皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] 老婦人クラブ 名探偵エミールの冒険 |
|||
---|---|---|---|
ジョルジュ・シムノン | 出版月: 1998年08月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
読売新聞社 1998年08月 |
No.1 | 6点 | 空 | 2014/03/04 23:02 |
---|---|---|---|
赤毛のエミールが活躍するO(オー)探偵事務所の事件簿シリーズ第2巻には、3編が収録されています。
最初の『むっつり医者と二つの大箱』では、メグレもの常連のリュカ部長刑事がこのシリーズでは初登場して、司法警察での容疑者尋問という、それこそメグレものでは毎度おなじみのシーンも出てきます。この作品は、3編の中では最も正統的な謎解きパターンと言えるでしょう。真相はごく単純ですが、タイトルの医者のキャラクターが際立っています。 『地下鉄の切符』は探偵事務所を訪ねてきた男は既に瀕死の状態で、ダイイング・メッセージを残して死んでしまうという、期待を抱かせる発端ですが、解決は今ひとつでした。魅力的な発端と言えば、『老婦人クラブ』も奇妙な事件で、「犯人」は最初からわかっているホワイダニット系作品です。エミールが過去に会ったことのある人物が登場したりして、展開の意外性があり、なかなか楽しめました。 |