[ 本格 ] ヘラクレスの冒険 ポアロ、短編集 |
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アガサ・クリスティー | 出版月: 1955年12月 | 平均: 6.86点 | 書評数: 7件 |
![]() 早川書房 1955年12月 |
![]() 早川書房 1976年04月 |
![]() 早川書房 2004年09月 |
No.7 | 5点 | レッドキング | 2022/05/09 19:25 |
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アガサ・クリスティー第十短編集 ヘラクレス(=エルキュール)12の試練に擬え(チト無理あるが‥)た、12短編。
「ネメアのライオン」 愛犬の連続身代金誘拐事件の真相は・・5点。 「レルネーのヒドラ」 医師を追い詰める妻毒殺疑惑の噂の真相は・・4点。 「アルカディアの鹿」 アポロの如き美青年が一目惚れした運命の女神の正体は・・4点。 「エルマントスの猪」 アルプスのホテルに閉じ込められた10人から、ギャングボスを探し出す使命。6点。 「アウゲイアス王の大牛舎」下ネタは政談に勝り、汚し而して洗い、清めの反作用バツグン・(採点対象外) 「スチュムパロスの鳥」 東欧のホテルで窮地に陥る母娘と青年政治家。入代りトリック鮮やかに・・7点。 「クレタ島の雄牛」 狂気の血が己に流れていると思い込む男と、救いを求める女、背景や如何に・・6点。 「ディオメデスの馬」 痛風病み元将軍と4人の奔放娘。コカイン事件との曰くや如何に。4点。 「ヒッポリュテの帯」 名画盗難に、走行列車からの少女消失が絡んで・・8点。 「ゲリュオンの牛たち」 カルト教祖と教団に罠を仕掛けるべくポワロの手駒となる女。3点。 「ヘスペリス達の林檎」 毒殺に血塗られた宝飾酒杯の失踪を巡るちょっといい話・・2点。 「ケルベロスの捕獲」 ロシア貴婦人経営のクラブ"地獄"、展開する怪犬とコカインと宝石の豪華ドタバタ。5点 で、平均で、(5+4+4+6+7+6+4+8+3+2+5)÷11=4.9090‥5点。 |
No.6 | 6点 | ボナンザ | 2019/10/14 12:15 |
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水準の高い短編集。12の難業にとってつけた感のあるものもあるが、内容自体はバラエティに富んで読んでいて飽きない。 |
No.5 | 7点 | クリスティ再読 | 2017/05/28 23:11 |
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ヘラクレスの12の難行になぞらえたポアロ短編集なんだけど、実際にはパズラーありの、ロマンチックな恋愛ありの、ファンタジーな政治ものありの、冒険スリラー風のものありの、人情ものありの、バラエティ豊かな作品集という感じ。なので、本格、という感じでもない気もする。
けど、パズラーとしては「レルネーのヒドラ」がいい。ちょっとした会話から真相をポアロが気づくわけだが、初期の短編のようにネタだけな感じではなくて、いろいろと芸が細かいのを気づかさせる。短いのにうまく凝縮していてお手本級の短編。 あとは...そうだね、人情ものとして「ヘスペリスたちのりんご」がきれいにまとまっていて、小説として結構。ポアロもご宗旨はカソリックだった(「満潮に乗って」でカソリックの礼拝に行く描写があったね)。 最後の「ケルベロスの捕獲」も風俗描写を含め小説として実に楽しい。短編「二重の手掛かり」や「ビッグ4」に登場したヴェラ・ロスコフ伯爵夫人が再登場して、ヌケヌケとしたキャラの良さを発揮する。冒頭の地下鉄エスカレーターでの邂逅とかうまく内容にマッチしていていいな。ナイトクラブ「地獄」って遊びに行ってみたいよ。 というわけで、あまり本格本格してないキャラ小説として十分読んで楽しめる内容である。多少は出来不出来があるのはご愛敬(麻薬が便利グッズ過ぎるよ...)。 |
No.4 | 7点 | りゅうぐうのつかい | 2016/02/15 19:29 |
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多少こじつけとも感じられるが、ヘラクレスの12の難行になぞらえた12の事件。
