皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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take5さん |
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| 平均点: 6.64点 | 書評数: 474件 |
| No.474 | 7点 | 体育館の殺人- 青崎有吾 | 2026/07/19 15:46 |
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| 第二十二回鮎川哲也賞受賞作品
大学生青崎有吾のデビュー1作 アニオタ天才高校生探偵の住む 高校の体育館で起きる密室殺人 タイトル、設定、地図、全てが ベタな本格物。ハードカバーは 選考委員の書評つき。←厳しめ 最後の一捻りとかも力を感じる 歴代の受賞者と比べて遜色ない ものだと思います。実際連作に なりましたし。刑事の高校生に 対する寛容さがコナンくん並に 甘々でそこは後から改善かと⋯ |
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| No.473 | 6点 | 早朝始発の殺風景- 青崎有吾 | 2026/07/19 09:36 |
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| 短編の5編を、書き下ろしの
エピローグで収束させた形式。 全て一幕の2人による心理戦 最後にちょっとした謎が解け 2人の関係も進むという構成。 YAコーナーで見つけた本書、 さらっと読め読後感も事件の 割に清涼感あり、好みでした。 |
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| No.472 | 7点 | 蛇行する川のほとり- 恩田陸 | 2026/07/12 18:00 |
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| 大人一歩手前の少女時代を
いつか終わる夏休みと重ね、 明らかになっていく真実を 恩田陸の繊細な筆力が描く。 暑さ、ペンキの匂い、また ハルジオンの感触が鮮明に 浮かぶ。母親の死の真実が 一見遠い存在の毬子にこそ 共有される事が謎だったが、 殺人に偶然携わった側の人 だからと理解。逆に香澄は 能動的に関わった事で、罰 がくだるという理解。罰も 作中劇にあるような現実と 劇の合間をいく合理非合理 を超え不思議な魅力のある 本作でございました。 |
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| No.471 | 7点 | 呼人は旅をする- 長谷川まりる | 2026/07/11 17:34 |
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| 「呼人」当事者だけでなく周りの
いろいろな角度から描かれる事が とてもよかったです。特異体質の 「呼人よびと」を物語に置く事で 世の中の普通や偏見、差別、また 当事者やその周囲の人たちの見方 在り方を描き、認知バイアスは? と優しく教えてくれる。特に所有 に執着する社会へのアンチテーゼ として旅のような生活を、呼人が 求められてしまう事を「渡り鳥」 から感じて、興味深かったです。 |
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| No.470 | 8点 | 決壊- 平野啓一郎 | 2026/07/08 18:14 |
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| 以下新潮社の合本紹介文
地方都市で妻子と平凡な暮らしを送る サラリーマン沢野良介は、東京に住む エリート公務員の兄・崇と、自分の人 生への違和感をネットの匿名日記に残 していた。一方、いじめに苦しむ中学 生・北崎友哉は、殺人の夢想を孤独に 膨らませていた。ある日、良介は忽然 と姿を消した。無関係だった二つの人 生に、何かが起こっている。許されぬ 罪を巡り息づまる物語が幕を開く。衝 撃の長編小説。 作者の分人主義が色濃い作品でした。 重い事は悪くなく必要な場合が多い ですが、これは救いがないし血肉に なりにくいです。しかし読ませますが。 上下巻合計800ページを1日近くかけて 一気に読ませます。しかし登場人物の ラストがあれは、あれしかなかったの ですかね、、、辛いですね。 |
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| No.469 | 8点 | 本心- 平野啓一郎 | 2026/07/04 19:05 |
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| ミステリー的手法で描く近未来小説
いくつかテーマがあります。 ①「理解したつもり」の危険性。 主人公が、「自由死(安楽死)」を 選んだ最愛の母の本心を知りたい と願い、母親のAIを再生します。 しかし、AIと会話を重ねるうち、 自分が見ていた母親は、実は、 「自分に見せてくれていた母親」 の一面に過ぎず、自分が知らない 交友関係や考えを持っていた事を 知ります。 ②人を愛するということの本質 平野啓一郎は、「相手のすべてを 完全に理解すること」は不可能だ としています。むしろ、「分かり 合えない部分(他者性)」がある からこそ、相手を単なる自分の 所有物としてではなく、一人の 独立した人間として尊重して、 深く愛することができるのだと 説いています。 ③「分人主義」と他者性の関係 平野啓一郎が提唱する分人主義 という考え方は、「人間は誰しも、 相手(家族・友人・仕事)との 関係性ごとに異なる複数の人格 (=分人)を持っているのだ」 いうものです。主人公の母親も 母親としての一面だけでなく、 主人公の知らない場所で別の顔 (分人)を持っており、それが 「他者性」の正体だという事です。 いずれのテーマも、読者の自分を えぐるような重さです。しかし、 最後まで目を背けない主人公に、 こちらも最後まで向き合う読書と なりました。 |
