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[ 本格 ]
スタイルズ荘の怪事件
エルキュール・ポアロ
アガサ・クリスティー 出版月: 1957年01月 平均: 5.92点 書評数: 38件

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早川書房
1957年01月

新潮社
1959年06月

東京創元社
1961年01月

東京創元新社
1963年01月

角川書店
1971年01月

早川書房
2003年10月

東京創元社
2021年04月

No.38 6点 ひとこと 2023/05/30 21:51
デビュー作なので少しおまけ 

No.37 6点 Kingscorss 2020/09/04 05:40
アガサ・クリスティーのデビュー作であり、探偵ポワロ&ヘイスティングス初登場の歴史的作品。後の大傑作群の礎的作品なので、ミステリーファンなら必ず読むべきだと思います。

動機、プロット等、デビュー作としては全体的には質の高い作品だが、ミステリーや謎解き部分はまだ完成度がそれほどでもなく、粗も目立つ。まず、第一章でいきなり登場人物のほぼ全員が出てきて、それが結構な人数なので誰が誰だか覚えるまでかなり大変。名前も覚えにくく、混乱以外の何物でもない。読了するまで何回か登場人物表見直すこと必至。また、犯人候補が最後まで二転三転するが、どうにか読者を欺いてやろうみたいなきらいが全面に出てしまっており、無理な構成が鼻につく。推理の最後のワンピースは、おいおいそれはいくら何でも唐突に出現しすぎでダメだろう…というような証拠で、その証拠が最後まで残っていた理由も結構ありえないもの。(見られたら即バレ、言い逃れ不可な証拠を簡単に処分できるにもかかわらず、ほったらかしで残す犯人とかありえない) 全体的にもテンポが悪く読んでて疲れる部分も。

個人的に残念だったのは、ポワロ初登場作なので、ポワロの名探偵誕生秘話とかヘイスティングスとの初めての出会いや友情を育むまでのことが書かれてあると思ってたら、ポワロシリーズの一つみたいな普通のノリで二人共出てきて、ポワロはすでに名探偵、ヘイスティングスとも既に友人だったのでがっくり来た。

総評としては、デビュー作なのでまだまだ完成度は高くないが、記念すべき作品なのでポワロファンなら必読です!なので、おまけで+1点しました。

No.36 5点 いいちこ 2019/12/01 17:53
「とにかく犯人を捻ってやろう」と無理をしすぎていて、多すぎるガジェット、細かすぎる手がかり、明快さに欠けるプロット等、その副作用が強く目に付く。
その結果、誰が犯人と言われても納得せざるを得ないような、著者によるお手盛り感満載の作品になっている。
それでいて真犯人を決定づける証拠が無粋で面白味がない。
捜査プロセスにおける論理性の高さ等から5点の最上位と、水準には達しているものの、著者の作品としては凡庸であり、その後のすばらしい成長を逆説的に印象付ける作品

