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はじめて話すけど… 小森収インタビュー集
各務三郎、皆川博子、三谷幸喜、法月倫太郎、石上三登志、松岡和子、和田誠/文庫化改題『はじめて話すけど…… 小森収インタビュー集』(北村薫インタビューを新規追加)
評論・エッセイ 出版月: 2002年07月 平均: 7.00点 書評数: 2件

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2002年07月

東京創元社
2023年12月

No.2 6点 人並由真 2024/02/14 15:51
(ネタバレなし)
 新刊の文庫版で読了。
「~傑作である。」小森収のことは、書評家&ミステリ研究家としてはそれなりに評価している(実作者としては、残念ながらダメダメだったが・汗)。
 なのでどーにも、このヒトのインタビュー集ならと、事前の期待値が爆上がり。その結果、全体的に良くて当たり前。物足りないところや興味の接点がないところを減点する部分が強調されるという、あまりよくない読み方をしてしまった。

 各務三郎(太田博)に関しては、なんで世界ミステリ全集の話題を聞いてくれなかったんだろう。
 ほぼ満足したのは石上石上三登志くらいであった。あと三谷幸喜は『スパイ大作戦』談義の箇所がケッサク。これは同番組ファンなら必読のインタビューだと思う。

 松岡和子あたりに関しては、インタビュアーが会いたかったのはわかるが、ちょっとこのまとまりのインタビュー本、インタビュー企画路線のなかで取材するのは人選ミスではないか? と、狭量で無教養な自分などは思ってしまった。とはいえいきなりトクマノベルズ版の87分署の話題などが出てくると、ミステリファンとしてコーフンする。
 で、小森、なんでそこで、当時いきなりなぜ2冊だけ、87分署の翻訳権を徳間が横取りしたのか、ファンなら誰もが当時驚いて気になった裏事情を訊かない? 聞いてインタビュイーが答えられない(事情を秘匿したい)場合はその旨の会話を書いてあることも多いんだから、そーゆー記述ができるハズだ(まあ、個々の取材対象側の方のチェックで削除した可能性もあるが)。

 得点的にはもちろん幅広い世代のミステリファンが読んでおいてソンはない一冊ではあるが、一方でその随所の中途半端さゆえ、アレコレとフラストレーションがたまる面も無きにしも非ず。

No.1 8点 弾十六 2020/04/29 19:01
2002年出版。各務三郎(太田博)といえば、早川書房ミステリマガジンには功労者としての扱いが(常盤新平とともに)公式にはされておらず(今もそうなのかな?)何かあったんだろうなあ、とずっと思っていた。日影丈吉さんが編集長交代の数号後にHMMの連載エッセイ中で「太田くんが辞めたそうだ。組合がらみということだが残念…」(未確認引用)と書いていて、ああそうか、組合トラブルだったのか…と納得はしたものの、事情がずっとわからなかった。
最近活躍中の編集者、小森さん(各務の大ファンらしい)がインタビューしてくれてて、すごく面白い。
結局、二人が早川を去った理由はジュニアとの確執らしいので、今でも早川公式はネタに出来ないよね…
他にもHMM関連では石上三登志も収録されています。当時のHMMファン必読。
その他は皆川博子、三谷幸喜、法月倫太郎(アントニー・バークリーについて)、松岡和子、和田誠(この本の表紙絵も担当)のインタビューを収録。
ちゃんと相手の知られざるネタを引き出していて非常に素晴らしいインタビュー集。誰か一人でも引っかかるならお薦めです。


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