていることは大悪党にもかかわらず、どこか応援してしまっている自分がいましたw 推理小説的部分に関して。 楽しく読めた一方、本格度は低かったと思います。クローズドサークルをテーマにした2時間ドラマに近いような気がしました。ドンデン返しと予想がつかないラストがあるのは良いものの、読者が推理をして真相を解くといったものではなかった気がします。 総じて、本格推理小説としてではなく、広義のミステリーとして読めば大変楽しく読める一冊でした! 格キャラクターのキャラもかき分けができており、かつ本筋以外の無駄な文があまりなかったです。ただ、小園間には死んでほしくないのですが…どうなっちゃったんでしょうかね。最後少しだけ女上司がデレ(?)、スタッフからの信望が厚く、優秀な脚本担当を入手した小園間は出世する香りがするのですが…。 |
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| No.432 | 6点 | 太鼓叩きはなぜ笑う- 鮎川哲也 | 2026/04/07 19:00 |
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| ネタバレをしております。
シリーズ短編集とは知らずに購入w 私立探偵の”わたし”が弁護士から依頼されて、被疑者の無罪を立証するために捜査を行うも行き詰まる。しかしバー『三番館』のマスターのバーテンダーさんがたちどころに謎を解いてしまう…という安楽椅子探偵もののシリーズです。そういえば主人公のわたし、弁護士、バーテンダーさんは名前が表記されておりませんね(多分)。 基本的には鮎川さんの他の警察小説と同じ流れを踏襲しております。ただ、白い手黒い手など、警察では出来ないような犯人へのハメ手を取っており楽しめます。また、"わたし"のパーソナルデータが出るたびに少しずつ人となりが明らかになっていき、他の作品よりもキャラクター味が出ている気がします。 以下、ひとこと感想を書いていきます。 ・春の驟雨 この本では最も気に入りました。タイトル通り驟雨でアリバイが崩れるのもいいし、最後に犯人を追い詰める”わたし”の論理はバーテンダーさんに頼りっきりではない感じなのも良かったですw ・新ファントム・レディ タイトル通り幻の女を意識した作品ですが、知らなくても楽しめると思います。犯人はかなり大胆な行動をとっており、蓋然性に疑問がありますが面白かったです。ただ、犯人の行動が事実だとすると、守るべき被疑者の時間的なアリバイもなくなってしまうような? ・竜王氏の不吉な旅 これのみ、序盤から仕掛けがわかりましたw まあ、電車周りのトラベルミステリっぽい仕掛けはわかりませんでしたがw ラストの切れ味も良かったですね。 ・白い手黒い手 言われてみればなるほどなと思いますが、本全体では謎が小粒であり、個人的には微妙でした…。 ・太鼓叩きはなぜ笑う 犯人のトリックを立証するために"わたし"を利用するバーテンダーさんは面白かったですが、やはりこれも蓋然性の問題が気になっちゃいました; そんなに上手くいくかな…? 犯人はそうとう危険な橋をわたっているきがしますが。しかし、短編なのであまり口うるさくは言いませんw 総じて、稀代のアリバイトリックメーカーによる短編集はやっぱり楽しかったです。個人的には鮎川さんは短編に向いている作家さんだと思います。 ピンタンフールーとバイオレットフィズが気になります。ピンタン~はともかく、バイオレットフィズはスーパーに売ってないかなぁ? |
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| No.431 | 7点 | 変な地図- 雨穴 | 2026/03/24 21:46 |
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| ネタバレをしております。また、一部過去の変なシリーズのネタバレもしております。
