皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ パスティッシュ/パロディ/ユーモア ] 黒笑小説 |
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東野圭吾 | 出版月: 2005年04月 | 平均: 5.88点 | 書評数: 8件 |
集英社 2005年04月 |
集英社 2008年04月 |
No.8 | 5点 | パメル | 2020/12/28 17:55 |
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タイトル通りブラックな味わいが味わえる13編からなる短編集。
まず目をひくのが文壇ネタのストーリー。「もうひとつの助走」「線香花火」「過去の人」「選考会」の4編がそれにあたる。特にお薦めなのが「線香花火」。小説灸英新人賞に入選したことで、すぐさま人気作家になると思い込んだ主人公にしたこの作品は、彼の舞い上がりっぷりで笑わせてくれる。もちろん戯画化されてはいるが、本屋でのこれ見よがしの態度や、親戚一同が集まっての宴会など、いかにもありそうな話。作家志望の男が見せる滑稽な姿には、妙な説得力がある。 出版業界に興味のある人、そして何よりも作家志望の人は読んだ方がいいかもしれない。それにしても自分の属する業界を舞台に、ここまで書いてしまうのだから恐れ入る。 しかし、作者の姿勢に堅苦しさは感じられない。重いテーマになるところを、ブラックな笑いを武器にして、軽やかに処理している。そこが本書の読みどころといえるでしょう。 |
No.7 | 6点 | sophia | 2017/08/14 22:59 |
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「怪笑小説」「毒笑小説」を読んだのがもう10年以上前のこと。久しぶりにこのシリーズに手を出しました。
エンタメに徹していた前2作とは異なり、作者の欲求不満解消や出版業界に対する鬱屈した感情のはけ口になってる作品が多い感じがします。どちらかと言えば「超・殺人事件」とかの方に近いかもしれません。 「臨界家族」と「選考会」でプラス1点しておきます。このシリーズはどうも6点ぐらいの評価になっちゃいますね。ワーストは「ストーカー入門」ですかね。 |
No.6 | 4点 | いいちこ | 2015/11/11 18:39 |
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文壇の裏話やミステリ作家の悲哀を描いた冒頭の4編はまずまず。
残る9編はオチのユーモアも毒も目新しさとインパクトに乏しい |
No.5 | 8点 | Tetchy | 2014/01/06 23:19 |
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意外とみなさんの点が低いのにビックリ。私は笑いながら読ませていただきました。3作目となるのに前2作よりも笑いのクオリティも上がっていて、いやあ、楽しい、楽しい。
特に連作短編となっている冒頭の4作品では出版界の内幕が繰り広げられ、出版社の担当者の思惑や新人賞を受賞し、作家専業となった人間たちの過ちを滑稽に描いており、これからも出版社とのお付き合いをしていかなければならない東野氏が果たしてこんなことを書いていいのだろうかと笑いながらも心配してしまうほど、露骨に描いている。まあ、これが他の作家が書かないであろうことまで書いてくれる東野氏のこの辺の思い切りの良さなのだが。 各短編は基本的にワンアイデア物なのだが、それを実に上手く膨らましていて笑いに繋げている。 ある日突然色んな物が巨乳に見えたり、空気中に漂う塵埃の微粒子までもが見えたり、はたまたインポになる薬が発明されたり、女性にもてるスプレーが発明されたりとたった一言で説明できるものだ。そこから東野氏は巧みにエピソードを次々とつぎ込んで見事なオチに繋げている。それらはどこか星新一氏のショートショートに似て、作者からのリスペクトも感じる。 個人的なベストは「巨乳妄想症候群」と「臨界家族」。次点で「笑わない男」。「巨乳妄想症候群」は丸い物がある日突然巨乳に見て出すというそのあまりにもアホらしい、しかし実に面白い設定を買う。「臨界家族」は前述のようにとても他人事とは思えない話であり、オチが予想の斜め上を行っているところが見事だ。「笑わない男」は最後の一行の素晴らしさ。これぞブラック・ユーモア。 このシリーズは今後も書いていってほしい。東野氏だからこそ書ける思い切りの良さを活かして。 |
No.4 | 5点 | まさむね | 2013/07/03 22:14 |
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「~笑小説」シリーズの第3弾。
東野作品は長編も勿論良作揃いなのだけれども,作者の性格が如実に表れている(と,個人的には思っている)このシリーズも結構オススメ。何より,作者が楽しんで書いているなぁ…という印象を受けます。 この短編集の中では,ミステリ作家の哀愁(?)を綴った冒頭の4編が楽しい。他の短編は,気軽に読める点では良いのですが,私の好きな「バカバカしさ」という点ではシリーズ前2作の方に軍配。 |
No.3 | 5点 | HORNET | 2011/01/15 16:07 |
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長い作品を読み続け,「ちょっと息抜きを・・・」というときに向いているでしょう。それぞれは面白いが,あとになってもどんな作品があったか思い出せない・・・ぐらいの軽い読み物集です。 |
No.2 | 7点 | VOLKS | 2008/11/16 16:51 |
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全編面白おかしく読めたが、特に前半の連作短編は「にやっ」とさせられ気に入った。 |
No.1 | 7点 | 深夜 | 2008/09/29 00:45 |
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「黒笑」というだけあって、「悲しい」とか「怖い」というのが伴った笑いを味わいました。全編万遍なく楽しめましたが、ずば抜けて面白かったというのはありませんでした。 |