皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] スタイルズ荘の怪事件 エルキュール・ポアロ |
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アガサ・クリスティー | 出版月: 1937年01月 | 平均: 5.95点 | 書評数: 39件 |
日本公論社 1937年01月 |
早川書房 1957年01月 |
新潮社 1959年06月 |
東京創元新社 1963年01月 |
角川書店 1971年01月 |
早川書房 2003年10月 |
東京創元社 2021年04月 |
No.19 | 7点 | sophia | 2014/05/30 22:51 |
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処女作およびポアロシリーズ第1作としてはなかなか。 |
No.18 | 6点 | mini | 2014/05/15 10:01 |
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先日に講談社から霜月蒼「アガサ・クリスティー完全攻略」が刊行された、文庫ではなく値段が2970円と個人書評集にしてはちょっとお高い
しかし霜月氏の書評エッセンスなら無料で閲覧できるサイトが有る、御馴染みの『翻訳ミステリー大賞シンジケート』だ、そのサイト内の寄稿としては名物企画の1つだった、現在は連載完了しているが今では過去ログのインデックスも付け加えるなどアフターケアも万全(笑) 霜月蒼氏は元来がハードボイルドなどが中心で本格派一辺倒の方ではないらしく、慶應大学ミス研時代に本格派を本格的に読むようになったらしい本格読者としては遅咲きのタイプだったようだ また御三家に関してはクイーンやカーは読んでいたがクリスティーは若いときは敬遠してたらしい 御三家の読み方には面白い傾向を感じるんだよね、クイーンだけ避けているという読者は非常に少ないが、他の2人は沢山読んでもカーだけ敬遠する読者とクリスティーだけ敬遠する読者に大きくタイプが分かれる印象だ 当サイトに私が始めて訪れた時に既に当サイト内で確固たる地位を占めていた書評者で私も尊敬するTetchyさんもクイーンとカーの書評は数多いのにクリスティーの書評は殆どなされていない 私の独断的推測だが、御三家の中でカーだけを避ける読者は割とクリスティーから入門した方が多い印象でカーは癖が有りそうなので敬遠している感じなのに対して、クリスティーだけ避ける読者の性格としていかにも入門し易い無難なものをわざと避けるようなあるいはコージー的なものに偏見が有るようなタイプの方が多い印象が有る コージー派はアメリカ由来のジャンルで英国作家のクリスティーとは作風が全く違うのだが・・・いや主旨が逸れだしたから止めておこう 霜月蒼氏は典型的な後者のタイプだったようでカーは読んでもクリスティーには手を出さずな人だったみたいだ、その霜月氏が一念発起してクリスティー文庫版完全制覇に挑んだのが今回の書評というわけらしい 早川書房にはクリスティー文庫が存在し旧早川文庫から完全に置き換えてしまった、活字が大きくなったのは良いが装丁がトールボーイサイズなのには賛否両論あるようだ しかし1つだけ旧文庫版よりもクリスティー文庫版の方が優れている点がある、それは通し番号の割り振り方法なのである 旧文庫版では通し番号1番が「そして誰もいなくなった」で有名作に若い番号がふられ、多分刊行順なんだろうけど結果的に売らんかな順みたいになっている(笑) 対してクリスティー文庫版では、全体をポアロもの、マープルもの、T&Tもの、ノンシリーズ、短編集などに分けてそれぞれ発表年代順に通し番号をふっている だから例えば年代順にポアロ登場作の間にマープルものが書かれていた場合はそれを飛ばしてマープルものの通し番号は後回しにするといった手法である 旧文庫版に比べて通し番号順が格段に整理され、最初からほぼ全100冊を想定するなど全集的性格を帯びている文庫だ という事はポアロものの第1作目がクリスティー文庫全体の通し番号の1番であり、霜月氏も最初にこれから書評している、いやと言うより「スタイルズ」こそが作者のデビュー作である 1920年という書かれた年代もあっていかにもなワトスン役の設定や全体に漂う古きカントリーものの雰囲気など古臭さは否めないが、それでも真犯人の設定など後の活躍を匂わせるキラリと光る部分も有って、あぁクリスティーはデビュー時からクリスティーだったんだなと感じさせる |
No.17 | 7点 | あびびび | 2013/11/13 01:59 |
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デビュー作がポアロとヘィスティング大尉の事件だとは知らなかった。ミステリチャンネルで先に見ていたが、ヘィスティングの回想による物語の流れはユーモラスであり、またポアロのイメージも 8割方出来上がっているように思えた。
事件はまさに王道、お金持ちの継母が殺され、それを巡る関係者の思惑と挙動。その家の長男に休暇を誘われたヘィスティングが、たまたま町で再会したポアロに事件解決を依頼するのだが、デビュー作のせいか、ポアロの切れ味はやや鈍い。しかし、さすがミステリの女王のデビュー作!と感心した。 |
No.16 | 5点 | バード | 2013/10/28 13:09 |
