皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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虫暮部さん |
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| 平均点: 6.20点 | 書評数: 2144件 |
| No.2144 | 7点 | 神のロジック 人間のマジック- 西澤保彦 | 2026/01/04 11:26 |
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| このトリックにはやっぱり某作品が立ち塞がってしまう。もしどちらか片方だけ読むように選び直せるなら、トリックの位置付け、反転の深さ、と言うことで本作を取るかなぁ。捻り過ぎる作者の悪癖が出ていない点も良し。
“ワークショップ” の推理問題、あの文章から合理的に特定可能な模範解答があるんだろうか? いかようにでも解釈出来そうな印象しかなかったけど。 |
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| No.2143 | 6点 | 薔薇の家、晩夏の夢- 倉阪鬼一郎 | 2026/01/04 11:25 |
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| こういうのは好きなんだけど、好き故の弊害で沢山読んでしまったので、ああそういう感じね~、とついパターンで認識してしまう。
本作はトリック “だけ” で、あまりにもからっぽの世界。“これはあくまで粗筋で、これから物語の細部や人物像を細かく書き込むのだ” と言われたら “あっ、楽しみにしてます” と本気にしそう。まぁ作風なのは判るけれど……。 暗号は結構なウェイトを占めているが “解きたくなる暗号” ではない。ただ単に “そういうもの” として目の前を流れて行ってしまった。ちょっと残念。 |
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| No.2142 | 5点 | 笑ってジグソー、殺してパズル- 平石貴樹 | 2026/01/04 11:25 |
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| 普通のミステリなら “成程、上手い手だ” と思ったかも知れない。
しかし挑戦状を挿むような推理パズル小説となると話は別で、“ズルい” とまず思った。犯人当てを謳うなら、“読者に検証しようがない医学的データは無謬” がルールじゃないの? 事件の仕掛けは面白い。しかし物語としてあまり面白くならない。余計な装飾を排して “読者との知恵比べ” 的側面に特化した書き方に原因があるのは明らか。作者は犯人当てについて、“読者が解けないものの方が優れている” と思っていたのではないか。 変な話し方の秘書課長が良かった。もっとやって欲しかったな。 密室の錠については、“ボタンを押してから部屋を出てドアを閉めても、ラッチが外枠に触れた際に固定が解除されてしまい、鍵はかからない。”と書かれていますので、トリックは必要ですね。 |
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| No.2141 | 5点 | 狂い壁 狂い窓- 竹本健治 | 2026/01/04 11:24 |
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| どうも判りづらい。非常に濃厚な文章ではあるが、それが目的化していないか。言葉に事象が埋もれ、事象に人物が埋もれて、結局上手く読み分けられなかった。
いや、目的化したって構わないが、濃い文章を繰り出しつつも圧倒的に判り易い作品だってあるわけで、本作はそのへんを “やり損なった” のだと思う。 |
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| No.2140 | 4点 | 聖女の論理、探偵の原罪- 紺野天龍 | 2026/01/04 11:24 |
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| ネタをぼかして書けるかな? 設定のあざとさも含めて全体としては好きなんだけど、ミステリ的には失敗している。
ステージ上の事件。予定と違う映像の操作を誰が行ったのか? また、本来なら不要なカメラ機能が何故ついているのか? アイスの件。数値化しづらい “冷え具合” を曖昧なまま進めており、あまり綺麗な論理ではないと思う。 |
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| No.2139 | 8点 | 蜘蛛の牢より落つるもの- 原浩 | 2025/12/28 16:29 |
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| うわぁ吃驚した。完全に引っ掛かった。でも言われてみればその可能性の方が高い。単なる茶番にもなりかねないところを、“掘り出した女が埋めろと言って生き埋め” と言うイメージのあまりの怖さで全てを凌駕した。私は本作、予備知識ゼロで読めて良かったと思う。グッジョブ! | |||
| No.2138 | 7点 | 白魔の檻- 山口未桜 | 2025/12/28 16:29 |
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| 現代日本の医療制度に関する内部告発小説にしてパニック小説。犯人特定のロジックは細かくてちょっときつかった。と言うか、スリリングなパニックの展開に気を取られて、人の動きのアレコレまでは頭に残らない。作者の言いたいことは全部書きますと言った感じで、盛り沢山に過ぎる。
