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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
天空の蜂
東野圭吾 出版月: 1995年11月 平均: 6.88点 書評数: 32件

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講談社
1995年11月

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1997年11月

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1998年11月

No.32 6点 パメル 2020/10/17 10:23
超大型特殊ヘリコプターが何者かに奪われる。ヘリコプターには爆薬が満載され、原子力発電所の真上でホバリングをしている。犯人は「日本にある全ての原子力発電施設を停止し、再び稼働できない状態にせよ、そうしなければ、ヘリを墜落させる」と脅迫してきた。
非常に難しく、デリケートなテーマを扱った緊迫感に満ちたサスペンスミステリ。「Not In My Back Yard」こと「NIMBY」。その意味は、「施設の必要は認めるが、自分の居住地区には建てないでほしい」。原子力発電所は周囲への影響が大きく、健康上のリスクが大きい施設。その反面、多くの人々に恩恵をもたらす施設でもある。「存在しないことによる安全性」か「存在することによる生活の利便性」か。
東日本大震災の前と後で読んだかで、読後感は違うのではないでしょうか。しかし、はっきりと答えが出たわけではない。考えさせられる作品であった。

No.31 7点 いいちこ 2018/06/27 11:22
みなさんが指摘しているとおり、著者の抜きんでた先見性を立証する作品。
執筆当初から映画化を意識したかのようなキャッチーなプロットもお見事。
人物描写、とりわけ犯人の背景にある人間関係と犯行動機の作り込みには甘さも感じるが、良質なサスペンスであり、ギリギリ7点の評価

No.30 7点 人並由真 2017/08/12 14:52
(ネタバレなし)
80年代に石上三登志が提唱したネオ・エンターテイメントの系譜に属する国産ミステリだけど、ただ面白いだけではなく最終的に作者らしい持ち味にまとめてあるところはさすが。核テロに対して国策的なポリティカルフィクションと警察捜査もものの興味が並行して進行するあたりは、まんまラピエール&コリンズの『第五の騎手』だけど。

それにしても3.11以降、これほど一冊の価値が変わった国産ミステリは他にそうないだろうという皆さんの意見には、深く同意。
執筆刊行時期を思いやると、作者の先見性と取材力、構成力にうならされる。
あえて細部で不満を言うなら、共犯者格の女性がいきなり登場するところくらいかな。それらしい伏線とミスディレクションを用意して、軽いフーダニットっぽくしても良かったのではとも思うんだけど。

No.29 8点 斎藤警部 2015/10/15 07:00
【ネタバレの機微有り】
プロの仕事を堪能させてもらった。警察小説、企業小説、現実科学小説、人類の将来に向けたリドルストーリー。最後は読者一人ひとりの危機感覚に訴えるメインストーリーの爆発力に、サブストーリーである親子の情愛物語や其々の友情物語さえ吹っ飛ばされる。犯人側主人公二人の出逢いのシークエンスだけ際立ってハードボイルド文体。子供の解放が意外と呆気ない時点で決着付くが、それで却って深まる物語の底知れぬ奥行きの予感。良質のアンチクライマックス。但しその安心感は見せかけだ。

No.28 5点 虫暮部 2015/03/10 18:25
 出入者管理表にシャープペンシルで書き込んだ名前を消して書き直したなら、元の名前の筆圧が残ってしまうから、注意深く調べれば解読出来るのでは。出来る出来ないはともかく、その可能性について全く言及されていないので、“間抜けどもめ!”と叫んでしまった。 

No.27 6点 モグ風 2014/12/29 16:54
ミステリー性は低めでtvドラマ向きのド派手な演出ありみたいな内容でした。
今の日本人にとってはこのドラマ化は無理な内容かもしれませんが、tvか映画でみてみたいかな❔

No.26 8点 まさむね 2014/05/05 23:01
 東日本大震災後だからこそ,広く読んでいただきたい作品。
 震災前に読んだのであれば,自分ならおそらく「薀蓄が多い…」とか「とは言っても…」などと感じてしまったと思うのです。
 しかし,今となっては,一つ一つの言葉がズシリと心にのしかかってきます。「沈黙する群衆に,原子炉のことを忘れさせてはならない」,「子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る」…。クライシス・サスペンスとしても秀逸ですが,作者の言わんとしているコトが突き刺さってきて,非常に読みごたえがあります。
 今一度申し上げます。今こそ広く読んでいただきたい作品です。

No.25 5点 ボナンザ 2014/04/08 01:53
今から考えると流行を先取りした作品ですな。
ミステリではないが、考えさせられる作品だとは思いました。

No.24 6点 simo10 2013/08/14 11:15
日本中の原発を停止しなければ、遠隔自動操縦でジャックした大型ヘリを高速増殖炉へ墜落させるというクライムサスペンス。
今でこそ原発の是非への関心が非常に高い世の中ですが、当時から今の時代に即したような作品を描いていたんですね。
テーマは非常にシリアスなものですが、手に汗握るストーリーで(少し長いが)サクサク読めました。
個人的な一番の読みどころは子供の救出シーンか。

No.23 9点 Tetchy 2011/10/30 21:14
映像化作品が多い東野作品の作品の中でも抜群のサスペンスを誇る作品だが、なぜ映像化しないのか、その理由が本書を読んで判ったような気がした。この作品は3.11以前に読むのと以後とでは全く読後感は違ったものになっただろう。
3.11で原発への不安が叫ばれている今、なんともタイムリーすぎて背筋に寒気を覚えた(ちなみに10/22に私は渋谷で原発反対のデモ行進を目の当たりにした)。この内容は現在デリケートすぎて確かに映像化できない。原発反対派に強硬手段の一つのヒントを与えるようなものだ。逆に発表後四半世紀経った今でも絶版にならないことが不思議だと云える。

