皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 青春ミステリ ] カッコウの卵は誰のもの |
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東野圭吾 | 出版月: 2010年01月 | 平均: 5.21点 | 書評数: 14件 |
光文社 2010年01月 |
光文社 2013年02月 |
No.14 | 6点 | 斎藤警部 | 2024/01/31 18:43 |
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ウィンタースポーツ(板系)周辺に巻き起こる、ビジネスへの野望と親子の苦悩、そして脅迫および傷害事件。 慌ただしい一連の流れの中で、元冬季オリンピアンである主人公の抱える葛藤と謎は大いに膨れ上がる。 期待の若手アルペンスキーヤーであるわが娘が、自分と血が繋がっていないとは ・・ ← この裏事情が全く一筋縄で行かないのが、本作の大きな魅力、というか太い幹。
"もし天罰が下るとしても――。 ( 中 略 ) その時には、自分が命を賭けて阻止するのだ。" 物語の分水嶺らしきものが早い段階から次々に上書き更新され、揺さぶりを掛け続ける、こりゃぁ東野らしい強い展開だ。 終盤もいい所に差し掛かって急展開の圧縮率が尋常でないミステリ期待値を噴出して来る。 そしてこの、黒幕の創意と悲しさたるや・・・・・ 読前の予断を裏切り社会派/科学派要素は薄め。 ちょっと気恥ずかしいが人間派は言えるかも知れない。 だが何より、複数のトリッキーな親子関係の謎で押し通した、プチ数学的とさえ言える論理(?)サスペンス・ミステリでありましょう。 そのくせしっかり感動もさせてくれちゃってよ。 参ったな。 「あるもの/こと」を託された人物の葛藤が、もっと直接的に描写されても良かったという思いは残ります。 ノルディックの未来を託された青年の、スキーそっちのけでエレキギターに傾倒する描写が光っていました。 |
No.13 | 7点 | Tetchy | 2015/09/09 23:33 |
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東野圭吾公式ガイドブックによれば、本書のテーマは“才能って何だろう?”とのこと。よく才能があると云われるが、それこそ曖昧な物ではないだろうか、そして後世に残る記録を残し、また世界的に活躍したスポーツ選手の二世が必ずしも大成するとは限らない。
そんな疑問に対して東野圭吾は実に面白い設定を本書で設定する。それはかつてオリンピックのスキー選手であった父親の娘がその二世としてめきめきと頭角を現しているが、実は血の繋がりの無い親子だったという物。 単に赤ん坊を盗みだし、その罪の呵責に耐えかねて自殺したと思われた妻に纏わる事件は調べれば調べるほど謎が積み重なっていく。まさに謎のミルフィーユ状態だ。 しかしそれら全ての謎が明かされると、単純に見えた物語の構図を複雑にするためにかなり無理があったと感じてしまった。 もし自分にある才能が有り、それが他者によって開眼されたとして、その才能を伸ばそうとするだろうか?その答えの1つがこの息子鳥越伸吾の決断とも云えよう。 人が羨ましがるような才能が逆に苦痛の種となり、本当の夢を諦めざるを得なくなるのは本末転倒だ。しかし才能を見出した側にとっては他者にはない特殊な能力を使用し、伸ばそうとしないことは宝の持ち腐れであり、なんとも勿体ない話だ。 私に彼鳥越伸吾と同じ才能があった場合、私は云われるままに代表選手として日々練習に励むだろうか?果たしてそれは解らない。鳥越伸吾の選択した道―クロスカントリー選手の道を諦め、音楽の道へ進む―は彼の人生だからこその決断だ。そこに本書の題名の答えがある。カッコウの卵は即ち持ち主自身の持ち物なのだ。それをいかに孵化させ、育てるかはまた当人次第なのだ。 |
No.12 | 5点 | あびびび | 2015/06/07 23:32 |
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淡々と始まり、淡々と終わったと言う感じで、ひねりも驚きもなかつた。犯人にしても、~そう言われればそうかな~的な感じで、認識せざるを得なかった。
それでも、読まなければよかった…とは思わせない作者の力量はやはりすごい。題名が、全体的な格上げに成功しているような感じである。 |
No.11 | 4点 | ∠渉 | 2014/02/10 17:11 |
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最初の書評を見てみると、ちょうど4年前の冬。というか発売日も合わせてたんでしょうね。奇しくも今は冬季オリンピックの真っ只中。まさかこの時期にこの本を読むとは(買ったのは昨年春)思わなんだ。そんなオリンピックの勢いにのせてあっという間読み終わりました。では、作品の感想⇩
ウィンタースポーツ+サイエンス+悩める親父ときたら東野圭吾というか、いかにも東野作品というか、いかにもすぎますね。けっこう展開が動くので読みやすいし、それぞれのキャラの思惑なり葛藤なりも非常にわからんでもない。良い作品だと思います。ただ、僕の知識不足でアルペンとクロスカントリーがどんなものか全然わからんから、これからオリンピック見てべんきょーします。 |
No.10 | 5点 | ドクターマッコい | 2013/08/30 15:37 |