おそらく世界一読みやすいホラーミステリのシリーズ、変なシリーズの最新作です! 丁寧に挿入される絵や図や説明、伏線回収のさいの元となる文章の挿入など、もう作者の特徴のひとつとなりましたね。流石にこれは必要ないだろう…と思われるものもありますがその効果は絶大で、頭の中で人・場所・時間を整理する必要がなく、読書の難易度が圧倒的に簡単になります。内容はホラーミステリなため万人に勧めづらいのですが、活字離れしている人にこそ読んでほしい作品です。もうベストセラーになっているということは、きっと読書が習慣化されてない人にまで売れていることでしょうw 本作はこれまでとは違い、探偵役だった栗原の事件簿となります。これまで謎だった栗原のパーソナルデータが大量に手に入りますw 栗原の過去が明らかになることにより、探偵役としての魅力も増すでしょうね。とはいえ、私が思っていたよりも冷笑眼鏡クイッ系(なにそれ?)だったのは衝撃でした! 変な地図だけあり、全編を通して地図がテーマになります。一つの不気味な地図が謎の発端であり、ミステリで言うところのトリック部分にも測量の要素が使われております。また、すべてを読み終えたときには、実はその地図が描かれる理由には人の温かみがあり、読者は初見とはまるで180度違う絵に見えるところも素晴らしい構成だと思います。 推理小説部分について。 ホラーミステリ(個人的にはサスペンスミステリだと思うが)のジャンルであるため、あまり本格推理小説の尺度で評価するのは無粋ではありますがw 私が最も感心したのは、やはりキミコら意図的に起こした事故でした。三角点という測量に関するものが関わっておりテーマに沿っておりますし、ミステリ的にも面白かったです。難癖をつけるとすれば、やはり実際に三角点を動かせば気づかれてしまうだろうことですねw 過去作はホラー小説によくある小説内の謎をすべては提示しなかったり、最後にはカオスに終わる展開もありました。しかし、今作はすべての謎に合理的な答えが提示され、それが過去作よりもミステリ的だと感じました。また、大団円で終わるのも読後感がよくていいです。 総じて、ホラーやサスペンス的要素は過去作よりも薄めであり、恐怖という意味ではシリーズ一番軽いかもしれません。ただ、ミステリとして見た場合、最も綺麗にまとまった作品だと思いました。私はミステリ党なため、変な地図が一番面白かったです。 |
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| No.430 | 7点 | ママは何でも知っている- ジェームズ・ヤッフェ | 2026/03/12 02:40 |
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| ネタバレをしております。
表紙とタイトルから、ユーモアミステリかコージーを予想しましたが、論理的かつ驚きがある極めて端正な本格推理小説でびっくりしました! しかも警官のボク・ときに皮肉屋、ときに心優しい安楽椅子探偵ママ・ママの鼻を明かそうとして失敗しづつけるシャーリィ・ママと同年代の心優しいミルナー警部らの掛け合いが面白く、ユーモアミステリ並の読みやすさを誇ります。 論理的に楽しめる短編が多かったですが、後半に行くほど徐々にドンデン返しの趣向が強くなり、最終話の中編はすこし日本人の私には難しい内容となってしまいました; 前半の感じが全て続いていたら8点でも良かったと思いますが、7点としておきます! |
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| No.429 | 6点 | そして誰かがいなくなる- 下村敦史 | 2026/02/21 02:32 |
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| ネタバレをしております。
クローズドサークルに目がない私は、それだけで買ってしまいますw 買ってから帯の文を読んで初めて気づきましたが、作者の実際の自宅がモデルになっているのですね(というか写真まで出てきて、そのままそっくり登場)。とんでもなく高額になったようで、かなり多額のローンを組まれているんだそうです。作者の本格推理小説愛には脱帽ですね。 この作品も典型的なクローズドサークルの流れを踏襲しております。ただ、冒頭で御津島?が建築会社の人と館の建設について打ち合わせをしているシーンが書かれており、それが今までにない雰囲気です。また、フェアさにも寄与しております。 一般的なクローズドサークルと同じく、非常に読みやすかったです。登場人物も適度で覚えやすく、また本筋とは関係ない文章も最低限になっています。しかし、起こった殺人は結局一件であり、事件に思えたものが犯人以外の行動だったので、それほど緊迫感には欠けたかもしれません; 推理小説的要素について。 