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読んでから結構たってからの感想なのでざっくりと、クリスティの中では普通というかビックリ箱要素が低いというかで印象に残りにくい。というか比べられる作品が凄すぎる。 |
No.15 | 4点 | もりしげ | 2013/08/03 15:38 |
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コーヒーやココアの調査をしているときに、実は毒ではなく睡眠薬の痕跡を疑っていたというのは驚かされ、また後に納得させられた部分です。
遺言状の真相についても納得できました。 殺人の方法がやや専門的なものであることも問題ないと思います。 しかし、殺人の犯人について納得できかねます。結局最後の手紙が見つかるまで、犯人がわからないのでは? と思わずにはいられません。 本作の殺害方法であれば、犯行は他の人物でも可能だったはずです。 |
No.14 | 6点 | TON2 | 2013/02/12 18:19 |
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ハヤカワミステリ文庫
ポアロ初登場作品。スタイルズ荘という場所が、いかにも良き大英帝国を感じさせてくれました。 |
No.13 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2012/08/30 11:00 |
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前書き「スタイルズ荘の怪事件」によせては”ネタばれしている”ので先に読まない方が良いと思います。読後(意外な犯人)の印象はだいぶ違ってくると思いますので、前書きがない方がよかったのでは?とつくづく思う次第です。犯人の狙い(仕掛け)は非常に面白いもの(高評価)でしたが、ひとつ好みでない点(私的に大きな減点対象)があり、この評価となりました。ポアロの目的が犯人逮捕以外にもあったりして凝っています。これがデビュー作とは思えませんでしたね。 |
No.12 | 6点 | ミステリ初心者 | 2012/08/16 11:05 |
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ネタバレあります。
犯人が意外でした。話の持って行き方が上手い気がします。この人の作品は、結局忘れてしまったものもありますが、この作品は覚えています。ポアロの行動は良いミスリードで、だまされました。 薬剤師っぽい作品ですが、すこし専門知識が要るような気がします。そこが少しマイナス。 |
No.11 | 6点 | 好兵衛 | 2011/04/23 17:19 |
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犯人は多分分からない。でも、このトリックは好きだ。
という作品です。 これが第一作目、流石の女王ですね。 だましてやろうだましてやろう、 という意欲が伝わってきます。 クリスティーの斬新ないいところが出た 作品ではないでしょうか。 ですが、細かいところをつっこむと犯人は分からないよこれ。 となってしまうところが残念。 あと、犯人に対して嫌いなタブーがひとつ。 ですが、ミスディレクションの使い方は上手ですね。 読後感はいいです。「?」がちゃんと用意されています。 上手くだまされたような気になれます。 |
No.10 | 8点 | E-BANKER | 2011/03/09 21:08 |
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偉大なミステリー作家、A.クリスティの長篇デビュー作。
かつ、「灰色の脳細胞」を持つ名探偵、エルキュール・ポワロの初登場作品。 ~旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングは、到着早々事件に巻き込まれた。屋敷の女主人が毒殺されたのだ。難事件の調査に乗り出したのは、ベルギーから亡命して間もないE.ポワロだった~というのが粗筋。 読後にまず思ったのは、「これがデビュー作?」 さすが、ミステリーの歴史に燦然と輝く作者だけのことはあります。デビュー作とは思えないほどのクオリティ! もちろん、細かい点では不満なところもあります。例えば、薬局でストリキニーネを買ったという場面・・・いくら相手のことを知らないとはいっても、そこまで間違うのかは大いに疑問。毒殺トリックの真相も、その辺りの専門知識なしではやや苦しいかなぁ・・・ まぁ、全体的にはその程度の齟齬は気にならないほどのプロットでしょう。ポワロの発言自体にかなりの伏線が張られている辺りもニクイ・・・ というわけで、ミステリー黄金世代の幕開けを飾る作品として、万人にお勧めできる良作という評価でいいのでは? (ヘイスティングの道化ぶりはなかなか哀愁を誘います。ポワロも後年の作品よりも人間味があって好感が持てる・・・) |
No.9 | 5点 | 江守森江 | 2011/02/12 09:12 |
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スーシェ版ドラマ65作品のDVD&マガジン発売のテレビCMが鬱陶しいのは吹替が熊倉さん(昨年末の紅白歌合戦で「ゲゲゲの鬼太郎」を熱唱)ではないからだろうか?
