皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 嘘をもうひとつだけ 加賀恭一郎シリーズ |
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東野圭吾 | 出版月: 2000年04月 | 平均: 6.09点 | 書評数: 32件 |
講談社 2000年04月 |
講談社 2003年02月 |
No.32 | 4点 | ボナンザ | 2022/08/29 22:09 |
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シンプルながら東野らしい多角的な動機を盛り込んだ短編集。 |
No.31 | 6点 | zuso | 2022/02/13 22:46 |
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加賀恭一郎シリーズ。バレエ団をめぐる殺人事件の顛末を描いた表題作・他五編は、謎解きよりも人間洞察に長けた加賀のキャラクター造形や、嘘をモチーフにしたドラマ演出が味わい深い。 |
No.30 | 6点 | 風桜青紫 | 2016/01/15 02:53 |
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トリックは小粒ではあるものの、なかなか楽しめる短編集。ワンアイデアの短編書かせれば、演出力もあって、島田荘司や有栖川有栖より質がいいんじゃないだろうかと思えてくる。その代わり島田や有栖川のようなインパクトのある仕掛けの短編はなく、適度にうまい作品が固まっていた印象。話し運びの上手さと妙にデカダンな後味が余韻を残す『冷たい灼熱』が印象に残った。それにしても『友の助言』に限らずどうも東野圭吾の書く人妻には悪どいのが多い(笑)。東野圭吾にとって別れた奥さんは雪穂のようにでも見えていたのだろうか。加賀さんを結婚させないのもそんなところにあるんじゃないかと妄想してみる……。 |
No.29 | 7点 | 斎藤警部 | 2015/11/08 08:33 |
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頭の表題作がどことなく長篇小説のムードなんですよねえ、だもんで長篇のつもりで読んでいるといきなり結末が来てびっくり、というか結末だと気付かなかった、私は、事件も一応の解決を見てこれからいよいよ本番か面白い構成だなあ、第二章上等! てなもんで期待して二作目(第二章と思い込み)を読み始めたらどうも勝手が違うぞ、とw でも良作揃いで良かったですよ。どの作も、まさかの機微から嘘が見破られるスリルは「刑事コロンボ」の哀愁面をぐっと前面に出した様な感触だね。 |
No.28 | 6点 | simo10 | 2012/11/10 11:01 |
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加賀シリーズ短編集を再読。以下の五話で構成されます。
①「嘘をもうひとつだけ」:「眠りの森」以来のバレエもの。バレリーナの習慣、心理を活かしたハウダニット、ワイダニットが特徴的。 ②「冷たい灼熱」:例の社会問題をはっきり書かないのが印象的な作品。遺族に気を遣ってるのかなとも思います。 ③「第二の希望」:さらっと解説されたが、本当にそんな大技が可能なんだろうか?ガリレオ系トリックに属すると思います。 ④「狂った計算」:加賀の推理した通り程の悲惨な結末でなくて良かった。最低の旦那だが、実際いるんだろうな、こういうの。 ⑤「友の助言」:未必の故意という言葉は初めて知りましたが、その内容は聞いたことあります。「死んでくれたらラッキー」て、恐ろしい…。ラストの夫妻のやり取りがブラックでしびれる。 基本的にどれも語り手が犯人または事件の真相を知る者で、倒叙に近い形です。そんな語り手に対して加賀刑事が古畑任三郎よろしく、しつこくまとわりついてボロを出させます。どれも安定してよくできているが、突出して面白いのもないかな。 |
No.27 | 7点 | Tetchy | 2012/10/13 19:45 |
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現時点で唯一の加賀恭一郎シリーズの短編集。
執念深い捜査が持ち味の加賀の切れ味鋭い捜査が味わえる。 加賀刑事は現場や関係者の言動から違和感を掴み取り、そこから推理を組み上げ、被疑者が自己崩壊するように誘導する。これが実にネチッこく、読んでいるこちらでさえ「ああ、また来たの、この刑事・・・」とため息つかせるほどうんざりするのに、なぜか加賀シリーズとなると「待ってました!」と思ってしまうのが不思議。 個人的ベストは「狂った計算」。夫婦仲がしっくりいかない者同士の計画的犯行を扱ったものと内容としてはオーソドックスなのだが、東野圭吾ならではの実にトリッキーな計画である。小説が文字で表現される物語であることを最大限に利用した内容である。さらにすごいのはそのトリッキーな計画のさらに上を行く真相が用意されていることだ。計画的な犯行が偶然によって瓦解することの皮肉が上手く語られている。 またみなさんおっしゃるように加賀の活躍は倒叙物ではないが刑事コロンボを彷彿とさせる。読者があらかじめ犯人が誰かわかっているわけではないのに、味わいは倒叙物のよう。これはもしかして半倒叙物とでも呼ぶべき新しい叙述形式なのだろうか? |
No.26 | 7点 | HORNET | 2012/10/09 22:15 |
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一つ一つの作品の水準が高い、良質な短編集。基本的には、犯人が概ね(はっきりとではない)明らかになっている上で話が進むいわゆる「ハウダニット」中心。短い各話の中にもきちんと材料が散りばめられ、刑事コロンボのように加賀恭一郎が謎を解き明かしていく。表題作と、「冷たい灼熱」「狂った計算」が面白かった。まぁ、多少強引さを感じる展開もあるが。 |
No.25 | 5点 | nukkam | 2011/10/05 18:52 |
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(ネタバレなしです) 2000年発表の加賀恭一郎シリーズ短編集で、5つの短編のどれも完成度は高く読み応えも十分です。しかし短編集としてまとめられて通しで読むとどの作品もプロットパターンが似通っているように感じられました。最初に主人公と加賀美刑事のやり取りが続き、登場人物が極端に少ないこともあって犯人の正体は早々と見当がつく展開で共通しています。このワンパターンはもう少し工夫して変化をつけてほしかったです。どれか1つを選ぶならひねりのインパクトが大きい「狂った計算」でしょうか。 |