ああいう論理展開が可能なら、殺人事件だけに絞ってもっと純粋なパズラーにしても良いのに。と私などは思ってしまうが……。 あと、ミステリである以上、町長の件を曖昧なまま残してしまうのは如何なものか。あのエピソード、どうしても必要だろうか? |
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| No.2137 | 7点 | 人魚姫- 北山猛邦 | 2025/12/28 16:28 |
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| ジュヴナイル風な境界領域を背景に、勇気とか信頼とかを上手く描いていると思う。みんなキャラが立っていて良い。感動した自分に驚いた。
ところで、あんな物理トリックが成立する構造は、そもそもセキュリティ上で問題があるよね(笑)。 |
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| No.2136 | 7点 | シュロック・ホームズの迷推理- ロバート・L・フィッシュ | 2025/12/28 16:28 |
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| “駄洒落を考えるのがだんだん難しくなり、発表される頻度が減った” と解説にあるが、逆に言えば作者はきちんとネタが溜まるまで堪えていたわけで、濃度は落ちていない。決して出涸らしなんかじゃないよ。
ボーナス・トラック的な他シリーズ及びノンシリーズの作品も面白い。問題は、前半三分の二でシュロック・ホームズの世界に浸っていたので、他作品の世界観の調整をどうすべきか迷ってしまうこと。 「ラッキー・ナンバー」はシュロックと似た世界だが、「クランシーと飛びこみ自殺者」は正統的な警察小説だし、「月下の庭師」「よそ者」もやや戯画的だがこちらの世界がベースになっている(筈)。それをついシュロックの気分で読んでしまったので、本来とは違ったイメージになってそう。 そして一つ突っ込みたいのが表題。当該シリーズに於いて、笑いは物語の中ではなく読者のメタ視点に属している。真面目な顔で変なことをするのを読者が “真面目な顔で変なことをしているな~” と認識するから生まれる笑いであって、作中の人々はそれが変だと認識してはおらずシュロックをあくまで “名探偵” として遇しているのだ。 であるなら、『迷推理』=“コレはギャグですよ~” な邦題はコンセプトから外れていると思う。格調高く、とは言わないが、『冒険』『回想』と来たのだから原典に倣って『シュロック・ホームズ最後の挨拶』とでもすべきではないだろうか。 |
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| No.2135 | 6点 | なんで死体がスタジオに!?- 森バジル | 2025/12/28 16:27 |
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| 小粒ながら良品。ミステリ的な捻りとしてはさして珍しくもないけれど、上手に組み立ててあって成程ね~と思った。着地は意外におとなしくて、妥当とも無難とも言える。実在のタレント名を幾つも挙げているがTVは観ないので全然ピンと来ない。 | |||
| No.2134 | 7点 | 紗央里ちゃんの家- 矢部嵩 | 2025/12/23 14:43 |
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| 叔母さんの家の異常につい目を引かれるけれど、ふと気付くと語り手の壊れ方が徐々に明かされる過程が更に怖い。乙一『夏と花火と私の死体』に通じる気持悪さ。
しかし、明らかな曲解ながら、私には語り手が世界を壊しているようにも見えた。語り手が、他者を狂わせたり現実を改変したりする邪眼の持ち主で、叔母さん達は彼に見られたせいでおかしくなった。だから実家にいる姉は電話口で比較的まともだし、会っている時間が短い紗央里ちゃんも影響は少なかった……って、小林泰三じゃないっちゅーの。 |
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| No.2133 | 8点 | 罪の棲家- 矢樹純 | 2025/12/23 14:43 |
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| 地に足の着いた描写と、オチの鋭い切れ味。“痛い” 話もあるけど。どれが良いとかじゃなくて皆とても良い。
“各世代の女性を取り巻くミステリ短編集” なる謳い文句に読了後気付いたが、そういう括り方はしない方がいいと思うな~。まぁ女性に関するイメージを上手く利用している部分も、この作者の場合は特に嫌な感じはしない。 他の本を読む合間に一編ずつ読んだので、各々の味わいがより深まったのかも知れない。 |
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| No.2132 | 6点 | 吸血の家- 二階堂黎人 | 2025/12/23 14:42 |
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| ストーリーのあちこちに既視感が散見される。伝統芸能の古典作品を新人が演じて、それを結末まで知った上で観ているような気分。それこそ作中でちょっと言及された能とかね。まぁ演芸ならともかく、小説でそれを意義あるものとして成立させるのは大変だ。
