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mediocrityさん
平均点: 6.22点 書評数: 276件

プロフィール高評価と近い人 | 書評 | おすすめ

No.276 5点 なめくじに聞いてみろ- 都筑道夫 2021/09/23 02:14
12人の殺し屋を1人ずつ殺していくストーリー。1話完結ドラマを1クール12回分見ているような感じでした。
初めの方は楽しく読んでいたのですが、似たような話の繰り返しで正直途中で飽きて来ました。最後の一人もやっぱりという感じだし、おまけの1人もおまけ以上には感じられませんでした。

No.275 8点 赤い猫- 仁木悦子 2021/09/11 13:42
『赤い猫』
安楽椅子探偵もの。推理は所々少し強引に感じましたが、全体としては良い出来だと思います。ストーリー自体も感動的です。
『白い部屋』
同じく安楽椅子探偵もの。最後の動機の部分だけ取って付けたような感じがしますが、それ以外はレベルの高い作品だと思います。
『青い香炉』
これは安楽椅子探偵+犯人当てゲームみたいな感じです。前の2作の強引さはまだ許容範囲でしたが、この作品はちょっと強引すぎるのでは。あと、なぜ停電時に電話を使えたのだろう?
『子をとろ 子とろ』
ちょっと怪奇じみたストーリー。それ以外は普通。
『うさぎさんは病気』
ピアノ教室中に子供が「おばあちゃん死んじゃう」とパニックに。するとちょうどその時間におばあちゃんが溝に落ちて死んでいたという話。謎を消化できるのか心配したが、きれいにまとまる。
『乳色の朝』
誘拐物。短編の割に複雑で面白い。

読んでいる方が推理不能な展開と、「○○さん、あなた発表されていない現場の詳細をどうして知っているのですか?」という状況が少し多い気がしましたが、全体的には密度の高い短編集だと感じました。7.5点くらい、四捨五入して8点で。

No.274 9点 サイコロジカル- 西尾維新 2021/09/04 06:19
前作はシリーズ1,2作目と比べるとかなり小粒でしたが、本作は上下2冊の大作です。
いーちゃんの推理、滅茶苦茶すぎるだろうと思ってたらそういう事でしたか。納得です。
この本はいずれ細かい所まで注意しながら再読したいですね。

No.273 5点 准教授・高槻彰良の推察2 魁夷は狭間に宿る- 澤村御影 2021/08/12 05:26
1作目とそれほど感想は変わりません。メイン2人の過去が明かされる話の方が楽しいです。
ところで、このシリーズどちらが主人公なんでしょう。読み始めた時は尚哉が主人公だと思ってたんですが、題名見るとやはり准教授が主人公になるんですかねえ。

No.272 6点 准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき- 澤村御影 2021/08/08 05:54
人気シリーズらしく現在6巻+番外編1巻が出版されているとのこと。漫画化、ドラマ化もされているようです。
ミステリとしてはかなり弱いですが、もう1~2冊は読んでみたいと思うくらいにストーリーは面白く、人気なのは納得です。

No.271 6点 物狂い- 土屋隆夫 2021/07/30 05:09
文庫本で約500ページの大作。ものすごく丁寧に書かれているが、あまりにも丁寧すぎてちょっとくどい。冒頭200ページは老人の長話を聞かされているような感じで、なかなか読み進む気になれなかった。
殺人事件が起こると一気に面白くなり、残りの300ページは1日で読破。
犯人もわかりやすいし、アリバイトリックも正直それほどでもないが、土田警部と津村刑事の絡みが楽しい。

No.270 7点 真珠郎- 横溝正史 2021/07/17 20:23
<ネタバレあり>


昭和11~12年作。著者の戦後の傑作軍の原型のような作品であり、プロットも謎解きも戦前からレベルが高かったのが確認できる。読んでいる最中は大満足の1冊だった。
ただ読み終わってから考えると、真珠郎(仮)があまりにも完璧に動きすぎのような感じがした。途中、椎名が幻を見ているオチじゃないかと心配するくらい。
ところで、角川の表紙ネタバレしてるのね。
『孔雀屏風』も印象に残る感動的な短編。

