皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
たかだいさん |
|
---|---|
平均点: 5.04点 | 書評数: 204件 |
No.204 | 5点 | てのひらに爆弾を- 黒武洋 | 2025/07/15 15:51 |
---|---|---|---|
爆弾を仕込んだ携帯電話をばら撒き、爆発事件を起こした上での企業恐喝と警察の対決を描いたサスペンス
わりと最近の中東で似たような事件(無線機に爆薬が仕込まれてた事件)があったのを朧げに思い出しつつ、本書を読了しました ストーリー展開に勢いがあり、一度は現金を要求しながら中断と沈黙の時を経て、再度脅迫を試みる犯人の不気味さとその思惑に、次第にのめり込んで楽しめた しかしながら、その〆は如何なものだろう? と思わずに居られない なんというか続編ありきなオチで、イマイチすっきりしない読後感が個人的にあまり好きでないからか、ちょっと納得いかない感が残ってしまった 一応、事件そのものは解決…と言えば解決したのかもしれないし、見方によっては何も解決しないで終わったとも取れる 序盤から中盤に掛けてに不満が無かった(それこそ評価8は固かった)だけに、終盤しかも最後の最後にモヤモヤを残されたのは大きな減点だと私は感じました。残念です… |
No.203 | 6点 | 奈良「ささやきの小道」殺人- 本岡類 | 2025/07/13 13:23 |
---|---|---|---|
犬や鼠を利用した殺人トリックは何かの作品で見聞きした記憶があり、今回は鹿を利用した殺人トリックという事で興味を持った作品
肝心のトリックですが、前提として「鹿が多く集まる地域」「何度も入退院を繰り返して心臓が限界寸前の老人(被害者)」、そこに来て「幼少期の強烈なトラウマ」という特異な下地があって初めて成立する可能性があるトリックで、そこに確実性や現実性はほぼありません とは言っても、本職の学者と比べれば素人のそれながらも作者自身が検証して可能性を見出した上で書かれている事もあって、単なる机上の空論とも言い難い絶妙な塩梅 その辺の創作姿勢やトリックそのものは大変結構で、意外と楽しめた一作でした |
No.202 | 4点 | 黄土館の殺人- 阿津川辰海 | 2025/07/12 17:06 |
---|---|---|---|
山火事に見舞われる「紅蓮館」、水害が迫る「蒼海館」と来て、地震で分断された「黄土館」として期待度が高かった館四重奏の第三弾
その感想として、ちょっと期待し過ぎたのかも知れないというある種の反省が… 館に配された塔が実は可動するという壮大なギミックが事件の鍵を握るトリックそのものは割と好みな部類ではある。果たしてそのトリックを実現可能か否か、塔が動く秘密を誰にも気付かれずに犯行が行えるのか?、無理がないか?とはちょっと…いや大分思ったが、それはそれとしてこういった大掛かりなトリックは好きだ しかし、前2作と較べると本作は見劣りするのは否めない。本の厚さの割に前作「蒼海館」のような惹きつけるストーリー展開に欠け、「紅蓮館」のように迫り来る災害の脅威も然程感じられない また探偵不在の事件という都合上、本作では探偵役の活躍が控えめであり、いわゆるワトソン役というか助手が頑張って事件を止めようとしたり、紅蓮館で登場したあの人のケジメがメインみたいな所があるのも、本作を中途半端なモノとして印象付ける要因になっていり気がしました 期待が高かった分、肩透かし感も半端なかったので個人的には評価「4点」とさせて頂きます |
No.201 | 7点 | 「双子座」12文字の殺人- 矢島誠 | 2025/07/12 16:46 |
---|---|---|---|
被害者が事前に自身のパソコンに書き残していた12文字の暗号解読がメインとなる本格推理小説
