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盤面の敵はどこへ行ったか 法月綸太郎ミステリー塾・疾風編 |
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評論・エッセイ | 出版月: 2013年12月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
講談社 2013年12月 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2014/01/05 22:01 |
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法月綸太郎氏のミステリ書評集第4弾。作者による”まえがき”にもありますが、2000年以降に色々な媒体に発表した文章を三部構成にまとめたもので、寄せ集めという感もあります。
第1部は、電子出版サイトe-NOVELSの「週刊書評」掲載文を中心としたもので、ハイランド「国会議事堂の死体」、コナリー「わが心臓の痛み」など海外ミステリの書評13編収録。本書の中では書かれたのが一番古く、”フランス新本格”などの言い回しが最早懐かしく感じてしまう。媒体の関係か、氏にしてはエッセイ風のわりと軽妙な内容になっている気がする。 第2部は、内外ミステリの文庫解説の転載が中心なので既読のものが多かったが、なかでは深水黎一郎の「エコール・ド・パリ殺人事件」の解説が秀逸。これが読めただけで十分。 都筑道夫とエラリー・クイーンに関する論考が中心となる第3部が本書のコアとなるパートで、さすがに作者の力の入り具合が違いますw 「黄色い部屋はいかに~」増補版の解説である都筑道夫論は既読なのが残念でしたが、クイーンに関するネタは無尽蔵な感じで、なぜ後期の代作者がSF作家ばかりなのか?など非常に興味深く読めました。 |