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[ 本格 ]
殺人は容易だ
バトル警視
アガサ・クリスティー 出版月: 1957年01月 平均: 6.11点 書評数: 9件

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早川書房
1957年01月

早川書房
1978年12月

早川書房
2004年03月

No.9 6点 虫暮部 2021/07/18 13:18
 ラスト4分の1くらいで表面化する、某氏の異様な自己認識(『 DEATH NOTE 』みたい)について、もっと読みたかった。
 因みに私は、真犯人は秘かに某氏を愛していて、某氏の視線から“この者を殺せ”とのメッセージを(勝手に)読み取って実行しているのかな、ディープなラヴ・ストーリーだな、と推理したのだが……。

No.8 5点 レッドキング 2020/08/17 21:50
車内に居合わせた老女から「連続殺人」の逸話を聞いた元警官。単なる偶然の事故と眉に唾つけて聞き流した話だったが、後日、老女の予言した人物が死に、さらに老女自身も死んだことを知る。好奇心から探求に乗り出すのだが・・・
なんか気だるくピリっとしないフー・ホワイダニットミステリが、終盤でグッとミステリアスに盛り上がり、サイコなサスペンスにひと捻りし・・操りネタをおまけに付けて決着する。
「自尊心を傷つけられた女の復讐心ほど怖いものはありません」「好きだということは、愛しているということよりもずっと大切・・」相変わらずミステリ小説で人生を教えてくれるアガサさん。

No.7 6点 蟷螂の斧 2018/05/15 15:20
ノンシリーズもので、元警察官ルークによる私立探偵風な物語です。ノンシリーズで男の主人公は珍しいかも?。ミッシングリンクとミスディレクションのお手本のような作品でした。主人公のルークは、卿の秘書かつ婚約者であるブリジェットに一目ぼれしてしまいます。二人の会話(「あなたは冷酷な悪魔だ」等々)は結構楽しめました。物語は『一瞬の狂気』が主題になっているような気がしました。老婦人の話にある犯人の一瞬の目つきや、インコの首を一瞬に絞めたなど。

No.6 6点 nukkam 2016/08/11 12:19
(ネタバレなしです) 1939年に発表されたバトル警視登場の本格派推理小説です。もっともバトル警視は脇役的存在ですが。本書と同年にあの「そして誰もいなくなった」が発表されているのが興味深いどころです。どちらも大量殺人を扱っているのですが雰囲気がまるで違いますね。本書は舞台を田舎の村にしているせいかどこかのんびりした雰囲気が漂っていていかにもクリスティーらしい作品と言えるでしょうし、裏を返せば孤島を舞台にした「そして誰もいなくなった」はクリスティー作品としては異色で孤高の存在だったと言えるでしょう。十分に面白い内容なのですが「そして誰もいなくなった」と同時期の作品だったのがある意味不幸、シリーズ探偵が登場しないこともあって知名度が低いのはやむなしでしょうか。

No.5 6点 了然和尚 2016/03/24 13:03
ちょっと派手に殺されすぎていると思いますが、クリスティーのサービス精神でしょうか。真相から考えれば、一人死んで、特定人物に疑いがかかればいいのですが、うまくいかないので次々と。。。というのはシニカルです。倒叙でも面白い味になりそう。
他作品(特にマープルもので)でも出てきますが、犯罪者の異常な眼差しにふと気がつくシーンがありますが、結構怖いですよね、クリスティーの実体験から来てるのでしょうか?

No.4 6点 makomako 2015/10/04 08:29
 ポアロやミスマープルが出てこないが、マープル物に近いイギリスの田舎のお話。嫌味のない人物が多くゆったりと読めました。
 解説にもあったが、名探偵マープルおばあさんが出てきてはこの話は成り立たない。読者をミスリードしていく手法はさすがであるが、この話だけだと物的証拠やありばいなどの証明がほとんどなく、ほかの人が犯人であるように書き換えても不都合はないように思えました。
 最後のシーンも急に犯人がべらべらと犯行理由をしゃべらせて(相手は睡眠薬を飲まされて眠る寸前のふりをして聞いている。なかなか寝ないで聞いているのも不自然だよね。)つじつまを合わせようとしているのですが。そのあたりの詰めがもう一つの感じがしました。
 

No.3 5点 クリスティ再読 2015/09/21 23:51
バトル警視その2。
バトル警視ものに共通するのは、作品の形式的な狙い(これがどういう小説か?)が「謎」になっているところだと思う。表面的な話の進行は、ホイットフィールド卿を指し示す方に強く流れていくけども、まあ読者はダレもそんな流れを信用したり、あるいは実は別の人が犯人とダマされて満足、という風に素直に決着しないのを期待してしまう。なので、読んでいるうちに「作者の狙いはいったいどこに??」というのを探すようになる...
まあポアロだったら本格ミステリのフォーマット重視を期待されるから、クセモノ小説だとポアロの居場所はないわけだ。透明な器のようなバトル警視ならば、こういう狙いの特殊なクセモノ小説用の脇役的探偵としてうまく使える...ということだろう。