この作品の要と言える暗号は、個人的に面白いと感じた また、その暗号に秘められた犯人やその思惑、本作の探偵役を犯人に仕立て上げようと凶器を送り付けてきたり、捜査が進む毎に人死も増えていくサスペンス性もあって読んでいて楽しかった作品です 暗号に「ふね」や「ゆみ」が含まれるからと名前にそれらの単語が含まれている人物を犯人(かも知れない)と躍起になる警察関係のポンコツさにやきもきし、一筋縄ではいかないどんでん返し的な展開もあって最後の最後まで気の抜けない作品でした |
No.200 | 2点 | 夜までに帰宅- 二宮敦人 | 2025/07/12 16:34 |
---|---|---|---|
政策として夜間の外出が禁止された世の中で、禁じられた夜遊びを決行した高校生たちが狂気の殺人サークルと遭遇する戦慄の一夜を描いたサバイバルホラー
とりあえず、数時間でさらっと読み終えた位には読み易い作品であったと思う しかし、その分(と言うべきか)内容に深みはなく、設定の面白さに反して展開等が淡々としていてサバイバルホラーとして非常に淡白だと感じた 正直、読んでいてハラハラした箇所が無きに等しく、かと言ってグロに徹した描写があるわけでもない とにかくホラーとして致命的な程に「恐怖」がなく、かと言ってホラーに慣れてないor苦手な人に入門として勧められる本かと言うと、ヤンチャ盛りな高校生がとにかく殺人大好きなヤバい連中から逃げ回るというややキツめなストーリーが足枷になって薦め辛い… あらすじやカバーを見て期待した作品だった割に、その期待の精々1/4程度の完成度にがっかりが優ったホラー小説でした |
No.199 | 5点 | 最上川殺人事件 旅行作家茶屋次郎の事件簿- 梓林太郎 | 2025/07/07 22:05 |
---|---|---|---|
山形を代表する河川「最上川」流域を舞台に、とある一家を襲う数々の凶行の真相を描く旅情ミステリー
作中、放火→誘拐→身代金奪取→殺人というように次々と事件が畳み掛けてくる為、サスペンス色が強めで読んでいて勢いがあるのは良かった 全体的に2時間サスペンスのような仕上がりではあるが、その真相は(標的にされた一家にとって)大分理不尽なモノで個人的には犯罪の無情さがあって面白かったと思う ただ一方で、主人公・茶屋次郎を取り巻く秘書の2人や編集者といった味方サイドのキャラクター性には微妙さを感じた部分もあった 話に緩急を付ける意味でも、ある種の清涼剤といった役割も担っているのだろうとは思うのだが、それはそれとして性格があまり好ましいとは言えず、シリーズ初見の身からしたらキャラ同士の繋がりもあまり見えてこず良い印象を持てないまま話が終わったのでその点に不満がない訳ではない作品でした |
No.198 | 5点 | 金色の魔術師- 横溝正史 | 2025/07/02 22:32 |
---|---|---|---|
ジュブナイル向けに書かれたライトなミステリー小説で、主に少年探偵団を自称する少年達が事件を調査し、その上で相談と報告を受けた金田一耕助が事件の全貌を解き明かすという形式でストーリーが進みます
従って、金田一耕助は(少なくとも本書に関しては)ほぼ安楽椅子探偵に徹してますし、いつもの横溝正史作品にあるようなおどろおどろしさは鳴りを潜め、どちらかというと少年達の冒険活劇といった趣きがあり、ちょっと物足りなさを感じたのも事実 メインのターゲット層が違うと言えばそれまでですが、個人的には独特の怖々とした雰囲気の横溝作品が好きなので、その辺は微妙に思った所でした とは言っても、金色の派手な衣装に身を包んで少年少女をあの手この手で誘拐していく老怪人と少年たちの対決は、今で言うラノベ 的でそれはそれとして読み易く、楽しめました |
No.197 | 6点 | 探偵は田園をゆく- 深町秋生 | 2025/07/01 00:57 |
---|---|---|---|
以前レビューを挙げた「探偵は女手ひとつ」の続編で、前作と異なり本作は長編です