ポアロの頭脳的な策略や、ヒューマニズムを感じさせる心にくい解決手法が味わえる作品集。 人生相談や身の上相談、教訓話といった、ポアロよりもパーカー・パインが登場した方がふさわしいと感じる話が多いが、楽しめた。 特に、予想外の真相に驚かされる「ステュムパロスの鳥」と「クレタ島の雄牛」、ポアロがトリックを仕掛ける「アウゲイアス王の大牛舎」が面白い。 「ネメアの谷のライオン」 人間の認知機能の限界をうまく扱っている。 「レルネーのヒドラ」 事件関係者の聴き取り調査でポアロは違和感を感じ、犯人に気付く。 「アルカディアの鹿」 愛する人を探してほしいという、雲をつかむような青年の依頼をかなえるために奮闘するポアロ。愛する人は意外なところに。 「エルマントスのイノシシ 」 凶悪な殺人犯と一緒に雪の山頂ホテルに閉じ込められたポアロ。 誰がその凶悪犯か? 「アウゲイアス王の大牛舎」 ポアロの策略が鮮やかに決まり、政界のスキャンダルを見事解決。 「ステュムパロスの鳥」 ステュムパロスの鳥とは誰のことか? 予想外の真相に驚いた。 「クレタ島の雄牛」 狂人の血統とは、そのことだったのか。 「ディオメーデスの馬」 麻薬を扱っている影の人物とは? 「ヒッポリュトスの帯」 名画盗難事件と女学生の失踪事件とのつながりの謎。 絵がどのように処理されたのか、良くわからなかった。 「ゲリュオンの牛たち」 ミス・カーナビが再び登場し、新興宗教の教祖を相手に活躍。 「ヘスペリスたちのリンゴ」 酒盃を取り戻したポアロが、依頼者に要求したこととは? 「ケルベロスの捕獲」 麻薬の意外な隠し場所。 |
No.3 | 8点 | nukkam | 2015/07/25 04:42 |
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(ネタバレなしです) 1947年に出版されたエルキュール・ポアロシリーズの短編集で、何とポアロが探偵からの引退を決意してギリシャ神話のヘラクレスの冒険にちんだ12の事件を解決して探偵活動に幕を引こうとします。ペットの誘拐、指名手配犯の追跡、失踪人探し、怪しげな宗教団体調査、盗難品の回収など多彩な事件が扱われているのは短編ミステリーならではです。ポアロが口コミの噂という難題に挑む「レルネーのヒドラ」、怪奇色の濃い「クレタ島の雄牛」(クリスティーとしては異例の動機が扱われている)、靴の手掛かりが印象的な「ヒッポリトスの帯」、余韻の残るエンディングの「ヘスペリスたちのリンゴ」などが私のお気に入りです。ちなみにポアロは本書の最後の事件を解決した後も引退はしません。まだまだ活躍は続きますのでご安心を。引退はどうした、と作者やポアロを責めたりはしないで下さいね(笑)。 |
No.2 | 8点 | あびびび | 2013/09/25 18:21 |
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ヘラクレスの12の冒険をボアロ風にアレンジしたオムニバス的な短編集。中には長編にしても良さそうな物語があり、クリスティー好きなら100%満足する一冊になっている。
しかし、この作家の資源は尽きることがないですね。 |
No.1 | 7点 | 空 | 2010/03/19 21:45 |
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ポアロのファースト・ネームはHercules、フランス語ではHを発音しないので、エルキュールになるわけです(たとえば『レ・ミゼラブル』のユーゴーの綴りはHugo)。
ヘラクレスの12の難業になぞらえた事件をそろえた連作短編集で、ギリシャ神話との結びつけのほとんどは無理やりなこじつけですが、内容的にはバラエティに富んでいて、なかなか充実しています。特に気に入ったのを挙げると… 『ステュムバロスの鳥』は1ヶ所いくらなんでも無茶なところはありますが、非常に巧妙に組み立てられています。『クレタ島の雄牛』は発端がポアロに依頼するような事件と思えない点を除けば、すべての要素が最後にきれいに収束していきます。『アウゲイアス王の大牛舎』でのポアロの大胆な策略もなかなか見事。たいしたことのない謎解きよりその後の幕切れが印象的な『ヘスペリスたちのりんご』も意外に好きですね。 |
アガサ・クリスティー
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- 平均:7.15 / 書評数:26
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- ホロー荘の殺人
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- 1954年03月
- オリエント急行の殺人
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