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[ 本格/新本格 ] そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート |
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はやみねかおる | 出版月: 1994年02月 | 平均: 5.92点 | 書評数: 12件 |
![]() 講談社 1994年02月 |
![]() 講談社 2006年07月 |
No.12 | 7点 | 斎藤警部 | 2025/08/02 23:55 |
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「どうも、名探偵の夢水清志郎です」
冒頭からいきなりカマして来た(!)のは、大人読者にも警戒を要求するという意思表示か? それはともかく、若年向けミステリ入門書として手堅く誠実、良い意味で模範的な内容と思います。 ユーモアも常に最適解を見出しているようで、感心しました。 夏休み、新しく出来た “ハイパー遊園地” 内でプレティーンのこどもたちが次々に消失する事件が起こる。 そこでは犯人と目される “伯爵” なる怪人物が露悪的にその存在を誇示していた。 心理・物理・ハイブリッド、大に小、どのトリックも、派手さは無くも立派。 かたさ/やわらかさに纏わる思い込みの件とか、いいねえ。 ただ一つ、やたら◯◯◯に長けた怪人物って設定にちょっと違和感が、と思っていたら ・・ しっかり理に適う落とし前が付きました。 伏線も細やかに盤石。 物語に敷きつめられた、繊細にして仄甘いやさしさスウィートネスも素晴らしいじゃないですか。 「いや、なに ……。 星がずいぶんきれいだと思ってね」 ミステリ慣れした読者からしたら、真犯人というか真相のナニは何気に瞬殺で目星が付いたりするかと思うんですが、だからと言って評価が下がるわけではありません。 この緻密にして人間味あふれる高い完成度の作品を若年層に向けて贈った心意気は見逃せません。 名探偵ジャパンさんご指摘の "ロープの本数" の件、確かにその通りですね。 おっしゃる通り "目撃談" のヒントとして活用できましたね。 蟷螂の斧さんおっしゃる通り、そのへんのワード(特に小栗云々)は将来的に成人読者層から "発掘" された際の事を意識しているのではと、私も思いました。 第Ⅰ部の "カマしてご挨拶" もある事ですし。 あと、かなり際どい "ネタバレせずのネタバレもどき" がありましたが、これもミステリ経験値の高い層を意識しているのかな。 余談ですが、特殊詐欺も、警官なりすましの次は私立探偵なりすましが、しまいにゃ名探偵なりすましが流行ったりして、んで誰もハナッから信じないんで壊滅的な成功率になっちゃったりして、なんてバカな妄想しました。 |
No.11 | 5点 | take5 | 2025/08/01 10:20 |
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ジュブナイル、夢水シリーズ第一弾
名探偵と三つ子の紹介から始まり、 最後は三つ子の伏線回収で終わる、 夏休みにぴったりのテーマも良い。 200ページですが1時間足らずで 読める、ミステリー導入本でした。 作者のミステリー愛が感じられます。 |
No.10 | 5点 | バード | 2022/07/09 09:39 |
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不可思議な消失が中だるみ無しに発生するのでサクサク読める。名探偵がフェイクの謎解き後に事件の真の構造を語るというのも王道で良かった。
事件最中の緊張感が終始薄めという点、事件の裏も比較的容易に想像付くという点に物足りなさを感じるものの、総合的にはまずまず面白かった。そもそも子供向けの作品に対し大の大人が文句を言うのがナンセンスだしね。 ただし子供向けなどは関係なく夢水清志郎のキャラデザはもう少し深みのある感じにした方が良かったと思う。ただの三下にしか見えない・・・。(文庫本のデザインです。) |
No.9 | 6点 | 名探偵ジャパン | 2018/05/21 20:41 |
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対象にしているのは、小学校中学年から高学年くらいでしょうか。こういう読みやすく楽しい読み物は、ミステリの導入口としてうってつけでしょう。「子供の読むものだ」と割り切って読めば、大人でも楽しめると思います。
以下、トリックのネタバレがあります。 宙づりになった箱から人間が消失するトリックですが、あの方法であれば、鏡に遮られてロープが二本しか見えない角度が必ず出てくるはずです。にもかかわらず徹底して「三本のロープ」という記述しかないというのは、少しアンフェアな気がします。観客の中に「自分にはロープが二本しか見えなかった」という証言でもあれば、探偵がトリックを見破るヒントにもなって、フェアになったのではないかと思います。 |
No.8 | 6点 | 風桜青紫 | 2016/01/25 21:03 |
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大仕掛けではあるもののトリックも動機も比較的わかりやすく、ミステリ的なカタルシスを得るためにはやや弱い。しかしまあ、童心に帰って、謎の演出にワクワクするという点ではよくできた作品。このような作品がミステリの入口だった読者は幸運だといえるでしょう(流水とかは不運)。教授、ステキです。 |
No.7 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2015/08/27 16:51 |
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「BOOK」データベースより~『夏休みの遊園地。衆人環視の中で“伯爵”と名乗る怪人が、天才児4人を次々に消してみせた。亜衣たち岩崎家の隣人で自称名探偵、夢水清志郎が颯爽と登場!と思いきや「謎はわかった」と言ったまま、清志郎はなぜか謎解きをやめてしまう…。』~
内容は、怪人二十面相と少年探偵団のような感じです。ユーモアは心地よいし、ほのぼの感もあります。ミステリーランドの諸作品とは、また違った味わいがありました。小栗虫太郎「完全犯罪」・薬漬けの探偵、灰色の脳細胞などの言葉も登場するので、大人の読者も少しは意識しているのかな? |
No.6 | 6点 | isurrender | 2010/12/08 14:11 |
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まぎれもなく小学生だった当時の自分をミステリの世界にいざなってくれた作品の一つ
子供にとって非常に読みやすい文章で終わり方も綺麗 |
No.5 | 6点 | E | 2010/08/14 15:13 |
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知らずに手に取ったのだが、この作品は児童小説なのですね。
確かに主人公達や舞台設定が子供向けで、事件展開もどことなくショーっぽいというか・・・現実ではないものでしたね; 小学生や中学生の頃読んだ本を思い出しました。 |
No.4 | 5点 | メルカトル | 2010/05/27 23:47 |
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大人の読み物としてはどうかと思うが、取り敢えず探偵役の夢水清志郎のキャラで、最後まで読めはした。
しかし、子供向けとは言え、トリックや動機がミエミエで短絡的過ぎるようだ。 おそらく中学生が読んでも飽き足らないのではないかと思う。 |
No.3 | 7点 | H.T | 2009/04/05 11:08 |
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生活力は無いのに生命力はある、ネズミのような名探偵・夢水清志郎が登場する、「人が死なないのに本格ミステリー」の代表、夢水清志郎シリーズ第一弾!
遊園地が舞台というミステリーです。 子供にだけでなく、大人にも読んでいただきたいです。 そして、もっと子供のことを考えてほしいです。 |
No.2 | 6点 | シュウ | 2008/12/21 13:00 |
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とりあえず面白かったです。ただジュブナイルなので人が死なない上に犯人や動機が分かりやすいので
緊張感が薄いように思います。もう少し読者にピエロの不気味さとか遊園地から子供たちが消失する怖さとかが伝わるように 書いてもいいと思うのですが現代の子供視点で見ればこれくらいで丁度いいのかなあ。 子供の頃乱歩の少年探偵団シリーズが好きだった自分としてはもっとスリルとかおどろおどろさしさがあってもいいかなと思います。 |
No.1 | 7点 | あい | 2008/10/07 16:55 |
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子供向けの作品ではあるが、ストーリーが単純で入り組んでなくて読みやすかった。 |