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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] Le suspect |
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ジョルジュ・シムノン | 出版月: 1998年12月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
Editions Flammarion 1998年12月 |
No.1 | 7点 | 空 | 2011/09/01 20:55 |
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タイトルはもちろん「容疑者」の意味。
何の容疑者かというと、なんと爆弾テロなのです。フランスにいられなくなって、ブリュッセルに住んでいる理論的アナーキストのシャヴが主人公です。ある日旧知の「男爵」が職場を訪ねてきて、パリ近くの工場での爆弾テロが計画されていることを彼に知らせます。実行は、シャヴがかわいがっていたロベールらしいということ。 テロ行為には反対のシャヴはその計画を中止させるため、仕事を放りだして、即刻自転車で国境を越え、パリに向かいます。しかし、テロ計画をかぎつけ、「男爵」を尾行していた警察は、シャヴをテロ実行の容疑者として手配するのです。一方でパリに住むシャヴの昔の仲間たちは、シャヴが警察へ密告した裏切者だと考えていました… というわけで、普通に考えればなんともシムノンとは縁遠いアクション・スリラーっぽいプロットです。それにもかかわらず、読んでみるとこれがシムノン作品以外の何物でもないという心理描写で綴られたエンタテインメントになっています。 |