多くのクローズドサークル作品と同じく、緻密なロジックで犯人を一人に断定するとう趣向ではありませんでした。人物の入れ替わりなどによるプロットで驚かせるドンデン返しタイプでした。ただ、そのドンデン返しも既視感があり、どこか他の名作と似ているようにも思えてしまいます。私は推理できませんでしたがw また、上にも書きましたが、登場人物の多くが何らかの思惑で犯人っぽいことをしてしまっております。なので、推理は非常に難しく紛らわしいですw まあ、ロジックが魅力の作品ではないと思いますが。 総じて、作者の本格愛の感じる作品でした。また、読書する際のストレスがなく、作者の文の上手さも感じました。一方で、近年では名作が多く世に出る推理小説界ですので、24年出版の本にしてはオリジナリティに乏しいと感じました! |
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| No.428 | 6点 | 公爵さま、それは誤解です- リン・メッシーナ | 2026/02/16 18:25 |
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| ネタバレをしております。
非常に読みやすいミステリとして重宝しているシリーズですw 3作目にもなると重要登場人物と役割が固まってきた感じがあり、その読みやすさはもはや漫画の域です。 今作は、タイトルや帯のアオリ文がやや不穏。ふたりの気持ちはすれ違いーーとあり、表紙の絵もお互いに違う人とダンスしております。なので、内容を見るまではベアトリスと公爵が仲違いをする展開が書かれると思いました。しかし、公爵との恋を諦めて公爵を避けるベアトリスという感じで、それほど気持ちのすれ違いって感じでもなかったです。ベアトリスが公爵との恋を諦めるきっかけになった公爵の婚約候補って、一体何者でどこへ行ったのでしょうかw そのへんは4作目で書かれるのでしょうか? 3作目にしてベアトリスの恋が成就したのですが、もう少しシリーズ数を重ねてからそうなっても良かったかもしれませんね。アマゾンレビューで言及していた方もいましたが、恋になりそうでならない関係がもう2~3作品あっても良さそうですね。このへんは意見が分かれるところでしょうねw 推理小説的要素について。 2作目よりも本格色はあると思います。解決編を聞いたときはなるほどと思いました。少しヒントもありますしね。 とはいえ、最後の展開は犯人がちょっとアホでしたねw 犯人は”ベアトリスがみんなに真相を話しても信じる人などいない”というスタンスでべらべら自白したというのに、なぜか焦ってベアトリスを襲って自滅しますw まあ、このあたりはラストの大団円での引き立て役になったのでしょうねw 総じて、一瞬で読み終えられるほどの読みやすさと、薄味とはいえ推理小説要素もあってバランスが良い作品でした。今作で公爵とベアトリスの関係性が激変するので、次回作はどういった感じになるのかが気になるところです。 |
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| No.427 | 6点 | アルファベット荘事件- 北山猛邦 | 2026/02/14 19:57 |
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| ネタバレをしております。また、若干の同作者の城シリーズのネタバレにもなってしまっているかもしれません。
北山猛邦のクローズドサークルと聞いて、それだけで買ってしまいましたw クローズドサークル特有の緊張感やサスペンス感やスピード感はあまりなく、そこを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。ただ、キャラクターと雰囲気に北山猛邦の城シリーズっぽさを感じました。物理トリック、ちょっと幻想的な雰囲気、ほのかな恋愛要素などです。終盤になるとどこか本が終わってほしくない不思議な感覚になります。登場人物も最低限であり、美久月やディなど魅力的な人物もあってか、すぐに読了できました。 また、複数探偵?による多重解決シーンも書かれておりました。ただ、その反証がすぐに行われ、バチバチの推理合戦とまではいかなかったです。 推理小説部分について。 この作者といえば大掛かりな物理トリックが魅力です。今回もらしさがありました。