No.24 | 6点 | haruka | 2011/05/28 23:07 |
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短編としてどの作品も良くまとまっており、加賀刑事の推理と意外な結末で楽しめた。 |
No.23 | 5点 | 3880403 | 2011/05/05 22:25 |
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短編ですぐ読める。
面白いのだが、長編と比べると物足りない。 |
No.22 | 5点 | まさむね | 2011/01/09 22:58 |
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加賀恭一郎シリーズの連作短編集。
「これは!」と膝を打つ作品もありませんが,「これは…」と首をかしげたくなる作品もない。 つまりは全作品が水準以上ということで,素晴らしい安定感ですね。 個人的には,「狂った計算」が一番良かったかなぁ…と。 ちなみに,どの短編も「夫婦」ってのがある種キーワードになってますね。 「赤い指」や「新参者」にうまいことつながってますなぁ。 |
No.21 | 4点 | ムラ | 2010/12/17 00:52 |
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加賀刑事シリーズの短編物ですね
面白かったんですけど、他の東野さんの作品と比べちゃうと全然物足りない感じです。 しかしタイトルはかなり上手いと思います。 詰め将棋のように犯人に迫って行く加賀刑事はここにも健在 |
No.20 | 6点 | E-BANKER | 2010/10/30 22:36 |
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加賀刑事物の短編集。
個人的には、久々に東野作品を読了しました。 ①「嘘をもうひとつだけ」=まずはタイトルが秀逸。たった1つの違和感から真犯人を追い詰める加賀刑事・・・素敵です。 ②「冷たい灼熱」=個人的には本作中ベスト。社会問題にもなった事件をうまく処理してますね。 ③「第二の希望」=ラストでの加賀の台詞『それが・・・あなたの第二希望ですか』が見事! ④「狂った計算」=真相はやや意外。想定内だけど。 ⑤「友の助言」=この中では一番落ちるかな? 以上5編。 すべての作品で真犯人はほぼ特定されており、「ハウダニット」に特化した展開。 どれも高いクオリティで「さすが!」と唸らされますが、突き抜けるほどの読後感ではないという感じ。 |
No.19 | 5点 | seiryuu | 2010/07/16 18:44 |
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短編集で加賀刑事もの。
読みやすい。 でもすぐ終わる。。。 |
No.18 | 5点 | 江守森江 | 2010/02/08 22:40 |
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「新参者」を読む前に、この作品と「赤い指」を読んで加賀刑事の変遷を知っておくべきと、どこかの書評で読んだので実践する事にした。
全編に渡り犯行描写をカットした倒叙物な趣で、細かな気付きから真相を手繰り寄せ、しつこく付きまとい犯人を落とす加賀刑事はコロンボや古畑を想わせる。 加賀刑事シリーズとしては実にオーソドックスで淡白な事に戸惑うが、各話安定して楽しめた。 ※余談 「冷たい灼熱」でパチンコ屋の駐車場と明記しないのは業界団体からの抗議を気にしたからなのだろうか? |
No.17 | 6点 | ミステリー三昧 | 2009/12/22 23:07 |
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<講談社文庫>加賀恭一郎シリーズの6作目(連作短編)です。
無難なミステリです。特に欠点がなく、5編全てが面白い。加賀恭一郎は論理派の刑事なので、シリーズ物では一番好きなキャラクターです。最近の作品では情をなるべく殺して仕事に徹する姿が印象的。短篇集ですが本格度は高めです。相変らず冴えのある推理で魅せてくれる。それを考慮すると『嘘をもうひとつだけ』がベストです。 また、私的には動機が丹念に描かれていたことにも好感が持てました。一般的に短編の本格ミステリは動機を無視する傾向が強い。ただ、東野圭吾氏の場合は短編集であれリアリティを追求する姿勢は徹底されている。まぁ正直、若干動機が弱めで納得し難い作品もあるけれど、動機があってこその殺人という点では『狂った計算』が印象深い。多分、夫は妻を愛していなかっただろう。絶対こいつは妻を使い勝手の良い道具としか思っていない。あのまま一緒にいても状況は悪くなる一方だったと思う。殺しは良くないけど、同情の余地はある。 |
No.16 | 6点 | だい様 | 2009/09/16 09:39 |
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加賀恭一郎シリーズ第6弾
短編の為か若干物足りなさを感じたがガリレオシリーズの短編よりは格段に楽しめた。 タイトルが秀逸。 |
No.15 | 5点 | isurrender | 2009/07/22 01:36 |
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普通、という言葉で片付けられる作品
加賀刑事が好きな人は読んでも損はないけれど |
No.14 | 6点 | 白い風 | 2009/04/01 20:22 |
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加賀シリーズらしく細かいところを付いていく手法が好きですね。
短編集なのでちょっと淡々としたイメージは拭えませんが、東野さんの短編集では上位かも。 ただ東野作品は長編の方が私は好きですね。 |
No.13 | 7点 | VOLKS | 2008/12/10 09:25 |
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加賀刑事ファンには嬉しい短編集。 |