No.269 8点 砂の城- 鮎川哲也 2021/07/09 05:16
<ネタバレあり>


犯人の様々な工作の徹底ぶりには苦笑してしまいました。特に雑誌の指紋の件は印象に残りました。やりすぎて墓穴を掘ることになる(レコードとそれを入れるカバンの件)のも面白い。
鉄道アリバイ部分は、新幹線がないというだけで70年代以降の物と随分印象が違って新鮮でした。解説のついていない電子書籍で読んだので加筆・修正に関しての情報が得られなかったんですが、「関西本線経由の方が楽なのに」と指摘されて、加筆して霧で延着させることにしたということなんですかねえ。自分はそちらのルートの方がすぐにわかりましたがどうなんでしょう。
ところで、鉄道のアリバイ崩しものは電子書籍とは相性が良くないですね。5つくらい挿入されていた時刻表を行ったり来たりするのは大変だし、そもそもスマホだと良く見えないし。


作中に登場した謎の歌手ビクター・カーンについてちょっと気になったので調べてみました。
Victor Carneはイギリスのテノールで、1920年代には歌手として活躍しSPも数枚出ています。しかし、若くして引退し、レコード制作側(EMIなど)にまわったようです。戦後は歌手活動も時々やっていたようで、1951年にWestminsterから、作中で言及された『冬の旅』全曲を出しています。Youtubeにあります。

No.268 6点 少女の時間- 樋口有介 2021/07/08 03:54
文章の流れが心地よいから全体の印象は悪くないんですが、事件とその解決自体は正直それほどでもありません。どちらかというと推理よりストーリーを楽しむシリーズなんでしょうね。
主人公が大の女好きで、登場人物の8割くらいは女性なので、このシリーズ初の私には誰が誰だかわからなくなることが多かったです。最後まで見開きで登場人物の確認をしながら読んでいました。

No.267 7点 変身- 東野圭吾 2021/07/02 05:15
ネタもベタだし、プロットも見え見えなのにページターナー。数時間で一気に読んでしまいました。やはり話の展開の仕方がうまいんでしょうねえ。終結に関しても私はきれいな終わり方だと思いました。

No.266 7点 密室の如き籠るもの- 三津田信三 2021/06/30 05:54
<少しネタバレあり>


1作目がイマイチだったので、短編はこのシリーズ向きではないのかと危惧しましたが、2、3作目は普段とは変わった趣向で良かったですね。
ただ、やはり一番良かったのは実質長編に近いページ数の表題作でした。色々こねくり回して、わかってみれば意外なほどシンプルな真実で驚きました。

No.265 6点 ルドルフ・カイヨワの憂鬱- 北國浩二 2021/06/29 11:15
SFの賞を受賞した作品とのことですが、コロナ禍で読むと、十分にありうる話として読めてしまいます。
ハードボイルドはあまり好きでないのですが、主人公の話以外にも複数の話が同時進行しており、最後まで飽きずに読めました。

No.264 4点 京都寺町三条のホームズ- 望月麻衣 2021/06/05 07:41
スマホで「今週の100円ブック」だったので購入。
京都の骨董店を舞台にしたミステリ風ライトノベル。ミステリ:ライトノベル比はせいぜい2:8くらいな感じなので、ミステリを読んでる感じはほとんどなかったです。
第1巻を100円で売って、気に入ったら続編の2~3巻を定価で買ってもらうという売り方なのですが、このシリーズ、現在なんと16巻まで出てるということで、内容よりそちらの方が驚いたかもしれません。

No.263 6点 赤い月、廃駅の上に- 有栖川有栖 2021/06/04 05:32
怪談ということだが、怖いものは少なくて、むしろ泣ける話が多かった印象。
全て鉄道の話なのに、一見鉄道物に見えない『海原にて』の結末が面白かった。

No.262 7点 家政夫くんは名探偵!- 楠谷佑 2021/05/29 07:52
熱血刑事の怜が何気なく呼んだ家事代行サービス。やって来たのは、美人男子大学生の光弥。彼に進行中の難事件の話をすると、あっと言う間に謎を解いてしまいます。 先日読んだ『無気力探偵』とやっていることはそれほど変わりません。
ライトノベルとミステリの中間のような本は多いですが、この作品は、はっきりとライトノベルで、はっきりとミステリだと感じました。