とはいえ、ちょっと難点もおおいですw まず、西ドイツでの呪いの箱に死体が出現する話ですが、残念ながら私にはピンときませんでしたw たしかに文中にヒントがあったのかもしれませんが、種明かしを聞いたときには「箱ってそんなにでかいんだ?」としか感じず、いまいちトリックを明かされたときの快感を感じませんでした; メインの”どうやって箱を本館へ運んだか?”という問題も、そこまで心に響かなかったです。これは私が悪いのかもしれませんが、種明かしを聞いた第一の感想が「アルファベットオブジェってそんなにでかいんだ?」でしたw ”A”に関してはとてもでかいことは分かっておりましたが、その他もそれほどデカかったのですねw とはいえ、ある程度推理小説を読んでいる読者ならば、見取り図をみた段階で”アルファベットをつかってなんやかんやしたんだな”というのは想像できるし、真相がわからなかったとしても大きな驚きにはならないと思います。 総じて、個人的にはそれほど悪くないと思いましたw ちょっとバカミスとも思えるほどの大掛かりな物理トリックはあまり見られない昨今の推理小説界ですので希少価値を感じます。また、始まりと終わりが割ときれいに決まっているのも良かったです。甘めかもしれませんが6としておきました。 |
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| No.426 | 6点 | ≠の殺人- 石崎幸二 | 2026/01/21 18:01 |
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| ネタバレをしております。また、少し過去作のネタバレもしております。
読みやすいユーモアミステリとして重宝しているシリーズですが、プレミア価格がついていて手が出せませんでした。先日、偶然値が下がっているのに気づいて急いで買いましたw 前作あたりからメンバーが固定化されてきた感があり、キャラクターの役割分担も決まってきた感じあります。ちょっとシリーズを読む時間があいたせいか(当サイトをみるとほぼ1年前!?)、またミリアとユリがどっちがどっちだか忘れかけていましたw よりボケが強くが芯を食う推理をするのがミリアなんでしたっけw 本作はゆるいシリーズのわりにやや感傷的なラストだったり、傷つけられた死体の理由から真犯人を推理したり、良い意味でも悪い意味でも本格推理小説な仕上がりになっております。 殺人が起こらなかったこともあるほど緩い作品や大団円な作品もあるシリーズなのですが、今回はやや後味の悪いラストになってしまいました。とはいえ、この程度は普通の推理小説では日常茶飯事であり、ミリア&ユリシリーズだからそう思えるかもしれません。 そっくりな双子→入れ替わりというのは鉄板ネタであって新鮮味がありませんが、切られた死体の推理はなかなか良かったですw こう言っては何ですが、ミリア&ユリシリーズらしからぬ本格ぶりでしたw 生理関連での犯人にとっての不利な偶然が起こり、そのごまかしをしなければならなかったというアイディア自体は他の作品でも見られるものですが。 今回も読みやすくていい作品でしたが、変わっている建物の中でのクローズドサークルの割にはすぐに帰ってしまった点と、ネタがわからない話があったのだけ残念でしたw なんとなく、変わった館などでの生活の描写や見取り図などを眺めて、なんだかそこに住んでいるような感覚になるのが好きですが、今回はそれを感じませんでした。 また、ガンダムと麻雀のネタが多く入っておりましたが、私はどちらも無知なのでついていけずに悲しかったです; |
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| No.425 | 7点 | 私雨邸の殺人に関する各人の視点- 渡辺優 | 2026/01/15 00:50 |
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| ネタバレをしております。また、この作品は、アガサ・クリスティーのある作品のネタバレがされています。