No.35 5点 弾十六 2019/09/01 22:40
アガサファン評価★★★☆☆
1920年10月出版John Lane (New York)、英国版は1921年1月。早川書房のクリスティー文庫(kindle版)で読みました。
意外にも初出は新聞連載(18回)。The Times newspaper's Colonial Edition (aka The Weekly Times) from 27 February (Issue 2252) to 26 June 1920 (Issue 2269) (wiki)
このThe Times Colonial EditionというのがWeb検索でもヒットしません。The Times Weekly Edition 1920-8-27が(なんと)ヤフオクに出てましたが、多分、この週刊紙のことだと思います。毎週金曜日発行、6ペンス。写真やイラストが豊富な週間新聞のようです。殖民地版ということは大英帝国のニュースを一週間分まとめてイラスト付きで各殖民地に報道する趣旨なんでしょうか。他にどんな小説が載ってたのか気になります。なおアガサさんの次作『秘密機関』もこの週刊紙に連載してます。
アガサさんのデビュー作。さて小説の内容は、フェアな本格探偵小説らしい小説。(見取り図や手紙のコピーもいかにもな感じで登場。) でもポアロがヘイスティングズに途中経過を一切説明してくれないので読者もイライラしちゃいます。全体の組み立てはまだアマチュアっぽい感じ。登場人物はぎこちなさがあり、男たちが総じて上手く描けていません。(特にヘイスティングズ。) 初期のアガサさんらしい、ロマンチックな仕上がりなので良しとしましょうか。(自伝とか創作ノートとか参考書を読んだ上で評を書こうか、と思ってたのですが、なんか今はその気分じゃないので、後で気が向いたら追記します。)
さてトリビアです。ページ数は電子本なので全体(3705ページ)との比率で考えてください。
作中時間は7月16日が月曜日、と明記されてるので1917年。
p75/3705 一カ月の疾病休暇(a month’s sick leave)… 友人に出会う: 「緋色の研究」の冒頭のシチュエーションと一致。
p75 十五歳も年上(He was a good fifteen years my senior)… 45歳(he hardly looked his forty-five years): a goodなので「少なくとも、以上」のニュアンスか。ならばヘイスティングズは30歳そこそこかもっと若い感じ。
p117 二十歳以上も年下の男と: のちにアガサさん自身が14歳年下と再婚するとは…
p121 多少はガソリンが手に入る… 大きな戦争が避けがたい結末に向かって突き進んでいる: この時点ではまだ戦時下、という設定。もちろんWWIのこと。
p140 電文のような省略した話し方: 誰か実在のモデルがいたのでしょうね。
p191 戦争が始まるまではロイド保険協会: ヘイスティングズの(意外な)前歴。
p199 犯罪捜査… シャーロック ・ホームズ… 探偵小説: 黄金時代の特徴。探偵小説を読みすぎた者たちが小説のような事件に遭遇する前フリ。
p216 目とまつげが黒かったら 、さぞ美人(With dark eyes and eyelashes she would have been a beauty): この感覚はちょっと分からず。この娘は赤毛だからダメなのかな?
p233 夕食は七時半… 夜の正餐は遠慮して… 倹約の範(Supper is at half-past seven. We have given up late dinner for some time now.… an example of economy): そーゆー倹約もあったのですね。
p513 ガス灯: 廊下ではロウソク。室内にはガス灯がついてます。
p993 腕をわたしの腕にからませた(slipping his arms through mine): ポアロがヘイスティングズに親愛の情を示す。ホームズとワトソンがやっててヴィクトリア朝の男性には珍しくない行為だ、という話を聞いたことがあります。
p1730 ひとりは小柄で 、隙のない感じの 、黒髪の 、イタチのような顔をした男(One was a little, sharp, dark, ferret-faced man): ポアロとは1904年からの知り合いであるジャップ(Detective Inspector James Japp of Scotland Yard—Jimmy Japp)の形容。レストレードっぽい描写。(“a little sallow rat-faced, dark-eyed fellow" in A Study in Scarlet and "a lean, ferret-like man, furtive and sly-looking,” in "The Boscombe Valley Mystery".) 差別用語Japの意図はないらしいです。(日英同盟が失効したのは1923年。)
p2637 「むろんユダヤ人です 」(a Jew, of course): このセリフの後で「愛国者」「たいした男と感心する」と言っています。あまり差別感情はなかった?
p2812 この灰色の脳細胞(These little grey cells): 有名な文句の初出。かなり後半(76%)。この作品では一度きり。
p3182 一人遊び用のトランプ(a small pack of patience cards): 小さなサイズのデックがありpatience-sized packと称されてるようです。なのでここは「小型の」を入れるのが正解。

