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[ 法廷・リーガル ]
検察側の証人
戯曲
アガサ・クリスティー 出版月: 1980年05月 平均: 7.26点 書評数: 19件

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早川書房
1980年05月

早川書房
2004年05月

No.19 7点 ミステリ初心者 2021/02/06 18:54
ネタバレをしています。

 小学生のとき以来の戯曲ですが、あまり覚えていないため、検察側の証人がほぼ初戯曲となります。この形式の文って、本当に読みやすいですね(笑)。もう全部の小説はこういう形式にしたらいいのに(笑)。発言者の名前が書かれていると混乱しづらいし、発言の文の途中に()で感情や行動などが書かかれているのもいいですね。
 さらに、この作品は法廷モノです。テンポもいいです。
 非常に読みやすい要素が多いですが、もしかしたらアガサ・クリスティーの文のうまさのなせる業なのかもしれません。

 推理小説的には、結局レナードが犯人かそうでないかは論理的には判断がつかないので、犯人当てにはならない(というか登場人物も少なすぎるが(笑))です。アリバイトリックでもありません。しいていうなら、ローマインの真の狙いは何か?というところが考えるポイントでしょうか?
 濃厚さはありませんが、アガサ作品らしいラストのどんでん返しが簡潔に楽しめる作品です。

 しいて嫌いな点を挙げるとしたら、後味が悪いところでしょうか…

No.18 7点 じきる 2021/01/23 23:31
ラストのどんでん返しが痛快。

No.17 8点 青い車 2020/01/13 10:29
 少ない材料でしっかりドラマとミステリ的サプライズを味わわせてくれます。終盤の逆転につぐ逆転にはやられました。錯綜した手掛かりや人間関係がない分、見る側を混乱させないところも戯曲として優れている傑作です。

No.16 7点 いいちこ 2019/01/04 15:13
そのプロットから着地点がある程度察せてしまうのは大きな難点であり、軽量コンパクトという印象は拭えないものの、全体として非常に完成度の高い作品と評価

No.15 6点 クリスティ再読 2017/01/04 21:49
さて本サイトでは人気作だな。戯曲なのですぐ読めてお手軽なのかしらん。これは戯曲版が対象だが、「死の猟犬」所収の小説版、それに映画「情婦」まで含めて論評しよう。それぞれの関係は大体次の通り。小説版は割と若書きと言っていい時期の短編。それを円熟期になって戯曲化したのが本作、ですぐに舞台化されてロングラン。数年後ユナイトでビリー・ワイルダーが少々脚本をいじって映画化、という流れになる。
話の大筋は変わらないが、事務弁護士が狂言回しな小説版から、戯曲版は法廷弁護士をメインに据えてラストを少し追加し、映画はいろいろと細部を膨らませている。比較して見た感じとしては、やはり映画版が一番完成度が高い。戯曲でもちょっと観客の緊張をほぐすようなコミカルな場面を追加しているけど、それを映画版は全く採用せずに、オリジナルな造形になっている。これがワイルダーなので実にセンスがいい。
一貫している作品的ポイントは「愛妻のアリバイ証言は、たとえそれが事実であったとしても、法廷ではまったく説得力がない」というシニカルな視点である。どっちか言えば小説版はそのアイデアが生のまま出ている感じが強い。また、これは小説版からあって、評者はちょっと気になるところだが、「ドイツ女は冷たくて打算的だ」というような人種偏見的なニュアンスがある。まあだからこそ映画は彫像的な美しさを誇るディートリッヒ、という配役なんだよね(ちなみにワイルダーもドイツ生まれのユダヤ系なんだがな)。
あと、たぶんこれは戯曲が一番際立つと思うが、法廷での儀式めいた開会の言葉とか、証人の宣誓の言葉とかに、スペクタクルな感覚を持たせれるように感じる。映画で秀逸なのは、裁判のあとディートリッヒが群集のリンチに逢いかかるあたり。ワイルダーなので、この劇を密室劇というより、群集スペクタクルとして捉える視点を持っているようだ(逆にこれはクリスティには欠けているセンスだと思う)。
まあ、なので、本作のベストは映画「情婦」を見ること。ロートンの弁論のせりふ回しはそれだけで見る価値あり。

No.14 7点 ボナンザ 2014/06/07 23:42
言わずと知れた脚本。
犯人は最初から一人しかいないわけだが・・・。
ラストのどんでん返しなど、屑男の本性が出て、クリスティらしい。
でも、彼女としては旅行の話を法廷で聞いた時点でおかしいと思わんかったのかな?