とはいえ、本作はこの流れがABCとか「ゼロ時間へ」とか「死との約束」で扱われる心理操作に行き着くようなんだが、しっかり流れ着いていないためにどうも中途半端な印象を受けてしまう...これが作者の狙いとしてのどんでん返しとして狙われているようなんだが、あまり効果的には感じない。

どちらか言えば本作で一番印象的なのは「ネコの耳の××...」というような、ひんやりした即物的な気色のワルさだ(実は筆者この手の気持ち悪さがクリスティのオリジナリティのように秘かに思ってる)。そういうあたりでまさに「殺人は容易」であり、一番成功しているのがそういうリアリティだろうね。あとヒロイン、クリスティでは珍しい若干ツンデレ(苦笑)。
まあ本作の要素は後の「動く指」とか「蒼ざめた馬」に転用されて、そっちがうまく出来ていると思うから本作よりオススメ。

No.2 8点 あびびび 2011/06/17 11:36
「そして誰もいなくなった」とか「オリエント急行の殺人」のように大がかりなトリックではない。それゆえに知名度はないのだろうが、よく出来ている。傑作だ。

外国勤務を終えた元警官が、ロンドン行きの列車に乗る。途中、アクシデントから老婆と向い合せになるが、その老婆はある村で連続して起こった死亡事故が実はある者による殺人だと言う。しかも次の犠牲者も分かっており、地元警察では心もとないから、ロンドン警視庁へ相談しに行くのだという。

その時は話を合わせていただけの元警官は、次の日、その老婆が交通事故で死んだことを知り、しかもその後、その村で老婆が言った名前の男が事故で死んだという記事を見てしまった……。

半分くらい読んだころに、そういえばこの作品はミステリチャンネルで見た覚えが…と思い出し、だいたい犯人も見当をつけて、物語もそんな流れになったが、さすがクリスティ、最後の最後でどんでん返しを食らった。元警官が推理する容疑者がすべて犯人だと思わせる組み立ては実に巧妙だ。

素直にミステリを堪能できるお薦めの一冊だと思う。

No.1 7点 2008/12/08 22:26
作者がどういう方向に読者の疑いを持って行こうとしているかは簡単にわかってしまったのですが(似たパターンをクリスティーは後の作品でさらに巧妙に使っていて、そっちを先に読んでいましたので)、それでもやはりおもしろく読めるのは、さすがに小説技巧のうまさですね。わかっていながら、誘導に乗りそうになってしまいます。
バトル警視(『ひらいたトランプ』等)が、ほんのちょい役でゲスト出演。


