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日々の暮らし方 別役実 |
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評論・エッセイ | 出版月: 1990年02月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
白水社 1990年02月 |
白水社 1994年09月 |
No.1 | 5点 | メルカトル | 2023/09/28 22:29 |
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「正しい散歩の仕方」「正しい自転車の乗り方」「正しい風邪の引き方」など、身近な作法が分からないで毎日を困惑と不安で過ごしているアナタ。人に聞くのをためらっているアナタ。物事はすべからく前向きに考えようではありませんか。来し方を反省するも良し、来るべき未来に思いを馳せるのもまた良し。充実した人生をと願うすべての人に捧げる、45項目に及ぶユニークでユーモアに溢れた別役版「正しい日々の暮し方」。
『BOOK』データベースより。 『主婦の友』のお友達のようなタイトルのエッセイ集。ですが、経験談を基にそれを多少脚色したものをエッセイと呼ぶのなら、本書はエッセイではありません。著者は確固とした信念に基づいた持論で日々の何気ない、何処にでもある事柄を題材とし、独自の理論を展開しています。しかし、それらははっきり言ってしまえば嘘八百であります。まあこれを真面に受け取って、じゃあ実践してみようと思う人はいないでしょうが。ある意味本書を「日常の謎」の方向へ強引に持って行っているのは著者自身で、ありもしない法則や定理、史実をさも現実の様に書いているいかさまの如き偽書です。 ミステリに寄せていると思われるものは『正しい誘拐の仕方』『正しい死体の取り扱い方』『正しい死刑の仕方』の三編。ある誘拐事件を取り上げて、誘拐犯をなっていないと叱ったり、死体が玄関の前に転がっているのを見て、警察に通報するでもなく生ごみとして処理しようとしたり、法務省に電話して「是非この手で死刑執行をしてみたい」と宣ったり。 なるほどそういう事なのか、ではなくなるほどそういう考え方もあるのか、という捉え方というか読み方もありますので、どうせなら本書をそんな形で楽しんでしまったほうが得策と言えるでしょう。そうじゃないだろう、不真面目だと怒り出す人が正常な感覚の持ち主かも知れません。 |