ポアロのデビュー作にしてスーシェ版ドラマではクリスティー生誕100周年の記念作品でもある。 最初の作品にしてクリスティーらしいのだが、クリスティー作品を数作読んだ程度で読まないと犯人隠蔽技法はデータとしてインプットされていて直ぐに察せてしまう。 その意味でヘイスティングズの節操の無さを楽しむ作品なのかもしれない。 私的にはクリスティー作品及びポアロが好きなのではなく、ジェレミー(声は絶対露口茂)演じるホームズ同様にスーシェ演じるポアロ(字幕でもOK)のキャラが好きだと強く思えた。 ※放送権利切れでチャンネル銀河にポアロ、ホームズを奪われた現状、AXNミステリーの巻き返しはあるのだろうか! |
No.8 | 5点 | HORNET | 2011/01/09 18:19 |
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ポワロのデビュー作。推理が二転・三転して・・・の流れだったのでなんだかややこしかった印象です。ちゃんと理解していないかもしれません。 |
No.7 | 7点 | seiryuu | 2010/11/07 14:26 |
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読みにくくてわかりにくかったけど
凝っているなあと思いました。 この作品のヘイスが好き。 |
No.6 | 6点 | ミステリー三昧 | 2010/08/12 21:20 |
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(激しくネタばれ)<ハヤカワ文庫>記念すべきエルキュール・ポアロの1作目です。
アガサ・クリスティ作品は『そして誰もいなくなった』しか読んでいなかったので、シリーズ物は初体験。デビュー作と言うことで過度な期待は抱いていなかったのですが、意外や意外、なかなか質の高いミステリだったので驚きました。。。 一番印象に残ったことは、ポアロがいちいちオーバーリアクションなことですね。だから重要なシーンが分かりやすい。ポアロの表情の変化に気づき、ヘイスティングズが「どうしたのですか?」と問い質すシーンが結構見受けられました。でも、ポアロは基本ダンマリ姿勢。そのプロットがミステリらしくて、良い味を出していました。ポアロ以外でもいろんな登場人物が何かしらの思い詰めた表情を見せ、しかもその表情の変化にはしっかりとした意味が含まれていました。二度読みの際には、表情の変化に着目して読むとさらに楽しめそうですね。 フーダニットに関しては、作者の狙いがハッキリしていたので分かりやすい方なのでしょうか?私的にはアガサ・クリスティにまんまとやられてしまったこともあり、割と楽しめました。殺人犯の正体、毒殺トリックなどは正直、意外性があるだけで納得できる真相ではないですが、読者に向けられた数々のミスディレクションには唸らされました。犯行計画の裏側では犯人すら予期せぬ「ある企み」が遂行されているため真相がややこしくなっていました。よって殺人事件に全く関係のない手掛かりまで多く分散されている点がミソ。もしかしたらダミー側の真相の方が納得できたかもしれませんが、どちらにしても手抜かりのない上質なミステリとして高く評価できます。同じくミステリの名手として肩を並べるディクスン・カーもそうでしたが、読者を翻弄する技量に長けていそう、というのがアガサ・クリスティの第一印象です。 これから全作品から厳選して15作ほど読む予定ですが、充実したミステリ読みができそうです。「アクロイド殺し」「オリエント急行の殺人」「ナイルに死す」「白昼の悪魔」「ABC殺人事件」などなどタイトルを思い浮かべるだけでワクワクします。アガサ・クリスティを精通した読者からしたら『スタイルズ荘の怪事件』はどの程度の評価なのでしょうか?全然期待していなかった作品だけに気になります。デビュー作だから「しょうがない、読んでやろう」って考えだっただけに思わぬ収穫でした。 (ネタばれ感想) 前書きの「『スタイルズ荘の怪事件』によせて」では、フーダニットに関するヒントが最後に添えられています。それを踏まえ、アガサ・クリスティが狙った試みを自己満で考えてみようと思います。結論としてアガサ・クリスティが狙ったことは ①まず、最も疑わしい人物に読者の目を惹きつける ②そして、惹きつけたのも束の間であっさりと嫌疑の枠から外す ③でも、やっぱり最も疑わしい人物が犯人だった でした。嫌疑の的がアルフレッド・イングルソープに集中するが、ポアロの力で容疑が晴れる。そのプロットがあるために、まんまと「最も疑わしい人物はやっぱり犯人ではない」と読者にミスリードを与えていた点は巧いかと思います。真相編の時点で「最も犯人らしい人物」は「犯人であるはずがない人物」に成り替わっています。