皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
真田啓介ミステリ論集 古典探偵小説の愉しみⅡ〔増補版〕悪人たちの肖像 |
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評論・エッセイ | 出版月: 2024年12月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 論創社 2024年12月 |
No.1 | 7点 | 弾十六 | 2025/01/03 04:52 |
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元版2020年6月荒蝦夷(初版500部)を増補して再刊。最初の同人誌?を買いそびれた私はヤフオクなどを探す毎日でした。
こういう書籍はネタバレが怖くて読めないのですが、著者は★★★や☆☆☆マークで文中で事前に注意するという工夫をこうじていて安心ですね! ネタにされてるのが結構ここにも感想文を書いたのとかぶっていて、読むのが楽しみです! 以下、目次。版元も全貌を公開してないので一覧を作りました。 冒頭の★はこの増補版で追加されたもの。タイトル後の[ ]内は初出です。 <1>イングランド・スコットランド・アイルランドの作家たちの章 ●ゴシック・ロマンを読みすぎた少女[ROM2015-01] ●魔神アスモデの裔[本棚の中の骸骨2011-08] ●『月長石』の褪せぬ輝き[ROM2011-12] ●シャーロック・ホームズという人生[ROM1995-01] ●クロフツ『樽』を論ず[ROM1996-10] ★『樽』のミスを論ず[ReClaM2020-04] ★クロフツ『ポンスン事件』を論ず[ROM2002-07] ●クリスティ『スタイルズの怪事件』を論ず[ROM1998-06] ●セイヤーズ短篇集『顔のない男』解説[創元推理文庫2001-04] ●ヘンリー・ウェイド入門の記 『The Missing Partners』読後感[ROM2000-12] ★紳士が警察官を志すとき(ウェイド『ヨーク公階段の謎』解説)[論創社2022-09]【「ウェイド既訳長篇ガイド」と差替え】 ●フィルポッツ問答(ヘクスト『テンプラー家の惨劇』解説)[国書刊行会2003-05] ●フィルポッツ『灰色の部屋』を論ず[ROM2000-03] ●なぜに「駒鳥」名付けたか?[ROM1984-12] ●わたし とキューピットがいいました(ヘクスト『だれがダイアナ殺したの?』解説)[論創社2015-07] ●あるエゴイストの犯罪(フィルポッツ『極悪人の肖像』解説)[論創社2016-02] ●また一人、<悪人>の創造(フィルポッツ『守銭奴の遺産』解説)[論創社2016-06] ★エドガー・ラストガーデンの『ここにも不幸なものがいる』 レディに薦める殺人物語⭐︎その第三冊[謎謎通信1986-05] ●<鬼>を呼び起こす密室物の傑作(デレック・スミス『悪魔を呼び起こせ』解説)[国書刊行会1999-11] ●時計が巻き戻されるとき(ディヴァイン『ロイストン事件』解説)[現代教養文庫1995-05] ●いま一人の女王、再登場(メアリー・スチュアート『霧の島のかがり火』解説)[論創社2017-08] ●ファンタジーの巨匠が残した唯一のミステリ作品集(ダンセイニ『二壜の調味料』解説)[ハヤカワ文庫2016-11] ●探偵小説とウッドハウス(『エムズワース卿の受難録』解説)[文藝春秋2005-12] ●ウッドハウスの二大人気シリーズ[ROM2003-09] <2>大西洋と太平洋の彼方の作家たちの章 ●異彩を放つ超本格派(ストリブリング『カリブ諸島の手がかり』解説)[国書刊行会1997-05] ●文豪、座談家、ときたま探偵(デ・ラ・トーレ『探偵サミュエル・ジョンソン博士』解説)[論創社2013-11] ●動かす力としての愛(マーガレット・ミラー『雪の墓標』解説)[論創社2015-10] ●バンコランの変貌(カー『四つの凶器』解説)[創元推理文庫2019-12] ★レーン四部作を論ず[ROM2015-10] ●探偵小説が若かった頃[SRマンスリー1990-05] ●江戸川乱歩の「探偵小説の定義」をめぐって 紀田順一郎『乱歩彷徨』の読後に[ROM2012-06] ●犯罪と探偵 --- 「陰獣」論[書斎の死体1985-02] ●夢の終焉 --- 「パノラマ島奇談」論[書斎の死体1985-02] ●明智小五郎の部屋[書斎の死体1985-02] ●乱歩に対峙する気魄の目録[世界探偵小説全集 月報18(第22巻)国書刊行会1997-08] ●三読して『本陣』の美質を知る[創元推理倶楽部秋田文科会1998-12] ●金田一耕助はなぜ留置場へ入れられたか[創元推理倶楽部秋田文科会2003-12] ★よくわかる『ドグラ・マグラ』 創元推理文庫版・日本探偵小説全集4『夢野久作集』読書会報告[謎謎通信1986-02] ★パズルを超えて[地下室1984-12] ●第四の奇書『生ける屍の死』[SRマンスリー1990-01] ●欲望と論理のアラベスク(「狩久全集」第五巻解説)[皆進社2013-02] ●六十年前のアンソロジイから[ROM1989-07] ●Revisit Old Memories 「ROM」百号に寄せて[ROM1997-08] ●加藤さんの最後のご厚意 「ROM」主催者・加藤義雄氏追悼[ROM2013-12] ★集める・読む・生かす[日本近代文学館2020-11] ★古典探偵小説の魅力[河北新報2021-05-12] (以下2025-01-03 13:52追記) p125 『灰色の部屋』で "ヘンリー・ジェイムズが「二流の作家」と言われている…" とありますが、ここは前に私の感想文に書いたとおり、誤訳です。 【以下再録】 創元文庫 p254 アンドレア・デル・サルト… ヘンリー・ジェームズは二流の画家だといってるけど、ジェームズ自身が二流の作家だからでは(Andrea del Sarto… but Henry James says he's second-rate, because his mind was second-rate, so I suppose he is)◆ここの代名詞(he, his)は常にデル・サルトを指す… 試訳「ヘンリー・ジェームズは二流の画家だと言う、了見が二流だからと。そうかもしれない」【再録ここまで】 話者はヘンリー・ジェイムズに同調してるのです。 今回、Henry Jamesの元々の発言を探してみました。 Andrea del Sarto, that most touching of painters who is not one of the first... ["Italian Hours"(1909) Italy Revisited, part VI] これが見つかりましたが、 mindについてどっかで言ってるのかなあ… この文章を見るとヘンリーさん、かなりサルトが好きそう。今日はこんなところで。 |