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take5さん
平均点: 6.55点 書評数: 311件

プロフィール高評価と近い人 | 書評 | おすすめ

No.311 6点 可燃物- 米澤穂信 2024/12/08 15:37
県警捜査一課の葛班が活躍する短編集
崖の下・・・雪山での滑落遭難もの
ねむけ・・・みんな眠い、やや強引
命の恩・・・もっと悲惨を想像した
可燃物・・・反転力が弱いので残念
本物か・・・反転よしパスタ無意味

全て50ページほどであっという間に
2時間かからず読めますが、米澤氏は
他にも良作があるのでそちらをどうぞ
短編集なら『満願』の方でしょうか?

No.310 7点 クラバート- オトフリート・プロイスラー 2024/12/08 11:58
ファンタジー要素の児童文学ですが、
全ての年代に耐えうるドイツの傑作。
『大泥棒ホッツェンプロッツ』の作者
オトフリートプロイスラーの作品です。

水車場見習いになった少年クラバート
親方から魔法を習う中で見つける矛盾。
やがて来る親方との生死をかけた対決。

その時、一人の少女の愛が必要となり、
クラバートは、どう気付いてもらうか。

ミステリーはそのくらいですがとにかく
名作なので忘備録として紹介したという
極めて私考的志向な思考ですみません。

No.309 8点 テスカトリポカ- 佐藤究 2024/11/17 17:28
冒頭からメキシコの乾いた風を感じ、
川崎の湿った闇を思う、550ページ。
臓器売買を巡るカルテルの群像劇で、
かつアステカ文明の歴史を元にする
血を血で洗う抗争の凄まじさが圧巻。

正直、
ミステリーなのかは分かりませんが、
6時間も一気に読ませる筆力と熱量。
時代も場所もちがいますが、例えば
『同志少女よ敵を撃て』が近いか?
そう感じましたが皆様如何でしょう

No.308 7点 鼓動- 葉真中顕 2024/11/10 13:13
「違う。だってその絶望は、あなたのものではないんだから。」

葉真中顕の社会派ミステリー。
今回は引きこもりを主として、
周辺の問題を複数えがきます。

300ページ強を一気読みの、
筆力は新作も相変わらずです。

カットバックの手法は、叙述の
トリックには使われませんが、
人称や時間を越えて収束する様
リーダビリティの元となります。

No.307 5点 バイバイ、サンタクロース 麻坂家の双子探偵- 真門浩平 2024/09/01 16:53
本サイトから評価の高い作品を
拾い読みすることがありますが
私には久しぶりに合わず残念。
小3から小6絶対ない小学生像
言葉遣いラインの扱いも同様で
事件の扱いもオー・ヘンリーを
反転させてとんでも科学らしく
はまれませんでしたすみません
最終章の人物の反転も必要感--
まとめるとシチュエーションに
難ありと思うところです。失礼

No.306 6点 オクトーバー・リスト- ジェフリー・ディーヴァー 2024/08/25 11:51
ジェフリーディーバーの作品群は、よく
ジェットコースターに例えられますが、
この作品では私はジェットコースターに
乗り遅れてしまった感じがしてしまい、
一気読みできませんでした。他のかたが
説明されている通り、時間を遡っていく
構成なので、毎章の最後で「あの事か」
と小さい伏線回収が続きます。ジェット
コースターが一気に走らないんですよね

技工は素晴らしいですがもう一度頭から
読んだり後ろからさかのぼって読んだり
する気力が夏の終わりの今はなくて、只
何重にも楽しみ尽くしたい方はよろしい
のではないかと思います。どうでしょう

No.305 6点 死亡告示 トラブル・イン・マインドII- ジェフリー・ディーヴァー 2024/08/22 09:35
ジェフリーディーバーの短編集です。
ライム登場の『死亡告知』は大半の方
1ページで落ちが分かるはずですよw
中編小説の『永遠』はまあまあのでき
二転三転がディーバーっぽかったです
そして数学探偵のキャラも立ってます

No.304 8点 ぼくらは回収しない- 真門浩平 2024/08/18 18:35
作者はまだ25歳、東大大学院在学中という
秀才で天才ですね。作者は、速水士郎かも
また吉田陽香かもしれない、全て登場人物
ですが。さて、それ位感嘆に値する作品。

