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[ 本格 ] アリバイ 「アクロイド殺し」の戯曲化/マイケル・モートン脚色 |
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アガサ・クリスティー | 出版月: 1954年11月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 2件 |
早川書房 1954年11月 |
原書房 2019年06月 |
No.2 | 5点 | ボナンザ | 2019/08/10 09:49 |
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山口雅也の企画、一本目からとてもマニアック・・・。
戯曲なのでアクロイド殺しの根幹をなす「あれ」要素は皆無。 こうやって見るとこいつ普通に一番怪しいな・・・。 |
No.1 | 5点 | クリスティ再読 | 2018/11/06 22:28 |
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本当は「十人の小さなインディアン」をやらなきゃいけないんだが....あれボッタクリに近い値段だし、クリスマスまで取っておこうか。
というわけで「クリスティ完全攻略」で無視されている「アクロイド殺し」の戯曲化「アリバイ」である。無視の理由は、要するにクリスティは原作提供、戯曲化はマイケル・モートンという人で、自身の戯曲化ではないからだろう。それでも初期のポケミスのラインナップにはあった作品で、長沼弘毅訳というのが時代を伺わせる。図書館で借りたんだが、ボロボロの本だったよ。 他人の戯曲化とはいえ、本作は1928年に上演されていて、原作小説の2年後、クリスティとしても初の舞台化である。チャールズ・ロートンがポアロを演ったようだ(史上初のポアロ役者だよ)。貫禄があり過ぎて困る...と思うが、当時はまだ痩せていたのかしら。内容は原作にかなり忠実。というか、原作に付き過ぎていて、逆に面白みがない。オリジナル要素はシェパード医師の姉が妹になって、もう少ししおらしく、ポアロとイイ感じになったりするロマンス色。 「アクロイドといえば」なあの要素は、芝居にしたら全然無意味なのは言うまでもない。本作は「犯行時間がどんどん前にズレてくるサスペンス」を軸を芝居を組み立てている印象。これ評者昔から指摘していることなんだけど、みんな派手なトリックに眼を奪われて言わないんだよね。そういう意味では手堅いが、逆に「アクロイド」の評でも書いた「お手盛り問題」もしっかり表に出ちゃってる。ミステリ劇として..いいんだろうか、この舞台化?という印象。 クリスティ自身による戯曲化に親しんでいると、クリスティが芝居というものをよく理解し、楽しんで書いていたことがよく分かる。そういう意味では本作は物足りない。 クリスティ自身のオリジナル劇はすべて翻訳済だが、自作戯曲化は「ナイルに死す」「ホロー荘」がまだ。他人による戯曲化は「ナイチンゲール荘」「牧師館の殺人」がまだ。ということになる..が他人戯曲化の方が権利処理がややこしそうだ。本人戯曲化よりもレアになるだろうね。「十人の小さなインディアン」に向けて気分を盛り上げなきゃねぇ。 |