皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格 ] 丸裸の男 名探偵エミールの冒険 |
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| ジョルジュ・シムノン | 出版月: 1998年10月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 2件 |
![]() 読売新聞社 1998年10月 |
| No.2 | 5点 | クリスティ再読 | 2026/05/06 22:32 |
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| 読売新聞社での「О探偵事務所」第三弾。この本は連載前半で4作収録。「掘立て小屋の首吊り人」と「入り江の三艘の船」の間に相当する作品。
いやどれも出だしがキャッチー。「丸裸の男」ならば、浮浪罪一斉検挙で捕まった中に有名弁護士の姿を見つけたトランス。なぜ売れっ子弁護士が浮浪者に身をやつして?「モレ村の絞殺者」は同じ観光地にある隣り合わせの2軒の宿屋の同じ9号室で、同じ名前と出身地を名乗る男が同時に殺害された!「シャープペンシルの老人」ならカフェテラスで憩うエミール君は突然モールス信号による秘密の会話が客同士の間で交わされていることに気が付く...「ブロメ通り、22番地、4階」という秘密のメッセージに導かれたエミール君はその住所を訪れる。果たしてそこには男の死体が...と素晴らしい始まり方をする作品が続いている。まあ「モレ村の絞殺者」ではこんな奇妙な殺人事件が話題になって、その観光地が大賑わいという皮肉な状況が描かれるし、意外に根の深い背景があったりする。 う~ん、でも比較的ガチャガチャした展開が多いかな。メグレとは違い、行動派というあたりの作劇のために、立ち止まらずにどんどんと話が進むタイプのミステリ。リュカ警視とかジャンビエ刑事までトランスの元同僚として登場するし、リュカは自信なさげにメグレの真似っこしている。 「ミュージシャンの逮捕」では捏造証拠を隠ぺいするために、冤罪を仕掛けた男の眼をそらすためにトランスくん、その男を一発殴る。うんだから、そういうノリの小説だね。 |
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| No.1 | 5点 | 空 | 2014/03/16 15:54 |
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| O探偵事務所の事件簿第3巻に収録されている4編中、事件調査を依頼されて始まるのは最後の『ミュージシャンの逮捕』だけです。それさえ、所長のトランス元刑事の知人であるミュージシャンが逮捕されそうだと緊急の助けを求めてきたものです。この作品の真相は最初から明らかなのですが、証拠隠滅を図ったとしてトランスがパリ警視庁局長に呼び出しをくらい、冷や汗をかくことになるという、サスペンス系な展開です。
最初の表題作は有名な弁護士が一斉取り締まりで検挙された連中の中にいることにトランスが気づく、という出だしは魅力的ですが、解決はまあまあ程度。次の『モレ村の絞殺者』が同名を名乗る二人の老人が同夜に絞殺されるという冒頭の謎も、その謎解きもよくできています。ただし、かなり複雑な事件なので、もっと長くした方がよかったでしょう。『シャープペンシルの老人』は、まあこんなものかな、という程度でした。 |
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