クローズドサークルに惹かれて購入しましたw また、興味が湧くタイトルですね! そのタイトル通り主に3人の主観文章で進みます。しかし、ごくごく一般的なクローズドサークル作品です。そのため、非常に読みやすく、あまり時間をかけずに解決篇前まで読むことが出来ました。曰く付き物件を改装した別荘ではあるものの、過去の事件はあまり絡まず、オカルト的なものもないです。事件発生前日ぐらいから文章が始まり、ほぼ私雨邸で完結します。最近のクローズドサークル作品にしては珍しく本格推理小説に徹している感じがします。 登場人物を見るとかなり珍しい苗字の名前が出てきます。そのため、私はライトノベル的な作風を予感しましたが、ほとんど逆で、端正な推理小説でした。端正すぎて最近の作品にしては遊びが少ないと感じるぐらいでしたw 少しユニークな要素としては、クローズドサークルを体験して歓喜するミステリマニアの二ノ宮ですw 人が殺されているのに不謹慎に喜びまくりますw ミステリファンのステレオタイプみたいなキャラです。ただ、牧が毒を飲んだ際に、毒を大麻と予想したのは流石にアホ過ぎる気がします…。ミステリファンなら(でなくてもですが)先にタバコを疑いませんかねw 推理小説要素について。 非常にレベルが高くて満足しました! 多重解決系であり、さらに1つ1つの説の否定も論理的だし、細かいながら読者にも推理できるヒントもあります。さらにやや既視感があるものの密室トリックがあり、また指紋をつけないために犯人が取った行動は独創的でした(これは難癖点もあるので後記w)。ラストの田中による推理も納得感が高いものでした! 難癖ポイント。 手に糊を付けて固めることでコーティング。それをして犯行し指紋を残さないトリックは見たことがなく、感心しました。しかし、糊といっても色々あり、あまり想像できませんでした。また、手形が残らなくても凶器に糊が残ってしまわないのか疑問です。科学捜査の精度もすごいでしょうしね。そうでなくても、手についた直後の血は温かいだろうし、少量でも糊が溶けてしまわないのでしょうかね? ピンときませんw 過去の有名作品でも、ネタが割れてしまうようなネタバレは書かないほうが良いと思います;; 難易度の高さを感じましたが、その一端は探偵不在のためかもしれません。探偵役は読者からすると絶対に間違わない・嘘を言わない(嘘をいう探偵もいるけどw)ヒント提供役の役割もあると思いますので。 総じて、読みやすく真面目で完成度の高い推理小説で満足しました。挑戦状こそ無いものの、読み返すべきポイントでそれをほのめかす文章が書かれており、作者の心遣いに痛み入りますw 私はもう一度読み直しましたが、当てることは出来ませんでした…。鍵のトリックを見た時、あまりの自分の馬鹿さに頭を抱えました;; |
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| No.424 | 6点 | 公爵さま、いい質問です- リン・メッシーナ | 2025/12/26 23:47 |
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| ネタバレをしております。また、前作のネタバレになってしまっているかもしれません。
前作がかなり読みやすいコージーミステリだったため、設定を忘れないうちに2作目を買いましたw 今作も非常に読みやすいです。 私は海外ミステリアレルギーのきらいがあり、カタカナの名前の登場人物を覚えるのは苦手です。この作品も多くの登場人物が出ます。にもかかわらず、非常に早く読了できました。作者の文の上手さか、訳者の上手さか、そのどちらもかw ただ、事件にかかわっている人物は少なめなので、覚えやすいというのはあると思います。 今回もベアトリスの成長と変化が楽しめます。 前作で事件を解決し、探偵として覚醒したベアトリスは、事件の謎を目の前にすると大胆な行動をとって捜査をするようになります。前回も他人の部屋に潜入をしていたりしてましたがw また、レディ・アバクロンビーに気に入られ、その助けもあってか、それまで社交界で全く存在感がなかったベアトリスがヌニートンと楽しくおしゃべりしたりするようになれました。ただ、個人的には、普段は全く存在感がなく事件の前だけ名探偵になるベアトリスのほうが、どこかシンデレラ的な魅力があってよかったかもしれませんw さらに、前作ではケスグレイブに対してそこまで大きな恋愛感情を持っていなかった印象でしたが、本作ではもうはっきり好きになっているような気がします。また、ケスグレイブもベアトリスとヌニートンがおしゃべりをしているときに苛立っているような感じもあり、ケスグレイブ側も憎からず想っているのでしょうね(勘違いでなければ)。 推理小説的部分について。 読みやすいコージーミステリに本格推理小説を求めてはいけませんが(?)、前作よりさらに推理小説っぽさが薄くなった感じが否めませんw アリバイ検証やトリックの検証などはなく、ただ動機面から犯人を捜していく流れになります。真犯人にいきつくヒントはかなり小さく、また日本人の私からすれば全く予想できないものでしたw 今作はさらにミステリっぽい恋愛小説のようになりましたw しかし、非常に読みやすく後味の良いあまり考えることなく読める本は、自分にとっては良い本格推理小説と同等に貴重ですw |
