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[ サスペンス ]
倫敦から来た男
ジョルジュ・シムノン 出版月: 2009年10月 平均: 6.50点 書評数: 4件

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河出書房新社
2009年10月

グーテンベルク21
2023年10月

No.4 7点 レッドキング 2024/02/07 21:53
江戸川乱歩は正しい。短気で横柄、気分屋で人好きしない主人公の鉄道員は、一見、ラスコーリニコフとは似ても似つかない・・あんな美形でも若くもなく、天使の如き恋人も男気溢れる友もいない・・。それでも、この作品は、何故に男が罪びとにならざるを得なかったのか、そして、それを告白せざるを得なかったのかを、解明としてではなく、小説として描いている。「罪と罰」同様にミステリとは言えんが、目をつぶってオマケしたく。

No.3 4点 あびびび 2018/06/04 15:20
(ネタバレかも知れないが、元々はそういう小説?)

うまく行くのか?いや、それは絶対ない。あとは破滅だけと言う、先行きの見える物語はどうも自分には合わない。その間の苦悩、後悔先に立たずという流れは、多分自分でもそうなったという思いはあるが、倫敦から来た男というミステリアスな題名にひかれてしまった感がある。

No.2 8点 2011/03/28 09:56
マロワンが物置で男と対峙する場面や、事件のことを刑事に打ち明ける場面の緊張感は読み手もいっしょに味わえる、すさまじいほどの感覚です。
転轍手という孤独な職を持つ男がある事件に遭遇し、破滅へと向かっていく、哀しい悲しい物語です。たんなる犯罪文学、サスペンス小説という括りでは捉えられない文学性ゆたかなミステリーでした。
事件を目撃しなかったら、そして大金を手にしなかったら、貧しいながらも平穏な日々を送れたのに、と心の底から同情してしまいます。運命の歯車が狂うというのは、まさにこういうことを言うのでしょう。主人公・マロワンの揺れ動く心境に、港町デイエップの潮の香りが漂ってきそうな情景描写が妙に合っていました。
訳者あとがきには、著者のドストエフスキー文学との関わりあいについて触れてあり、この解説も含め読み応え十分な一冊でした。シムノンが文豪と呼ばれる意味がわかってきたような気がします。

No.1 7点 2010/08/16 20:40
50年以上前に雑誌掲載されて以来絶版のままだったのが、昨年たしか3度目の映画化にあわせて、やっと新訳が出たシムノンの「本格小説」初期を代表する作品です。
港で起こった殺人事件を目撃した男、というとメグレもの『港の酒場で』との共通点も感じますが、本作はその目撃者の立場から描かれます。この目撃者マロワンが夜勤の港湾線路切替手であるという設定が、うまくできています。殺人と言っても、殺意があったかどうか明確ではありませんが。争いの動機となった鞄からマロワンが見つけたものは大金…それをどうするか決断のつかないままに、大金を持っているという意識だけ奇妙にふくらんでくるあたり、シムノンらしいタッチです。
警察が見張りを続ける港町で、目撃者と殺人者どちらもお互い疑心暗鬼、その状況が破局に向かっていくさまが描かれます。
20年ぶりぐらいに再読してみて、最後の事件が起こった後のエピローグとも言える最終章がこんなに長かったっけ、という感じでした。


