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快楽としてのミステリー 丸谷才一 |
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評論・エッセイ | 出版月: 2012年11月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
筑摩書房 2012年11月 |
No.1 | 7点 | kanamori | 2013/01/05 11:45 |
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昨年亡くなった丸谷才一氏の書評・エッセイ・評論集。「快楽としての読書」日本篇・海外篇につづく第三弾で、本書はミステリー小説に特化した内容になっています。
取り上げる作品が古典から007、松本清張、大沢在昌「絆回廊・新宿鮫Ⅹ」まで、年代もジャンルも幅広いのがまず驚きです。 「ハヤカワ・ポケット・ミステリは遊びの文化」と題した瀬戸川猛資・向井敏両氏との鼎談を収めた第1部が、ポケミス愛にあふれた内容で、同じポケミス・ファンとして楽しめた。今年はポケミス発刊60周年なので、絶版本の復刊フェアが期待できるかも。 「深夜の散歩」(マイ・スィン)からの再録は懐かしい。フリードリヒ・デュレンマット「嫌疑」「約束」や、ポール・ソマーズ(アンドリュウ・ガーヴ)の「震える山」などの忘れられた作品が個人的に気になる。 そういった中で、やはりレイモンド・チャンドラーを取り上げる回数が多いのですが、最近の書評で、清水俊二の「長いお別れ」と村上春樹の「ロング・グッドバイ」を比較したものが秀逸です。そういえば、和田誠氏による本書のカバー・イラスト=黒猫を抱いてパイプをくゆらす紳士、これってチャンドラーですね。 |