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東野氏お得意のウインタースポーツもの。運動能力が遺伝子によるものかと言うメインテーマが絡み、生みの親、育ての親とか考えさせられます。ストーリに紆余曲折のある流れは良いとして最後はバタバタと結論付けられる点が少し残念でした。 |
No.9 | 5点 | 鷹 | 2011/11/05 12:29 |
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相変わらず読みやすいのですが、ミステリーとしてはこの点数です。
関係者が、簡単に自殺しすぎですね。 |
No.8 | 4点 | mozart | 2011/06/19 15:00 |
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ミステリー度も低いし、内容も東野圭吾としては「深み」が足りないと思う。 |
No.7 | 4点 | いけお | 2010/12/15 01:18 |
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相変わらず読みやすいが、ひねりは無く深みも感じられない。 |
No.6 | 6点 | VOLKS | 2010/11/12 02:33 |
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なんとなく地味な印象の作品。
斬新さに欠ける気がしたが、東野作品なのでとても読みやすくて安心する(笑) |
No.5 | 6点 | 白い風 | 2010/05/19 19:55 |
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ちょっとミステリとしては平凡だったかな?
題名で大体の話の流れは掴めちゃう気もするしね。 事件のミステリと風美の出生の秘密の2本だけだったけど、どちらもビックリするような感はなかったな。 東野作品独特のラストのオチも今回はそれほど無かったね。 |
No.4 | 5点 | kanamori | 2010/04/17 17:45 |
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翻訳ミステリや昭和の推理小説を読んでいると、女性の会話口調の不自然さが気になってしょうがない時がある。「~ですわ」などが出てくるとムズムズしてきて物語に集中できません。
その点、この小説に出てくるアルペンスキーの女性選手の会話口調は非常に自然体で、「父親」との会話などは、いかにも今時の19歳の女性という感じがして好感が持てました。以上感想おわり。 |
No.3 | 5点 | こう | 2010/03/08 00:30 |
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今回はテーマに対する掘り下げ方が弱いと思います。犯人像も類型作はいくつもありますし犯人側からの行動についてはかなりのご都合主義が目につきます。
遺伝子云々のストーリーもありきたりな印象です。 読みやすさはいつも通りですがミステリの部分は非常に既読感があり面白みはもう一つでした。 |
No.2 | 2点 | 江守森江 | 2010/02/03 18:27 |
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※最初に!!
私的なミステリーマップの範疇に含めたくない作品なのでポリシー通り2点とした。 家族関係の秘密・権謀術数・事件が描かれればミステリーに含むのなら、どう考えてもミステリーの範疇にない山崎豊子作品(一般小説として最高レベルな作品多数)もミステリーに含めなければならず、それは断じて嫌だ! 最近の作者の作品の半分はミステリーの範疇にない一般小説で、東野圭吾作品だからと無条件でミステリー扱いせずに線引きが必要だろう(作者の考えは逆で全てをミステリーとして扱う事でミステリー世界を拡大したいらしい:読売新聞掲載のインタビュー) 才能の遺伝、望まない形での才能の発揮と進路、さらには特殊な家族関係へとテーマが変遷する作品。 スラスラ読めるので一般小説として採点すれば6点程度で、作者の水準レベルな作品と言える。 以前のトリノオリンピック取材の残骸からストーリーを紡いだ‘やっつけ仕事感’が漂い、ネームバリューで作品が売れ評価される現状が垣間見える。 タイトルの「カッコウの卵」がスキーの滑降とカッコウの託卵に掛かった親父ギャグになっている。 ※ボヤキ 発売日に図書館に出向き予約して(小説宝石の作品特集も含め)読んでしまう流行物好きな自分に呆れてもいる。 ※余談 図書館入荷日のネット予約が300件オーバーは衝撃的だった。 |
No.1 | 9点 | akkta2007 | 2010/01/24 09:13 |
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さすが、東野作品!今回もとても面白かった。
スキーの元日本代表オリンピック選手・緋田、その娘である風美。この二人の父娘には、他人には知られたくない秘密がある。 緋田の妻の自殺から始まり、出生の謎が浮かんでくる。 色んな人たちの複雑な関係が絡まって物語が展開される。 ひとつの事件を元に、血液型、骨髄移植等、様々な進展があり、わくわくしながら読み進めることになる。 ま今年はオリンピックイヤー。 今読むには丁度いい一冊であり、納得しながら読める作品である。 |