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[ その他 ] 森博嗣の道具箱 森博嗣 |
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評論・エッセイ | 出版月: 2008年02月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
中央公論新社 2008年02月 |
No.1 | 7点 | ∠渉 | 2015/01/31 23:55 |
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インフルエンザのおかげでちょっと活字が辛くなってたんで、リハビリがてら大好きな森博嗣の軽めのエッセイで。
小説作法的なエッセイでもなくミステリィ評論でもないのでこのサイト的にはグレィなチョイスのような気もしますが個人的には全然そうは思ってないので断行しましょうか。何より森博嗣なんで。 とまぁ身も蓋もない前置きはさておき、じゃあどんなエッセイかというと、タイトルの通り。道具をテーマにしたエッセイ集。小説よりも工作を愛してやまない著者の「物創り」の発想法とそれを支える道具の存在。 「「そんな、すべてを機械任せにするなんて、なんか寂しい。人間性を失いそうだ」と言う人がいるけれど、あれはちょっと違うように感じる。たとえば、計算をすること。これって人間的な行為だろうか?」「僕が学んだことは、「道具は効率をアップするが、不可能を可能にするものではない」という法則だ。逆にいえば、道具がないからできない、といえる事例はこの世にない。なくてもできる。道具は、もともとそれができる人を助けるだけなのだ。」「天秤を見て感じるのは、バランスがとれている平衡状態が、いかに不安定なもの、奇跡的な条件か、ということである。(中略)バランスが保たれている状態なんて、本質的に不安定なものだ、という認識が必要ではないだろうか。常に気をつけていないと維持ができない。」うーん、深い。小説よりも純度が高いのは趣味人、エンジニアとしての森博嗣から出ている言葉だからか。別に工具に興味が無くても楽しく読めるので、そこは作家・森博嗣のテクニック、巧妙である。 |