皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ サスペンス ] ブルータスの心臓−完全犯罪殺人リレー |
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東野圭吾 | 出版月: 1989年10月 | 平均: 6.31点 | 書評数: 16件 |
光文社 1989年10月 |
光文社 1993年08月 |
光文社 2020年09月 |
No.16 | 7点 | 斎藤警部 | 2018/01/13 17:16 |
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まるで初期京太郎を思わせる(社会派交じりの)派手で複雑な設定と展開、を更に捻り倒したような、攻めに攻めた倒叙本格こりゃ面白い! 決して、屍体をリレー形式で運んでアリバイ偽造ってだけのクライムノヴェルじゃないんですよ! 初期東野で光文社文庫ってワケで何となくペラめの話を想像させがちかも知れませんが。。読者も、主役も、警察も謎の全容が分からない、果たして全て分かっている黒幕は誰だ。。という中心興味に次々と予想外の太い枝葉が絡まり続けるうち大きな謎を抱えたままとうとう最終コーナーへ突入!! こりゃ初期京太郎的とは言え、その悪癖である緩いアンチクライマックスとは無縁の作品だな、、と思ってたら最後の数ページで急角度に墜ちた。。確かに人間ドラマとしては最高の沸騰シーンを迎えるんですけどね、えっ!?犯人!?何!?あの人やあの人の役割は!?主人公の。。!? ってなもんでいきなりのミステリ的尻すぼみには驚きました(結末だけ警察小説風かよ、みたいな?)。でも意味ありげな出だしから分厚い中盤、ラストシーン直前ギリギリまで本当に充実してて面白い。最後の最後だけがなあ。。タイトルの意味が中途半端に明かされるインパクトの弱さも含めて、実に惜しい! それでも7点キープ!(7.2くらい) |
No.15 | 4点 | ムラ | 2012/12/13 20:44 |
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(軽いネタバレあり)
相変わらず倒錯物のプロットはうまい。飽きが来ないですらすらと読める とくに、殺人リレーというハウダユニットを見せるものと見せかけて、ホワイ、フーダニットを魅せて行くのがお見事。 ただ、最後の〆が不満。もう完結ってことでタイトル通りに終わらせたかったのか、主人公の拙い行動に不満が。これまでそこそこは慎重に行っているのに対して。 星子にしても、あれだけ出したなら、もう少し事件に絡んでほしかった。 というわけで、この点数ですが、東野作品じゃなかったら、5か6点くらいはつけてた出来でした(それだけこの人の倒錯物には期待してしまう) |
No.14 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2012/06/01 21:41 |
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倒叙物を一捻りしてあり、ストーリーの展開もかなり練られていて楽しめました。どちらかといえば、プロット中心のほうが、心理・心情を描いた作品よりも好みなので高評価となりました。 |
No.13 | 6点 | ZAto | 2009/10/21 01:27 |
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人間のドラマで読ませることよりもプロットだけで読ませるという東野の自信がこの小説にはあったのだろう。 |
No.12 | 5点 | ミステリー三昧 | 2009/05/30 11:34 |
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<光文社文庫>タイトルの通り完全犯罪を扱った作品(長編/1989)です。
といってもその計画は最初の段階で何者かの手によって破たんしてしまうので、「その裏側に潜む真相は何か?」がメインになります。冒頭の怪現象が後に明かさせる真相の重要な鍵となっているところが『鳥人計画』と似ていました。 永末拓也の視点による描写はスリリングで楽しかったです。ただ警察の調査に関してですが、彼らが追っている真相は読者が既に知り得ている内容の為、読んでいて退屈でした。倒叙ミステリだから仕方ないですがせめてロジックで追及してほしい。警察による科学調査中心の運任せな真相追及はつまらないです。そこがメインではないのはわかりますが・・・ 最後の真相にしても論理性は皆無でしたね。意外性も特になかったです。 |
No.11 | 6点 | VOLKS | 2008/12/10 09:23 |
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東野作品にしては珍しく終盤まであまり引き込まれることなかったが、それは登場人物に好意を持てなかった為か。
