海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト

[ 青春ミステリ ]
愚者のエンドロール
古典部シリーズ
米澤穂信 出版月: 2002年07月 平均: 6.00点 書評数: 25件

書評を見る | 採点するジャンル投票


角川書店
2002年07月

No.25 6点 じきる 2020/08/30 16:19
青春ミステリーとして前作より格段にレベルが上がっている。

No.24 6点 白い風 2020/01/04 16:05
古典部シリーズ第2弾。
前作「氷菓」も夏休み期間中だったからほとんど時間は経ってないんだね(笑)
映画の中だけど殺人があってちょっと日常の謎よりミステリーっぽかったね。
徐々に主人公のホータローに自覚が出てきたのかな?
今後が楽しみです。
ところで”古典部”の正式な活動って何??今回も説明が無かったね。

No.23 8点 バード 2019/08/21 12:13
本格ミステリでは殺人事件を扱うものが多く、それは事件の深刻さを使って読者を物語にのめりこませる策の一つである。古典部シリーズはそういった殺伐さが無いため、あっさり目の印象を受ける人が多いだろう。しかし、あっさり読めるがガチガチの伏線と謎解きが本書にはある。

・お見事ポイントその1 奉太郎の推理
2年F組の途中までのビデオから導きだされる犯人は奉太郎の推理どおりカメラに写っていない7人目しかありえないだろう。これはビデオ視聴者から見れば叙述トリックになるわけだが、他の5人に犯行が不可能な以上アンフェアではない。読んでる私も同じ推理にいたった。

・お見事ポイントその2 出題者(本郷)のミステリレベル
ビデオを見ての推理は奉太郎の解答で間違いない。しかし、本郷が叙述トリックを使うことはありえない。つまり奉太郎の解答は間違いということになる。これは現代の新本格になれたミステリファンの性質を逆手にとった素晴らしい仕掛けだと思う。(このしかけで+1点。)出題者が常にミステリ玄人とは限らないのだ。

・お見事ポイントその3 では、なぜビデオを見ると奉太郎の結論になっちまうのか?
これも学生のいい加減さが発端になっており無理のない理由である。シャーロック・ホームズ短編集とアンケートの伏線から、ビデオが本郷の意図していない仕上がりになっている所まで読みきれる真の"探偵"はどのくらいいるのだろうか?(私は奉太郎の推理が限界でした。)

米澤さんの作品は「氷菓」、「インシテミル」に続いて3冊目だが、圧倒的に本書の出来が良いと思います。

No.22 7点 HORNET 2018/04/15 17:26
 前作でも書いたが、こんな小粋な高校生がいるわけないとは思うものの、学園モノかつ日常の謎モノでここまで作りこまれる作品はなかなかない。作者の腕を感じる。
 神山高校祭、通称「カンヤ祭」にビデオ映画を出品することになっていた2年F組だったが、その脚本家が倒れて入院してしまい、制作は宙ぶらりんの状態に。その作品が「ミステリー」だったことから、真相は脚本家である生徒しかわからず、これまで撮影した映像からそれを推理することに。未完成のビデオ映画を見せられた古典部の面々は、千反田えるの「私、気になります」の一言でその謎を解くハメに。あとは例によって例のごとく、奉太郎の推理によってその真相が明かされていく。
 今回は、一旦決着がついたかのような件のあとの、本当の「真相」解明の部分が秀逸だった。F組の「女帝」入須冬実(これも、こんな女子高生いたらヤダ、ってレベル(笑))の風格あるキャラもよい。
 ミステリとしてもストーリーとしても、前作よりよかった。

No.21 4点 蟷螂の斧 2017/10/11 20:23
副題からクリスティー氏の「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」のオマージュと思ったら、まったく関係はなく、バークリー氏の「毒入りチョコレート事件」のオマージュでした(苦笑)。多重解決ものが苦手であること、青春ミステリーではあるが恋愛ものではないことなど、好みからかけ離れておりこの評価。

No.20 6点 2017/03/17 09:29
冴えてますね。こんな風に作れば面白くなるんですね。
人物設定、舞台設定、メタ設定、どれをとっても文句なし。

日常の謎による緊張感の無さは、こうやって推理の楽しさでカバーするんですよ、という著者の声が聞こえてきそうです。
「毒チョコ」的と思っていたらオマージュ作品なんですね。もしかして本家を超えたかもしれません。ちと褒めすぎか?
短い作品ですが、全編の隅々まで行き渡る推理要素を楽しむべし、といった豪華絢爛たる本格ミステリでした。

No.19 8点 邪魅 2017/02/18 01:57
古典部シリーズの中では二番目に好きです
これも古典部シリーズの例に漏れることなく全ての手がかりをフェアに提示し、論理的推理によって真相を解明出来るという点で本格推理小説としては中々に高い水準にあります
それでいてミステリに隠された副題も見事です

No.18 7点 青い車 2016/02/15 22:22
最後から二番目の答は以前テレビの推理クイズで同じものを観たことがあったので、これが真相だったらガッカリだと思っていたんですが、ちゃんともう一捻りしてくれたので安心しました。あのリストが伏線になるんだろうなあ、とは薄々わかっていましたがこの着地はなかなかに意外。ミステリー度が上がると同時にホータローを始めキャラクターたちにも愛着が出てきて、確実に『氷菓』よりパワーアップしています。

