皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
simo10さん |
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平均点: 5.69点 | 書評数: 193件 |
No.193 | 6点 | 螺旋館の殺人- 折原一 | 2013/09/21 23:29 |
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--ネタばれ含みます--
倒錯のロンドの番外的作品を再読。 綾辻氏の館シリーズと同じ名前のつけ方だったのが気になり、この作品を読んでみたのが折原氏の作品に手をつけたきっかけだったと思います。(今は「螺旋館の奇想」に改題されてるんですね) 全然記憶に残っていないこともあり、気持ちよく騙されました。 この作家の作品は連続して別の作品に手を出さないことが楽しむためのささやかな善後策かもしれません。 しかし入れ替わりの動機付けと対決の結末が無理矢理だなあと思ったが、それをラストの夢オチ的どんでんで判明する「素人、田宮竜之介」の実力のせいにするのが折原氏の意図だとしたらずるいと思う。 |
No.192 | 5点 | オレたちバブル入行組- 池井戸潤 | 2013/09/21 23:24 |
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--(一応)ネタばれ含みます--
TVドラマ「半沢直樹」の影響で読んでみました。 ドラマの第五話までが本作品に相当するようです。予想はしていましたが、ベースはTVと同じですが、TVの方が面白おかしく着色されていました。 以下、わかる範囲でTVとの主な違いを挙げてみます。 ・半沢と妻の花は仲が良くなさそう(これが一番意外だった) ・半沢の父親は死んでいなかった ・東田の愛人の美樹は全然セリフがなく、ただの裏切役だった ・国税の黒崎検査官は特におネエ言葉というわけでもなかった。(これがちょっと残念だった) ・人事部の小木曽次長は机をバンバン叩いたりはしなかった。(これも残念だった) 原作も非常に痛快な作品でした。TVはこれをさらに増幅するような演出になっていました。 |
No.191 | 5点 | 舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵- 歌野晶午 | 2013/09/21 23:21 |
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舞田ひとみシリーズ連作短編集第2弾。
第1弾同様、ひとみのさりげないセリフに親戚の刑事がはっと気が付く展開と思いきや、今回はひとみ自身が探偵よろしく名推理を披露します。 3年間の間にずいぶんと切れ者になったようです(キャラクターは相変わらずですが)。 まあ読みやすいのは期待通りだけど、特にこれといった作品もなかったのも第一弾と同様かな。 |
No.190 | 6点 | 深泥丘奇談・続- 綾辻行人 | 2013/09/21 23:18 |
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(個人的に)待望の癒し系怪奇小説、深泥丘奇談の続編の文庫化です。
前作と同様の流れを汲みつつも、表世界と裏世界の関連を暗示する作品もあります(正直、解説読むまで意味が解らなかったが)。 「ホはホラー映画のホ」なんかは設定からして笑える。 ミステリではないが前作に引き続き、特別に6点あげちゃいます。 |
No.189 | 6点 | しらみつぶしの時計- 法月綸太郎 | 2013/09/21 23:14 |
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ノンシリーズの短編集。以下の10作で構成されます。