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| No.468 | 9点 | 永遠の仔- 天童荒太 | 2026/06/21 17:44 |
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| 十数年ぶりに再読、初評価。
本書を、親として受け止め、 考えて血肉とする事が必要で 大切と思う年齢なのを実感。 原稿用紙2400枚、総ページ数 約1000に流れる主人公3人の 子供時代と、17年後の大人と して再会した後とが、交互に 書かれて、進むんでいきます。 本書のテーマは、幸せや不幸が 連鎖し、またそれを断ち切る力 その力が関わりにはあるという 処だと個人的に感じました。 ただその力は他者からもらえる のではなく最後は自己の認知が 辛くも乗り越える契機となる、 そのためにはやはり、適切な時 適切な場での出会いきっかけが 必要なんだと、矛盾する二項を どう信じて生きるか⋯、また、 当事者として向き合う時が必ず 来るから、誠実に逃さない事が 大切かと思いました。 結論が簡単に出ない事に、読書 または人生の豊かさがあるのか とも感じました。 |
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| No.467 | 6点 | 悪魔には悪魔 を- 大沢在昌 | 2026/06/14 10:11 |
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| 麻薬取締官(マトリ)として密売組織に
潜入捜査していた双子の兄・良(りょう) が突然消息を絶った。兄の身を案じた 元傭兵の弟・将(しょう)は、 兄になりすまして危険な組織に潜入する ことを決意する。裏社会の猛者たちを 相手取り、過酷なミッションと命懸けの 騙し合いに挑む迫力満点のアクション長編。 (以上AIによるあらすじまとめ。) 500頁以上あるけれども、リーダビリティが 高いのでエンタメとしてスイスイ読めます。 しかし新宿鮫を薄めた感じで、本書をわざわざ 狙って読む必要性までは感じないという処です。 |
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| No.466 | 8点 | 探偵小石は恋しない- 森バジル | 2026/06/07 19:12 |
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| 久しぶりにミステリを読んだという満足感。
『方舟』『GOTH』『六人の嘘つきな大学生』 『名探偵のいけにえ』『十角館の殺人』等 文中で触れる名作を読み手も思い出しつつ、 この後の反転を想像しながら、頁をめくる。 最後の方はいけにえの反転攻勢に近いです。 小説の持つ、叙述の力を再認識致しました。 タイトルが好き。個人的に改題でよかった。 文体はラノベ風を装った緻密ぶりも好ましく 唯一、ラストが題名と矛盾、次回作にも難。 あと私、作中紹介される他作品の中では唯一 あの鈍器本だけ未読なので、いつか挑戦を! |
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| No.465 | 8点 | 人生劇場- 桜木紫乃 | 2026/05/24 17:34 |
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| ある男の小さい頃から80代までの人生劇場
綺麗事を一切排除した物語。 読んでいて辛くなります。 読み手の自分を問われ、 突きつけられていくからです。 人は弱く悲しい。 こう書いている私自身が許されたい 分かってほしいと、 主人公のタケちゃんにシンクロしてしまう。 ホテルローヤルが話題となりましたが、 後半で出てきます。 その存在もまた切ないのです。 |
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| No.464 | 8点 | コンパートメントNo.6- ロサ・リクソム | 2026/05/17 17:59 |
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| シベリア鉄道が舞台のロードノベル。
フィンランド人の少女とロシアの男。 客室コンパートメントに乗り合わせ、 モスクワからウランバートルへ向けて 接点のない二人を乗せて列車は進む。 饒舌な男と寡黙な少女、男は、人生を 受け入れるのにかかった時間を語り、 少女は心の内にモスクワの親しい人を 考える。物語終盤に、男が少女に対し 自らのナイフを差し出す場面が印象的。 大きなものに翻弄される人生そのもの これがミステリーなのだ、一筋縄では いかないのだと、世界の広さを知る本。 その年のフィンランド最高の本に対し 贈られる賞受賞。後に知りましたが、 カンヌのグランプリも取ったそうで、 いつか映画も見たいなと思いました。 |
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| No.463 | 5点 | へんな怪獣- 星新一 | 2026/05/16 15:57 |
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| 星新一の生誕100年の今年に
ショートショートの名士ぶりを 久しぶりに味わおうと思いたち 児童書のチョイスに興味をもち 読みましたがイマイチでした。 やはりボッコちゃん等は年代を 超越して刺さるので、星新一も 色々混ざっているのだと再認識 別のものを読もうと思います。 |
