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[ 社会派 ]
殺人の門
東野圭吾 出版月: 2003年08月 平均: 4.43点 書評数: 14件

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角川書店
2003年08月

KADOKAWA
2006年05月

No.14 6点 斎藤警部 2015/02/13 12:33
この小説をもし松本清張が書いていたらどんなだったろう、とずっと想像しながら読んでしまいました。
倉持の様々な悪行の動機が最後に明かされるわけですが、最初の方に伏線とも言えないほど堂々と記載されているにも関わらず、その後の怒涛のような田島の不幸の展開ですっかり目くらましされていたな、と。 しかし田島はなんでこんなに何度も丸め込まれるんだ。。
物語本筋とはまるで無関係だけど、不敬罪に問われそうなとある台詞がサラッと出て来たのがやけに印象に残っています。
あと、主人公と同部屋だったヤンキー上がりの彼にすごく好感。てか、基本的に二人の男が対峙する構造の物語なのに、大勢の脇役達がやけに皆しっかり描かれていますね。それでいてストーリーを混濁させない筆力も流石。

No.13 4点 いいちこ 2014/03/20 18:49
リーダビリティは相変わらずでさすが。
ただ作品の狙い・主題が途中でわかると、その後の展開が一定程度読めてしまい、緊迫感が殺がれるのが難点。
ラストも悪くはないのだが、救いのない物語はカタルシスが感じられない分、読後感が重苦しい

No.12 4点 バード 2014/03/19 08:49
タイトルにつられてずいぶん昔に読んだのだがミステリではなかった。
こういうのもありなのかもしれないけど暗すぎる話は個人的にあまり好きじゃないので印象はよくない。(あとちょっと長すぎた。)ただこの長さが殺人の門を開けるのがいかに重大なことかも表現できてて上手いとは思わされた。

No.11 7点 Tetchy 2013/07/29 09:41
主人公田島和幸が倉持修と云う男を殺すに至るまでを600Pを超える分量で描いた作品。

それにつけても主人公田島和幸の人生とは面白いほどに不幸だ。名家だった家は父の浮気で没落し、借金苦から大学進学もままならず、また入学した学校や就職した会社ではなぜか誰かに目を付けられ、いじめを受ける。そんな負の連鎖の人生で彼が望んだのはつつましいながらも家族を持ち、家を持って普通に暮らすことだ。しかしそんな庶民的な夢でさえ、結婚相手がとんでもない浪費家でコツコツと貯めた貯金を全て使われ、さらにはクレジットローンや街金の借金まで背負わされる。普通に暮らすことさえも望めない男だ。

しかしそれも自分に人を見る目がないこと、人を疑うよりも人の話を容易に信じる性格が災いしている。何事につけ、そんな悲惨な結果を招いたのが自分の選択眼の甘さだということを知らされながらも同じ間違いを犯す。それは自分の将来を奪ったダメ親父と自分が同じだということに気づかない鈍感さによる。田島が身持ちを崩したのはホステスに入れあげ、破産した親父と全く同類なのだ。またそんな生い立ちだからか、自分の失敗についての反省の念が強すぎるというのもまた欠点だ。借金を作った妻に浮気がばれ、その事で誓約書を書かされる体たらく。それまで妻が田島に行った仕打ちを考えれば、そこまでする必要がないのに、相手の糾弾に物凄い罪悪感を抱き、詳らかに浮気の状況を妻の云うがままに書くシーンではどこまでお人好しなのだと呆れた。

そして折に触れ田島の人生に関わる倉持修という男が本書の最大のミステリだろう。
なぜか主人公の田島和幸の人生の節々で関わり合い、彼の慎ましい人生を変えていく。それも悪い方向に。それは残った2枚のカードを眼前に突き出したババ抜きの最終局面を再会するたびに差し迫られているようだ。

(以下少しネタバレ)

この倉持と云う男は田島を嵌める悪意はあったのか?いや私は読中、恐らくなかったのだろうと思っていた。倉持という男は田島が好きだったのだろう。だから自分が面白いと思っていることに彼を引き込みたがるのだ。そして田島がそれに夢中になるのを見るのが楽しいのだ。そして自分の利益や保身を優先する性格であり、その犠牲として田島に来るべき災厄を振るのだ。しかしそんな倉持の行為に悪意はないだろう。恐らく彼が困ったとき、面倒事が起きたときに、軽い気持ちで田島に任せるか、ぐらいの気持ちでしかないのだと。
つまり倉持とは知らず知らずに自らが原因で周囲の人に迷惑を掛けてしまう男であり、そのことに自覚的でない人間だ、そう考えていた。
しかし読み進むにつれて次第に上昇志向が強く、他者を踏み台にして成りあがろうとする倉持は自分の人生に田島という踏み台を見つけたのだという風に思うようになった。倉持にとって田島と云う男はカモなのだ。彼が成り上がるために手元に残ったジョーカーを引かせるための相手なのだろう、と。それは物語の最終である人物の口から倉持の人となりを明かされる段でそれが間違いではなかったことが明かされる。作中では“捨て石”という表現が使われていた。