①「使用中」:密室モノの新たなアプローチの提案にピンとこない若手編集部員と、それにイライラする中堅推理作家のやりとりが面白すぎる。 ②「ダブルプレイ」:犯罪ホロスコープで披露された交換殺人の発展系の原型?当事者が登場する分こちらの方が面白い。 ③「素人芸」:妻を殺してしまった夫の苦肉過ぎる策。コメディな雰囲気はあるが嫁さんが可哀相過ぎる‥ ④「盗まれた手紙」:なるほどと思ったがこのネタって暗号なんかですでに知られてる方法なのかな?作者自身が考えたのならすごいけど。 ⑤「イン・メモリアム」:ショートショート。残念ながら意味が解らなかった。 ⑥「猫の巡礼」:猫を飼っていないので本当なのかと思った。 ⑦「四色問題」:法月親子の原型っぽいキャラのやりとり。もはやこの雰囲気に対してアレルギー気味になっていることを実感。 ⑧「幽霊をやとった女」:何ページか読んですごくつまらなそうだったから読みませんでした。 ⑨「しらみつぶしの時計」:すごく論理的なパズル小説。ただラストが全然論理的じゃなかった。 ⑩「トゥ・オブ・アス」:二の悲劇の原型らしき作品。ただし例の二人称がない。 個人的に面白かったのは①②③⑨です。氏の作品とは思えないほどブラックユーモアにあふれてました。⑩も面白いとは思うけど好きな作品である二の悲劇の簡易版を読まされた感じで好きになれなかったです。残りは全てつまらかったです。 どうやら各作品の掲載時期がバラバラらしく、特に何かのコンセプトに従った短編集わけではなかったようで、評価もバラバラになりました。 |
No.188 | 9点 | 永遠の館の殺人- 黒田研二 | 2013/09/21 23:09 |
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二階堂黎人氏、黒田研二氏の合作「キラーエックス」シリーズの第三弾(完結編)を再読。
シリーズものと知らずに最初にこの作品を読んでしまいましたが、非常に衝撃を受けたのを覚えています。 三作続けての雪の山荘ものですが、前二作のトリック主体のものと異なり、キラーエックスの生い立ちの謎と館そのものの謎を絡めた、ちょっと変化球なミステリだったと思います。 キラーエックスの生い立ちとその結果は鳥肌ものの衝撃かつ納得いくものだったので9点あげちゃいます。 |
No.187 | 7点 | 山魔の如き嗤うもの- 三津田信三 | 2013/09/16 22:45 |
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--ネタばれ含みます--
刀城言耶シリーズ第四弾。「首無」を読んだ勢いで次の作品にもチャレンジ。 「首無」程の衝撃はないにしろ、この作品も数多くの謎をたった一つの事象で鮮やかに紐解いてくれます。最後の最後まで真相が解らないのもこのシリーズの良いとこですね。 個人的に疑問が残ったのは、最終的な真相の場合、顔焼きの理由はどうなるんだっけ?というもの。読みづらいのは相変わらずだから再読はきついんだよね。 |
No.186 | 9点 | 首無の如き祟るもの- 三津田信三 | 2013/09/16 22:44 |
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刀城言耶シリーズ第三弾。前二作を読んで、読むのに非常にエネルギーのいるシリーズということが分かったので、暇ができるまで我慢してようやく読むことができました。
トリックに関しては大満足です。解決編の前に提示された何十個もの謎が、たった一つの事象が提示されることで頭の中でするすると紐解かれていくのは快感でした。 このサイトで評価が高いのもうなずけました。ただ、やはりもう少し読みやすければ10点あげてもいいんだが…。 |
No.185 | 4点 | 臨場 スペシャルブック- 横山秀夫 | 2013/09/16 22:40 |
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クライシス・クライシこと検視官倉石義男が主人公の未収録短編集です。短編4作が収録されており、残りはTVドラマ版の登場人物の紹介とインタビューが掲載されています。
①「罪つくり」:取り調べで容疑者を落とすための「キメ」のセリフというのがあるようですが、自分にはピンとこなかった…。「十八年蝉」で登場した検視官心得の永嶋がちょっと登場し、その才能を発揮します。 ②「墓標」:スランプに陥る作家の心境は作家にしか解らないことでしょう。 ③「未来の花」:安楽椅子もの(ベッドの上だが)です。極めつけの証拠だという刺切創というのがよくわからん。 ④「カウントダウン」:孤独死を扱った作品。うちで飼っている犬と犬種も名前も同じなのですごく悲しくなってしまった。 スペシャルブックという立ち位置もあってか、どうやら本書はもう出版されていないようで、古本で購入しました。 私の中での倉石のイメージは正に内野聖陽氏であったため、少しうれしい。 |