一番は『街頭インタビュー』を推します。
わずか35ページであの反転は驚愕します
ミステリーズ新人賞のルナティックより、
個人的には街頭が一番、カエル殺しが二番
全5編の短編ですが、伏線回収しないw。
タイトルの意味を深読みするとシニカルに
過去の本格作品へのアンチテーゼかしら。
視野の広がる豊かな読書でしたお勧めです

No.303 7点 ハンティング・タイム- ジェフリー・ディーヴァー 2024/08/18 15:04
懸賞金ハンター、コルターショウシリーズ
ジェフリーディーバーらしい反転が最後に
あり、安心の読み応え。ライムシリーズの
それも初期に比べるとびっくり具合はやや
劣りますが、本作はそれより殺し屋二人組
そして母子の人物像の方に見所が多いです

後書きに、本国ではライムシリーズの次が
『ウォッチメイカーズハンド』という事で
そちらの方も気になります。早く読みたい!

No.302 8点 その日のまえに- 重松清 2024/08/17 13:49
ここに書評をあげている自分にとって、
死が一番のミステリーだなと改めて思う
そんな一冊。七篇の短編を通して考える
死とは何か。連れ合いの死、親の死など
これからリアルに向き合うであろう死を
重松清さんの与える物語で想像しました

初めの四篇はつながりのない佳作としか
思っていなかったところに、残り三篇で
伏線回収がなされる構成でした。これは
よくあるミステリーの伏線回収を超えて
登場人物すべてが葛藤や後悔を抱えても
それでも前を向き生きる事の象徴なんだ
私にはそう感じました。力を貰いました

No.301 7点 流星ワゴン- 重松清 2024/08/16 15:32
後書きを、斎藤美奈子さんにわざわざ
お願いしたという文庫版を読みました
新聞で読み慣れている論調よりかは、
だいぶ優しいですが分析がもう鋭くて
だからではないですが一層父親として
というか男として身につまされる話。

重松清さんも父親になって書けた作品
とおっしゃっているのはまさに納得。
私ファンタジーは得意でないのですが
これはファンタジーの力を借りないと
気付けない事ばかりなので必然です。

重松清作品を息子と共有したいですが
その発想も押し付けかもしれませんし
特にこの本は難しいのでやめときます
『きみの友だち』などがよいかなと。

No.300 8点 夏の庭- 湯本香樹実 2024/08/15 12:41
世の中で最もミステリアスな事
私は死についてだと思います。
小学生の三人組がある老人との
一夏の関わりを通して、死とは
何かを見つめて成長する物語。

1993年日本児童文学者協会新人賞
1993年児童文芸新人賞
1997年ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞
1997年ミルドレッド・バチェルダー賞

老人を通して語られる戦時中の事
また作者の後書きにも共感でき、
豊かな読書となりました。

No.299 7点 墨のゆらめき- 三浦しをん 2024/08/14 11:28
主人公のホテルマンと対役の書家の関わり
書家の遠田の人物像が魅力的で読ませます

遠田はなぜ主人公の続力を受け入れ、また
最後に突き放すのかという小さな謎解きは
末節で、バディものとしての魅力、そしで
文字に魅せられる者の描かれ方が大変よく
人の生き直しの描かれ方もまた素敵です。

オーディブル向けの書き下ろしだそうで、
本にすると225ページで高濃度でした。

No.298 4点 君に読ませたいミステリがあるんだ- 東川篤哉 2024/08/13 15:32
夏休みYA本第三弾は高校生青春ミステリ
連作でそれぞれに作中作があり無理矢理に
それらを主人公の女子高生が読ませる展開

連作なのですがそれぞれは繋がらないです
第一見た目がいけてる主人公が一人文学部
ないです。コミュ障でもないのにないです
リアリティがなさすぎてギャグにもならず
受け止めが難しいです。YA本としてまず
そこが弱点。若い頃にミステリの入り口に
適した本は他にもあるし、全5章を通して
生み出されたオチも今一。最後に全体像が
浮かび上がる作品って他に何十もあるし、
とにかく残念。夏休みなのでよしとします