冒頭、相変わらずの便利屋家業としてデリのドライバーで糊口を凌いでますが、そこからすぐに手斧を持った暴漢との乱闘に介入する羽目になり、その縁から行方不明の息子を捜索するという本業(探偵)の仕事に着手する事となります 山形のさらに一地方・置賜一円を舞台にしている割に、1人の男の失踪から事態が加速度的に緊迫感を増していく辺り、登場キャラが山形弁前回というギャップもあって、らしさが見れて楽しかったです また、主人公の身内にもスポットが当たっており、娘とのやりとりであるとか、実母よりも接しやすい義母、なにかと主人公を縛りつけたがる実母との関係等、主人公自身のキャラというかバックボーンが深掘りされた内容でもあったように思います |
No.196 | 4点 | 十津川警部 東京上空500メートルの罠- 西村京太郎 | 2025/07/01 00:26 |
---|---|---|---|
西村京太郎の十津川警部シリーズと言えばトラベルミステリーが有名だが、個人的には本作のようなハイジャック物や誘拐物の方が馴染み深い
西村京太郎が描くこれらの作品は規模が大きい話が多く、総じて大味な傾向にあるので手軽に適度なサスペンスを楽しむのに向いていると思っている 尤も話の〆に雑さや荒さが見え隠れするのはご愛嬌とも思っているが… 本作も例外はなく、最新の飛行船を爆弾を使ってジャックした犯人が6億もの身代金を手にして逃亡する為の策までは適度なサスペンスを楽しめたが、ラストは結構呆気ないいつものパターンで終わる ある意味で安定感はあり、時間潰しの軽めな読書には丁度いい作品ではあると思ったが、同じような傾向の作品で言うなら(以前レビューを挙げた)サンダーバードを扱った作品の方がより完成度は高かった印象です |
No.195 | 3点 | 空中密室40メートルの謎- 浅川純 | 2025/06/28 17:57 |
---|---|---|---|
建物の上部に帆船を載せた構図のゴルフクラブを舞台に、地上40メートルの甲板で発見された白骨遺体の謎に迫る推理小説
元警察関係者達が集まり、『刑事』という役割(キャラ)として事件の経緯を取材・放送するという、なかなかにぶっ飛んだ奇抜な設定は面白い ただし、それはあくまで「発想」としてはという話で、読み進めてみた感想としては嫌悪感が付きまとう試みだったと思う 本作が放送・報道という代物に対する痛烈な皮肉や風刺を含んでいるとすれば十分に成功していると思う一方、それを読んだ感想としては不愉快さが際立つ感じ 正直、「この人(人達)は何様のつもりだ」と端々で思いながら読んでいたので、メイントリックに関する印象は一際薄いし、かと言って再読しようとも思えないし、その気力もない なんとも風刺の色が目立つ読み難いミステリーでした… |
No.194 | 5点 | 北緯43度のコールドケース- 伏尾美紀 | 2025/06/25 13:15 |
---|---|---|---|
警察小説特有の重厚なリアリティというか生々しさを感じられた作品
奇妙な幼女遺体遺棄が起こり、そこにかつて被疑者は死亡しながら被害者が見つからないまま未解決となっていた幼女誘拐事件も絡み始めるという流れで、ミステリー的にもなかなか面白い たしかに取調室でのラストの攻防に関しては然程決定的な証拠が出てきたわけでもないが、話の流れであっさり落ちたとでも言うような唐突感は否めず、状況証拠はばっちりながら頑なな犯人をどう追い詰めるかという点では微妙と言わざる得ない ただ、それ以外の部分ではよく出来た警察小説という仕上がりで、多少のドロドロやギスギスした雰囲気がかえってきちんと人を描けている気がして(本作に関しては)好感が持てました |
No.193 | 3点 | 三毛猫ホームズの恐怖館- 赤川次郎 | 2025/06/24 10:05 |
---|---|---|---|
ユーモアミステリーで知られる作家・赤川次郎を代表する人気シリーズ「三毛猫ホームズ」の一作
