皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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[ 本格/新本格 ] 探偵小石は恋しない |
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| 森バジル | 出版月: 2025年09月 | 平均: 7.75点 | 書評数: 4件 |
![]() 小学館 2025年09月 |
| No.4 | 8点 | 人並由真 | 2025/10/31 15:19 |
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| (ネタバレなし)
本サイトのみなさんを含めてネットなどでかなり騒いでいるので、どんなぶっとんだものが来るのかと思っていたら、意外に手堅い、結構のしっかりした作りのものを、読ませてもらった感じであった。 それでネタの物量感には恐れいったが、基調となるアイデアは、評者がたまたま最近読んだミステリのなかに似たような類例があったし(そっちはほぼ一発勝負だったが)、そこも驚くには至らない。 むしろスゴイと思ったのは(中略)が実は(中略)という創意であろう、そこがフーダニットの謎解きに繋がっていき、<真犯人>の意外性も十分。 何より、ミステリ全体の真相の露呈とあわせて、作品のある種の真性が見えて来るあたり(実は、これはまあ、なんと×××チックな物語であったのだろうか!)とても私好み。 著者の作品はいまのところ(最初のラノベの一冊を除いて)3冊全部読んでるけれど、作り込みと書き手自身の目標値の高さを受け手が実感してこれがベスト。 でも小説の作法的には第一作『ノウイットオール』に通じる部分もあり(ネタバレにはなってないと思うぞ)、作者の独自路線というか作家カラーの確立は見やる。 (おいおい行く行くは、自由な創意のままの方向に行って頂いて、もちろん構わないのだが。) 傑作ではないが、秀作~優秀作。 |
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| No.3 | 7点 | みりん | 2025/10/25 14:50 |
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| 本当に隅から隅まで丁寧に作り込まれている。
あ〜これ、大体作者のやりたいこと分かったわ…まあ"俺クラス"になるとこのくらいは簡単に見抜けちゃうんだよね〜ヤレヤレ からの「あ、そこまで作者は織り込み済み!?」となり、図らずも帯の東川篤哉と全く同じ感想になった。 【ネタバレ】 小石ちゃんと蓮杖君のバディーものとしても面白いし、小石ちゃんがかわいい。 大きいものから小さいものまで無数に明かされる○○トリックには感嘆。ただ、最後のもう一捻りはやりすぎかなあ。あ○○りネタの真犯人どんでん返しには最近厳しくて、ごめんなさい。 |
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| No.2 | 9点 | メルカトル | 2025/10/11 22:43 |
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| 小石探偵事務所の代表でミステリオタクの小石は、名探偵のように華麗に事件を解決する日を夢見ている。だが実際は9割9分が不倫や浮気の調査依頼で、推理案件の依頼は一向にこない。小石がそれでも調査をこなすのは、実はある理由から色恋調査が「病的に得意」だから。相変わらず色恋案件ばかり、かと思いきや、相談員の蓮杖と小石が意外な真相を目の当たりにする裏で、思いもよらない事件が進行していて──。
Amazon内容紹介より。 バラバラ死体や首なし死体、密室や孤島や館が出て来なくても、こんな面白いミステリが書けるとは・・・。今から本年度のランキングが楽しみです。 内容については上記位なら大丈夫だと思いますが、何を書いてもネタバレに繋がりそうなので下手な事は言わぬが花。本作を本当に楽しみたいなら、うっかりどこかでネタバレされないうちに読みましょう。 【ネタバレ】 作中に『方舟』『GOTH』『六人の嘘つきな大学生』『魍魎の匣』『名探偵のいけにえ』『十角館の殺人』が出て来ます。別にそれらのネタバレをしている訳ではありませんが、作者のミステリに対する並々ならぬ熱情が伝わってきます。 本作をありがちな恋愛ミステリと思ったら大間違いです。又、第一章から第三章まで読んだ時点でああ、二人は普通に探偵しているじゃんと思ったとしたらそれも大間違いです。とにかく騙されます。伏線は十分張られていて最初のページを捲った瞬間から既にほとんどの読者が作者の掌の上で踊らされていると考えて間違いありません。いや、参りました。 |
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| No.1 | 7点 | mozart | 2025/10/02 15:22 |
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| 「変人」の探偵・小石(若い女性)と「常識人」の助手(ではなく相棒)・蓮杖のコンビが「不倫調査」の依頼をこなす過程で謎を解いていくというわりとありふれた設定なのかと思いながらも二人の「バディ感」が面白くて読み進めていたしたが、よもや〇〇と××だったとは(しかも△△まで)・・・。確かに伏線はしっかりあったのですが毎度のことながら気づきませんでした。
(ややネタバレ) 二人のラストはちょっと安直だったかも。 恋の矢印が可視化されるために当人の自覚が必要であるのなら両者とも気付かないままの方が(このままの関係性の方が)続編への期待を持てるのではないか、と。 |
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