No.297 5点 ガリレオの事件簿1 ポルターガイストの謎を解け- 東野圭吾 2024/08/10 10:04
夏休みYA本シリーズ第二弾
ガリレオシリーズから短編集
お馴染な4篇が収録されます
ポルターガイストや時差落下
などの初期のもの4つです。
既読のもののおさらいなので
200ページ30分で完読。
息子に進めるが反応今一で草

No.296 7点 あと少し、もう少し- 瀬尾まいこ 2024/08/10 08:30
中学生の駅伝競走を巡る六章からなる物語
主人公たち6人のそれぞれが葛藤を抱える。
一区設楽は、なぜあれほど臆病で速いのか
二区太田はなぜあれほど切れてしまうのか
三区ジローのムードメーカーたる所以は?
四区渡部がクールでなきゃいられない訳は
五区俊介は、なぜ桝井をあれほど慕うのか
そして六区の桝井が駅伝に込める思いは?

構成がよくて一章一区ずつ回想込みで進み
背景が明らかになりながらゴールを目指す
要所で素人監督上原先生が良い味出します

中学校のスポーツは技術以上に学ぶものが
あるっていうの、今までぴんと来なかった。
だけど、今はわかるんだ。」と先生の言葉、
この夏実感するならこの1冊、YA本です

No.295 7点 幻夏- 太田愛 2024/08/02 12:42
// =│という残された暗号にまつわる謎解きやら
1と10が釣り合っていないという世の中への提言が
一気に押し寄せるお馴染みの三人が登場する作品。
今回の主人公は相馬です。小さい頃の思い出と今が
重なって複雑な様相を見せてきます。社会派として
マスコミや法曹界への鋭い視線は相変わらずですが
太田愛さんの作品の中では相対的にイマイチかな。
それでも一気に読める筆力は健在ですけれどね。✨

No.294 9点 天上の葦- 太田愛 2024/07/28 15:37
鑓水、繁藤、相馬三人が主人公のシリーズ
上下巻ハードカバーで800ページの長編

戦時中の言論統制がこの時代のメディアと
シンクロする、重厚な社会派ドラマです。
それでもどこか軽妙に読み進められるのは
キャラのもつ力、太田愛さんの筆力です。

最終章、喜重の手紙は落涙必至の総まとめ
出会ってよかったこの夏の血肉となる名作

白狐が誰か問うミステリー、更に死の直前
老人の指差したものの意味を回収する展開
広く皆様に読んでいただきたい作品でした。

No.293 8点 犯罪者 クリミナル - 太田愛 2024/07/20 17:22
脚本家、太田愛氏の小説デビュー作品。
上下巻1000ページがダレる事なく進む
その筆力に脱帽。冒頭の通り魔事件、
そのスピード感に名作の予感。主人公
3人の人物も次第に輪郭がはっきりして
絵が浮かぶようです。犯罪者側の得体の
知れなさがあれに似てるな~と思ったら
帯には書いてあるそうです。ディーバー
級というお勧めが(私は図書館本につき
帯なし)。
通り魔事件の他にも、政財界の癒着や、
政治のパワーバランス、食品安全問題、
市民運動、裁判の大変さ等、多くの話題
を含む満足度の高い読書となりました。
次の作品からも、主人公3人がそれぞれ
中心となっていくという事で楽しみです。

No.292 7点 りら荘事件- 鮎川哲也 2024/07/15 10:05
新装版のリラ荘事件で読みました。
久しぶりに読んで覚える既視感は、
その後の作品が鮎川大先生の影響を
多分に受けているからでしょうし、
(色盲の作品は平成でもありますね)
トランプの下りは、大先生も先人の
影響を受けているのが分かります。
ミステリー系譜の早い位置に存する
とても重要な作品と言えるでしょう。

私が一番心に残ったのは、砒素です
美白に砒素という事がさらっとあり
これは現代でもいけるのか?興味あり
星影先生のキャラも立っていてよき。
いずれにしても昔の人は推理小説に
新星現ると確実に思ったでしょうね。

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
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採点傾向
平均点: 6.55点   採点数: 311件
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