「手玉に取られる」という言葉があるが、これほど倉持に手玉に取られる田島の人生も珍しい。

最後はほとんどホラーのような結末だ。そして田島が目的を果たしたのか否かも定かではない。ひたすらに田島和幸と云う男が人生を狂わされたことが解るだけだ。またもや救われない物語を東野圭吾は生み出した。読後の今は何とも言えない荒廃感だけが残っている。

No.10 3点 ムラ 2011/12/16 19:32
個人的に白夜行に似てると思ったせいか評価が落ちてしまう作品(あっちの方が全体的に面白かったので)
動機だけでなくタイミングも殺人を犯す要因と言ってるが、最終的にはやっぱり動機で殺している気がした。
間は昼ドラっぽいが、罠にはめる感じはやっぱりこの人の小説だなと思えた。

No.9 5点 ミステリー三昧 2011/03/26 11:44
<角川文庫>
ジャンルで言えば、主人公が殺しを実行するまで描いた犯罪小説。ただテーマが特殊で「憎しみ」という感情は何をきっかけにして「殺意」へと変わるのか。「憎しみ」の限界点はどこなのかを探し求める青年の人生を描いた作品となっています。今までになく、ドMな主人公の登場でした。このようなミステリらしくもなく、派手さもなく、ただひたすら暗く地味な作品に対して感想を書くのは難しいな。申し訳ないです。

No.8 5点 オレンジ 2011/02/28 15:08
600pの長編にしては内容が薄いですね。
それでも読みやすさ引き込まれ、中盤からは夢中になりました。ただあまりに暗い内容が続き、途中気分が落ち込みますね。明るい話題といえば、プールを楽しんだ場面くらいでしょうか。白夜行に少しだけ似てるかな?と思わせる場面もありました。

No.7 4点 simo10 2010/03/09 22:39
幼い頃から動機の深い計画的な殺人に興味を持つ主人公。
おお、なんか今まで見たことのないパターンではないか。
しかもちょっと自分好みの暗めのどんよりした展開だし、これは期待できそうだ思った。
クラスの全員を殺すための予行演習として、ある人物を選定し、実行する。
ここまでは良かったんだけれど、主人公が気変わりを起こした瞬間、残り400ページ以上の展開が読めてうんざりした。
予想に違わず、殺意を抱いては失うのローテーションにやっぱりうんざり。
雰囲気は「幻夜」のアレンジバージョンみたいな感じで、キーマンの倉持修も男版新海美冬といった感じで、悪い奴なんだけどなんか魅力を感じる。
面白いことは面白いんだけど、どうも嗜好に合わないんだよなぁ。
ミステリでもないし。

No.6 2点 あびびび 2008/10/31 10:37
東野作品はなんでも好きですが、これはひどかった。
最後まで読むのが辛く、しかもやたら長い。

作者も迷走したまま書いたのでは…。

No.5 2点 makomako 2008/08/30 18:05
東野作品はほとんだがレベルが高い作品と思うが、これはあわない。どうしても最後まで読む気がしなかった。

No.4 4点 COBRA 2008/06/13 14:02
長々と読んでも殺人の門をくぐる意味がわからん。

No.3 3点 いけお 2007/10/10 13:25
同じことの繰り返しで冗長。
ただでさえストレスのたまる内容なのに。

No.2 7点 akkta2007 2007/07/24 20:00
あいつのせいで数多くの人間が犠牲になった。
奴のせいで自分の人生はいつもくるわされてきた。

殺人者になるためにはどうすればいいのだろうか?
主人公の歪んだ思い込みの世界を、心の中にある殺人願望を描きあげた作品である。
題名からしても、おとなしい、暗いような感じではあるが・・・
読み始めると・・・そんなことはない。
夢中になって読める作品である。
話の流れ、展開、結末はさすが東野氏である。

No.1 6点 dei 2007/07/23 20:17
かなり・・・というかひたすら暗い。
それでも一気に読まされたのは、この人の巧さがあったからだと思う


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