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[ 本格/新本格 ]
永遠の館の殺人
二階堂黎人との合作/ KillerXシリーズ
黒田研二 出版月: 2004年07月 平均: 7.00点 書評数: 9件

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光文社
2004年07月

光文社
2009年01月

No.9 6点 測量ボ-イ 2024/04/20 10:31
読了してみると、タイトルは秀逸でした。
内容はまあ…評価が難しい。
トリックは既視感あって、やや期待外れな
ところもありました。

No.8 6点 ミステリ初心者 2023/09/12 20:03
本作品とシリーズ過去作のネタバレをしております。

 少し前に千年岳を読み終わりましたが、KillerXシリーズを忘れないうちに読んだほうがいいという意見を目にし、あまり間を置かずに読みました。外伝を除けばシリーズ最終作品ですし、KillerXの正体に迫る、まさに最終作にふさわしいラストでしたw
 このシリーズはクローズドサークルが多く、展開も標準的なそれで、次々に人が殺されていきます。犯人当てなどはそれほど期待できませんが、ややグロいシーン以外では非常に読みやすく、すぐに読了できます。本作もわりと早く読み終えることができました。

 推理小説的要素について。
 読者からすれば、"今回の嶋山佳織"は誰だ!? と考えてしまいます(私は全力で疑ってみてましたw)。途中で女性がホルモン剤投与で髭を生やす話が露骨に怪しかったので、髭描写がある真咲大だったのか! からの、大きく時期が違っていて、瑠那が嶋山佳織だったのですねw 
 また、どこか異常な館と霧山の異常行動が、全て瑠那に死の概念を学ばせないようにするためだったのもなかなか衝撃的ですし、それがKillerX誕生に深くかかわっているのもよかったです。

 以下、好みで無かった部分。
 叙述トリックが魅力な本シリーズですが、この作品に関してはややパンチが足りない気がしました。男←→女錯視トリックは本作品の核ではないとはいえ、またかよ…感はありました。
 また、瑠那が嶋山佳織になるということもあり得そうなことですし(たくさん想像したものの一つですがw)、死の概念を知らない人間の話がでる推理小説もすでに存在しますねw 死の概念を知らない人物を推理小説に活かしたという点では、この作品よりも活かされていると思います(他にもあるのかわかりませんがw)

 総じて、シリーズ最終作品としてはKillerXの正体が知れて満足です。ただ、推理小説としてはちょっと小粒感がありました。

No.7 7点 メルカトル 2021/01/13 22:32
I県竜飛岳スキー場。コースを外れた俺とヒカルは、吹雪の中、死の瀬戸際に立たされていた。そこに忽然と現れた屋敷。主人は高名な作家で、妻子と使用人とともにひっそりと暮らしていた。まるで何かを隠しているかのような、怪しげな行動…。そして、他の滞在者たちも巻き込んだ連続殺人の幕が開く―。次々と消える死体の謎とは?驚天動地の超合作ミステリー。
『BOOK』データベースより。

雪に閉ざされた山荘。いわくありげな館の主、車椅子の妻、病気がちの娘、怪しげな執事、招かれざる客、遭難者と役者は揃いました。おまけに携帯のない時代、電話線も雪で切断され、完全に下界と接触を断たれた屋敷で起こる惨劇はまさに本格ミステリの王道を往くものです。しかし、それは外郭であり、本質は『そして誰もいなくなった』のようなサスペンスと思ったほうが良いでしょう。

物語の端々にKillerXの犯罪が差し挟まれます。その正体が漸くシリーズ完結篇にて明かされます。次々と犠牲になる被害者の女たち、そのパートと本筋がどう繋がってくるのかは読んでのお楽しみ。そしてKillerXの犯行動機にはぞっとしました。そんな事があるのか?と意義を唱えたくもなりますが、その分意外性はあります。
期待以上の物は残してくれなかった(特に本篇)し、トリックとかは全く機能していませんが、殺人鬼が暗躍するサスペンスとしては面白かったと思います。ただページ数の割にはやや物足りなく感じたのも事実です。