(2019-9-15追記)
スーシェ版のTVドラマ(1990)を見ました。
原作通り1917年の設定。時代考証も大丈夫なようです。(あまり詳しくありませんが…) 地元軍?の訓練風景あり。ライフルはSMLE mk3で全く問題なし。軍服も当時風。(こっちは詳しくありません。)
イングルソープ氏のbeardは頬から顎にかけての髭のようです。Web検索では頰ひげも含む顔の下全体を覆うような髭のイメージか。映像では「とても長い」ではなく1〜2センチ程度。
イングルソープ氏が食器の音を立てて食べるシーンがあったのですが、育ちが悪いという描写?
ベルギー人亡命者が行進中に歌うのはTipperary。ビールが出てくるのはベルギー名物だからかな?
当時の救急車と葬儀のシーンが映像的にはとても興味深かったです。
ドラマは全体的に原作に忠実。上手く1時間半ちょっとにまとめてます。原作ではヘイスティングズが一発で惚れてしまうカヴェンデッシュ夫人の外見がもっと魅力的ならなお良かったですね。(個人の感想です。)
あとp216「目とまつげが黒かったら 、さぞ美人」は、この娘が赤毛の薬剤師、ということがポイント。アガサさんも赤毛で戦時中は薬剤を扱ってたので、自分のことをunderstateしてるんじゃないか、と思いあたりました。

No.34 4点 レッドキング 2019/08/29 22:42
アガサ・クリスティーの記念すべき処女作。1920年発表てことは1915年の「恐怖の谷」とほぼ同時代なのか。キャラ的にもプロット的にも「こいつが不幸に消えないと話が収まらない」=「ミステリ的には犯人のわけがない」て位に分かりやすいヒールを出しちゃいながら見事に一捻りして終結。十八番の「人間関係トリック」も既にきめてる。

No.33 7点 mediocrity 2019/08/20 05:07
クリスティのデビュー作でポワロさんのデビュー作でもある。著作権切れなのかネット上に落ちている。
タイトルから、館モノかと思ったが建物自体の構造はそれほど重要でない。殺人事件は1件のみ。10章までは容疑者がどんどん変わっていく。主要人物はほぼ全員一度は疑われると言ってもよい。12章で意外な犯人が明らかに。

以下読んでいて感じたこと
・薬のトリック?は好きではないです。
・第11章の裁判の所は読みにくかった。
・犯人はさっぱり分からず。解決編には満足。
・ポワロさんを読むのは2作目だけど、やはりあまり有能とは思えない。

デビュー作でこの完成度の高さは、やはりすごい作家だと感じました。

No.32 7点 人並由真 2019/01/01 20:15
(ネタバレなし)
 1920年作品。言うまでも無くポアロのデビュー作。
 大晦日~元旦の年越しなので、何か自分の読書歴的にもミステリ史的にもマイルストーンといえる一冊を……と思い、何十年も前に古本で購入したままだった1957年刊行のポケミス版を手に取った(その後、ブックオフでHM文庫版も買ってあるハズだが)。今のファンにはとても信じられないだろうが、これがソコソコ入手しにくい時期もあったんです(創元文庫版が70年代半ばに再版される前ね)。
 ちなみに初読である。これまで読まなかったのは、本作の最大の大ネタである犯人の○○○○○~というのをどっかで事前に教えられていて、興が薄かったため。

 おかげでやっぱり犯人は途中でバレてしまったが、毒薬に詳しいクリスティーらしい熱気ある叙述、意外に(でもないか……)しっかり書き込まれた法廷ミステリ的な興味、そしてのちの作者自身の代表作のひとつの原型的なトリック……と盛りだくさんである。 
 あと手紙の現物を掲載してそこに意味をもたせるギミックは、見方によってはホイートリー&リンクスの「捜査ファイル・ミステリー」シリーズの先駆だよね。
 ちなみにポケミスの解説では、都筑道夫がこの作品のトリック(前述の○○○○○~のことだろう)は今(昭和32年当時)ではメジャーになってしまったが、本作こそが先駆である、と声高に弁護している。厳密に本作以前の前例がないのかは未詳だが(『アクロイド』だってアレやアレがあるし)、もし事実なら確かに見事な創意だろう。演出がやや甘いところも感じるが、個人的には当時の時勢に戻って得点的に評価したい。
 クリスティ再読さんの、クリスティー作品をある程度読んでからの方が楽しめるというのには頗る共感。nukkamさんの高評も理解できる。