No.13 5点 TON2 2013/02/12 18:22
早川書房
 戯曲です。ビリー・ワイルダー監督の映画「情婦」の原作ですが、原作より映画の方が面白いと感じました。

No.12 8点 蟷螂の斧 2012/08/01 19:25
1925年の作品を戯曲としたものらしいので、その時代を考慮すれば、法廷での細かい点はスルーしても良いと思います。非常によくできた短編(中編?)であると思います。この作品をモチーフにした作品を何点か読んでいるので、本筋(落ち)はなんとなく予想はできましたが、結末でのどんでん返しは、予想外で素直に参りましたと言いたいです。

No.11 7点 ナナ 2012/07/24 08:51
 普通小説を読んで映画を見るとがっかりするものですが、これに関しては映画のほうが面白かったです。もちろん小説が面白いからでしょうが。読みやすい作品です。

No.10 6点 ミステリー三昧 2011/05/11 23:56
<ハヤカワ文庫>アガサクリスティの戯曲もの。
被告人の有罪・無罪を巡る法廷ミステリということで二転三転の展開と衝撃の結末がウリということですが期待ほどでもなかったです。私的には、何回ひっくり返ろうとどうでもよい。というのも、法廷ミステリでは当然あるべき自然なプロットであるため、予想内の範疇になっているし、また、有罪・無罪の判決には興味がなく、むしろその結論に行きつく過程が大事だと思っています。本書では、有罪・無罪を巡る二転三転の展開と被告人の妻の愛情と憎しみ両極端の感情をうまくリンクさせていた点が素晴らしかったですが、ほかは特になかったです。事件が単純で、また登場人物が少ない為、法廷劇を膨らませるのが難しく、被告人はやったのか、やってないのかに終始してしまう展開は仕方ないとは思いますが、それだけだと物足りないです。法廷ミステリの面白みは、さまざまな証言・物証が起爆剤になり、事件の様相に変化を与え、多くの登場人物を絡ませ複雑に混沌とさせつつ、ガタガタと形を崩し、誰も知らなかった本当の真実を形成していく過程であって、結果的に結末が衝撃的であればなお素晴らしいですね。

No.9 6点 kanamori 2011/03/31 18:28
戯曲版は初読。傑作ミステリ劇としてあまりにも有名なため、このプロット&トリックに新鮮なサプライズを味わえなかったのは残念ですが、よく出来た法廷ミステリには違いありません。
ただ、古典ミステリで頻繁に使われる変装トリックが好きでないのと、アレが簡単に証拠採用される点に若干違和感を感じたのでこの採点です。

No.8 9点 itokin 2010/12/14 10:11
短編ミステリーの教科書。物語の構成、展開、結末等どれをとっても秀逸です。映画ではデートリッヒが良かったなあ。

No.7 6点 E-BANKER 2010/12/04 18:42
クリスティの戯曲集の中では最も有名かつ秀作。
シンプルかつ短く、たいへん読みやすい作品と言えます。
他の方の書評では、ラストのどんでん返しが高評価の要因のようです。
確かに、それまでの事件の構図を一変させるラストは、「さすが!」と唸らせるものがありますし、戯曲らしく実に舞台栄えしそうな展開だと思います。
ただ、あのミスリード(あるいは変○)は普通気付かないですかねぇ? 舞台ではどのように処理されたのか気になるところです。
評価は若干辛めかもしれません。
気に入った方は、本書と小泉喜美子女史の「弁護側の証人」を読み比べてみるのも一興かと思います。