そのことが第12章のラスト1行によって覆ってしまうために、驚きの真相と成り得たわけです。また、終始「犯人であるはずがない人物」でしたエヴリン・ハワードが協力していたことも意外です。被害者は二つの裏切りを知った割には冷静すぎる程に意外な展開です。 ですが私的には、意外性はあるけれども説得力に欠ける気がしました。ポアロが見つけた最後の環(決定的な証拠)というのは私には分かりにくい物でした。「あっ」と驚くほどでもなかった気がします。「マントルピースって何だ?」と逆に疑問が浮上してしまって、すんなり納得できる証拠物件でなかったことが大きいです。そもそも、協力プレイも納得できる真相ではないです。アルフレッドとエヴリンが愛で繋がっていたことには驚きましたけど・・・。 トリックに関してですが、法律を逆手に取った犯行計画には唸りました。さらに驚くことにポアロはその計画を早々と見破り、敢えて無罪を主張することで計画をぶち壊していた点も見逃せません。上記の②に関しては(作者による)読者をミスリードさせる狙いと同時に(ポアロによる)犯人を敢えて自由にさせて計画を破綻させる狙いも裏にあった訳です。 またフーダニットと同様、毒に関するトリックも意外性があるけど説得力が弱かったです。難しい知識が必要ですからね。そのことよりも私はコーヒーカップの話題もココアが入った鍋の話題もミスディレクションだったことに驚きました。犯行に全く関与していないメアリ・カヴェンディッシュのせいで、真相が複雑になっていました。事件解決のためにポアロは必死にコーヒーカップやココアの入った鍋を調べていましたからね。それだけに二つとも毒殺トリックには全く関係ない手掛かりだったとは思いもしなかったです。彼の目的は毒物の混入経路を発見することではなく、睡眠薬の混入経路を探すことだったとは、これはもう騙されるのもしょうがない。そもそもポアロの行動そのものがミスディレクションって狡猾な手段ではないか。私は素直に物語を読む方なので、この手法をやられると何回も騙される気がします。 |
No.5 | 5点 | okutetsu | 2010/02/13 20:38 |
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記念すべきクリスティーの処女作にしてポアロの初登場作品です。
が、ミステリー史においてはそれがすべての作品と言ってもいいかもしれません。 つまらないということはないですが往年のクリスティー節はまだまだという感じ。 ただポアロ最後の作品「カーテン」にもスタイルズ荘は出てきますし彼の歴史をたどるには必読の書であることは確かです。 |
No.4 | 5点 | 文生 | 2010/01/23 14:48 |
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クリスティーのデビュー作で、ある有名なトリックが使われている。
ただ、このころのクリスティにはまだ作家としての超絶技巧なテクニックを持ち合わせておらず、中期以降の作品に比べると面白みに欠ける。 |
No.3 | 7点 | 空 | 2009/05/28 21:50 |
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ミステリの女王の第1作は、さすがに後年の作品のような豪快なネタ使いとまではいかず、ある特殊知識をトリックに利用した作品になっています。特殊すぎて読者にわかるはずがないのが不満ではありますが。
とはいえ、すでにいかにもこの作家らしい犯人の意外性は感じられます。分析すれば2つの原理を組み合わせたものですが、そのうちの1つについては、クリスティーは後の作品で何度もバリエーションを書いています。 もう1つの原理は、書かれた当時は相当斬新なアイディアだったのでしょう。別の有名作家も数年後に似たような手を使っていますが、本作の方が意外です。ただし、巻半ばでポアロによって犯人の巧みな狙いは阻止されます。 |
No.2 | 5点 | シュウ | 2008/10/05 18:47 |
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クリスティの記念すべきデビュー作です。
クリスティの文章が拙いのか訳が良くないのかは分かりませんが、後の作品と比べるとちょっと読みにくいです。 謎解きもちょっと納得できない部分もありますが、意義のある作品だということは確か。 |
No.1 | 4点 | あい | 2008/04/19 21:54 |
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はっきりいって・・・解決が納得いかない |