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[ ホラー ]
儚い羊たちの祝宴
米澤穂信 出版月: 2008年11月 平均: 6.59点 書評数: 34件

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新潮社
2008年11月

新潮社
2011年06月

No.34 8点 じきる 2021/04/29 16:54
粒揃いの短編集。
ラストのオチそのものよりも、それぞれのお話に漂う仄暗い雰囲気がとても良かった。

No.33 8点 ミステリーオタク 2020/08/29 17:51
5つの「旧家の屋敷や資産家の館」を舞台にした、お嬢様、家族、関わった者、そして何より《使用人》たちの5つの尋常ならざる物語。


『身内に不幸がありまして』
・・・コレは途中で見えちゃうよね。つーか作者自らネタバレしてるようなもんだ。(勿論故意にだろうが)

『北の館の罪人』
『山荘秘聞』
・・・ともに趣深い館モノだが、動機を受け入れられるかどうか。

『玉野五十鈴の誉れ』
・・・個人的にはコレがベストかな。
タイトルは本文中でも少し触れられているようにチェスタトンの作品へのオマージュでもあるだろうが、何といってもグイグイ引っ張られるストーリーフローと、その果ての最後の一行だね。

『儚い羊たちの晩餐』
・・・メインのネタの凄惨さにも関わらず一番薄味に感じた。まあアレは殆ど描写されてないわけだからしょうがないが、それならあのネタを日記の最後の一行で分かるような組み立てにしたら、かなりゾッとできたのではないだろうか。


全編作者らしい高いリーダビリティを纏い、ハイクオリティなテイストを醸し出す5粒のブラックダイヤモンドのような短編集。
連城作品を彷彿させる昭和初期の上流層の耽美的な情景描写、それに当たっての作者の教養ひけらかしまくりにも賛辞を送りたい。

No.32 7点 Kingscorss 2020/08/17 00:34
よくできた短編集。さすが米澤穂信さん。

各話が最後に収束していく感じで気味の悪い雰囲気が盛り上がっていくんですが、最後のまとめ方が思ってたのと違ってかなり地味で、あんまり各話の繋がりを感じなかったです… 残念。

いや、本当に最後どうなるのかワクワクしながら読んでたので、あの結末はかなりがっかりしました… あの結末好きな人すいません…

各話も面白いし、本当最後のまとめ方がなぁ… アレでいいという人もいるとは思いますが…

No.31 8点 雪の日 2020/04/15 15:14
米澤穂信の最高傑作。

No.30 7点 パメル 2019/12/28 17:31
「ラスト一行」にこだわり抜いた連作集だという。
冒頭の「身内に不幸がありまして」は、ある「お嬢さま」の身の回りを世話するために孤児院から引き取られた女性の手記から始まり、屋敷一面を血の海にした惨劇とその後が語られていく・・・。
前半の軸になっているのは、部屋につくられた「秘密の書棚」や横溝正史、泉鏡花といった作家名、「バベルの会」という読書クラブなど、少女の小説趣味にまつわる話。ミステリ読書の興趣をそそる設定や怪奇なエピソードにあふれており、それが小説にふくらみとたくらみを与えている。他の収録短編も、館にとらわれた者、まだ雪の深い早春の山荘、名家の娘と、クラシカルな探偵小説でおなじみの舞台と展開に事欠かない。
しかし正直なところ、最後の衝撃については落語のサギ程度で終わっている。あらかじめ「ラスト一行」がすごいと強調されると、つい裏読みしながら読むので逆効果と感じた。それでも意表をつく展開は十分に面白く、異端の文芸たるミステリの怪しい魅力を堪能できる粒のそろった連作集といえる。

No.29 6点 2019/05/20 12:43
ラストに衝撃があると聞いていたが、それほど驚けなかった。
それよりも、ストーリーそのものが味わい深いし、ユーモアを交えた話につい引きこまれてしまう。そんなところが良かった。
時代設定や、その時代の、ちょっと異質な主従関係を軸にした話がなんともいえず、怖さと、わずかな笑いを誘ってくれる。

『山荘秘聞』と『玉野五十鈴の誉れ』が、個人的にはまずまずの出来だった。
「バベルの会」でミステリー的にもっと強くつないでほしい気もしたが、作品群のイメージからは、この程度がよかったのかも。

妙味な雰囲気のある短編群だったが、評としては並みの上で、ごくごく普通のレベル。

No.28 7点 sophia 2018/03/16 17:15
暗黒ミステリとも称されるイカれた短編集。そのイカれ具合が「玉野五十鈴の誉れ」までは程よかったんですが、最後の「儚い羊たちの晩餐」がさすがにやり過ぎなので1点マイナスしておきます。彼女がなぜあれを引き受けたのかが全く理解できません。この短編集はキ印の人がいっぱい出てきますが、彼女は間違いなく一番のそれでしょう。もう一つ腑に落ちないのは、対象が全てなのは彼女のこれまでの仕事ぶりから簡単に予測できたのではないかという点です。最後の最後に破綻してしまった、もったいない短編集でした。