読み返してみると、少しずつ計画のズレが生じ、それによってうまい具合に事件が複雑になっていく仕組みが幾つも用意されてあり、さすが練られた作品だと感じるのだが・・・ |
No.10 | 7点 | Tetchy | 2008/12/08 23:31 |
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普通、倒叙物であれば、作品の主眼というのは完全犯罪を目論む側に不測の事態が起きて、果たして成功するか否かに終始する。
つまりこの作品で云えば死体移動中に事故が起きたり、共犯者がいなかったりと殺人リレーが成立か否かに焦点を当てて、スリルを描く事も出来るのだが、それを東野はそこをさらりと流す。 特に本作では運んだ死体が犯行の主謀者だったというのがミソ。 なんともまあ、物語のツイストが効いていることよ。 これにより、警察側のみならぬ共犯者側でも犯人捜しが重奏的に行われるようになるのだから。 なんでもないように書いて、実はかなり凝った構成の作品である。 ただ真犯人は相変わらず推理して判明するような物ではない。これは単純に物語に身を委ねるのがいいだろう。 |
No.9 | 6点 | こう | 2008/07/10 22:46 |
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倒叙形式の殺人、死体受け渡しの計画という趣向もそれが一転する所も気にいっていますが、結果的にその後の展開は少しぐだぐだな感じでした。共感できない登場人物ばかりなのは作風上止むを得ないのでしょうが、作品の舞台を考えると結構安易にどんどん殺されてゆく所はあまり好きではありません。何人かは死ななくてもストーリー上問題ない気がしました。 |
No.8 | 6点 | COBRA | 2008/06/13 14:38 |
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途中、先がどうなるのか凄く気になる。 |
No.7 | 8点 | akkta2007 | 2008/01/02 17:42 |
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相変わらずの東野作品であった。
最初から最後までスムーズに読むことが出来るし、事件の展開、進展、結末と、流れも非常に良く読みやすい。 犯人自らの事件へのかかわりもうまくまとめられており、ハラハラしながら読んだ。素直に面白かった。 |
No.6 | 8点 | いけお | 2007/10/10 12:49 |
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地味だけど非常に完成度が高いように思います。
犯人視点ならではのスリルもありとても楽しめました。 |
No.5 | 6点 | ばやし | 2004/01/11 20:16 |
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動機はなまなましいけど犯行は微妙かなーおもしろいからいいけどねん♪ |
No.4 | 6点 | ハッチ | 2003/09/05 22:08 |
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万年筆のトリックが気に入りました。人間模様に関しては、正直報われないやりきれなさを感じるけれど、仕方ないと言えば仕方ないかな。ただ動機がちょっと安易にいきすぎかな。 |
No.3 | 6点 | しゃんてん | 2003/08/17 20:21 |
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サスペンス色の強い推理小説 前半が冷たく無機質な感じがしてなかなか入り込めないが、後半になると引き込まれる。これは他の作品とも同じ。 悪意とエゴ、弱さと強さが上手く描かれているように思う。最後2ページは、かなり、ずきりと胸にこたえるものがあった。 |
No.2 | 7点 | 由良小三郎 | 2002/08/03 15:25 |
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東野さんが書いた作品としては、この程度の巧みさでは、あまり高い点数はつけられないのですが、構成や人物の配置、展開すべてよくできています。後は、ミステリにプラス何かを求めてしまいます。 |
No.1 | 6点 | 元FLUGELSファン | 2002/03/12 09:01 |
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東野得意の犯人主人公ものですね。いろいろな事情が絡み合い推理が交錯する中で最後まで楽しめる作品です。 ただ相変わらずトリックというか裏事情に懲りすぎていて肝心の殺人の動機とかが弱い気が・・・ あんなに簡単に殺人起こしていいんですかね。しかも警察の目が光る中で。楽しめたんで無難な点数で。 |