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ジョルジュ・シムノン
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平均:5.00 / 書評数:1
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平均:4.00 / 書評数:2
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平均:6.00 / 書評数:4
メグレとリラの女
平均:6.00 / 書評数:3
1978年06月
メグレ夫人の恋人
平均:6.50 / 書評数:2
メグレと録音マニア
平均:5.00 / 書評数:4
メグレとひとりぼっちの男
平均:5.50 / 書評数:2
1978年05月
メグレの財布を掏った男
平均:6.00 / 書評数:1
メグレと田舎教師
平均:6.00 / 書評数:3
1978年04月
メグレの打明け話
平均:5.50 / 書評数:2
メグレ夫人のいない夜
平均:6.00 / 書評数:4
1978年03月
メグレと妻を寝とられた男
平均:5.75 / 書評数:4
1978年02月
メグレと宝石泥棒
平均:5.75 / 書評数:4
1977年12月
メグレと優雅な泥棒
平均:5.67 / 書評数:3
メグレとベンチの男
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1977年10月
重罪裁判所のメグレ
平均:5.00 / 書評数:2
1977年09月
メグレと政府高官
平均:6.00 / 書評数:3
1977年08月
メグレと消えた死体
平均:6.00 / 書評数:3
1977年07月
メグレ式捜査法
平均:5.00 / 書評数:3
1977年06月
メグレ夫人と公園の女
平均:6.50 / 書評数:2
1977年05月
メグレの初捜査
平均:6.50 / 書評数:2
1977年04月
メグレ、ニューヨークへ行く
平均:6.67 / 書評数:3
1977年03月
メグレたてつく
平均:7.00 / 書評数:2
1977年02月
メグレと首無し死体
平均:6.25 / 書評数:4
1977年01月
モンマルトルのメグレ
平均:6.75 / 書評数:4
1976年12月
メグレと口の固い証人たち
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1976年10月
メグレと火曜の朝の訪問者
平均:6.00 / 書評数:5
メグレの途中下車
平均:5.00 / 書評数:3
1976年09月
メグレ間違う
平均:5.67 / 書評数:3
メグレと殺人者たち
平均:7.00 / 書評数:4
1975年01月
Chez Krull
平均:5.00 / 書評数:1
1973年04月
メグレの回想録
平均:5.67 / 書評数:3
1972年11月
メグレと若い女の死
平均:7.00 / 書評数:3
1970年06月
ビセートルの環
平均:6.00 / 書評数:1
1970年05月
フェルショー家の兄
平均:5.00 / 書評数:1
妻のための嘘
平均:6.00 / 書評数:1
1970年04月
ドナデュの遺書
平均:5.00 / 書評数:1
1970年03月
日曜日
平均:6.00 / 書評数:2
1970年02月
港のマリー
平均:6.00 / 書評数:1
1969年11月
新しい人生
平均:8.00 / 書評数:1
1969年10月
片道切符
平均:6.00 / 書評数:1
1969年08月
ストリップ・ティーズ
平均:6.00 / 書評数:1
1963年08月
13の秘密
平均:6.50 / 書評数:4
1961年11月
娼婦の時
平均:6.50 / 書評数:2
1961年08月
メグレと死者の影
平均:6.00 / 書評数:3
1961年07月
死んだギャレ氏
平均:6.00 / 書評数:1
1961年04月
港の酒場で
平均:6.00 / 書評数:2
1961年01月
メグレ警部と国境の町
平均:6.00 / 書評数:2
ベベ・ドンジュの真相
平均:7.00 / 書評数:2
メグレと老婦人
平均:6.00 / 書評数:3
1960年11月
アルザスの宿
平均:6.33 / 書評数:3
1960年09月
オランダの犯罪
平均:6.50 / 書評数:4
1960年05月
怪盗レトン
平均:6.00 / 書評数:3
1960年04月
サン・フィアクル殺人事件
平均:5.25 / 書評数:4
1958年11月
上靴にほれた男
平均:5.50 / 書評数:2
1958年10月
可愛い悪魔
平均:6.50 / 書評数:2
1958年07月
死体が空から降ってくる
平均:6.50 / 書評数:2
1958年05月
メグレ罠を張る
平均:7.33 / 書評数:6
1957年10月
カルディノーの息子
平均:6.00 / 書評数:2
1957年05月
ベルの死
平均:6.50 / 書評数:2
1957年01月
メグレと無愛想な刑事
平均:6.00 / 書評数:4
1956年12月
リコ兄弟
平均:7.33 / 書評数:3
1956年06月
帽子屋の幻影
平均:6.33 / 書評数:3
1955年11月
メグレのバカンス
平均:6.67 / 書評数:3
1955年07月
判事への手紙
平均:5.00 / 書評数:1
1955年03月
家の中の見知らぬ者たち
平均:7.00 / 書評数:2
1955年02月
雪は汚れていた
平均:8.40 / 書評数:5
1955年01月
メグレとしっぽのない小豚
平均:7.00 / 書評数:2
1954年12月
霧の港のメグレ
平均:6.00 / 書評数:2
1954年03月
汽車を見送る男
平均:8.00 / 書評数:2
1953年10月
メグレと深夜の十字路
平均:6.60 / 書評数:5
1952年09月
北氷洋逃避行
平均:6.00 / 書評数:2
メグレと運河の殺人
平均:5.33 / 書評数:3
1950年08月
サン・フォリアン寺院の首吊人
平均:7.20 / 書評数:5
1950年05月
男の首
平均:6.29 / 書評数:7
黄色い犬
平均:6.12 / 書評数:8
不明
死の脅迫状
平均:3.00 / 書評数:1
メグレと奇妙な女中の謎
平均:7.00 / 書評数:2
メグレと謎のピクピュス
平均:7.50 / 書評数:2
猶太人ジリウク
平均:7.00 / 書評数:1
ダンケルクの悲劇
平均:6.00 / 書評数:1
下宿人
平均:8.00 / 書評数:1