ただ、密室トリックはどれも良いので、それなりにその “意義” を支えているとは思う。 |
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| No.2131 | 6点 | 迷い家- 山吹静吽 | 2025/12/23 14:42 |
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| 怪異周辺をこまごまと記した解像度の高さが、一方で読み進む推力に若干のブレーキをかけてしまった嫌いがある。
私としては、妖しい世界に浸るよりも、ストーリー展開をもっと追いたかった。 迷い家に囚われた心造少年がああいう風になるのは納得だね。 |
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| No.2130 | 6点 | 変な家- 雨穴 | 2025/12/23 14:41 |
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| 私は、字の本なら文芸作品以外殆ど読まないけれど、ごくたまにハウツー本などを開くと文章レヴェルの差に啞然としてしまう。もうはっきりと濃度が低く、裏側が透けて見えそう。スラスラ読めるのはまぁ良いが、書籍一冊分のページを稼ぐ為の水増しが目に余り、無味のウェーハスを齧っているような気分になる。本書もそんな感じだ。
つまらないちゃんとした小説よりも面白かったことは認めざるを得ない。でも売れたからってこういうのが幅を利かせるようになったら嫌だなぁ。 |
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| No.2129 | 8点 | 六人の嘘つきな大学生- 浅倉秋成 | 2025/12/19 16:09 |
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| 独創的なプロットに、隅々まで行き届いた騙し。本格の精髄を堪能出来る。その上、世の中の欺瞞に鋭く斬り込んで、もはや社会派。
ただ後半、人物像の反転の繰り返しに、皮肉な意味で “優しいなぁ” と鼻に付く部分が無きにしも非ず。 美人キャラを出したついでにルッキズムにも突っ込んで欲しかった。“半端じゃなくお綺麗ですよね” なんて不快な台詞、意識的に言わせたなら作者はなかなか挑発的じゃないか。 |
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| No.2128 | 7点 | 『ギロチン城』殺人事件- 北山猛邦 | 2025/12/19 16:08 |
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| ギロチンて好きだな。見た目の派手な残虐さに反して、確実性が高く苦痛が少ない慈悲深い手法であると言うギャップが良い。
人形のような登場人物達のせいで、クローズド・サークル御約束のやりとりが大胆に排されて、なまじの “人間を描いた” 小説より独創的なムードが生まれている。 それは良いが、ここまで隔絶された環境で、皆殺しもアリなら、他者の目を意識したあんなややこしい物理トリックを使う必然性は薄いのでは、と思ってしまった。設定同士が喧嘩しているよう。 トリック自体はまぁ評価したい。あのシステムで制御し切れないのは寧ろ “風” と “影の動き” じゃないかな。 |
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| No.2127 | 6点 | ネズミとキリンの金字塔- 門前典之 | 2025/12/19 16:08 |
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| また見事に馬鹿みたいなアイデア(褒め言葉)。
それは良いけれど話が未整理で、そういう演出だと言うことを差し引いても判りづらい。“精神病院の闇” は何処かで読んだような内容も多く目新しさは無いが、まぁしょうがない。 また、不老不死研究について深く掘り下げずに、ただその結果だけ取り込んでいる点が、ブラック・ボックスを手探りしても空っぽだったような読後感で物足りなかった。 |
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| No.2126 | 6点 | 最後のあいさつ- 阿津川辰海 | 2025/12/19 16:07 |
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| 非常に独創的なプロットではないだろうか。先の見えない展開に急かされてグイグイ読み進んだ。
ただ、最後で躓いた。 犯罪事件の真相ではなくて、かの俳優の心の深層について。あと最終回の完パケに関する感想。それらが、ミステリとしての謎解きと同じ調子でロジカルに説明されてしまったのが、私にはどうも納得出来ない。 そこは “説明” ではなくて、もっとはっきり “実感” させて欲しかった。ここの表現が足りなかったせいで、犯罪事件解明のカタルシスが物語の最後のページまで持続出来なかったのである。 |
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| No.2125 | 4点 | トランプ殺人事件- 竹本健治 | 2025/12/19 16:06 |
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| “アナグラム、数字も一致” は凄いな。“肩の上の猿” も面白い。でもミステリとしては全然ピンと来なかった。 | |||