No.184 | 6点 | 臨場- 横山秀夫 | 2013/09/16 22:19 |
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「クライシス・クライシ」、「修身検視官」の異名を持つ男、L県警検視官、倉石義男を主人公とした短編集です。以下の8話で構成されます。
①「赤い名刺」:検視対象者は倉石の部下一ノ瀬の不倫相手。倉石の手にかかれば自分の不倫がばれるかも、というハラハラ感が見所。犯人は読者にも分かるようにヒントが提示されています。 ②「眼前の密室」:歌野氏の密室殺人ゲームのトリックの一つを彷彿とさせる。ただスズムシの論理がよくわからなかった。 ③「鉢植えの女」:ミスターパーフェクトこと捜査一課長高嶋VSクライシス・倉石。どちらも偽装他殺を見破るが…。最初は一ノ瀬の卒業試験の方がメインかと思ったけど関連性はなかったのかな。 ④「餞(はなむけ)」:退任を迎えるL県警刑事部長への倉石の餞の捜査協力。暖かいラストです。 ⑤「声」:本人にはその気はなくとも男が欲望の目で見ずにはいられない悲しき魔性の女の人生。リアルにエロい。 ⑥「真夜中の調書」:百万人に一人のDNAの型、血液型遺伝法則のいたずらから一つの事実が浮かび上がる。 ⑦「黒星」:著者の描く女性警察官もしくは女性記者は苦労が絶えないなあ‥ ⑧「十七年蝉」:十七年蝉自体はどんなものかは分かったが、ストーリー的な結びつきがよくわからん。強引過ぎない? 相変わらず読みやすいが、検視官が主人公ということで警務部が舞台のこれまでの作品に比べ、少し血生臭い雰囲気があります。全体的にレベルは高いけど個人的にはイチオシはなかったかな。 |
No.183 | 5点 | 真夏の方程式- 東野圭吾 | 2013/08/14 11:24 |
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--ネタばれ含みます--
ガリレオシリーズ長編第3弾。 あの湯川准教授がついに殺人事件に巻き込まれるという、シリーズ探偵ものの王道路線を踏むことに。 とはいえその殺人事件も事故として処理されるような事件性の薄いものだし、クローズドサークルものでもないから特に緊張感はないです。 話は色々な登場人物の視点を通じて進んでいくのだが、湯川が登場するシーン以外はどうにも退屈な展開が続きます。 真相解明時も各伏線が巧く紐解かれてゆくのだけれどもインパクトはいまいちでした。 なにも殺すことはないだろうとか、湯川は子供嫌いだったんちゃうんかとか納得いかない部分も多々あります。 特に、子供嫌いが治っていたり、ラストをきれいに締めくくっていたり等はテレビ製作者たちの意向が無理やり組み込まれていたんじゃないかと勘繰ってしまいます。 (湯川のキャラが完全に福山化しているのはアリだけど。) |
No.182 | 5点 | 手紙- 東野圭吾 | 2013/08/14 11:16 |
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強盗殺人の加害者の家族の人生を描いた物語。
これは重いですね。きれいごとがないところも東野氏らしいです。 重罪を犯した場合、自分の親族の人生にまで被害が及ぶということを世の中全ての人達に理解してほしいものです。 泣けると聞いていたので単純に感動ものなんだろうと思っていたのですが甘かったようです。 しかし、心を打たれる作品でした。 (全くミステリでないので5点です) |
No.181 | 6点 | 天空の蜂- 東野圭吾 | 2013/08/14 11:15 |
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日本中の原発を停止しなければ、遠隔自動操縦でジャックした大型ヘリを高速増殖炉へ墜落させるというクライムサスペンス。
今でこそ原発の是非への関心が非常に高い世の中ですが、当時から今の時代に即したような作品を描いていたんですね。 テーマは非常にシリアスなものですが、手に汗握るストーリーで(少し長いが)サクサク読めました。 個人的な一番の読みどころは子供の救出シーンか。 |
