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[ 警察小説 ] メグレ夫人と公園の女 メグレ警視 |
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ジョルジュ・シムノン | 出版月: 1977年06月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
河出書房新社 1977年06月 |
河出書房新社 1983年01月 |
No.2 | 7点 | クリスティ再読 | 2022/06/14 12:11 |
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中期メグレって本当に、楽しい。
まずそれが最初に口をつくくらいに、エンタメとして完成された面白さがあって、外さない。メグレ夫人がタイトルにフィーチャーされた本作は、公園でメグレ夫人が知り合った女性に子供を預けられるけども、なかなかその預けた女性が現れなくて、歯科医の治療もキャンセルになとるわメグレの昼食もパーになるわ....ととんだ発端から話が始まり、「死体なき殺人」の投書から始まる事件を捜査するメグレと、メグレ夫人の災難が微妙に交錯してくる話。 中盤メグレ夫人が全然登場しなくなるので、あれ?とはなるのだが、実は実はの女性ならではの活躍をメグレに隠れてしていて、その返礼に捜査真っ最中の土曜日に、メグレは夫人を誘ってお気に入りのアルザスレストランへ、そして映画館へ..これがなかなか洒落たエピソード。しかもそれに近い話が、事件発覚の手がかりになっていたリする。 そして本作の「敵役」になる無節操な弁護士と元風紀警察の私立探偵との駆け引きも、話を複雑にしている....メグレ物のミステリとしての特徴は、こういう何気ない「要素」が、いわゆる「ミステリの伏線」とは全然別のかたちで、小説としてのまとまりを作り出しているあたりだと思う。 メグレ物の後期で「力が落ちた」と感じる原因は、事件の展開だけになってきて、「余計な」楽しい要素が減ってきているためじゃないか...なんて思う。 偶然といえば、偶然。それでもそれが「天の配剤?」なんて思えるのが、シムノンの力量というものなのだろう。 |
No.1 | 6点 | 空 | 2010/10/14 21:51 |
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メグレ夫人が事件の捜査をする、なんていうところが楽しい作品です。
彼女が公園で出会った女に関連してちょっとした災難に会うのが発端です。そのことが、警視が担当していた事件とどうやら繋がりがあるらしいということがわかってきて、メグレ夫人も一人で聞きこみ調査を行って、夫をびっくりさせます。そんなに高齢ではありませんが、なんとなくミス・マープルをも思わせるセリフも口にしたりして。 死体のない殺人事件とメグレ夫人の災難との結びつきは最後に明かされますが、それなりに意外性もありうまく考えられています。 全体的に軽快な感じがする作品になっています。殺人事件捜査のきっかけとなった匿名の手紙の筆者は、最後の1文で明かされますが、この書き方もなかなか気がきいています。 |