No.17 1点 風桜青紫 2015/12/19 08:20
我孫子武丸がかわいそうになってくる。自信作のアイデアをこんなせこい作品にこんなみみっちいパクられかたをされりゃ、それは怒りたくなるわな。ホータロの解き明かすひっかけトリックは綾辻の使い捨てをパクったただけ。真相や推理合戦もしょうもないし、これで『毒入りチョコレート事件』とか米澤はぜったいにラノベ読者をなめてるだろう。あと意図的に書いてるんだろうけど、千反田とホータロ姉のキャラクターが無理。いっぺん酷い目にあっちまえ。「あたしゃひとごろしの話なんて書きたかないのよー・゜・(つД`)・゜・」などと、ぶっ倒れる女は、優しいお方というより、すごく太宰治的なクズっぷりを感じちゃう(千反田も同類ってのがまた……)。こういう女はホータロが一発ビンタして目をさまさせてやらなきゃいかんのだ。彼は今回失敗したようだが、これからがんばってほしい。


(2016.2.15 追記)

「青春の挫折をミステリにからめてて上手いと思った」の一文で済むような感想を長々水増ししたあげく他の真面目な採点者の方々を愚弄する残念な採点者も中にはいるようだ。ところどころ文章が日本語になってない上に、作者の名前を間違えるという体たらく(さらに言えば『愚者のエンドロール』は群像劇ではない)でよくそんな真似ができるものだと感心してしまうが、まあ、作品を擁護する気持ちよりも、「ラノベを頭いい感じに解説できるかっこいい自分」を見てもらいたい気持ちが上回ってしまっているのだろう。

登場人物に好感が持てなければ、彼らが挫折しようが立ち直ろうが何も思わん。私はホータロも千反田もその他の登場人物も人間として気に入らないのだ。だから『愚者のエンドロール』を小説として面白いと思わないし、これまで読んだ中でもっとも嫌いな作品の一つだと思っている。勝手に「最後まで読んでない」などとテキトーなことを抜かさんでほしい。

No.16 8点 鳴門 冬扇 2015/08/22 09:56
 米澤穂積の『愚者のエンドロール』は日本最高峰の青春ミステリである。
 と書くと多分10人中10人が「またミステリのMの字も分からないラノベ厨が何か書いてるよw」と思われるかもしれませんが、まあそのセリフは最後の楽しみにとっておいてもらうとして本論に入りたいと思います。
 まず青春ミステリとはミステリが絡む青春群像劇と定義させて頂きます。何故ミステリがメインではないかと言えば、単純にそれがメインならばその作品は「本格の亜流」でしかありえないからであり、群像劇でなければならない理由は、一個人の人生の断片は単に未熟な青少年のそれでしかなく、青春は複数の未熟な青少年の人生が交差する中でしか生まれないと評者が思うからです。
 話は「古典部」という自分達でさえ何をするのか分からない部活をしている主人公達に、ある上級生が相談を持ちかけます。クラスで自主制作ミステリ映画を撮っていたが脚本担当が倒れてしまい続きが撮れない。これまでの内容からこれからの展開を推理してくれないか? それからは主人公達を含めて推理大会が始まるのですが、
ここで作者の秀逸な点は、そこから

青春群像劇⊃青春の挫折(せいしゅんぐんぞうげきはせいしゅんのざせつをふくむ)

という式を導出したことです。
 本作は最後に真実(事実とは限りません)が明らかになりますが、この物語の狂言廻しである主人公の姉を除き、推理大会の参加者(作中にそれとわかる描写がなくても推理大会には負けたので)はおろか先輩まで何らかの形で挫折を味わいます。しかしその挫折でさえ私達読者の眼には青春の特権に見えてしまうのです。確かに評者のような大人には間違えるという選択は恥という観念を逆手に取って真っ直ぐぶつかっていく主人公達に青春の熱いほとばしりを感じました。道場の床に尻餅をついて 「参った」と言ってしまった気分です。
 と言う訳で評者はこの作品の比率を青春群像劇7にミステリ3と判断したので評価を7×9点+3×6点/100=8.1点
と言うことで8点にしました。
 後これは単なるグチですがミステリの読者は少なくとも文章は最後まで読む人だと思っていましたがどうやらそれは違うようですね。まあ読者はミステリを選べてもミステリは読者を選べませんからねえ。

No.15 6点 アイス・コーヒー 2014/09/21 09:37
古典部シリーズ第二作。未完のミステリー映画の真相を求めて、折木や千反田たち、古典部が奔走する。