No.180 | 4点 | SOSの猿- 伊坂幸太郎 | 2013/08/14 11:12 |
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タイトルからはどんな話なのか全く想像がつかない本書。伊坂氏はミステリ作家ではないことは分かりましたが、とりあえずこれも読んでみました。
ミステリ作家ではないが、読者に対して謎を提示し、最後に真相を披露するというスタイルの作品もいくつかありますが、この作品もそのようです。 本書のメインの謎は、非現実的な現象が起きる「猿の話」等、話の構造自体が謎となっているものだと思います。このような謎は好みなのですが、いかんせん、登場人物が全く好きになれない。というより、そのセリフ等回し等から重力ピエロ以来の鳥肌が立つような嫌悪感を感じました。(孟子ちゃんだと?) ミステリを読むときは事前情報(先入観)を排除するため、なるべく作品の書評、採点や背表紙のコメントなどを見ないようにしているのですが、もうこの作家のこの先の作品は(ミステリでもないし)このサイト内で評価の高いものに絞って読むことにします。 |
No.179 | 6点 | 看守眼- 横山秀夫 | 2013/08/11 22:10 |
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--ネタばれ含みます--
以下の6話で構成された短編集です。それぞれの関連性はまったくありません。 ①「看守眼」:刑事眼ならぬ、看守として培われた看守眼が迷宮入りした事件の真相を見破る。事件関係者らの人物像のドンデンが巧い。ただこの元看守の身勝手さは大嫌いな部類に入る。 ②「自伝」:誠実であれば報われることもあるが、実際に欲望を突きつけられるとそうそう誠実ではいられないというお話。 ③「口癖」:妬みに優越感、非常に下らない感情だと思いつつ、この主人公の感情が理解できてしまう自分に苦笑してしまう。 ④「午前五時の男」:ホームページの不正アクセス事件を通じて、警察側の隠蔽、責任回避、クラッカーの異常思考を描かれます。 ⑤「静かな家」:校了までの切迫感と校了ミス時の絶望感の描き方は元記者の氏ならでは。 ⑥「秘書課の男」:ライバル秘書とのポジション争いやクレームの防波堤となったり等、議員秘書の苦労が描かれている。 本作品では警察官(元看守、ウェブ管理)の他、記者、裁判員、議員秘書とまたも様々な職種からの話があります。 さすがどれもよくできていると思います。 |
No.178 | 6点 | 影踏み- 横山秀夫 | 2013/08/11 22:06 |
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忍び込み専門のドロボウ(ノビ師)の真壁修一を主人公とした連作短編集です。
ドロボウが主人公というだけで異色であり、伊坂氏を連想してしまいますが、さらにこの主人公、死んだ弟「啓二」の魂が住み着いており、対話までできてしまうという特殊能力を持っています。 横山氏らしく、謎の提示と真相の解明までのバランスが良いです。 全体的に暗めの作風が私的には好みで、修一、啓二、久子の成り行きが気になってぐいぐい読めました。 ラストは切ないが納得です。 |
No.177 | 6点 | 真相- 横山秀夫 | 2013/06/20 22:44 |
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著者には珍しく警察を舞台としない短編集です。以下の五話で構成されます。
①「真相」:跡継ぎと明言してもダメ、しなくてもダメ。じゃあどうすりゃええねん。著者の作品はほとんどが最後に「真相」が明かされるものなので、なぜこの作品に限ってこのタイトルなのか、いまいちピンとこない。 ②「18番ホール」:暗い展開で話が進みますが、著者のことだから「逆転の夏」のように最後は綺麗に終わらせるかと思っていましたが…この先の展開を考えるのも恐ろしい程のブラックなラストでした。何か真相が明らかになるでもなく、色々と意外な作品です。 ③「不眠」:家族持ちでリストラされる人の辛さが痛い程伝わってきます。この作品もタイトルと内容がいまいちしっくりこない。 ④「花輪の海」:今でこそスポーツ現場の体罰の実態が大きく取り沙汰されていますが、空手もやっぱそうなんですかね。しかしこれは酷い。 ⑤「他人の家」:刑期を終えた人の苦労を描いた話。②と似た展開を見せるが… どの作品も暗い話で、各主人公は最後まで辛い立場に立たされますが、ラストに描かれるの意志の示し様によって大きく印象を変えています。その中で異色の意志(?)を示した②がインパクト強し。 |