No.6 6点 こう 2010/08/09 00:20
 少しネタバレあります。
 テンポ良く進み最後のどんでん返しと好みの趣向のはずなのですがアクロイド同様世評ほど楽しめなかった作品です。高校の頃この作品は立ち読みで済ませてしまった覚えがあります。
 主要人物が2人しかいないせいかあまり驚きがなかった点、また変装は舞台映えはしそうですが伏線はあるにしろ実際にうまくいくかどうか、証拠として成立するかどうか疑問に感じた点が不満でした。作品としてはコンパクトでかつ上手いなあとは思いますが。 

No.5 7点 江守森江 2010/06/12 18:54
作者のノンジャンル短編集に収録された短編小説と戯曲脚本の両方を読み比べてみた(実践に時間を要さない&大概の図書館にあるのでオススメ!)
戯曲本の解説によると映画版「情婦」は戯曲脚本に忠実な結末らしい。
小説では情婦が真相告白する結末で終わるのに対し、戯曲では更に反転して劇的な結末を迎える。
シンプルかつ驚きで終わる小説版に比べ、戯曲は後味が悪いとの評価もあり、どちらが良いかは好みによる。
私的には、愛憎を利用した操りによる二転三転は劇的なので戯曲脚本を支持する。
戯曲脚本では配役案から作者が仕込んでいるのにニヤリとした。
※ここからネタバレで弱点を指摘します。
実際の事件裁判ではなくミステリーの枠内での裁判な為に無罪を勝ち取り終了ではなく、真犯人を示して終了が前提になり、犯人たり得る登場人物が一人しか存在しない故に、ミステリー摺れした読者には展開が察せてしまう。
又、一事不再理ネタが法廷ミステリで多数用いられた事でも弱さが生じた(こちらは作者に落ち度はない)
よって、満点(8点)から1点減点した。
それでも「アクロイド殺し」と同点で、どちらも一読の価値はある。
※追記(12月11日)
先日放送された海外ドラマ「ボストン・リーガル」ファイナル・シーズンの1エピソードで本作のプロットがまんま転用(要はパクリ)されていて唖然とした。
日本も含め世界的にドラマ業界はパクリに寛容過ぎる気がする(そんなパクリドラマが大好きな私は何なんだ?!)

No.4 10点 りゅう 2010/05/08 21:12
 これはすごい!
 ラストの衝撃度では、今まで読んだ作品中で最高だ。
 読みやすいし、短時間で読むことが出来るので、すべての人にお薦めしたい。

No.3 8点 あびびび 2009/10/26 22:59
クリスティーの真骨頂というべき作品ではないか。

ラストの顛末が見たくて、DVDを借りたが、「情婦」という題名はひどい。そのまま、検察側の証人でよかったのではないかと思う。

最後に、犯人が吠えれば吠えるほどこの作品が凄みを増す。そういう意味では「情婦」は物足りない。いつか見たテレビドラマの方が、「このクソ野郎!」と思った。

No.2 9点 2009/07/06 09:55
フレンチ婦人殺人事件の嫌疑をかけられたレナード・ボールの裁判において、アリバイを証明するはずの妻ローマインが、なぜか検察側の証人として証言台に立つ。これが最大の謎です。そしてラストには、重なるどんでん返しが待ち受けています。これには背筋が震えます。人物描写にすぐれた作品で、ローマインが魅力的で、人間的に描かれています。
本作を読めば、物語性重視の私にとっては、トリックや謎解きだけでなく、プロットや文章表現を重視した作品こそがミステリの名作になりえるのだなということが再確認できます。映画『情婦』も良かったですね。

No.1 9点 ElderMizuho 2008/05/24 12:56
個人的にはアガサ・クリスティーの作品の中では一番気に入ってます。
ラストのどんでん返しは面白いだけでなくクリスティの人間性まで伺えてしまう。
とにかくきれいで、しかし泥々しくて、ミステリとしての面白さを凝縮して詰め込んだような作品