No.27 10点 邪魅 2017/02/18 02:05
氏の長編の最高傑作が追想五断章なら、短編集はこれだと自信をもってオススメ出来ます
特に玉野五十鈴の誉れは美しささえ感じる程でした

No.26 7点 斎藤警部 2016/10/13 01:15
ブラックなオチ話を必死の文章抵抗で一端の暗黒ミステリ短篇に飾り上げようとするが素養ないし人生経験が追い付かず。。といった感触、だいたいどれもこれも。特に「チャンチャン終わりの典型」にしか見えない一作めは小学生の作り話的出自を小説構成や言葉遣いの工夫で隠し切れなかった舞台裏が透け過ぎ。

それでも奇妙なことに、かなりの深さでそれぞれの物語に浸ることは出来た。ひとつ読み終えてからしばらく冷却ないし解凍の間を置きたくなったのは一作毎にそれなりの重みがあった証。不思議なものです。それなりの高得点になってしまいますね。

雰囲気づくりの骨格アイディアはしっかりしていそうだから、文章の襞の粗さがどうにか優しくこなれて、もっと業の深さを覗かせる作品を書いてくれるようになれば(既にあるのかも知れませんが)ちょっと期待出来そうな作家さん、今回初体験でした。

No.25 7点 虫暮部 2016/03/18 14:07
 本書に限らず、“羊”を食べる話は好き。
 「山荘秘聞」のオチは下らなくて困った。

No.24 7点 ニックネーム 2015/12/20 17:10
文章がきれいです。

No.23 7点 風桜青紫 2015/12/19 09:24
宣伝文句のように「最後の一行に驚かされる!」というのは大してなかった。『玉野五十鈴の誉れ』など、いかにもオタク男子が好きそうな女同士のにゃんにゃんが書かれていて嫌気がさしてしまった。『身内に不幸がありまして』も多小なりとも本に触れてりゃすぐに共通モチーフに気づくし、気づいたところで「だから何だ」としかならん。キャラクターの動きも飛ばしすぎ。しかしまあ、ブラック童話めいてる『北の館の罪人』と『儚い羊たちの晩餐』は割と面白かった。ミステリーとしては弱くとも話の流れだけで楽しめる。個人的なベストは『山荘秘聞』。前二つでなめてかかったから、あっさりと作者の手のひらに乗せられた。結末にも素直に驚く。てか、守子が米澤作品でもトップを争うかわいさ。ハチャメチャさと健気さがたまらん。年増なのもいい。ということで『山荘秘聞』単体なら7点。総合で6点といったところ。『満願』より上。

(2016.3.19 追記)
6点→7点。雰囲気の演出に関して再評価。

No.22 7点 白い風 2015/07/03 20:50
同じような設定の5編のダーク短編集。
お嬢様+お付き人の関係性は3つ目には先がおぼろげでも読めてきますね。
一つ残念だったのは全作とも”バベルの会”をもっとこだわって入れて欲しかったかな。
そうすればよりラストの作のインパクトがあった気がします。
時代背景は未定だけど、昭和初期の雰囲気を醸し出しているのもいいと思いました。

No.21 4点 CHABI 2015/06/28 00:18
ブラックすぎて、私の好みではありませんでした。

No.20 5点 ボナンザ 2014/08/25 16:50
どの短編も世界観がしっかりしており、作者の顔が見えない出来。
オチはどれもベタだが、総じて秀作といえよう。

No.19 5点 あびびび 2014/05/21 08:52
独特な世界。一話目の「身内に不幸がありまして」のラストで身構えてしまった。それから続く、怪しくブラックな世界。

最後の「はかない羊たちの晩餐」では、さすがにそれはないだろうと、逆に現実に戻されたが、強烈なインパクトを感じた短編集ではある。

No.18 6点 まっち 2014/03/09 12:09
短編集ですが各話に登場する「バベルの会」がラストの話へ繋がっていて面白かったです。「身内に不幸がありまして」のどんでん返しが特に気に入っています。「玉野五十鈴の誉れ」はラスト一行に期待していたほどの衝撃はなく、少し残念でした。作中にでてくる推理小説を読んでいればもっと楽しめたかも

No.17 7点 ナノ 2013/11/07 17:01
インパクトを備えた作品が揃っており、
「玉野五十鈴の誉れ」が最も強烈なそれを携えておりました。
最後の1文を読んだときは少々フリーズしてしまいました。

他の話も、オチが読めてしまうような部分もありながら、少々現実離れしたダークな世界観で、純度の高い「読書」の時間を与えてくれたかなと思います。

No.16 5点 yoneppi 2012/12/07 23:56
この手の短編集は好みなんだけど読書教養不足かな。

No.15 4点 こう 2012/10/20 00:55
 どの短編もうまくまとめているとは思うのですがこのブラックなカタルシスのないストーリーで好みは分かれると思いました。エリンのあの作品は有名で読んでいる方は多いでしょうけど「アミルスタン羊」はどう表現してもネタバラシになってしまうのであまり感心しません。


米澤穂信
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