[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] フランクフルトへの乗客 |
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アガサ・クリスティー | 出版月: 1972年01月 | 平均: 1.67点 | 書評数: 3件 |
![]() 早川書房 1972年01月 |
![]() 早川書房 1975年01月 |
![]() 早川書房 1979年05月 |
![]() 早川書房 2004年10月 |
No.3 | 2点 | mediocrity | 2022/03/31 18:24 |
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冒頭の2人がコンサートで再開するあたりまでは、無難に物語は進行します。肥満の見にくい女が出てくるあたりで、なんだか話がよくわからなくなってきて、3章はますます意味不明なことに。
月刊ムーでよく見るネタの数々を、ちょっとなぞっては通り過ぎて行ってしまう感じ。正直後半はほとんど何を言ってるのかわからない章も多かった。 「ヴァーグナーのライトモチーフに秘められた暗号とナチの秘密計画」とかだけで書き上げた方が、まだうまくいったんじゃないかと思ってしまう。 |
No.2 | 2点 | レッドキング | 2021/07/05 22:04 |
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60年代末~70年代初頭の世界的な若者反乱。その極左情熱に、かつてナチズムへ熱狂した若者達の浪漫を重ね合わせ、英雄:ヒトラー=ジークフリートの元で極左と極右を包括した世界革命を夢想する国際陰謀集団。て、クリスティー、齢八十にして、まーだ若き頃の「ビッグ4」の血が滾っていたのかと思いきや、話は、SFチックな脳内革命ネタ(チョビっと「ガニメデの優しき巨人」を連想)へスライドして、いきなりのドタバタサスペンス劇へ畳まれる。クリスティーの中に「左右の全体主義」への何らかの拘りがあることは、前から気付いていたけれども。
※にしても彼女の作品に、ビートルズやゲバラともかく、マルクーゼやレヴィ・ストロースの名が出て来るとは・・・ |
No.1 | 1点 | クリスティ再読 | 2015/10/06 23:12 |
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ヴァーグナーの毒に中ったクリスティ。
厨二の帝王ヴァーグナーは、天才も否定できなければ同時に詐欺師であることも否定できない19世紀の生んだ最強最悪の魔物としか言いようのない存在なんだが、それをナチと絡めてスパイスリラーしようってのが、そもそもキッチュの判らないクリスティじゃあムリというものだ。 まあそれでも出だしは悪くないし、コンサートで再接触するあたりの抑制的な描写はいいのだが...第二部の若きジークフリートはロッキーホラーショーかいな、という悪趣味だし、第三部に至っては主人公コンビさえどっかに消えてしまい、オチらしいものもロクにない。というわけで、何を読めばいいのか..と困惑するしかないハメに陥る。第三部の雰囲気に一番近いのは、セラーズとかニーヴンとか出てた「カジノ・ロワイヤル」のキッチュな大混乱かしら。あれよりも何がしたいか不明なので、読者は本当に置いてきぼり。クリスティのコンプしたい人はともかく、一般には読む価値のある作品ではない。 まあ60年代末のフラワーチルドレンとか大学紛争とかを、思いっきり理解なく陰謀史観で描いたらこうなるかもしれないんだが、およそ洞察を欠いているからどうしようもない。で、一番オソロしいのはこういうことなんだよ。 セックス・ピストルズが「アナーキストになりたいんだ」と歌ったのが、この作品のわずか6年後で、「アナーキー・イン・ザ・U.K.」の発売とクリスティの死は同じ年だ...(残念ながら死は1月で発売は11月だから期間はカブってない) いやはや。 |
アガサ・クリスティー
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- 平均:6.13 / 書評数:15
- 殺人は容易だ
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- もの言えぬ証人
- 平均:5.33 / 書評数:9
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- ポアロのクリスマス
- 平均:6.50 / 書評数:22
- メソポタミヤの殺人
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- 1956年01月
- バグダッドの秘密
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- ビッグ4
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- シタフォードの秘密
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- 1955年12月
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- 1955年10月
- アクロイド殺し
- 平均:7.80 / 書評数:75
- 1955年07月
- 愛国殺人
- 平均:5.82 / 書評数:17
- 1955年06月
- そして誰もいなくなった
- 平均:8.68 / 書評数:90
- 1955年04月
- チムニーズ館の秘密
- 平均:5.43 / 書評数:7
- 1955年01月
- エッジウェア卿の死
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- 1954年12月
- ポケットにライ麦を
- 平均:5.93 / 書評数:14
- 1954年11月
- アリバイ
- 平均:5.00 / 書評数:2
- 牧師館の殺人
- 平均:6.00 / 書評数:12
- 1954年10月
- ホロー荘の殺人
- 平均:6.06 / 書評数:16
- 1954年03月
- オリエント急行の殺人
- 平均:7.65 / 書評数:49
- 1954年01月
- 忘られぬ死
- 平均:6.00 / 書評数:9
- 1951年01月
- ゼロ時間へ
- 平均:6.41 / 書評数:17
- 三幕の殺人
- 平均:6.24 / 書評数:21
- 白昼の悪魔
- 平均:6.92 / 書評数:25
- 予告殺人
- 平均:5.77 / 書評数:22