皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 沈黙のパレード 探偵ガリレオシリーズ |
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東野圭吾 | 出版月: 2018年10月 | 平均: 6.67点 | 書評数: 9件 |
文藝春秋 2018年10月 |
文藝春秋 2021年09月 |
No.9 | 6点 | E-BANKER | 2024/04/17 17:38 |
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(今のところ)「ガリレオ」シリーズの最新作となる本作。
「加賀恭一郎」と「湯川」。作者が生み出した2大名探偵。どっかで共演してくれないものか。そういう気もしてしまう。 単行本は2018年の発表。 ~突然行方不明になった町の人気娘・佐織が、数年後遺体となって発見された。容疑者はかつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。だが、今回も証拠不十分で釈放されてしまう。さらに、その男が堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を「憎悪と義憤」の空気が覆う。かつて佐織が町中を熱狂させた秋祭りの季節がやってきた。パレード当日、復讐劇は如何にして遂げられたか。殺害方法は?アリバイトリックは?超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める~ 本シリーズでは、今までもフーダニットに関しては自明という場合も多かったけれど、今回のメインテーマは「仇討ち」である。ということは、元々の事件の犯人は明確で、「仇討ち」なのだから、その加害者も明確、ということになる。 ただし、そこは東野圭吾。簡単に終わらせるはずはない。 最終章に至るまで、二番底、三番底の真相が待ち構えている。この当りは、実に老練になったなあーという感想。序盤から精緻に組み上げられた仕掛けや伏線が最後になって効いてくる。 でも、ガリレオシリーズといえば、当然、「ハウダニット」の興趣も忘れてはいけない。 今回のHowもかなりのものだ。化学の知識があれば簡単なのかもしれんが、門外漢の私にとっては、「こんなトリックもできるのね!」っていう驚きがある。 いずれにしても、湯川もだいぶ変わってきた。推理マシーンから人の心の機微を理解できる血の通った名探偵へとシフトチェンジした印象。 ただ、こうなると加賀恭一郎との差があまりなくなってしまう懸念もありそう。まあ求められるものを書こうとしている作者にとっては悩ましい問題なのかもしれない。 まあでも、結局、続編を期待している自分がいるわけで、ぜひよろしくお願いします! (途中の、湯川と内海の競演シーン。これは、映像化の場面を狙いすぎでしょ・・・) |
No.8 | 6点 | take5 | 2022/05/01 16:30 |
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湯川の台詞、(容疑者Xを引き合いにした)
犯人を糾弾するだけをしにきた訳ではない、 これを見て私が思ってしまうのは、 いやいや、糾弾の結果悲劇が起こるなら、 それも犯罪に付随する悲しい宿命で、 そっちがリアルでしょうという事です。 ラストの致命傷か否かのくだりも、 変に救いをもたらそうとしていていらないかと。 何方かが書いていらっしゃいましたが、 映像化への伏線が多分に見られます。 ただし読みやすい事請け合います。 |
No.7 | 7点 | haruka | 2022/04/27 00:07 |
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過去作と比べて湯川の登場頻度が高く、名探偵ぶりも痛快だった。 |
No.6 | 7点 | makomako | 2022/03/13 11:59 |
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初期の東野氏の作品はどれも本当に素晴らしかったのですが、このところ新作はでるが何となく薄利多売で、語り口のうまさで持たせているといった感じがしていました。
本作品も読み始めるとすぐに犯人がわかりこれを語りのうまさでカバーするものかなあとやや心配気味でしたが、見事に良いほうへ裏切られました。 凝ったトリックとそれだけで終わらない物語の真相。 なかなかよかった。 |
No.5 | 7点 | ぷちレコード | 2020/04/03 18:10 |
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被害者遺族側の苦悩を描きつつ、トリックもどんでん返しもしっかりしていて、その上で久しぶりのガリレオコンビがやっぱり魅力的。
作品の中で流れた時間分、ゆっくりと登場人物の心情が変化していく様を描きつつ、そしてその変化が物語が進むには不可欠というそのバランスが素晴らしい。 |
No.4 | 8点 | 初老人 | 2020/01/02 18:00 |
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今までのガリレオ史上最高。と言いたい所ですが、容疑者Xと並ぶ、と言った方が正しいです。 |
No.3 | 5点 | パメル | 2019/05/30 19:44 |
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ガリレオこと物理学者、湯川が難事件を解明するシリーズ9作目の長編。
不可解としか思えない死亡事件を巡り、湯川と内海刑事が議論を繰り広げながら、捜査を進め仮説を立てては崩すというところが読みどころ。 また、推理の最中に某有名推理小説のタイトルを引き合いに出すという、海外古典ファンが思わずニヤリとしてしまう場面も用意されている。 最終的に辿り着く真相は意外性があるし、トリックも実現可能に感じる点は好印象。ただし、フーダニットとして読者は推理のしようがないし、トリックも専門知識が必要、そもそも、ストーリーに魅力を感じなかった。先が気になって仕方がないという感情が、残念ながら湧き上がらなかった。前作より約6年ぶりの作品だっただけに、長く待った分、ガッカリ度も大きい。 |
No.2 | 6点 | sophia | 2019/03/02 18:43 |
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ミステリーランキングで高評価なのでかなり期待して読んだんですが、意外と大したことない?多くの人を巻き込んだせいで、犯行の工程が無駄に細かくなっています。アリバイトリックはあれで成立しているんですかねえ。その気になれば別のところからも調達できるような物をフェイクに使うことが有効なのか。歌手の卵の凋落の経緯は陳腐ですし、登場人物のキャラ造形も類型的で没個性。こういうところは初期の作品の頃から変わってないですよね。終盤の囚人のジレンマ的なところは少し面白かったです。まあそこだけですかね。 |
No.1 | 8点 | mozart | 2018/11/02 08:38 |
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久々のガリレオシリーズ長編でしたが、期待を裏切らない水準の作品に仕上がっていて、作者の力量に改めて感服しました。ひねりを効かせた殺害方法に対する湯川の「科学的洞察(?)」による解明などは従来通りだし、背景になった真の動機の「意外性」やページが残り少なくなってからの「どんでん返し」なども十分に楽しめました。今作でも「真夏の方程式」同様、ガリレオの「偏屈さ」が影を潜めていましたが、その理由も「容疑者Xの献身」の結末を受けてのことであると分かったのはシリーズ愛読者としても良かったと思いました。
湯川がギターを弾く場面とかフレミングの左手とかは、内海刑事の「活躍」が目立ってきたことと同様、ドラマ化ないしは映画化を意識してのことだろうと思いますが(バーでの湯川と内海のやりとりなどドラマでの福山雅治と柴咲コウそのものだし)、これもまた作者一流のファンサービスの一環であると好意的に捉えることにしました。 |