既読のシリーズとしては本作が2作目で、初めて三毛猫ホームズに触れてからおよそ20年越しに手に取ってみたわけだが、猫であるホームズが事件のヒントを身振りで示し、それを受けた兄妹が事件を解決に導くというシリーズとしての枠組みは結構好きな作品だなと再認識 恐怖館というタイトルに反しておどろおどろしさは皆無のユーモアミステリーな作風で、古典ホラー映画好きが集まるサークルのメンバーやその関係者を中心に、冒頭でのガス爆発からの他殺体の発見に端を発し、次々と関係者がナイフで襲われる構図はなかなかスリリングで展開としては面白い しかし、肝心の謎(犯人が誰かは勿論、作中における密室の謎等)が正直薄っぺらく感じられた上に、個人的な好みの問題もあるとは言え作中のユーモアが基本スベっていて、挙句、主要キャラの性格などがあまり好きになれない…等々、骨格は面白そうなのに読んでみたら詰まらないという感想に落ち着きました |
No.192 | 6点 | 15年目の処刑- 勝目梓 | 2025/06/22 18:36 |
---|---|---|---|
姉を騙して自殺に追い込み、それを謝罪させようとし矢先にヤクザの殺し屋を差し向けられた男の15年にも及ぶ執念の復讐劇を描くハードボイルド作品
とりあえず、本作で本命の標的となる大臣に就任したばかりの政治家がとにかくクズなので、個人的に不快感なく主人公の復讐劇を楽しめた もっとも、それに巻き込まれて色々と巻き添えを食って酷い目に遭う政治家の家族や、主人公と深い仲のママには思う所がないわけではないが、いくら大義名分があっても綺麗事では済まされない復讐という行為の無意さや無慈悲さが分かりやすく現れている部分でもあるのかと思います 随所に性的なシーンや、容赦のない暴力シーンが多発する作品である為、好みは極端に分かれそうだが個人的には(偶に読むなら)好きな部類の作品でした |
No.191 | 3点 | 薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理- 塔山郁 | 2025/06/21 18:43 |
---|---|---|---|
ある種ストイックで生真面目な女性薬剤師が、薬にまつわるあれこれを薬剤の知識で解決に導く短編集
読む前は「天久鷹央の推理カルテ」と似た系統の話かなと思いつつ読み始めましたが、実際のところ、あちらよりもかなりマイルドな印象 仮にも専門知識が必要な系統のミステリーという事で、こういった作品についてはそれらにまつわる豆知識が楽しみの一つなんですが、そう言った要素が本作に関してイマイチだと感じた 一つ一つの謎は調剤薬局、薬剤師をメインに据えた作品らしさがあって魅力もあると思えたが、展開が淡々とし過ぎていて抑揚が無かったのが話の詰まらなさに繋がったのかなと思われます |
No.190 | 4点 | ルパン、最後の恋- モーリス・ルブラン | 2025/06/19 00:17 |
---|---|---|---|
「アルセーヌ・ルパン」やその作者「モーリス・ルブラン」の名は知っていたが、いずれの作品も未読の中、初めて手に取ったのが本書
おそらく「ルパン三世」の影響もあって『大泥棒』のイメージが先行する中、本書でのルパンの人物像は意外…というより異質に感じられた 知性派なのは間違いなく紳士な人物像は好感が持てるが、ストーリーが元々持っていたイメージと大分乖離していた為、思った程刺さらなかったというのが正直な所 冒険活劇を期待していたら、実際にはスパイ小説だった感じ スピード感のある展開で面白いは面白いのだが、終始、違和感というか「ちょっと違う」感が残ってしまった まぁ、こちらの先入観というか先行したイメージのせいで作品自体が悪いわけではないのは重々承知の上で、イマイチと評価させて頂く |
No.189 | 6点 | 黙秘犯- 翔田寛 | 2025/06/17 23:38 |
---|---|---|---|
目撃証言、凶器に残された指紋から逮捕に至った執行猶予中の傷害犯
一見単純な事件かと思えたが、逮捕された男が完全黙秘を貫いた事から徐々に不審点が浮き彫りになっていく お手本とも言える堅実な警察小説で、作中の刑事達が調べれば調べる程、男の人物像であるとか、その周囲を取り巻く人間たちの不審な挙動が見え隠れしてくるので、サスペンスなストーリー展開はなかなか面白かったです また、終盤における取調室での攻防は見所だと思う一方、黙秘を貫く男の真意、心情の痛々しさが読後、一番心に残りました |