前作「氷菓」に比べると格段に面白くなっている印象を受ける。「毒チョコ」を題材にした多重解決や、その末にある結末も工夫がなされ、ついでに文体の拒否反応も起きなくなった。
登場する密室トリックはすべて前例があるものだが、オリジナルの改変があったうえ、登場人物たちがそれを推理していく過程が面白かったため特に気にならなかった。無論のことフェアプレーの精神も貫かれ、複線の配置も巧い。
ただ、映画中の事件現場における環視状況や、アリバイの有無が分かりにくかった。図表も見取り図だけで、もう少し細かく描写して欲しいところだが…。
物語としては、折木の探偵としての苦悩を中心に据えているようだ。古典部入部以来、「省エネ」の信条に反しながらも千反田にせがまれて謎解きをやってきた折木の葛藤が描かれている点が最大の見どころだろう。
それにしてもサブタイトルの「Why didn't she ask EBA?」は…。

No.14 6点 谷山 2014/09/19 05:33
確かに前作よりもミステリ色は強くなりましたが、個人的には古典部全員で謎を解いた前作の方が好みかな。
ホータローの推理が外れたとは言え、真相のネタで映画を撮ってたら面白くなったかというとそんなことは無いと思う。というか、もし最初から真相を推理できてたら映画完成しなかったんじゃと思うと今ひとつ魅力的な謎でもないと思うし。

No.13 5点 いいちこ 2014/08/22 17:23
ライトノベル風でかなり短めの長編だが、ミステリとしての狙いに意味があり、印象以上に正統的な本格ミステリ。
各登場人物がそれぞれの推理を展開するが、推理の引き出しが多く、人物造形との違和感もない。
最後はきちんと捻って破綻なく着地を決めるなど完成度も高い。
しかし優等生だが突き抜けたところがなく、軽量コンパクトなイメージが拭えない。

No.12 5点 ボナンザ 2014/04/08 15:50
ホータローの推理通りならもう一点低かった。あれすでにあるアイディアだし。

No.11 7点 mohicant 2012/09/17 23:13
 推理が外れて、後に真相が明らかになる展開はおもしろかった。
 シリーズ物の主人公だし、その推理は絶対的なものなんだろうなと思って読んでいたのでまんまと騙された。時には推理を外す主人公の人間味に愛着が持てた。

No.10 5点 まさむね 2011/03/03 22:15
 古典部シリーズ第2弾。 前作「氷菓」よりもミステリ度がアップ。個人的な「食いつき具合」は確実に前作以上。
 奉太郎クンの「最終回答」までの展開も悪くはないですが,個人的には何よりも最終章が良かった。そうか…って感じで。
 いかにも米澤氏らしい作品ですね。

No.9 7点 シレン 2010/11/01 15:52
中盤以降ミステリーらしくなるけど、主人公以外の部員の存在が薄くなってるのが残念。
でも推理→否定→新しい推理の展開は楽しめた。

No.8 5点 ウィン 2010/09/25 12:32
今回は今迄に読んだ米沢穂信の作品の中では一番ミステリらしい作品だった。
作者のミステリ好きも随所で明かされているし。
これは毒チョコ方式のミステリだと後書きに書かれているが、言われてみれば納得。
話が反れるが毒チョコは名作ミステリだと思う。
まあこの作品に一つ欠点を付けるなら、今回は謎解きという要素に走りすぎて、古典部という要素が疎かになってしまったことだろう。

No.7 6点 kanamori 2010/07/11 00:46
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」がモットーの高校生・折木奉太郎シリーズの第2弾。
ミステリ部分の謎はそこそこ。それより千反田えるの謎の部分が、小父さんには気になる(笑)。

No.6 5点 dei 2010/04/30 00:17
「探偵映画」という元ネタを超えることはできず。


米澤穂信
2021年06月
黒牢城
平均:8.00 / 書評数:4
2020年01月
巴里マカロンの謎
平均:7.00 / 書評数:5
2019年09月
Iの悲劇
平均:6.67 / 書評数:6
2018年12月
本と鍵の季節
平均:6.12 / 書評数:8
2016年11月
いまさら翼といわれても
平均:6.00 / 書評数:9
2015年12月
真実の10メートル手前
平均:6.06 / 書評数:16
2015年07月
王とサーカス
平均:6.53 / 書評数:15
2014年03月
満願
平均:6.70 / 書評数:27
2013年01月
リカーシブル
平均:5.40 / 書評数:5
2010年11月
折れた竜骨
平均:7.58 / 書評数:24
2010年06月
ふたりの距離の概算
平均:5.80 / 書評数:10
2009年08月
追想五断章
平均:6.26 / 書評数:19
2009年02月
秋期限定栗きんとん事件
平均:6.35 / 書評数:17
2008年11月
儚い羊たちの祝宴
平均:6.59 / 書評数:34
2007年10月
遠まわりする雛
平均:5.86 / 書評数:14
2007年08月
インシテミル
平均:6.17 / 書評数:47
2006年08月
ボトルネック
平均:4.39 / 書評数:23
2006年04月
夏期限定トロピカルパフェ事件
平均:5.70 / 書評数:20
2005年07月
犬はどこだ
平均:6.25 / 書評数:16
クドリャフカの順番
平均:6.50 / 書評数:20
2004年12月
春期限定いちごタルト事件
平均:5.26 / 書評数:19
2004年02月
さよなら妖精
平均:6.44 / 書評数:18
2002年07月
愚者のエンドロール
平均:6.00 / 書評数:25
2001年10月
氷菓
平均:5.07 / 書評数:29