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| No.462 | 6点 | 幸福な生活- 百田尚樹 | 2026/05/10 19:04 |
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| 氏の現在の有り様とは切離して
短編集としては読みやすく、又 最後の一行をあえてめくらせて 落とすという分かりやすい構成。 いくつかはなるほどと思い、又 いくつかは安直だなと思うが、 構成作家としての力は感じます。 豹変とかそっくりさんが好み。 |
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| No.461 | 7点 | おれたちの歌をうたえ- 呉勝浩 | 2026/05/10 10:54 |
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| 呉作品の中でも色々と盛り沢山で
ある種贅沢だが、はまれない方も いそうだなと思います。前後する 時代の中で謎解きが成される為に その時点の真実と後から明らかに なるものが混雑していて難解です。 しかも永井荷風や堀口大學の言葉 による謎解きが、実は文字が〇〇 という背景や在日朝鮮人問題等と リンクしている為に尚更難解です。 しかし読み応えはたっぷりなので 改めて呉作品の重厚さを感じます。 |
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| No.460 | 6点 | 審議官 隠蔽捜査9.5- 今野敏 | 2026/05/06 12:10 |
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| 300ページを2時間弱で読めるタイパ本
男性の男性による男性のためのヒーロー本 竜崎にスカッとしたい人が警察機構の悪癖 やら家族の理想形やらを楽しむ本書が一定 の評価を得て続くのは令和も変わらんなと。 |
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| No.459 | 7点 | ぼくがぼくであること- 山中恒 | 2026/05/04 13:33 |
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| 1976年に初版発行の名作。
小学生の成長物語であり、 家族の再生物語でもある。 夏代はなぜ祖父といるのか ミステリー色は薄いですが、 殺人事件も入っているし、 ゴールデンウィークに角川 つばさ文庫もありでしょう。 |
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| No.458 | 6点 | さよならの儀式- 宮部みゆき | 2026/05/03 14:49 |
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| 近未来小説、SF小説、しかし
宮部みゆき作品なので現実を 的確に捉えて書かれています。 前半4作が私には良作でした。 後半はイマイチ刺さらなかった ですが、400ページで8作は、 ちょうど読みやすかったです。 五指には入らないかなとの評。 |
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| No.457 | 6点 | ナイト&シャドウ- 柳広司 | 2026/05/02 16:21 |
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| 首藤がクール過ぎて些か食傷気味。
ラスト怒涛の伏線回収も言われたら そうかなとは思うが人間臭さゼロ。 その事をメタで見ていると、もしや コメディかなと思えて来ましたよ。 馬鹿にしていません。それくらいの 完全無欠のヒーローもの。太鼓判! |
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| No.456 | 8点 | ロング・アフタヌーン- 葉真中顕 | 2026/04/25 14:38 |
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| 「自分で望んで選びたい。」
「愛になんか負けないで。」 葉真中顕の筆力が爆発する。 300ページに満たない中で、 作中作と現実がシンクロして 性差の社会的抑圧が解放される。 レオ・ベルサーニが、人間の 根本にマゾヒズムがあるつまり 辛い環境に癒着する面があると。 この癒着を解体するには自己の 癒着への認知と言語の力ですね。 千葉雅也さんの本に詳しいです。 そういう自己の乗り越え物語。 東野圭吾や幾人もの作品にも 文壇・編集の様子が見られますが そのへんも興味深く読みました。 |
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| No.455 | 6点 | 弁護側の証人- 小泉喜美子 | 2026/04/19 12:12 |
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| ハードカバーには表題作に加えて
『深い水』を同時収録しています。 220ページと20ページという量で これだけの内容なら費用対効果高。 クリスティのオマージュの表題作 今となっては目新しくないですが 1960年代の叙述トリック作品は 歴史的意義とリーダビリティから 評価できると思います。何しろ、 1時間とちょっとで読めましたので。 |
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