 勢い? というかノリで(中略)しちゃうヘイスティングスも、その彼から時々狂ったようになるんですと言われているポアロも愛おしい(笑)。あと本作でポアロが話題にしている、彼が動員したという十人の素人探偵。どういうキャラクターだったのだろうか。のちの事件簿に何人か登場していたような協力者たちが該当するのか。

No.31 5点 虫暮部 2018/07/31 14:06
 最後に出て来る手紙はあまりにもわざとらしく、処分に困るなら食ってしまえと思った。

No.30 7点 ボンボン 2017/08/20 16:38
クリスティーのデビュー作、他の作品に比べてそれほど評価が高いわけでもないけれど、とりあえず押さえておくかな、くらいの気持ちで読んだところ、とても一作目とは思えない充実した内容だったので驚いた。濃い。少し複雑すぎて、ゴチャゴチャしたところもあるが、溢れるアイディアとそれをまとめ上げる熱意と自信が感じられる。
登場人物一人一人の情報が、例えば、第一印象、不穏な雰囲気、違和感のある行動、意外な行動、真逆の接近、本心と真実の暴露、といった具合に、こまめに何度も塗り替えられていく。それをポアロがそれこそ何通りもの思惑を隠しながら、ヘイスティングズを通してチラ見させるので、混線するのも当然。
それにしても「小さいかわいいおじさん」のキャラクターの弾けっぷりがとにかく楽しかった。

No.29 5点 2016/09/22 13:33
記念すべきデビュー作。
ポアロシリーズの第1作でもあり、本作ですでにヘイスティングズが登場している。しかも、このヘイスティングズがなんともいえない良い味を出している。

意外な犯人モノで、読者に対するミスリードは心憎いほど巧みです。クリスティーらしさは全開です。
これは作者の技量にはちがいありませんが、他の名作群にくらべると、テクニック抜群という感じではなく、なんとなくの巧さによるもののようです。

文章が拙いという評者の方がおられましたが、たしかにそのとおりで、本作に限らずクリスティーはそもそも文章が巧くないのかもしれません。それに人物造形だってイマイチというところがあるように思います。
でも、ミステリー性とのバランスが抜群です。というか、文章や人物造形のマイナスポイントがミステリー要素を引き立てているようです。

No.28 7点 makomako 2016/09/19 20:57
クリスティーのそしてポアロの最初の作品。
 初めからこんなに濃い内容の話を書けるなんてさすがクリスティー。どんな作家でも処女作は初々しい反面どこかに完成度が低いところがあるのですが(それもまた楽しいのですが)、クリスティーは初めから熟達した作家に負けない作品を書いていたのだ。すごいねえ。

No.27 6点 風桜青紫 2016/07/13 00:33
これが最初に読んだクリスティーだったので、中学生の私はよくできたミスリードと意外な犯人像に驚かされたんだが、再読してみると、そこまで優れた作品とは思えなかった。というのも、クリスティーには、これよりも面白い作品がいくらでもあるからだ。しかし、ポアロの初陣を印象づけた作品として、初読時とは違った形で楽しめたのも確か。シリーズを楽しむなら、やはり外せない作品だろう。

No.26 8点 nukkam 2016/05/12 18:07
(ネタバレなしです) 問答無用のミステリーの女王、英国のアガサ・クリスティー(1880-1976)の1920年発表のデビュー作がエルキュール・ポアロシリーズ第1作の本書です。実は1916年には既にほぼ完成されていてあちこちの出版社に送ったけど全く陽の目を見ず、ようやく1920年になって出版されたそうです。粗削りな部分がないわけではありませんが、時代を考えるとかなりハイレベルな本格派推理小説だと思います。登場人物の間を容疑が転々としていく展開が見事で、謎づくりの巧妙さと謎解きの面白さが早くも発揮されており、E-BANKERさんが「デビュー作とは思えないほどのクオリティ」、miniさんが「クリスティーはデビュー時からクリスティーだった」とご講評されているのに私も賛成です。本格派黄金時代の幕開けを飾る作品と評価されるにふさわしい作品です。