アガサ・クリスティー
2018年07月
十人の小さなインディアン
平均:4.00 / 書評数:1
2015年01月
ポアロとグリーンショアの阿房宮
2002年02月
アクナーテン
平均:3.00 / 書評数:1
2000年09月
そして誰もいなくなった(戯曲版)
平均:6.50 / 書評数:4
1998年09月
マン島の黄金
平均:6.00 / 書評数:2
1988年05月
殺人をもう一度
平均:5.50 / 書評数:2
1985年03月
海浜の午後
平均:5.00 / 書評数:1
1984年05月
ブラック・コーヒー
平均:4.33 / 書評数:3
1982年12月
教会で死んだ男
平均:5.25 / 書評数:4
1981年10月
リスタデール卿の謎
平均:5.00 / 書評数:2
1980年10月
蜘蛛の巣
平均:6.50 / 書評数:2
1980年09月
ねずみとり
平均:5.00 / 書評数:5
1980年08月
黄色いアイリス
平均:5.33 / 書評数:3
1980年06月
愛の探偵たち
平均:5.33 / 書評数:3
1980年05月
招かれざる客
平均:6.75 / 書評数:4
検察側の証人
平均:7.26 / 書評数:19
1977年01月
ベツレヘムの星
平均:5.00 / 書評数:1
スリーピング・マーダー
平均:5.82 / 書評数:11
1976年10月
未完の肖像
平均:3.00 / 書評数:1
1976年04月
ひらいたトランプ
平均:6.15 / 書評数:13
葬儀を終えて
平均:7.15 / 書評数:26
1975年01月
愛の旋律
平均:5.00 / 書評数:1
カーテン
平均:6.78 / 書評数:18
1974年01月
暗い抱擁
平均:7.00 / 書評数:1
運命の裏木戸
平均:3.33 / 書評数:3
第三の女
平均:4.50 / 書評数:6
1973年12月
娘は娘
平均:6.00 / 書評数:1
1973年06月
愛の重さ
平均:6.00 / 書評数:1
1973年01月
春にして君を離れ
平均:7.00 / 書評数:10
象は忘れない
平均:5.25 / 書評数:12
1972年01月
フランクフルトへの乗客
平均:1.50 / 書評数:2
復讐の女神
平均:5.71 / 書評数:7
1971年01月
死の猟犬
平均:5.50 / 書評数:6
ハロウィーン・パーティー
平均:5.33 / 書評数:9
カリブ海の秘密
平均:5.89 / 書評数:9
1970年12月
親指のうずき
平均:5.50 / 書評数:4
1969年01月
バートラム・ホテルにて
平均:4.88 / 書評数:8
1968年01月
終わりなき夜に生れつく
平均:6.73 / 書評数:15
1965年01月
複数の時計
平均:3.83 / 書評数:6
1964年01月
鏡は横にひび割れて
平均:6.62 / 書評数:16
1963年01月
謎のクィン氏
平均:7.56 / 書評数:9
1962年01月
蒼ざめた馬
平均:5.11 / 書評数:9
1961年01月
クリスマス・プディングの冒険
平均:6.12 / 書評数:8
1960年09月
死人の鏡
平均:6.00 / 書評数:4
1960年01月
ポワロの事件簿1
平均:5.00 / 書評数:1
ポワロの事件簿2
平均:5.00 / 書評数:1
おしどり探偵
平均:4.88 / 書評数:8
鳩のなかの猫
平均:4.71 / 書評数:7
パディントン発4時50分
平均:4.36 / 書評数:11
無実はさいなむ
平均:6.31 / 書評数:13
秘密機関
平均:4.12 / 書評数:8
1959年11月
パーカー・パイン登場
平均:6.40 / 書評数:5
1959年01月
火曜クラブ
平均:6.42 / 書評数:12
ポアロ登場
平均:5.00 / 書評数:11
なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
平均:5.33 / 書評数:9
邪悪の家
平均:5.74 / 書評数:19
ゴルフ場殺人事件
平均:5.39 / 書評数:18
青列車の秘密
平均:4.75 / 書評数:12
雲をつかむ死
平均:5.23 / 書評数:13
1958年04月
マギンティ夫人は死んだ
平均:6.22 / 書評数:9
1958年01月
死が最後にやってくる
平均:6.12 / 書評数:8
動く指
平均:5.64 / 書評数:11
魔術の殺人
平均:4.25 / 書評数:8
死者のあやまち
平均:6.00 / 書評数:12
1957年01月
杉の柩
平均:6.79 / 書評数:14
NかMか
平均:5.86 / 書評数:7
満潮に乗って
平均:6.55 / 書評数:11
ねじれた家
平均:6.14 / 書評数:14
殺人は容易だ
平均:6.11 / 書評数:9
もの言えぬ証人
平均:5.33 / 書評数:9
死との約束
平均:6.71 / 書評数:14
スタイルズ荘の怪事件
平均:5.92 / 書評数:37
五匹の子豚
平均:7.29 / 書評数:21
ナイルに死す
平均:7.90 / 書評数:41
ポアロのクリスマス
平均:6.55 / 書評数:22
メソポタミヤの殺人
平均:5.78 / 書評数:18
ABC殺人事件
平均:6.80 / 書評数:41
1956年01月
バグダッドの秘密
平均:5.00 / 書評数:3
ビッグ4
平均:3.80 / 書評数:15
茶色の服の男
平均:5.17 / 書評数:6
七つの時計
平均:5.29 / 書評数:7
ヒッコリー・ロードの殺人
平均:5.22 / 書評数:9
シタフォードの秘密
平均:5.42 / 書評数:12
書斎の死体
平均:5.50 / 書評数:12
1955年12月
ヘラクレスの冒険
平均:7.17 / 書評数:6
1955年11月
死への旅
平均:4.33 / 書評数:3
1955年10月
アクロイド殺し
平均:7.80 / 書評数:75
1955年07月
愛国殺人
平均:5.75 / 書評数:16
1955年06月
そして誰もいなくなった
平均:8.69 / 書評数:91
1955年04月
チムニーズ館の秘密
平均:5.43 / 書評数:7
1955年01月
エッジウェア卿の死
平均:6.22 / 書評数:18
1954年12月
ポケットにライ麦を
平均:5.93 / 書評数:14
1954年11月
アリバイ
平均:5.00 / 書評数:2
牧師館の殺人
平均:6.00 / 書評数:12
1954年10月
ホロー荘の殺人
平均:6.13 / 書評数:15
1954年03月
オリエント急行の殺人
平均:7.62 / 書評数:48
1954年01月
忘られぬ死
平均:6.00 / 書評数:9
1951年01月
ゼロ時間へ
平均:6.38 / 書評数:16
三幕の殺人
平均:6.24 / 書評数:21
白昼の悪魔
平均:7.08 / 書評数:24
予告殺人
平均:5.81 / 書評数:21