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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
別題「謎のエヴァンス」
アガサ・クリスティー 出版月: 1959年01月 平均: 5.33点 書評数: 9件

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早川書房
1959年01月

東京創元社
1960年01月

早川書房
1981年04月

早川書房
1981年12月

早川書房
2004年03月

No.9 6点 虫暮部 2021/03/30 12:28
 なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
 と言う疑問はなかなか鋭いではないか。そこを疑問として抱けた時点で、(その部分の)真相まであと一歩だ。逆に言うと、死に際にそんな絶妙なヒントを残すのはかなりわざとらしい。
 それに限らず全体的に、入り組んだ要素の間をギリギリで御都合主義的に綱渡りしている感じ。但し、なんとなくそれを許容出来てしまう良い意味で緩い雰囲気はあるな~。
 
 ところで、原題は“ Why Didn't They Ask Evans? ”で主語は They 。
 これを(早川書房版)“なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?”と訳すと主語が二人称みたいじゃない? 被害者が目の前の相手(=ボビイ)に対して“なぜ、あなたは~?”と問うたみたいじゃない?
 勿論、日本語と英語の構造の違いのせいではある。しかし、そもそも読者は翻訳文であることを承知で読んでいるわけで、日本語として不自然になっても原文のニュアンスを優先すべきポイントはあると思う。映えの必要な題名はともかく、本文中の台詞では、二人称ではなく第三者について語っているのだと明確にすべき。他の訳ではどうなんだろう?

No.8 4点 レッドキング 2021/02/13 17:07
ラスボスわかり安すぎ。にしても、植民地経営を約束された貴族令嬢と退役軍人青年なんて・・こっちこそ悪役設定にせんとねえ。

No.7 5点 蟷螂の斧 2017/10/09 08:14
ダイイングメッセージだけで一冊の物語を書き上げてしまったことに感服。著者に対しては、どうしても本格ものを期待してしまいます。本作は冒険小説風、青春ミステリー風でした。

No.6 5点 nukkam 2016/07/04 08:38
(ネタバレなしです) 1934年発表の本書(シリーズ探偵は登場しません)は推理もあるし犯人を終盤まで伏せているプロットではありますが冒険スリラーに属する作品です。特にエヴァンズの正体に本格派推理小説の謎解きを期待するとがっかりするでしょう。江守森江さんのご講評の通り、そこについては読者が推理する余地がありませんので。とはいえアマチュア探偵コンビの活躍は楽しく、難しく考えずに気軽に楽しめる作品としてはよくできています。

No.5 5点 クリスティ再読 2016/02/05 21:54
クリスティはやっぱりクリスティ、である。
というのも本作の大きな特徴である「第二幕からイキナリ参加したために、今まで何があったのかが謎」という枠組みの作り方が、最晩年の「復讐の女神」とか「象は忘れない」「親指のうずき」などで再び採用されるわけで、そういうあたりが興味深い。とはいえのんびりしたユーモア感が強いのと、中盤のバッシントン=フレンチ家でぐずぐずしている感が強く話にダイナミズムを欠くあたりで、スリラーとしてはもう一つ。
ミステリとしては主犯はほんとうに隠す気ない...くらいに明白だけど、共犯者がいろいろ小技があってステキ。写真に関する論理の逆転のいいポイントだ。だからミステリとしては出来がいい方なんだが、スリラーとしては?な部類で、過渡期っぽいバランスの悪さを感じる。初期型スリラーとしては最後の作品になるから、こういうタイプの作品への関心が薄れたのかなぁ。
あと最後の犯人からの手紙がとても脳天気。ヘンな魅力はあるな。考えてみればこの犯人、ボビイがまずいことを感づいたか?と思って殺そうと狙ったために結果的に墓穴を掘ったわけで、ほっておけば全然安全だった.....バカといえばその通り。

No.4 5点 あびびび 2012/11/21 23:15
好奇心旺盛なお城のお嬢様がいて、その幼馴染の男がいる。彼女は貴族であり、彼は平民?なのだが、幼少のころ縁ありて、友人関係が続いている。そんな中、彼がシーサイドコースでゴルフをしている最中に瀕死の男と遭遇する。最後の言葉が、「なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?」だが、物語においてそれほど重要な言葉ではなかった?

クリスティーはほとんど好きだが、ドタバタ喜劇ぽいのは好みじゃない。

No.3 7点 koo± 2011/11/02 16:14
表題。吸引力のある一言ですね。ちょっと中だるみはしますけど、この台詞のおかげで最後まで引っ張ってくれます。表題に「なぜ~」が入ると妙に興奮するのは僕だけ? 高木彬光さんの「人形はなぜ殺される」を読んだときの感情がよみがえります。

古き良き冒険小説の風合。そして恋愛小説としても逸品です。ボビイとフランキーのベタなコンビが微笑ましい。訳が古いので台詞回しが時代錯誤ですが、逆にそこが味になってます。

ミステリとしては地味な部類。フーダニットの意外性は弱いかも。でも冒頭の台詞のハウダニットが効いてます。結局エヴァンズとは誰か? 少々アンフェアながら、ユニークな発想と合理的な回答に感服しました。

愛着が沸きますね。キャラとプロットがよかったせいでしょうか。真相が分かった上で、もう一度読み返したい。そう思わせてくれる良作でした。

No.2 4点 江守森江 2010/01/03 20:17
どこかの書評で名だたる翻訳者達が当時の英国に精通していない為にクリスティー作品には誤訳が多々あると指摘されていた。
そして、この作品が例に挙げられていたので野次馬根性で、その書評と首っ引きで読んでみた。
更に、やや間延びした長編ドラマも観た。
ミステリー要素のある冒険活劇で、ポアロもマープルも登場しないので上記以外はイマイチだった。
特にタイトルからも鍵になるエヴァンズが何者か?が結末近くまで提示されず読者には推理出来ずに残念と思える。

No.1 7点 NEO 2009/04/11 07:38
「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という表題のキーワードが最後まできいてきます。クリスティーお得意の、さらっとしたスパイもの。


アガサ・クリスティー
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