No.25 7点 青い車 2016/02/05 22:36
アガサ・クリスティーのデビュー作にして、早くも彼女の持ち味が発揮されている秀作です。毒物による犯行方法の目くらましはもちろんのこと、犯人隠蔽のトリックはいかにもクリスティー的で、のちの作品でもこのテクニックは応用されています。「灰色の脳細胞」をもつポアロの推理力もしっかり見せつけられています。

No.24 6点 測量ボ-イ 2016/01/09 14:29
クリスティ、そしてポアロのデビュ-作。
あの「灰色の脳細胞」はこのとき既に全開なのですね。
内容的にまあまあ。

(ややネタばれ)
真犯人は、一見意外でなさそうで、実は意外?と言った
ところを狙ったのでしょうか?
後年の同じ手口を使ったトリックは、おそらくこの作品
の影響を受けているのでしょうね。

No.23 6点 クリスティ再読 2016/01/02 22:58
本作あまり初心者向けじゃないと思うよ。少なくともクリスティの良さが分った上で読むべき作品だと思うな。
一事不再理を巡る若干構成のまずいかな?という点もあるし、真犯人以外の人が自分の思惑で仕掛けた撹乱要素や被害者の行動を最後の最後まで明らかにしないとか、フェアさという面ではまだ本格確立期以前の、無意味に複雑すぎる作品ではあるけど、クリスティらしい部分が特に印象に残るかたちで出ているのが、タダの処女作じゃない!という感じでいい。
考えてみると「家族にとって一番都合のいい者を容疑者として差し出す」というモチーフは、それこそ円熟期の「ねじれた家」や「無実はさいなむ」で完成するわけで、処女作の本作でそれをミスディレクションと絡めてやっているあたり、作家としての骨太な一貫性を感じる。
また夫との関係に悩むメアリーのキャラがよく描けているし、イングルソープ夫人の毒死の描写など結構迫真的。クリスティらしいひんやりとした即物的な恐怖感が伝わる。そういう面でも処女小説らしからぬ小説的良さがある。
またどうも皆さんには毒薬の薬品性を使ったトリックが不評のようだが、旧ハヤカワ版(田村隆一訳)の解説が、詩人である訳者自身のエッセーになっていて、これがクリスティ自身が若い頃書いた詩「薬局にて」を扱った「毒薬の詩学」といったものである。そういう毒薬のポエジー「ここには恐怖と殺人、突然の死がある/この青と緑の薬壜の中に」として、あのトリックを読むのが評者は気に入っている....

No.22 6点 ロマン 2015/10/21 16:37
昔から何度も読み返してきた名探偵ポアロ初登場にしてクリスティーの処女作。のどかな田園のお屋敷で傷病兵として休暇を過ごすはずだったヘイスティングズ大尉。滞在するスタイルズ荘の女主人が毒殺され、旧友ポアロと共に事件解明へ踏み出した。容疑者は複雑な事情を抱える家族か大勢の家事使用人の誰か? 終盤の一同集めた推理披露までに犯人の目星はついてもアリバイとトリックに悩まされる。ポアロの卑劣な犯人追求の執念と目くらましはお見事。ロマンチストなヘイスティングズの手記形式で恋愛沙汰が色濃く反映されるのも楽しい。

No.21 8点 斎藤警部 2015/05/20 16:34
日本の某古典名作を先に読んでいましたが .. それのヒントもあって真犯人は途中でピンと来ました。 それでも充分にエキサイティングで面白かったなあ。。 女史はデビューから既に「企画の女王」だったんだなと納得しましたよ。
もし彼女に文才が無かったとしても、きっと周りの作家に「これこれこういうアイディアがあるから、あんたふくらまして書いてみなさいよ。」ってやってたんじゃないかしら。 或いはクイーンみたいに誰かと組んで二人一役。

No.20 5点 ボナンザ 2014/09/08 20:38
処女作であると共に、その後のシリーズに用いられるような人間関係や結末の意外性が既に確立されている良作。

No.19 7点 sophia 2014/05/30 22:51
処女作およびポアロシリーズ第1作としてはなかなか。


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1950年01月
アクロイド殺し
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