No.188 | 8点 | 翳りゆく午後- 伊岡瞬 | 2025/06/15 19:01 |
---|---|---|---|
社会問題にもなっている高齢者ドライバーによる自動車事故をテーマにした社会派なミステリー作品
正直、ミステリーとしての謎、真相だけを見ればなんて事のない小説です ただ、そこに「いつ当事者になってもおかしくない」というリアリティが加わって一級のサスペンスに仕上がっていると個人的には感じられた 作品の冒頭、厳格な祖父の些細な異変から始まり、そこに何やら女性関係も絡むらしい、からの「人を轢いたかもしれない」 作中、主人公も半狂乱の心境で事件・事態に向き合うわけだが、我が身になって考えると恐怖である やや主人公が自己保身のきらいが強く、若干の嫌悪感がなかったわけでもないが、概ねリアルな反応が描かれていたと思います 日常生活を送る上での実態もあって簡単には解決出来ない問題とは言え、それを踏まえても中々に心を抉ってくる作品でした |
No.187 | 3点 | アンサーゲーム- 五十嵐貴久 | 2025/06/15 15:59 |
---|---|---|---|
結婚式を挙げてハネムーンに向かう筈だった新婚夫婦が謎の閉鎖空間に拉致され、意味の分からないクイズゲームに参加させられるサスペンス小説
もっと砕いて言えば、強制参加のデスゲーム物 正直、それ以下はあっても以上はない作品で、デスゲーム物の作品を何作か嗜んだ人からすればそこまで面白みのある内容でもないと思う(少なくとも私はそうでした) ゲームに巻き込まれた夫婦間の疑心暗鬼やギクシャク感に関してはこの作品の味かなとも思えたが、とは言ってもだから面白いとまではならない 一応、読みやすい作品ではあるし、デスゲーム物とは言ってもグロい描写はないので、一定の緊張感をライトに楽しめる作品だとは思いました |
No.186 | 5点 | 科警研のホームズ 毒殺のシンフォニア - 喜多喜久 | 2025/06/14 20:27 |
---|---|---|---|
科捜研…ではなく科警研という微妙に聞き馴染みのない警察組織の一部署を主舞台に、様々な毒物を主軸に据えた風変わりなミステリー短編集
同じ作者による別シリーズ「化学探偵Mr.キュリー」にも若干通ずるモノがあった気がしますが、そちらに比べてより専門性が高かったように思います 専門知識がないと謎解き不可能という点で(作者も異なる別作品にはなりますが)「天久鷹央の推理カルテ」と本質が近く、故に「そんな物質があるんだ」とか「そんな事あるんだ」と言う楽しみ方が出来るタイプのミステリーです 少なくとも私はそうゆう方向で本作を楽しみました |
No.185 | 5点 | #拡散忌望- 最東対地 | 2025/06/09 11:08 |
---|---|---|---|
旧Twitterを利用した凄惨な呪いの恐怖と、その呪いに立ち向かう学生達の足掻きを描いたノンストップホラー
わりかし正統派なジャパニーズホラーだった前作に引き続き、本作もまた、良い意味で正統派なホラー作品に仕上がっていたかと思います 敢えて言うなら(前作も含め)グロにより過ぎな気はしますが、内容的にはかの名作「リング」の系譜を受け継いでいる作品です ただ、本作の呪いに犯された者の末路は視覚的(イメージ的)なインパクトは抜群ですが、被害者自身の煮えたぎった(脳等の)体組織が、目鼻口から溢れ出して顔面が判別不能な程に焼け爛れる(しかも死ねない)という意味をイマイチ汲み取れなかった為、読んでて微妙に気になったというかその死に様(厳密には生きてる)ありきの作品なんだろうとは思いましたかね とは言え、ミステリー要素も含まれ、関係者が次々と呪いの餌食となる様はジェットコースターのような勢いがあり、ホラー作品として無難に楽しめました |