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| No.423 | 7点 | 名探偵のはらわた- 白井智之 | 2025/12/22 19:01 |
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| ネタバレをしております。
同作者の名探偵のいけにえが超高評価作品なため、そのシリーズ前作の名探偵のはらわたを読もう! …と思って読んだのですが、実はシリーズものではなかったのでしょうかねw 早とちりしました…。 多分、実際の事件がモチーフとなっている連作短編です。また、現実ではありえない超常現象を利用したトリックもあります。過去の事件を起こした死者が鬼となって蘇る展開です。超常現象にはルールが有り、通常では起こり得ないことではありますが論理的に解決が可能になっております。 推理小説部分だけでなく、本作の主人公の原田亘あだ名がはらわたのストーリーも必見です。現代の名探偵浦野に助けられたとこに始まり、推理をミスしてしまったことや、浦野の防刃ベストを貸してもらったことによって結果的に浦野が死んでしまったこと、憧れの名探偵古城の助手になること、みよ子とその父のヤクザや抗争相手などの関わりなど濃厚に書かれます。そしてそれらがはらわたを成長させ、最終盤で覚醒。けして他人を認めなかった古城に同僚と言わしめます。主人公の成長と覚醒、割と大団円なラストは爽やかで読後感が良かったです。 読みやすさは抜群でした。連作短編のため、色々な事件が発生します。また、多くが過去に事件を起こしたものによる犯行のため、それもいれるとすごい数になります。しかし、作者の文のうまさか、あまり苦なく読めることが出来ます。ただ、難癖点もあるのでそれは後記しますw この作者には珍しく、グロ表現が控えめだったのもプラスですw グロいから低評価!とはしませんが、できればグロくないほうがありがたいですね。 推理小説部分について。 裏表紙には”二度見必至な伏線回収・緻密なロジック・多重解決”と書かれておりますが、本当にそのとおりです。ページ数が少なく感じるほどの多くの伏線と回収とミスリードが盛り込まれ、ほぼ無駄な文が無いような気さえします。多重解決ものはあまり論理的ではなかったり、後出しの情報で説の否定が行われるものもありますが、この作品の説の否定は論理的で納得感があります。 とはいえ、真相以外の説の否定の論理も、真相の説も、あまりに細かすぎる点の積み重ねが論理の元になっており、読んでいて当てられる気が全くしませんでした;; ほとんど一瞬一文にしかかかれないことが重要だったりしますし、思考するよりもまず文を覚えていることのほうが難しいきがしましたw また、読みやすくはあっても作中に登場する事件の数が多すぎます。登場人物も多いですし、いつ誰がどこで何をした?というのを頭に入れるだけで精一杯です。これは、私の頭の性能が低いせいかもしれませんが。 実は私は、最後あたりまでみよ子を疑っておりましたw 論理的なことはさておき、出生やヤクザの娘である事など、なにか怪しいバックボーンが多かったですw しかしそれは作者のまいた餌だったようですw 総じて、読みやすい文に緻密な論理、多重解決によるドンデン返しと爽やかなラストで高評価です。短編の最後の真相を提示する前に、挑戦状でなくても、いまから真相を言うよ~のような匂わせ文を挿入してくれれば、もう少し時間をかけて考えたいところですw まあでも、難易度が高すぎて無理でしょうね。 |
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| No.422 | 5点 | 氷菓- 米澤穂信 | 2025/12/07 20:00 |
