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21世紀本格宣言 島田荘司 |
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評論・エッセイ | 出版月: 2003年06月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
講談社 2003年06月 |
講談社 2007年12月 |
No.2 | 6点 | 江守森江 | 2011/01/03 14:55 |
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以前読んだ時は(分厚さに辟易して島荘作品から離れた後で)図書館の棚で目に留まり眺める程度だし、島荘の主張にも関心が薄かった。
最近、再び図書館の棚で目に留まり借りて来て再読したら、島荘の掲げたテーマと主張の殆どが他作家の国内本格ミステリで書かれるより、最近ハマっているアメリカ制作のミステリー・ドラマで存分に発揮されている事に驚いた。 主張が映像向きな事は確かだし、ミステリー好きなアメリカ人でも島荘の主張なんて知らないだろうから、アメリカ在住時に(日本の遥か先を行く)ミステリー・ドラマを観て感化されたのではないだろうか(島荘がドラマを観たか不明だし、あくまで私の推測なので違ったらご勘弁) 上記の視点で、どの主張やテーマがどの海外ドラマに該当するか?考えながら読むと興味深く面白かった。 |
No.1 | 7点 | Tetchy | 2010/11/16 21:45 |
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本書を読むにつけて、改めて島田荘司という作家が他の本格ミステリ作家と一線を画した存在である事を再認識した。
そう思うのは日本の歪んだ歴史を学ぶことから派生した都市論、宗教論、冤罪事件、そして最近では脳生理学の分野などに関心を持っているからだ。つまり他の本格ミステリ作家がコード型本格ミステリ、ならびにそれを越えようとする明日の本格、誰も読んだ事のない奇抜な本格ミステリを模索している、 つまりジャンルの深部へ目線は向かい、内へ内へ潜っていっているのに対し、島田氏の視点は、創作の外側で今起きている事、つまり外側へ興味が向かっていること、これが決定的に違う。 そしてこれがまた島田氏の孤高性を象徴しているかのように思える。 まあ、還暦を迎えてますます意気盛んな島田荘司。 やはり島田はこうでないといけないのかもしれない。 |