本書に書かれているエピソードの1つ1つが今年我々の身に起きた東日本大地震による原発停止による節電生活を筆頭にした社会問題をそのまま表しており、フィクションとして読めなくなってくる。とても16年前の作品とは思えないリアルさだ。東野氏の取材力と想像力の凄さに恐れ入る。

3.11の東日本大震災から連日メディアで喧しく報道されている放射能物質拡散の脅威と反原発運動、そして放射能汚染の恐怖。この原子力発電は現代の社会に咲いた仇花なのだ。もう無関心でいる時期は終わった。1995年に著された作品だが、現在起こっていることが既に本書には予想として挙げられている。これらの事態と原発に関する知識をさらに深く得るためにも、そしてその存在意義を考えるためにも今この書を読むことをお勧めする。

No.22 5点 ムラ 2011/02/20 22:43
サスペンスとしては優秀だと思うしテーマも良いし壮大。
その代わりこういうのだと如何しても一人一人の描写が薄くなってしまうのだろうか。オチがそのまんまなのは道筋がきちんとあるからいいとしても、犯人側の動機の書き込みが薄いような気がした。雑賀のキャラもいまいちわからず。東野作品にしてはキャラの心理描写が薄い。伏線もあまりないのでそこも寂しい。
悲劇をよしとしない話には好感が持てるけれども。
※今回の件で周りの反応がけっこう酷似していたので驚いたのと、他の人にも知識として知って欲しいと思ったので一点増加(とはいえ作者も勘違いしている知識がいくつかあったっぽいが)。

No.21 5点 ミステリー三昧 2009/10/28 13:13
<講談社文庫>リアルタイム型社会派クライムサスペンスです。
テーマに対する興味がなければこの作品は面白くないでしょう。興味を持たない限り、この作品に込められたメッセージに胸を打たれることはない。その部分で大きく評価を下げた。きっと私は放射能被害とは無縁のまま「沈黙の群衆」の一員としてこれからも生きていくだろう。
そもそも緊迫感が感じられない。特に最初の200ページは「原子力発電所のメカニズム」や「次世代ヘリの特徴」に重点が置かれ専門知識を多用させることもあり萎える。「飛ばし読み」したためイマイチ犯罪の奇抜さを把握できなかったことが原因かもしれない。魅力的な登場人物もいないため、どこに楽しみを見いだせばいいのか分からず、そのまま読み終わってしまった。
たぶん「社会派小説」は向いてないな。。。でも勉強になりました。

No.20 6点 2009/05/17 22:15
 サスペンスとしては最高の作品。でもミステリーとしては・・・
 犯人の正体に驚きがまったく無かったし、動機も今ひとつでした。もう一捻り欲しかったです。

No.19 7点 VOLKS 2008/08/23 20:13
サスペンスを書かせても凄い、と感じる氏の作品。
これは映像にしたら面白そう。

No.18 6点 白い風 2008/08/12 23:43
原発問題(是か非か)を考えさせる作品です。
大型ヘリを上空に待機させ、政府を脅す大胆な計画。
ところがそのヘリには子供が紛れ込んでいた。
東野さんらしい工学部系の作品でもありました。
ただ東野作品の醍醐味である、ラストのワクワク感(どんでん返し)には乏しかったと思う。

No.17 7点 こう 2008/06/22 01:11
 この作品が出た時点で明らかにそれまでの作品と一線を画した作風のサスペンス大作であまり期待せずに読んだのですがとても面白かった覚えがあります。
 エッセイを読むと作者はこの作品に最も思い入れが強いようです。テーマの掘り下げ方は最近のものも含めて一番かな、と思います。 

No.16 8点 COBRA 2008/06/13 14:24
壮大!サスペンス。
ハリウッド映画のような興奮があった。

No.15 6点 シーマスター 2008/05/19 23:58
ストーリーの壮大さ、緻密さ、完成度の高さにおいては作者の作品群の中でもトップクラスだと思う。

ただ、面白いかと言えば・・・・・完全に好みの問題。
原発やハイテクヘリに関心がある人にとっては、最初から最後まで止められない逸品のサスペンスだろう。
興味が薄い人にとっては、ちょっと長すぎる大袈裟で漫画チックな犯罪物だろうし、メカニカルな話が延々と続くところなどは苦痛以外の何物でもないだろう。

自分は明らかに後者だが、救出劇はさすがにドキドキハラハラといっても過言ではない臨場感を味わえたし、犯人を割り出していく捜査過程もなかなかだったし、読後には不思議と(単に厚い本を読み上げたというだけではない)満足感があったことを否定できない。

これは本作が『片想い』や『変身』などと同様に作者の問題提起・・・
・・・・「我々は原子力発電というものに、もっと真剣に向き合い、考えて行かねばならない」
という社会へのメッセージが、ディテールに全く手を抜かない綿密な構成の作品を通して真摯に伝わってくるから・・・・・・なのかもしれない。

No.14 6点 spam-musubi 2008/01/25 09:32
ミステリが読みたかったので、その意味ではがっかりした。
なのに話にぐいぐい引き込まれてしまうところがさすが。

No.13 8点 いけお 2007/10/10 13:01
リミットのあるサスペンス?でちょっと東野風という感じで単純におもしろかったです。


東野圭吾
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1989年07月
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1989年05月
鳥人計画
平均:5.85 / 書評数:20
眠りの森
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1989年01月
十字屋敷のピエロ
平均:5.88 / 書評数:32
1988年12月
浪花少年探偵団
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不明
たぶん最後の御挨拶