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推理小説作法 あなたもきっと書きたくなる 江戸川乱歩 松本清張 共編 |
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評論・エッセイ | 出版月: 2005年08月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
光文社 2005年08月 |
No.1 | 6点 | 斎藤警部 | 2023/12/17 18:10 |
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“一貫性がないところに、かえって特徴があり、それぞれの筆者の性格からくる多様性が、ふしぎな効果をあげている。”
まえがき【江戸川乱歩】 期待を大いに持たせる紹介文。 冒頭の引用はここから。 推理小説の歴史【中島河太郎】 流石の読み応え。特に日本のミステリ古代史は良い。何度も読み返します。 トリックの話【江戸川乱歩】 今となってはマァおぼこいこと。だが往時の実作を読んでもそのトリックを唯々「古いナァ」とは思う事は少ない。やはり小説は小説、只のトリック紹介とは違う、という事実を再確認。 トリックの未来を悲観していない所は流石の乱歩さん。 動機の心理【大内茂男】 推理小説に於ける動機の意義、重要性、分類、面白味等をシリアスタッチに敷衍。「犯人側」のみならず「探偵側」の動機にも注目、という点に注目したい。 素人探偵誕生記【加田伶太郎】 流石は手練れの素ッ呆けエッセイ。 推理小説のエチケット【荒正人】 ちょいと狷介な味のある本格推理小論。 題名から受けるイメージと内容とに齟齬あり。 現場鑑識【平島侃一】 図表やイラストいっぱい。レトロな味の科学捜査手帖。『推理小説作法』に直結する一章。科学捜査は常に進展するものだが、基礎知識のおさらい(一部は覆されているかも知れないが)として、何よりミステリ興味を引き立てる調味料/スパイスとして、今でも目を通す価値大。 推理小説とスリラー映画【植草甚一】 余裕ある書き出しの掴みからして違う、流石の鋭い視点に唸るA級エッセイ。 やはり映画が観たくなる。 推理小説の発想【松本清張】 氏の小説とは異なる柔らかいタッチ。素ッ呆けること無く、自らの発想法/小説作法を適度に生々しく、適度に突っ込んだ所まで、適度なユーモア交えて明かしてくれる。これもまた『推理小説作法』に直結した愉しい一篇。 最後に公開する「創作ノート」(自らの解説付き)がまた実に良い。 あとがき【松本清張】 本書の実像とは微妙にズレた内容の事を書いている(笑)。 おそらく、寄稿が揃う前に書いたのではなかろうか。 「江戸川乱歩・松本清張 共編」という編者名こそが訴求力ある最強キャッチコピーとなっている一冊。 内容のバラけ具合や、前述の清張「あとがき」の様子から、また乱歩「まえがき」の前述引用部分から見ても、共編て実際はどんなもんだったろうなあという感じだが、結果的に(名著とは言い難いが)面白い一冊になっているのは間違いない。 |