No.6 7点 名探偵ジャパン 2020/07/27 22:56
「KillerXシリーズ」完結!
シリーズものとはいえ本作単体でも楽しめますが、この作品は前二作を読んだうえで(出来るなら連続して読んで、記憶が確かなうちに)取り掛かっていただきたいですね。
館に住む人たちの秘密、死体が消えるホワイダニット(ハウダニットではないところがミソ)などは、今どきの20代の若い作家が好んで書きそうな常軌の逸し方ですが、当時45歳の二階堂黎人(共作の黒田研二でも当時35歳)が書いているんですね。こういったものを書ける若い感性って貴重だと思います。

No.5 7点 sm556s 2018/08/26 13:08
ネタバレあり)最後の方でこの小説の題名の意味が明らかになる。全体としては本格物としての雰囲気づくりやスピーディな展開、そして、題名にも表現されている異常な状況設定が効果的に展開されている。東京を中心として行われている殺人と館で行われている殺人が同時期に行われたことではなく、いわば、東京を中心とした殺人が続編的な位置づけになっているのも面白い。ひとつ難点は、異常な殺人マシーンが二人登場している点である。やや焦点がぼやけてしまっているような気がする。館での殺人マシーンも実は”娘”だったという方がインパクトが強かったのではないか。

No.4 7点 公アキ 2015/01/16 18:36
 異常な結末と、犯人の動機に戦慄する良作。本格推理小説の範疇としては、トリック崩し、フーダニットのパズラーが主眼かと思いきや、読後数年経って未だに印象に残っているのは、ラストのあの恐ろしい場面です。ちゃんと読み直せば、もっと点数上がりそうです。

(もう何年も前に読んだきりの状態でのレヴューです)

No.3 8点 蟷螂の斧 2013/12/01 18:15
ラスト(キラーXの生い立ち、題名の意味が判明)で久しぶりにゾッとしましたね。シリーズ完結編ということで黒田氏、二階堂氏の意気込みが伝わってきました。サイコ+館ものの夫々いいとこどり(雰囲気)、倒叙形式でスタート、その後叙述へ、殺人者が視点主人公であり、犯人が真相を推理するといった異例展開のオンパレードでした。真相は、前年度発表されたある作品と被ってしまったらしいのですが、サイコ系としては秀逸だと思います。

No.2 9点 simo10 2013/09/21 23:09
二階堂黎人氏、黒田研二氏の合作「キラーエックス」シリーズの第三弾(完結編)を再読。
シリーズものと知らずに最初にこの作品を読んでしまいましたが、非常に衝撃を受けたのを覚えています。
三作続けての雪の山荘ものですが、前二作のトリック主体のものと異なり、キラーエックスの生い立ちの謎と館そのものの謎を絡めた、ちょっと変化球なミステリだったと思います。
キラーエックスの生い立ちとその結果は鳥肌ものの衝撃かつ納得いくものだったので9点あげちゃいます。

No.1 6点 シーマスター 2012/02/29 21:26
二階堂黎人との合作。
Killer X シリーズ第三弾。一応完結編らしい。

今日は四年に1度の二月29日。しかしそんな事はこの作品とは何の関係もない。
しかし結構雪が降りましたね。雪といえばこのシリーズ。スキー大スキ研二と黎人。(戯言シリーズかっ)


今まで同様凝った仕掛けモノだが、今回はちょっと「ムリ感」が大きかった印象。伏線の仕込み方もエレガントではないし、殺人シーンと最後の説明にも解離があるし。

Killer X シリーズ三部作、いや愛川晶と二階堂の合作「白銀荘の殺人鬼」も明らかに同系統の作品(たぶん最も本作との関連が強い)なので合わせて、この「二階堂黎人プロデュース・合作雪山ミステリー四部作」・・・それぞれ独立したミステリーとして楽しめるが、全部読むなら本作は最後に回した方がいいだろう。


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