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この間、古典部シリーズとは知らずに愚者のエンドロールを呼んでしまいましたw なので、今回はシリーズ第一作の氷菓です。話題になっていた(?)のか、なんとなく名前だけは知っておりましたが、今まで読んだことがなかったんですよね。 文章が非常に読みやすく、すぐ読了できましたw すこしライトノベルや漫画のようなノリがあり、キャラクターがセリフ調です。主人公の折木が一番その傾向があるきがしますw ただ、過剰に現実離れしているわけではなく、そういうのが苦手な人でもそれほど違和感がないと思います。 連作短編的な趣向で、千反田の幼少期の謎をメインに、その他小さな謎が3つほどあります。日常の謎なので、大トリックや緻密なロジックではなく、少し考えるとわかりそうな頭の体操的な問題です。 とはいえ、本格推理小説とくらべるとやはりパンチ力不足な感じが否めません。私は日常の謎は嫌いではないはずですが、本作の謎はそれほど興味も引かれず、また解決を見ても面白味に欠けたような印象を持ちました。 総じて、読みやすくて爽やかなミステリ風青春ライドのベルっぽい感じでした。個人的には愚者のエンドロールのほうが好きですが。読みやすい本は重宝するので、また第三作目を買いたいと思います。 |
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| No.421 | 6点 | 煙の殺意- 泡坂妻夫 | 2025/12/03 17:48 |
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バリエーション豊かな短編集で飽きが来ない良い作品でした。ちょっとセンチなものだったり、美しいものだったり、ホラーだったり、意表を突く動機だったり、舞台マジック的だったり、日常の謎的だったり…。共通して、ラストには驚きの要素が入っていて満足度が高かったです。 ただ、なぜかこの本の文章と私の相性が悪く、すこし読みづらさを感じて目が滑ってしまいました;; なぜでしょうね?? |
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| No.420 | 5点 | がらくた少女と人喰い煙突- 矢樹純 | 2025/10/11 02:53 |
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クローズドサークルかつ、読みやすい推理小説を求めて購入しました。表紙や煽り文もすこしライトノベルようなイメージを持ちました。しかし、ちょっと狙いとは違っていて、テーマは重く文章は硬め(?)でした。 たしかにクローズドサークルで、収集癖のある少女と覗き魔な男性が登場する作品です。ただし、クローズドサークル特有のサスペンス感や緊迫感はなく、連続殺人も2人まででした。収集癖や覗きもあくまでユーモアではなく真面目に書かれております。どちらかというとやや社会派な感じもありました。 とはいえ、軽いから良いとか重いから悪いというわけではなく、推理小説として評価したいと思います。ただ、すこしだけ読みづらかったのは事実ですw 推理小説的要素について。 提示される大きな謎は2つ(多分)。第一の殺人の不可能犯罪と頭部の消失。あとは動機さがしです。また、ラストにはやや叙述トリックめいた仕掛けがあり、アクセントになっていました。 第一の殺人の謎については、犯人が狙い通りに実行したアリバイトリックではなく、強い偶然が絡むものでした。また、真相が明かされてもいまいちイメージができず、本当にそうなるものなのかな?と疑問に思ってしまいました。ちょっとピンときません。 意外な動機・意外な犯人は私の想像を超えていて楽しめましたし、ヒントも与えられていました。しかし、これまたすこしピンときませんでしたw やや相性の悪い小説だったようです…。 ラストの陶子の隠されていた秘密についてですが、ほんとうにうっすらですがちょっとだけ予感しました。やたら仁菜に似ている似ているという描写があり、両親からみの秘密があるのかな?とか…。 総じて、表紙と煽り文のイメージよりも硬派で色々なことを考えさせられる小説でした。一方で、論理的な犯人当てやアリバイトリックが好みの私からすると、すこし薄味な推理小説でした。陶子と桜木の個性的な特徴がもっと活きるようならもう少しよかったかもしれません。 |
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