「8時から10時ごろ・・・その3時間」と言ったような誤植や、少し違和感のある表現が散見されます。若い作家さんなのですから校正はしっかりしてあげてほしいですね。

No.261 8点 ハサミ男- 殊能将之 2021/05/25 02:58
<ネタバレあり>


文庫本で約500頁ほどですが、リーダビリティーは高く、一気に読破してしまいました。序盤で叙述トリックであろうということは想像が付くのですが、具体的にどういう仕掛けなのかは想像しにくかった。真実を知った後でさえ、ちょっと状況を整理するのに苦労しました。二重人格の人間を登場させたり、警察関係者を絡めたりして、複雑にしたのが功を奏したと思います。
このジャンルはヒントを与えすぎてバレバレな上に、それ一ネタしか売りがないものが多すぎると常々感じていたので、この作品は珍しい成功例だと感じました。9点付けたいですが、色々と偶然が重なりすぎているのは否めないので8点で。

No.260 8点 無気力探偵 面倒な事件、お断り- 楠谷佑 2021/05/22 23:55
著者はウェブ上の小説投稿サイト「小説家になろう」で人気を博し、高校在学中に本書でデビューしたとのこと。ということはまだ20代前半ですか。
デビュー作以後も年1冊ぺース、現在5冊が単行本化されています。

さて、本書は高2男子の天才探偵、霧島智鶴が難事件を解決していく短編集です。タイトルは無気力探偵ですが、別に普通に動いております。短編という形にはなっていますが、各事件と並行して主人公の複雑な家庭の謎も徐々に解明されていきます。この辺は『ビブリア古書堂の事件手帖』と似てますね。なお全編BL成分が多め。
各話、ネタバレなしで軽く触れます。

第1章 ダイイングメッセージはいつの時代もY
 最初は登場人物紹介と軽い事件です。ダイイングメッセージ解明より、論理的に犯人の行動を洗っていく過程の方が読み物です。
第2章 割に合わない壺のすり替え
 一見女性にしか見えない美少年がレギュラーとして加わります。これが最も良い出来でしょうか。
第3章 限りなく無意味に近い誘拐
 この誘拐劇はよくあるパターンで犯人はわかりやすいですが、犯人の反論を許さない詰めが良いです。
第4章 どことなく無謀なハウダニット
 リアル脱出ゲームで起こった殺人。事件より脱出ゲームの謎解きの方が面白かったかも。
第5章 霧島智鶴のコールドケース
 主人公の複雑な家庭環境の原因となった事件に絡んだ殺人事件が起こります。最後は妙にあっさりとしてますね。

高校時代のデビュー作でこの出来は見事でしょう。採点は若干甘めで。キャラクターにも魅力があって人気が出るのも当然かと感じました。

No.259 7点 魔王城殺人事件- 歌野晶午 2021/05/18 03:51
小学5年生の探偵団ということで、読者もその辺りを想定しているんでしょう。奇をてらった趣向もなく、正攻法の本格推理で、ジュブナイルとしては上出来だと思いました。ただ、この本ですら平均的な小学5年生にはまだ少し難しい気がします。

No.258 6点 黄色い猫の秘密- エラリイ・クイーンJr. 2021/05/16 02:46
1952年、名義貸しのジュブナイル小説(サミュエル・ダフ・マッコイ執筆)で、ジュナの冒険というシリーズの7作目。全10章。
5章までは、見知らぬ街を探検しているだけのごく普通の少年向け小説という感じで、ほとんど何も起こらない。もっとも、後から考えると後半のヒントを色々と撒いてるんだが。
後半は主人公が危ない目にあいながらも、何とか悪い企みを打ち破る。
ジュブナイルだから大筋と黒幕は見えやすいんだけど、主人公が何気なく観察していたことから細かい推理を展開していたのが意外だった。

No.257 7点 体育館の殺人- 青崎有吾 2021/05/09 05:49
殺人は1件のみ。アリバイ、関係者の証言、残されたアイテムから犯人を論理的に絞っていく。かなり地味なストーリーで、小説としては正直あまり面白くはない。まさか傘だけであんなに引っ張るとは。
謎解きは満足だったが、アニメや声優関連と思われる話がいくらなんでもくどすぎると思った。

mediocrityさん
ひとこと
まだミステリ初心者。点数は広めに付けてるので、9点以上も多いですが、2、3点を付ける割合も他の方より高くなっています。
好きな作家
特になし
採点傾向
平均点: 6.22点   採点数: 276件
採点の多い作家(TOP10)
東川篤哉(21)
有栖川有栖(21)
西村京太郎(18)
東野圭吾(14)
横溝正史(11)
歌野晶午(9)
鯨統一郎(8)
西尾維新(7)
三津田信三(7)
江戸川乱歩(7)