皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] NかMか トミー&タペンス |
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アガサ・クリスティー | 出版月: 1957年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 9件 |
早川書房 1957年01月 |
早川書房 1978年12月 |
早川書房 2004年04月 |
No.9 | 7点 | 虫暮部 | 2022/04/23 12:48 |
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誘拐事件の真相が判ってみれば、知らなかったとはいえ残酷な成り行きに皆で手を貸してしまったんだな~、と言う点が最大のインパクト。
主にタペンスのせいでふわふわした漫画的なイメージ(悪い意味ではない)。背景の政治的設定とかよく判らないがどうでもいい。登場人物は多いけど意外に混乱せず読めた。 |
No.8 | 6点 | ALFA | 2022/01/24 13:47 |
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〔冒険/スリラー/スパイ小説〕と分類されているのを見て笑ってしまった。
ここはトミーとタペンスシリーズである以上、陽気で楽しいスパイものという無理筋を承知の上で読まなければならない。 したがって、タペンスの先回りや退役軍人のいかにもな放談などを楽しみつつ、作者が随所にちりばめた伏線を拾って読み進めるのがいいと思う。 特に、犯人ならぬ「敵」の正体を示唆するある生きた手掛かりが秀逸。 また本筋とは関係ないが、1941年に発表されたスパイ小説であることを考えると文中のドイツ国民に対する良識ある記述に驚いてしまう。その頃日本では「鬼畜米英」を叫んでいたのだから。 |
No.7 | 7点 | 空 | 2021/08/07 08:24 |
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第一章はなんだか粗筋だけみたいで、クリスティーにしてはなんだこれ、という感じだったのですが、第二章以降では《無憂荘》の人々の個性も明確になってきて、おもしろ味が出てきます。1941年発表作で、ナチスのスパイを探し出す話ですから、この作者の他のスパイ小説ほど荒唐無稽ではありません。まあ、こういうタイプの作品はリアリティがあればいいというものでもないのですが。
死んだ諜報部員のダイイング・メッセージであるタイトルの言葉は、男女どちらなのかわからなかったからこそ ”or” ではないのかと思ったのですが、その問題点は結局無視されていました。それ以外にも、あの人物は結局外で何をしていたのかとか、あの人物はどうやって《無憂荘》を見つけたのかとか、細かい点では疑問が解消されないままという不満もあるのですが、全体的にはパズラー系を上回るほど意外性を散りばめた作品で、楽しめました。 |
No.6 | 4点 | レッドキング | 2020/12/24 18:46 |
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対ドイツ戦時下の英国、海沿いの屋敷に集う老若男女の中から、NとMというナチの大物スパイ男女を探り出す為に、正体を偽装し潜入した探偵夫婦。「容疑者」のうち、4人の男の方はともかく、6人の女の設定が実に良い。
「あの3人の方は違うだろな、こっちの3人のうちの誰かがスパイだろなあ」てとこまでは当たったが、最後のフーまではとても。途中のサイドエピソードが、「犯人当て」の鮮烈にして隠された見事な伏線だった。 ※興奮して政治国家を熱く語る軍人が、「があがあ、ガチョウさん」てちゃちゃ入れられ、「ぶ、ぶぁっかぁもおーん!」と怒る場面に爆笑。が、その怒りに合理的理由があることが暴露され、チト興ざめ。 |
No.5 | 5点 | バード | 2020/11/24 23:34 |
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戦争敵国のスパイを暴くというスケールの大きい話だが、実態は老人や婦人方の毒にも薬にもならない会話が大部分で、病院の待合室を見させられてる感覚。つまり、冒険ものとしては案外地味目。
ストーリーがつまらないわけではないが、クリスティの人気作はここに更にもう一ギミック入るので、やはり少し物足りない。総合すると、本作はクリスティ作品に求める水準に対し及第点くらい。 |
No.4 | 6点 | あびびび | 2016/01/19 12:31 |
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英国情報部の依頼を受けたトミーは、コードネームをNとMという二人の謎のドイツのスパイを探るため、二人が住んでいると思われる海辺保養地の下宿「無憂荘」に、住人として潜り込むことになった。
その下宿には、自分に依頼が来なかった妻のタペンスが先回りして、別名で潜り込んでいた。ここから夫婦二人のスパイ探しが始まる。全体的にユーモラスな流れで、緊迫感には欠けるが、作者も楽しんで書いているようで、軽妙なタッチには好感が持てる。 ただ、誰がスパイなのか、薄々感じる物語の流れではあった。 |
No.3 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2015/09/28 16:32 |
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裏表紙より~『情報部からナチの大物スパイ“NとM”の正体を秘密裡に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で任地へと赴いた。だが、タペンスとて一筋縄でいく女ではない。騙されたふりをして先回り。かくして二人は、大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに…スリル満点の冒険ミステリ。』~
シリーズ第1作「秘密機関」(1922)から約20年後(1941)の本作。主人公も年をとり子供もいる設定です。題名のように内容は、スパイは誰か?であり、どちらかというとフーダニットに近い展開でした。本格ものであれば意外な犯人ということになると思います。しかし、スパイもの、冒険ものとしては、スリル満点とは言えず、この評価となってしまいました。 |
No.2 | 7点 | クリスティ再読 | 2015/09/06 17:26 |
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クリスティという作家は、今までほぼ30年間途切れなく文庫で全作品が読める..という特別な立場にある作家なんだけど、これはありがたいと同時に恐ろしいことでもあるよね。ありがたいは当たり前だが、恐ろしいというのは、面白い作品が不人気だったら、それはとりもなおさず批評の怠慢だ、ということなのだから...
ちょっとイヤミを書いてしまったが、本作が本当に「注目度が極めて低いにも関わらず、面白い作品」なんだよね。まあクリスティのスパイスリラーはつまらない作品も多いのだが、これは別格。戦時中のノリノリの時期に、ミステリのノウハウをこれでもか、と盛り込んだ作品だから面白くないわけがないんだよ。 スパイ探しが目標になるのけど、これが本格ミステリの犯人探し同様にいろいろと巧妙に煙幕が焚かれている。しかもスリラーの逆転に次ぐ逆転の面白みまであるわけで、ポアロ物のB級作なんかよりずっとオススメである。クリスティ流スパイスリラーのほぼ唯一の成功作だと思う。 現況で評者のコメントが2件目という情けない状況なので、特に本作は推薦するものである。霜月蒼氏も最終的なベスト10に本作を入れている。これは本当に読まないと損である。 |
No.1 | 7点 | seiryuu | 2010/11/07 14:28 |
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トミー&タペンスシリーズの中で一番好きです。
後半の展開が面白かった。 |