No.176 | 5点 | 深追い- 横山秀夫 | 2013/06/19 22:57 |
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今作の舞台は三ツ鐘署。都心から少し離れたところの様です。以下の七話で構成されます。
①「深追い」:コンヤハカレーデス。そのメッセージの真相は何とも悲劇的なものでした。 ②「又聞き」:命と引き換えに自分を救ってくれた人とその遺族に対する感情の描写がリアル過ぎて嫌だ。ラストに救われて良かったが。 ③「引継ぎ」:泥棒にも職業意識的なものがあるんですかね。どうでもいいが拘置所に空きがないというのは、それだけ治安が悪いってことなんじゃないかと思ってしまうのでもう少し説明がほしいところ。 ④「訳あり」:上司に逆らったら出世に影響するとか、どんだけ腐ってんねんと思います。あと当然のごとく行われている天下りもどうなんだろうと思う。 ⑤「締め出し」:捜査に関わっているのに重要な情報は本部だけでかこってしまう。しょうがないっちゃしょうがないが嫌だなあ。 ⑥「仕返し」:マスコミにバレたら責任問題に発展→出世に響く→隠蔽する。著者の作品を見ると警察ってこんなことが日常茶飯事のように思えてくる。 ⑦「人ごと」:自分の遺産相続で娘達に揉められたらかなわんですな。寂しい展開だが最後にちょっと救われます。 これまでの短編集と同様、刑事部以外の部署でのお話です。ただこれまでの作品よりもさらに若干暗めな印象です。相変わらずどれも読み易いですが個人的にヒットした作品はありませんでした。 |
No.175 | 7点 | 第三の時効- 横山秀夫 | 2013/06/17 00:25 |
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F県警強行犯シリーズ。F県警刑事部の三人の無敵の班長達が主役です。以下の六話で構成されます。
①「沈黙のアリバイ」:強制自白を促す取調べ問題を逆手に取った知能犯を一班班長、通称「赤鬼」、理論派の朽木が執念で追い詰める。 ②「第三の時効」:二班班長、通称「冷血漢」、謀略の楠見が活躍。周到かつ冷徹に罠を張り巡らしています。 ③「囚人のジレンマ」:強力過ぎて制御不能な三人の班長達を部下を抱える刑事部長のジレンマのほうがメインかな。 ④「密室の抜け穴」:三班班長、通称「天才」、閃き型の村瀬が登場。登場した時点で既に解決していたようなので閃き型の真髄は伝わってこなかったです。 ⑤「ペルソナの微笑」:一班所属の若手刑事矢代が主役。最後の容疑者とのやり取りがシビれました。 ⑥「モノクロームの反転」:一班朽木VS三班村瀬の競争捜査。タイトルの内容に関して東野氏のガリレオっぽいとこがあるが、作風に合わない気がします。 警務課を主に舞台に描いてきた著者が描く刑事モノですが、非常に面白かったです。刑事モノも一級品ですね。③、⑥やや物足りなかったけど、他はどれも好きです。唯一、三班の村瀬の天才ぶりがイマイチ描き切れてないと感じたのが不満点かな。 |
No.174 | 5点 | 初陣- 今野敏 | 2013/06/15 00:24 |
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隠蔽捜査シリーズ第3.5弾。竜崎の同期で幼馴染みの伊丹の視点で語られる短編集です。
基本的にはどの作品も 伊丹が難しい判断に迫られる→竜崎に相談する→竜崎が「どうしてそんなことで悩んでいるのか理解できない」的なこと言う→伊丹は「言われてみれば悩むことなどないではないか」的なことを思う のパターンです。 ワンパターンではありますが竜崎、伊丹のキャラクターを楽しむことが目的の読者(私のような)にとって予定調和的な流れが心地良く、サクサク読めました。 |