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本棚探偵の回想 本棚探偵シリーズ |
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評論・エッセイ | 出版月: 2004年09月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
双葉社 2004年09月 |
双葉社 2007年10月 |
No.1 | 7点 | Tetchy | 2015/04/27 22:31 |
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第一の感想と云えば、明らかにネタ切れで苦しいところが見受けられるなぁという事。基本的に古書収集などは非常に個人的な趣味であり、仲間がいるとはいえ、これに関しては自分のことについて書かざるを得ない。もちろん対象が書物、とりわけミステリ(本書の場合は探偵小説といった方がしっくりとくるかもしれないが)であるから、自然そちらの方の知識も敷衍して、内容の幅を広げているが、そもそも古書収集趣味は活動の範囲が狭いため、その内容のベクトルは横向きに広がるというよりも内側へ深く深く掘り下げていく方向になってしまう。
しかし喜国氏はあまりにディープになるのをある一線で避けているように思え、全てにおいて不完全燃焼である印象を受けた(とはいえ、エッセイの中で触れられる本の題名はかなりディープだが)。 本書の中で面白かったのは「漂流学校」と「本棚探偵、最後の事件」だ。前者は楳図かずおの有名マンガ『漂流教室』の、後者は本歌取りしたホームズシリーズの有名な1編のパロディである。元がマンガ家なだけにこういうパロディをやると無類に面白い。 あと東京の有名な大型書店についての内容(特に八重洲ブックセンターのややこしい各階への昇降についての件に爆笑)は私自身も行った事のあるだけに実感を伴って面白く読めた。 本に関してトレーディング・カードを作ったり、神田神保町の古書店で1冊は確実に本を買うゲーム、あえて普段降りない駅で下車し、全く知らない本屋ばかりを選んで5万円分の本を買うゲームなど、なかなか面白い題材はあったのだが、いかんせんマンネリ化を感じずにはいられなかった。 こういう書物に纏わるエッセイや小説は大好きなのだが、やはりある一線で自分とは相容れない部分を感じてしまったためか、古書収集が人生を滅ぼす趣味である事を再認識してしまい、自分の中で冷めてしまったところもあったかもしれない(特に日下三蔵氏のお宅訪問の話)。 |