アガサ・クリスティー
2018年07月
十人の小さなインディアン
平均:4.00 / 書評数:1
2015年01月
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2002年02月
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平均:3.00 / 書評数:1
2000年09月
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1998年09月
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平均:6.00 / 書評数:2
1988年05月
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1985年03月
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平均:5.00 / 書評数:1
1984年05月
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平均:4.33 / 書評数:3
1982年12月
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1981年10月
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平均:5.00 / 書評数:2
1980年10月
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平均:6.50 / 書評数:2
1980年09月
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1980年08月
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1980年06月
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平均:5.33 / 書評数:3
1980年05月
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平均:6.75 / 書評数:4
検察側の証人
平均:7.26 / 書評数:19
1977年01月
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平均:5.00 / 書評数:1
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1976年10月
未完の肖像
平均:3.00 / 書評数:1
1976年04月
ひらいたトランプ
平均:6.15 / 書評数:13
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平均:7.15 / 書評数:26
1975年01月
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平均:5.00 / 書評数:1
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平均:6.78 / 書評数:18
1974年01月
暗い抱擁
平均:7.00 / 書評数:1
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平均:3.33 / 書評数:3
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平均:4.50 / 書評数:6
1973年12月
娘は娘
平均:6.00 / 書評数:1
1973年06月
愛の重さ
平均:6.00 / 書評数:1
1973年01月
春にして君を離れ
平均:7.00 / 書評数:10
象は忘れない
平均:5.25 / 書評数:12
1972年01月
フランクフルトへの乗客
平均:1.50 / 書評数:2
復讐の女神
平均:5.71 / 書評数:7
1971年01月
死の猟犬
平均:5.50 / 書評数:6
ハロウィーン・パーティー
平均:5.33 / 書評数:9
カリブ海の秘密
平均:5.89 / 書評数:9
1970年12月
親指のうずき
平均:5.50 / 書評数:4
1969年01月
バートラム・ホテルにて
平均:4.88 / 書評数:8
1968年01月
終わりなき夜に生れつく
平均:6.73 / 書評数:15
1965年01月
複数の時計
平均:3.83 / 書評数:6
1964年01月
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平均:6.62 / 書評数:16
1963年01月
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平均:7.56 / 書評数:9
1962年01月
蒼ざめた馬
平均:5.11 / 書評数:9
1961年01月
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1960年09月
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1960年01月
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1959年11月
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1959年01月
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1958年04月
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1958年01月
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NかMか
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ねじれた家
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もの言えぬ証人
平均:5.33 / 書評数:9
死との約束
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ポアロのクリスマス
平均:6.55 / 書評数:22
メソポタミヤの殺人
平均:5.78 / 書評数:18
ABC殺人事件
平均:6.80 / 書評数:41
1956年01月
バグダッドの秘密
平均:5.00 / 書評数:3
ビッグ4
平均:3.80 / 書評数:15
茶色の服の男
平均:5.17 / 書評数:6
七つの時計
平均:5.29 / 書評数:7
ヒッコリー・ロードの殺人
平均:5.22 / 書評数:9
シタフォードの秘密
平均:5.42 / 書評数:12
書斎の死体
平均:5.50 / 書評数:12
1955年12月
ヘラクレスの冒険
平均:7.17 / 書評数:6
1955年11月
死への旅
平均:4.33 / 書評数:3
1955年10月
アクロイド殺し
平均:7.80 / 書評数:75
1955年07月
愛国殺人
平均:5.75 / 書評数:16
1955年06月
そして誰もいなくなった
平均:8.69 / 書評数:91
1955年04月
チムニーズ館の秘密
平均:5.43 / 書評数:7
1955年01月
エッジウェア卿の死
平均:6.22 / 書評数:18
1954年12月
ポケットにライ麦を
平均:5.93 / 書評数:14
1954年11月
アリバイ
平均:5.00 / 書評数:2
牧師館の殺人
平均:6.00 / 書評数:12
1954年10月
ホロー荘の殺人
平均:6.13 / 書評数:15
1954年03月
オリエント急行の殺人
平均:7.62 / 書評数:48
1954年01月
忘られぬ死
平均:6.00 / 書評数:9
1951年01月
ゼロ時間へ
平均:6.38 / 書評数:16
三幕の殺人
平均:6.24 / 書評数:21
白昼の悪魔
平均:7.08 / 書評数:24
予告殺人
平均:5.81 / 書評数:21