皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ パスティッシュ/パロディ/ユーモア ] なんで死体がスタジオに!? |
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森バジル | 出版月: 2024年06月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
文藝春秋 2024年06月 |
No.2 | 4点 | たかだい | 2024/11/07 22:06 |
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攻めた過激な内容を旨とする生放送の開始直前に出演者の死体が見つかった事から始まるミステリー小説。
舞台設定は非常に面白く、自ずと期待値は高かった…のですが、読了した感想としては肩透かし感がありました。 メインが生放送のトークバラエティ番組なんですが、読んでいて終始違和感が…。正直、登場人物のやりとりがTVっぽくないのがとても気になって、それが違和感として感じられ、しかもコレが本筋とはまったく関係ないのでどうにもならない。 素材を生かしきれてない感じで、非常に勿体ないと思ったのが本音です。 作品としては読み易いので、気軽に楽しむという点では良い作品だとは思います |
No.1 | 7点 | 人並由真 | 2024/08/18 10:57 |
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(ネタバレなし)
昨年の連作短編集(広義の長編)『ノウイットオール あなただけが知っている』が結構良かったので、私的に注目している新鋭の作者の著書第二冊目。今回は、完全に長編仕様の書き下ろし。 テレビ局内の生放送番組の最中に死体が見つかり、いっときだけ、事を荒立てたくないメインキャラの局スタッフ(若い女性)はその事実を秘匿しようとする。 読後にAmazonのレビューを見ると、序盤~前半のこの流れだけで、リアリティがないと放り出した人も少なくないようだが、かなりもったいない。まあ否定派のこだわりもわからないことはないが、その辺はフィクションの大枠の許容範囲。結城昌治の言う「大きなひとつのウソの上に、小さな多くのホントを」の、その前半部分である。 随所にちょっとずつジワっとくる毒を感じさせる<ミステリ・ファルス(一種の戯作)>かと読みながら思っていたが、後半にいくつもの仕掛けがあってなかなか面白くなる。そのなかの大技のひとつは、ちょっと使い方がアレじゃないか? とあとから思わないでもないが、一方でその趣向でもたらされたものは確かに大きいので、まあいいや。 まあ、ヒトによっては、こんなの以前にどっかで読んだ、とおっしゃられるかもしれないが(苦笑)。 あと、真相の解明時に後出しの情報が多め? なのはちょっと弱点。 どんなものが二冊目に来るかな? とそれとなく期待していたら、なかなか悪くないレベルのものを読ませてもらった感じ。あまり詳しく言えない内容だが、某・登場人物の役割の転調ぶりが、順当に(作者のたぶん思惑通りの効果が上がったという意味で)なかなか良い。ただし犯人は、このキャラかな……と見当をつけて当たった。まあそれで終わる作品ではなかったが。 次作にもまた期待します。 |